World of Fantasia

神代 コウ

文字の大きさ
上 下
92 / 1,646

屍の方舟

しおりを挟む
シンが気がついた、シュトラールの違和感とは、ミアと同じく、彼もまたダブルクラスなのではないかということだった。

「そうかッ・・・。 今まで彼の強さに圧倒されて忘れていたけど、もう一つクラスに就いているのなら、これまでの異変にも説明がつくかもしれない・・・」

ダブルクラスとは、読んで字の如く二つのクラスに属していることだ。

例えばミアなら、ガンスリンガーと錬金術士というように、メイン火力のクラスに補助のクラスをつけることにより、弾の精製や特殊弾を作ったり、錬金術の四大元素やその土地特有の属性を引き出すことにより、属性攻撃が可能となる。

シュトラールのあの強さは、単純に聖騎士だけのものと考えるには、些か不明な点が多い。

「なら彼の・・・シュトラールのもう一つのクラスとは一体・・・? あの足技や握力の強さ・・・武術系のクラスだろうか・・・」

ツクヨを片手で持ち上げてしまうほどの握力に加え、ミアやイデアールを吹き飛ばしたように強烈な足技を持っていること、それに単純な身体能力の高さから、近接戦闘を得意とするクラスは、かなり有力な候補と言えるだろう。

「アイツ・・・、自分の影に何かしてたんだ・・・。 きっと俺の受けた攻撃は、奴の影に干渉したから食らってしまったんだと思う・・・」

「影に・・・?」

「あぁ・・・、影に何か呪術のようなスキルを使ったんだろう・・・。 呪術士や妖術士・・・魔術系のクラスだと俺は思う・・・」

シンの言う、影に何か細工をしていたということから、ツクヨもシュトラールのおかしな行動に、いくつか心当たりが思い浮かぶ。

剣技・昇竜を空中で食らう間際、彼は何かを懐から取り出し攻撃の範囲外に投げていたこと。

そして、遠くにいたミアを道場に引きづり出した時、札のようなものと人形の紙、そしてミアの銃弾を一箇所に集めて光を放っていたこと。

彼の中だけでは、それらで何のクラスであるのか特定するには、WoFの知識が少なすぎる為、シンに入り得た情報を開示するツクヨ。

「札・・・、そうッ! 君はキョンシーっていう中国のゾンビだか妖怪みたいなものを知ってるかい? アレに貼られているような、文字の沢山書いてある札や、人形にくり抜かれた紙を使ってた・・・。 これらで何か思い当たるものはあるかい?」

「札・・・それに人形の紙というのは、呪術でよく用いられる道具だ。 それに・・・影や対象の所有物・・・。 ッ・・・!!」

彼は何かを思い出したかのような表情をする。

「呪術士や妖術士といった可能性は捨てきれないが・・・、奴のもう一つのクラスは、“陰陽師”かもしれないッ・・・」

陰陽師とは、祈祷や占術、呪術などを用いて天災や禍を予知し祓ったり、対象に呪いをかけるなど、現実でも日本や中国などで実在したともいわれている。

WoFにおける陰陽師も、俗に言われる占術や呪術は勿論のこと、式神と呼ばれる鬼や霊魂、モンスターなどを使役する、召喚士に似た芸当もできる。

様々なことが行え、一見強力なクラスにも思えるがその反面、準備に時間がかかったり術に必要な道具があったり、式神に至ってはダメージが術者に返ってきたりなどデメリットも多く存在する。

「陰陽師・・・」

「その名の通り、陰と影・陽と光も扱えることから、俺の影を利用した呪術、それに聖騎士の光をより強力なものとすることだって可能だろう・・・。 それに城にいたって言う“空っぽの騎士”だって、奴による式神の一種とも考えられる」

シンに肩を貸しながら、何とかシャルロットとミアの元に辿り着くシンとツクヨ。

「二人ともッ! 大丈夫なの!?」

「私は大丈夫だが・・・シン君は・・・」

彼の腕を回し、肩から外すと、身体を支えながらシンを壁にかけ座らせる。

「どうだろうな・・・。 もう素早く動くことは出来ないかもしれない・・・。外傷の方は回復できるだろうが、ダメージは・・・」

「できる限りの対処はしてみます! 」

聖騎士であるシャルロットもまた、光属性の能力を扱えるようで、彼女が宿した力はヒール能力と言われる“回復”の力だった。

しかし、回復を専門とするクラス程の能力はなく、あくまで戦線復帰が可能なレベルまで体力を回復したり、ちょっとした補助効果の付与、状態異常の治療を少しできる程度で、彼女一人で全員を全快にすることは不可能だ。

「なぁ、シャルロット・・・。 シュトラールは、二つのクラスに就いていたりするのかい?」

彼女も聖騎士として任に就いていたであろうことから、何か情報を得られないだろうかと質問するツクヨだったが、彼女もシュトラールのことについては知らないが、可能性を高める情報は持っていた。

「分からない・・・。 多分、聖騎士の誰も彼のことは分からないと思うわ・・・。 でも、隊長の三人はそれぞれ、聖騎士とは別にもう一つクラスに就いているのは確かだわ」

「隊長達・・・」

それを聞き、今シュトラールと戦っているイデアールの方へ一度だけ目をやるシンとツクヨ。

「イデアールさんは“ランサー”、リーベさんは“狩人”、そしてシャーフは“侍”のクラスを持っていたはず・・・」

「それじゃぁシュトラールがダブルクラスであっても、不思議ではない・・・?」

シャルロットは頷く。

これによりシンの仮説が現実味を増していった。

「シン君・・・やはり、君の言った通り・・・」

「しかし・・・分かったところで、俺達にどうこう出来る相手だろうか・・・」

ツクヨもシャルロットも、彼の一言に言葉を失う。

シンの言ったことは最もなことで、彼らがシュトラールのクラスを知ったところで、それをどうにか出来る程の戦力が無いことは、誰の目にも明らかだった。

そんな彼らの側に、爆発でも起きたかのような音と勢いで、イデアールが外壁へと吹き飛ばされ、今度は光の剣の追い打ちにより、両腕を壁に貼り付けにされてしまう。

「ぐぁぁぁあああああッ!!」

瓦礫や土煙から頭を守るように、片腕で顔を覆っていたシャルロットが、彼の悲痛な叫びに声を上げる。

「イデアールさんッ!!」

すると、遠くの方でシュトラールがどこかに向かって歩いて行くと、何かを引っ張り出し、一行の元へそれを投げつけてきた。

「お前達が起死回生の奇跡を起こすのならば、誰よりも蘇生させなければならない奴がいるだろう・・・」

彼は、それが彼らの元へ落ちていくと、その表情を絶望のものへと変えるのを見て、口角をゆっくりと上げる。

「蘇生・・・できれば・・・、だがな」

彼の存在を未だ見ておらず、その絶望的な状態を知らない彼女は、そこで初めて恩師の姿を目の当たりにする。

それは、仲間たちを失い、共に剣術を学び兄妹のように育ってきた男に裏切られ、打ちのめされた彼女には、あまりにも残酷な仕打ち。

目の前で、冷たい肉塊へと変わり果て、生気を感じない人生の師にして、彼女に様々なものを見せてくれ与えてくれた、親同然の朝孝の信じられない姿に、自然と涙が溢れ止まらなかった。

「・・・せ・・・先・・・生・・・?」

ツクヨが彼女の心に深い傷を残すかもしれないと、何よりも危惧していたことを、シュトラールは意図的に再現してみせた。

大切なものを目の前で失う気持ちを、誰よりも痛く深く身に染みて理解していたツクヨは、まるでそれが自分のことのように、それまでの彼が理性的であったのが嘘のように感情を露わにして、怒りの咆哮を上げた。

「・・・シュトラールッ・・・・・貴様ぁぁあああッ!!!」

地面が陥没しひび割れるほど強い力で、まるでジェット機が真横を突き抜けていったかのような勢いで、抜刀しシュトラールへと斬りかかっていったツクヨ。

シュトラールは光の剣でそれを受け止めると、お互い鍔迫り合いの中で鋭い眼光をぶつけ合うと、シュトラールは自らの剣を蹴り上げ、ツクヨの剣を弾き、大気を巻き込むような回転から放たれる回し蹴りを、ツクヨの腹に打ち込む。

イデアールの時とは比べ物にならない勢いで、吹き飛ばされるツクヨは、別の剣を取り出し地面に突き刺して、勢いを殺そうとするが、多少スピードは落ちたものの剣の方が耐えられず折れてしまい、外壁を突き破る。

「いやぁぁぁあああああッ!!」

放心状態だったシャルロットが、現状の情報を整理しだし理解すると、目を覆いたくなる光景に頭を抱えて絶叫する。

「・・・シャ・・・シャルロット・・・」

壁に両腕を貼り付けにされているイデアールは、彼女の泣き叫ぶ姿に、自分の目指してきた正義や理想、大志はこのような者を一人でも多く救うためだと突き進んできたというのに、その正義を、光を、理想を魅せてくれた男が今、真逆の光景を魅せているいることに、誰かを信じ寄りかかった理想が所詮、虚像・偶像に過ぎなかった、ただ自分は利用されただけなのだと悟る。

叫び声に喉を枯らした彼女が、ゆっくりと立ち上がり、身につけた剣に手を伸ばす。

「貴方の正義とは、こういうことなの・・・? 気に入らないものを排除して、納得しないものを切り捨てて・・・、理解し得ない夢を抱くものを犠牲にして・・・。 これのどこにッ! こんな現実の先にッ!! どんな正義があるっていうのッ!!!」

剣を抜いたシャルロットが、シュトラールへ斬りかかるが、彼女の手を素手で弾き、その剣を奪うと、シュトラールはその剣で彼女を突き刺した。

「・・・あぁ・・・」

シュトラールは剣を突き刺したまま、己の正義と平和のあり方を答弁する。

「その通りだ。 我々の理想・・・黄金郷への航路と道を違えた者達とは、一生理解し合うことなどあり得ない。 そして、目的地の違う者達を舟に乗せることも出来ない。 我々は、その者達の犠牲・・・屍で舟を大きくし、先へと進む」

虚行く彼女の瞳をゆっくりと見つめるシュトラール。

「お前達の“死”が、ユスティーチを大きくし、より輝かしく正義への道を照らし出すのだ・・・」

「・・・嘘よ・・・、そんなの・・・あまりに・・・」

「真実の見えないものには、それが真実であるとは理解できまい・・・。 それがお前達の中にある“悪”だ・・・」

彼女の身体から剣を引き抜くシュトラールと、冷酷で残酷な茨の支えを失って崩れ落ちるシャルロットの光景が、まるで時がゆっくりと進んでいるかのように、その場にいた者達の目に痛烈に焼き付けられた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜
ファンタジー
「こんなハズレ勇者など、即刻摘み出せ!!!」  某大学に通う俺、如月湊(きさらぎみなと)は漫画や小説とかで言う【勇者召喚】とやらで、異世界に召喚されたらしい。  お約束な感じに【勇者様】とか、【魔王を倒して欲しい】だとか、言われたが--------  ステータスを開いた瞬間、この国の王様っぽい奴がいきなり叫び出したかと思えば、いきなり王宮を摘み出され-------------魔物が多く生息する危険な森の中へと捨てられてしまった。  後で分かった事だが、どうやら俺は【生産系のスキル】を持った勇者らしく。  この世界では、最下級で役に立たないスキルらしい。    えっ? でも、このスキルって普通に最強じゃね?  試しに使ってみると、あまりにも規格外過ぎて、目立ってしまい-------------  いつしか、女神やら、王女やらに求婚されるようになっていき…………。 ※前の作品の修正中のものです。 ※下記リンクでも投稿中  アルファで見れない方など、宜しければ、そちらでご覧下さい。 https://ncode.syosetu.com/n1040gl/

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷

くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。 怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。 最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。 その要因は手に持つ箱。 ゲーム、Anotherfantasia 体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。 「このゲームがなんぼのもんよ!!!」 怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。 「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」 ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。 それは、翠の想像を上回った。 「これが………ゲーム………?」 現実離れした世界観。 でも、確かに感じるのは現実だった。 初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。 楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。 【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】 翠は、柔らかく笑うのだった。

生産職から始まる初めてのVRMMO

結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。 そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。 そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。 そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。 最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。 最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。 そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!  詳細は近況ボードに載せていきます! 「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」 特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。 しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。 バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて―― こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。

処理中です...