140 / 1,646
ミアの逆鱗
しおりを挟む
同じくらいの歳の子が、自分の意思とは関係のないところで自分の命運を委ねるような賭けに出され、何をするでも無くこの世を去っていたかも知れない。そんな境遇を聞かされたヘラルトは、自分だけでは何もすることが出来ない赤子の命に憤りを感じていた。
「酷い話ですね・・・。子供は親も環境も選ぶことが出来ないというのに、親の身勝手で産み出されても一つの命、人生を背負う覚悟や準備が整っていなければ、ただ不幸になるだけだというのに・・・まるで美談のように・・・」
俯いて拳を握るヘラルトの声は、ツバキの不幸を憂い悲しんでのことか、それとも親の身勝手な行動でこの世に産み落とされたという事への怒りからか、唸り声のような喉から出る声色で震えていた。
「ヘラ・・・」
「できたから産むんですか?欲しいと思ったから産むんですか?そんな軽い覚悟で命を背負っていけるとでも・・・思っているんでしょうか」
彼にも何か思うことがあるのだろう。少年が一人で世界に飛び出し、その日の食事や宿代を稼ぎ、旅をしていくのは容易なことではなかった筈だ。
「だが、あの子は生きておる・・・。神が見捨てなかったのか、運命がまだその時ではないと繋いだのか。ツバキは自分のことについて一切聞いてくる事はなかった。きっとあの子も、薄々気が付いていたのかもしれんな・・・。自分がわしと血の繋がりがないことを」
急に我に帰ったかのような表情をし、いつものヘラルトに戻ると先程とは別人のように温かい声で、ウィリアムのツバキに対する温情を称賛した。
「そのことに気づけているのなら大丈夫です。あの子は救われた恩をきっと忘れません。例え本当の親でなかろうと・・・証明できる繋がりがなかろうと、本当の親子以上の絆で繋がっている筈だと、僕はそう思います」
彼の目を見て、その瞳の奥底にあるであろう乗り越えてきた壁の存在を、幾つもの人生に出会い荒波を越えてきたウィリアムの目が見抜くと、鼻から息を抜き、思いにふけるようにして一度だけ長めの瞬きをして笑う。
「こんなガキに諭されるようじゃぁお終いだな!さて・・・少し長話が過ぎたようだ。もう作業に戻らねぇと。おめぇ等も早く宿の部屋を取りに行かねぇと、無くなっちまうぜ?何せもうすぐレースが開催されるんだ、あちこちから人が集まってんだからな!」
ウィリアムの言葉に慌てて時間を確認するツクヨは、大分時間を費やしてしまったことに気が付き、急ぎヘラルトの手を引きその場を後にする。
「しまった!そうか、レースがあるんだった・・・。急がないとミアにどやされる。行こう!ヘラルト!ウィリアムさん、ありがとうございました!」
後ろを向いて早く行けといった様子で手を振るウィリアムを残し、歩いて来た鉄板の上を走って戻る二人。そして、その様子を物陰から聞き耳を立てていたツバキの姿があった。
その頃、WoF内の異変について情報を集めるために町へと繰り出したシンとミア。観光で訪れた人やイベントの参加者でごった返す人の波を掻き分け、アランの言っていた酒場を巡っていく。
訪れた店々で店員やマスターとの距離が近いカウンター席に座り、適当に一杯頼んでから何か変わったことはないか聞いていくが、何処もレースの話題で持ちきりだった。参加する著名の団体や大物海賊、賞金稼ぎにギャングとシン達の知らない名前が多く挙げられたが、彼らの参加に町の人々は大いに盛り上がっていた。
特に多く挙げられた海賊の名が、“ヘンリー・エイヴリー”という、その界隈では知らぬ者はいないとまで言われている大物海賊の一人で、部下や傘下の多い一大勢力による圧倒的な数でエントリーっしている。
そして同じ海賊でもう一人よく耳にした名前が、“フランソワ・ロロネー”という人物。私利私欲のために凡ゆる残虐で非道な行いをすることで有名だという。エイヴリー程ではないが、自由を貪る彼の生き様に憧れる者も多く、部下の数も大所帯となっている。
町の人々の多くが歓声を送るであろうと言われる賞金稼ぎ“ジャン・ラフィット”は、誰のものでもない財宝しか自分のものとせず、海賊やギャング、凡ゆるならず者達から奪った金銀財宝を、貧しい者達に分け与えるという義賊のような人物。中には彼を英雄と持ち上げ、支援する国や団体が設立される程の人気だという。
ラフィット程ではないが、今若い者達の間で特に人気の高い人物、“ジョン・キング”。若くして海のギャングとなり、その一時代を築いた人物で、様々な方面に顔が利くため、他のギャングや海賊も中々彼に手出しができず、キングの組織はみるみる人員を増やし成長していった。
多くの人物達の名前は聞かされるものの、特にこれといった情報を掴めずにいたシン達は、ある酒場で同じようにカウンター席に座り、マスターから情報を聞き出していた。
「レース以外で、ですか?・・・そうですね、これといって珍しいことや、変わったことは聞かないですね」
「そうですか・・・。人が多く集まれば異変に関する情報も掴めそうなもんだと思ったけど、中々上手くいかないもんだな」
結局シンとミアの二人は、酒場を巡り酒を飲み歩く酒巡りをしてしまっている状態だった。そんな中、酒に気分をよくした別の客がミアに絡んできた。
「おう、姉ちゃん!いい飲みっぷりだな。それに・・・いい女だ。俺に酒を注いでくれよ」
顔を真っ赤にして酔っぱらった男がミアの隣の席に豪快に座ると、カウンターに肘をつき、舐め回すようにミアを見ている。
「お客さん、悪いことは言わない。ウチの店で揉め事は起こさない方が身の為です・・・」
男の見兼ねた態度にマスターが声をかける。すると男は気分を害したように大声で喚き散らして立ち上がる。男の声と椅子の倒れる音に店内の客達の視線が一気に集まり、男の怒りを煽り立てる。
「何だ?喧嘩か?」
「おう!うるせーぞ!やるなら他所でやれ!」
男はマスターの胸を掴むと、自ら海賊であることを名乗り出した。
「オメェ・・・俺が誰だか知ってんのか?俺ぁジョン・ウォード!レースにも出る海賊だぁ!そんで名を上げて世界に俺の存在を知らしめ名乗りを上げるんだぁ!」
男の態度に表情一つ変えないマスターが、冷静に手にしたグラスを拭き終えると、 ゆっくりとカウンターにそれを置いて、男の問いに無慈悲に答える。
「知りませんね、そんな名前。それに貴方ではレースを生きて帰ってくることすら出来ないでしょう。今の内に辞退しておいた方が健全です」
「てめぇ・・・俺を怒らせたな?・・・おい!」
男の掛け声と共に、店の一角を占めていた団体が立ち上がり、椅子や机を蹴り倒しながなカウンターへ集まってくる。それでも退かない客を掴み上げて殴る男の仲間だと思われる集団、そして殴られた方の男も立ち上がり殴り返すと、店の中のあちこちで殴り合いの大乱闘が始まる。
「俺を侮辱したツケは払ってもらうぜぇ・・・」
騒々しくなってしまった店内から出ようと、シンがミアに声を掛けようとした時、彼女は冷静にグラスの中の酒を飲み干すと、マスターにおかわりを要求した。
「マスター・・・もう一杯」
「おい、女・・・。今がどういう状況かわかってんのか?」
マスターから手を離した男が、乱闘で騒々しくなっている店内で、声を荒立てることなくミアに言うと、彼女は意外なことを言い出した。
「酒、飲みたいんだろ?奢ってやるよ・・・」
物や怒号が飛び交う中、このカウンター席だけがまるで別の空間のように鎮まり、男も酒を呷ってからでも遅くないと、倒れた椅子を起こして座り直す。マスターが酒を注ぎ、ミアの前に出すと彼女はグラスをカウンターの上で滑らせ、男の方に酒を寄せる。
男は一度冷静さを取り戻すと、ミアの肩に手を掛けて笑みを溢す。シンにはミアが何を考えているのか理解出来なかった。何故男を冷静にさせたのか、何故酒を奢っているのか。
「先見の明があるな。流石は俺が目をつけた女だ、分かってるじゃぁねぇか」
「触るな・・・」
俯いて小さく囁いた彼女の声に、男もシンも何を言ったのか分からず、思わずミアの顔を覗き込もうとした。
「汚ぇ手で触んなっつったんだ・・・」
「何を言って・・・」
男が何かをいうよりも早くミアはその手を払い除け、男の頭を鷲掴むとカウンター置かれた酒の入ったグラス目掛けて、男の頭を叩きつけた。
「これで満足か!?あぁ!?」
「ぐぁぁぁあああッ!」
ガラスの破片が顔中に突き刺さり流血する男は、顔を押さえながら床に倒れ込みのたうち回ると、ミアは立ち上がって男を見下ろす。
「女、女って五月蝿ぇんだよッ!女だから男に酒を注ぐのかッ!?女だから男の機嫌取りをすんのかッ!?てめぇみてぇなつけ上がった奴が、アタシは一番嫌いなんだよッ!!」
彼女の中にある触れてはいけない逆鱗に触れてしまったかのように、今までにか、それとも過去に溜まっていた鬱憤を男に叩きつけるミアの姿に、彼女の過去を知らないシンは驚きの余り、言葉を失う。
「酷い話ですね・・・。子供は親も環境も選ぶことが出来ないというのに、親の身勝手で産み出されても一つの命、人生を背負う覚悟や準備が整っていなければ、ただ不幸になるだけだというのに・・・まるで美談のように・・・」
俯いて拳を握るヘラルトの声は、ツバキの不幸を憂い悲しんでのことか、それとも親の身勝手な行動でこの世に産み落とされたという事への怒りからか、唸り声のような喉から出る声色で震えていた。
「ヘラ・・・」
「できたから産むんですか?欲しいと思ったから産むんですか?そんな軽い覚悟で命を背負っていけるとでも・・・思っているんでしょうか」
彼にも何か思うことがあるのだろう。少年が一人で世界に飛び出し、その日の食事や宿代を稼ぎ、旅をしていくのは容易なことではなかった筈だ。
「だが、あの子は生きておる・・・。神が見捨てなかったのか、運命がまだその時ではないと繋いだのか。ツバキは自分のことについて一切聞いてくる事はなかった。きっとあの子も、薄々気が付いていたのかもしれんな・・・。自分がわしと血の繋がりがないことを」
急に我に帰ったかのような表情をし、いつものヘラルトに戻ると先程とは別人のように温かい声で、ウィリアムのツバキに対する温情を称賛した。
「そのことに気づけているのなら大丈夫です。あの子は救われた恩をきっと忘れません。例え本当の親でなかろうと・・・証明できる繋がりがなかろうと、本当の親子以上の絆で繋がっている筈だと、僕はそう思います」
彼の目を見て、その瞳の奥底にあるであろう乗り越えてきた壁の存在を、幾つもの人生に出会い荒波を越えてきたウィリアムの目が見抜くと、鼻から息を抜き、思いにふけるようにして一度だけ長めの瞬きをして笑う。
「こんなガキに諭されるようじゃぁお終いだな!さて・・・少し長話が過ぎたようだ。もう作業に戻らねぇと。おめぇ等も早く宿の部屋を取りに行かねぇと、無くなっちまうぜ?何せもうすぐレースが開催されるんだ、あちこちから人が集まってんだからな!」
ウィリアムの言葉に慌てて時間を確認するツクヨは、大分時間を費やしてしまったことに気が付き、急ぎヘラルトの手を引きその場を後にする。
「しまった!そうか、レースがあるんだった・・・。急がないとミアにどやされる。行こう!ヘラルト!ウィリアムさん、ありがとうございました!」
後ろを向いて早く行けといった様子で手を振るウィリアムを残し、歩いて来た鉄板の上を走って戻る二人。そして、その様子を物陰から聞き耳を立てていたツバキの姿があった。
その頃、WoF内の異変について情報を集めるために町へと繰り出したシンとミア。観光で訪れた人やイベントの参加者でごった返す人の波を掻き分け、アランの言っていた酒場を巡っていく。
訪れた店々で店員やマスターとの距離が近いカウンター席に座り、適当に一杯頼んでから何か変わったことはないか聞いていくが、何処もレースの話題で持ちきりだった。参加する著名の団体や大物海賊、賞金稼ぎにギャングとシン達の知らない名前が多く挙げられたが、彼らの参加に町の人々は大いに盛り上がっていた。
特に多く挙げられた海賊の名が、“ヘンリー・エイヴリー”という、その界隈では知らぬ者はいないとまで言われている大物海賊の一人で、部下や傘下の多い一大勢力による圧倒的な数でエントリーっしている。
そして同じ海賊でもう一人よく耳にした名前が、“フランソワ・ロロネー”という人物。私利私欲のために凡ゆる残虐で非道な行いをすることで有名だという。エイヴリー程ではないが、自由を貪る彼の生き様に憧れる者も多く、部下の数も大所帯となっている。
町の人々の多くが歓声を送るであろうと言われる賞金稼ぎ“ジャン・ラフィット”は、誰のものでもない財宝しか自分のものとせず、海賊やギャング、凡ゆるならず者達から奪った金銀財宝を、貧しい者達に分け与えるという義賊のような人物。中には彼を英雄と持ち上げ、支援する国や団体が設立される程の人気だという。
ラフィット程ではないが、今若い者達の間で特に人気の高い人物、“ジョン・キング”。若くして海のギャングとなり、その一時代を築いた人物で、様々な方面に顔が利くため、他のギャングや海賊も中々彼に手出しができず、キングの組織はみるみる人員を増やし成長していった。
多くの人物達の名前は聞かされるものの、特にこれといった情報を掴めずにいたシン達は、ある酒場で同じようにカウンター席に座り、マスターから情報を聞き出していた。
「レース以外で、ですか?・・・そうですね、これといって珍しいことや、変わったことは聞かないですね」
「そうですか・・・。人が多く集まれば異変に関する情報も掴めそうなもんだと思ったけど、中々上手くいかないもんだな」
結局シンとミアの二人は、酒場を巡り酒を飲み歩く酒巡りをしてしまっている状態だった。そんな中、酒に気分をよくした別の客がミアに絡んできた。
「おう、姉ちゃん!いい飲みっぷりだな。それに・・・いい女だ。俺に酒を注いでくれよ」
顔を真っ赤にして酔っぱらった男がミアの隣の席に豪快に座ると、カウンターに肘をつき、舐め回すようにミアを見ている。
「お客さん、悪いことは言わない。ウチの店で揉め事は起こさない方が身の為です・・・」
男の見兼ねた態度にマスターが声をかける。すると男は気分を害したように大声で喚き散らして立ち上がる。男の声と椅子の倒れる音に店内の客達の視線が一気に集まり、男の怒りを煽り立てる。
「何だ?喧嘩か?」
「おう!うるせーぞ!やるなら他所でやれ!」
男はマスターの胸を掴むと、自ら海賊であることを名乗り出した。
「オメェ・・・俺が誰だか知ってんのか?俺ぁジョン・ウォード!レースにも出る海賊だぁ!そんで名を上げて世界に俺の存在を知らしめ名乗りを上げるんだぁ!」
男の態度に表情一つ変えないマスターが、冷静に手にしたグラスを拭き終えると、 ゆっくりとカウンターにそれを置いて、男の問いに無慈悲に答える。
「知りませんね、そんな名前。それに貴方ではレースを生きて帰ってくることすら出来ないでしょう。今の内に辞退しておいた方が健全です」
「てめぇ・・・俺を怒らせたな?・・・おい!」
男の掛け声と共に、店の一角を占めていた団体が立ち上がり、椅子や机を蹴り倒しながなカウンターへ集まってくる。それでも退かない客を掴み上げて殴る男の仲間だと思われる集団、そして殴られた方の男も立ち上がり殴り返すと、店の中のあちこちで殴り合いの大乱闘が始まる。
「俺を侮辱したツケは払ってもらうぜぇ・・・」
騒々しくなってしまった店内から出ようと、シンがミアに声を掛けようとした時、彼女は冷静にグラスの中の酒を飲み干すと、マスターにおかわりを要求した。
「マスター・・・もう一杯」
「おい、女・・・。今がどういう状況かわかってんのか?」
マスターから手を離した男が、乱闘で騒々しくなっている店内で、声を荒立てることなくミアに言うと、彼女は意外なことを言い出した。
「酒、飲みたいんだろ?奢ってやるよ・・・」
物や怒号が飛び交う中、このカウンター席だけがまるで別の空間のように鎮まり、男も酒を呷ってからでも遅くないと、倒れた椅子を起こして座り直す。マスターが酒を注ぎ、ミアの前に出すと彼女はグラスをカウンターの上で滑らせ、男の方に酒を寄せる。
男は一度冷静さを取り戻すと、ミアの肩に手を掛けて笑みを溢す。シンにはミアが何を考えているのか理解出来なかった。何故男を冷静にさせたのか、何故酒を奢っているのか。
「先見の明があるな。流石は俺が目をつけた女だ、分かってるじゃぁねぇか」
「触るな・・・」
俯いて小さく囁いた彼女の声に、男もシンも何を言ったのか分からず、思わずミアの顔を覗き込もうとした。
「汚ぇ手で触んなっつったんだ・・・」
「何を言って・・・」
男が何かをいうよりも早くミアはその手を払い除け、男の頭を鷲掴むとカウンター置かれた酒の入ったグラス目掛けて、男の頭を叩きつけた。
「これで満足か!?あぁ!?」
「ぐぁぁぁあああッ!」
ガラスの破片が顔中に突き刺さり流血する男は、顔を押さえながら床に倒れ込みのたうち回ると、ミアは立ち上がって男を見下ろす。
「女、女って五月蝿ぇんだよッ!女だから男に酒を注ぐのかッ!?女だから男の機嫌取りをすんのかッ!?てめぇみてぇなつけ上がった奴が、アタシは一番嫌いなんだよッ!!」
彼女の中にある触れてはいけない逆鱗に触れてしまったかのように、今までにか、それとも過去に溜まっていた鬱憤を男に叩きつけるミアの姿に、彼女の過去を知らないシンは驚きの余り、言葉を失う。
0
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
華音 楓
ファンタジー
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられtた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
私異世界で成り上がる!! ~家出娘が異世界で極貧生活しながら虎視眈々と頂点を目指す~
春風一
ファンタジー
『いーわよ、そこまで言うならもう、親子の縁なんて切ってやる!! 絶対に成功するから、今に見てなさいよ!!』
如月風歌は、考えるより先に行動する脳筋少女。中学の卒業式の日に、親と大喧嘩し、その勢いで家出する。時空航行船のチケットを握りしめ、着の身着のまま&ほぼ無一文で、異世界に向かっていった。
同じ地球でありながら、魔法で発展した平行世界エレクトラ。この世界に来たのは『シルフィード』と呼ばれる、女性だけがなれる『超人気職業』に就くためだ。
上位階級のシルフィードは、トップアイドルのような存在。また、絶大な人気・知名度・影響力を持ち、誰からも尊敬される、人生の成功者。巨万の富を築いた者も、少なくはない。
だが、お金もない・人脈もない・知識もない。加えて、女子力ゼロで、女らしさの欠片もない。全てがゼロからの、あまりにも無謀すぎる挑戦。しかも、親から勘当を言い渡され、帰る場所すらない状態。
夢に燃えて、意気揚々と異世界に乗り込んだものの、待ち受けていのは、恐ろしく厳しい現実と、パンと水だけの極貧生活だった。
『夢さえ持っていれば、気合さえあれば、絶対に上手くいく!!』と信じて疑わない、脳筋でちょっとお馬鹿な少女。だが、チート並みのコミュ力(無自覚)で、人脈をどんどん広げて行く。
ほのぼの日常系。でも、脳筋主人公のため、トラブルが発生したり、たまにシリアスだったり、スポ根っぽい熱い展開も……。
裸一貫から成り上がる、異世界シンデレラストーリー。
私とお母さんとお好み焼き
white love it
経済・企業
義理の母と二人暮らしの垣谷操。貧しいと思っていたが、義母、京子の経営手腕はなかなかのものだった。
シングルマザーの織りなす経営方法とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる