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反撃の狼煙
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銃弾は音をたてることなく、シュトラール目掛けて飛んでいく。
しかし、銃弾は突如彼の周りに光と共に現れた、自動で動く光の剣によって防がれてしまう。
「おいおい・・・嘘だろッ・・・。 何だありゃ・・・」
二人が戦っている間に、近くの高所からシュトラールを無音の弾丸で狙撃したミアだったが、彼女の不安は銃弾に乗せられ、“失敗した”という結果としてミアの眼前に入ってきた。
「マズイ・・・折角の不意打ちがッ・・・」
ミアは直ぐにその場を離れ、シュトラールに位置を悟られないよう、別の狙撃ポイントへ移動する。
だが銃弾を防いだシュトラールは、ツクヨの頭から手を離し、ミアが銃弾を撃った場所を鋭い目つきで睨みつける。
「連中がここに来た時の人数は四人・・・、二人は今ここに居て、一人は騎士のシャルロット。 ・・・最後の一人は、ガンスリンガーの女。気配を悟られぬ弾丸とは・・・いいスキルを持っているじゃぁないか」
シュトラールは何故かミアの位置を特定していた。
実体化している光の剣で弾いたせいで、弾痕ではミアの位置は分からない上に、音による探知も不可能だというのに。
「ミア・・・いつの間にあんなスキルを・・・。 だが、何故防がれた? 音も無い銃弾をどうやって・・・?」
シンは光の鎖を避けながら、自身を自動追尾する鎖がどうやってシンを捉えているのか、ミアの無音の銃弾を何故シュトラールは防げたのかを考えていた。
索敵とは、五感と言われる感覚、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚によって行われることが殆どであり、例外として第六感と言われる、その人の経験や知識による感や予知、虫の知らせなどといったものがある。
視覚は、言わずもながら見て索敵するやり方で、リーベが狩人の力でミアを索敵したように、足跡などの痕跡でターゲットを追い詰める方法もある。
聴覚もそのまま、音による索敵の方法。
嗅覚は、ルーフェン・ヴォルフの幹部の一人、ナーゼが行なっていた匂いによる索敵方法で、ミアのように銃を扱う相手だと火薬の匂いなどで索敵されてしまう。
味覚・触覚は、それ単体では索敵の効果は薄いが、第六感の経験や知識、または予知にも役立つ情報を得ることができる。
シュトラールの場合、どれに当てはまるだろうかと考えた場合、シンを追う自動追尾に関して彼は一切見ることなく関与もしていないことから、視覚で追っていない。
ミアの無音の銃弾を防いだことから、聴覚で索敵もしていない。
嗅覚に関しては、ミアのいる位置まで匂いで特定するとなると相当な嗅覚が必要であり、シュトラールがそこまで鼻を使っている様子も見受けられないことから、やや考えづらい索敵方法だ。
味覚で探っている様子もなければ、触覚に至っては全く分からない。
単純に考えれば、シュトラールの経験や知識、彼の感などといった第六感である可能性が非常に高い。
「これは、重要なことだ・・・。 奴との戦闘において、もっとも重要なこと・・・」
シンは弾かれると分かっていながらも、何か手掛かりを掴もうと、鎖を避けながら短剣をシュトラール目掛けて、いくつも投げる。
「無駄だ。 お前はいずれ疲労し避けきれなくなる。私が直接手を下さなくとも、終わりは見えている」
哀れなものを見るような目でシンを見た後、シュトラールは再度、ツクヨを掴み上げようとする。
頭を抑え、うずくまるツクヨは、シュトラールの行動に気がつくと、必死に力を振り絞り咄嗟に後方へと飛びのくと、呼吸と体勢を整える。
「はぁ・・・はぁ・・・。 まるで、化け物にでも掴まれたかのようだッ・・・! もう、捕まりたくないものだね・・・」
「お前のスピードでは私にはついてこれまい・・・。 おまけに疲弊しているのだから、尚のことだ」
再び剣を握り、痛々しくも、それでも尚戦いを挑むツクヨ。
だが、シンは先ほどの短剣の投擲で、小さなこと、もしかしたら見間違いかもしれないような些細なことだが、シュトラール攻略の糸口を見つけていた。
「気のせいか・・・? 奴の髪が少し、不自然に動いたような気がしたが・・・」
それは、例え相手がシュトラールであっても、気にするにはあまりに些細なこと。
それでも、やっと掴んだ僅かな可能性を話すわけにはいかなかった。
「試してみる価値はある・・・。奴はもう俺に興味を示していない。 出来ればミアとツクヨで、奴の隙を作ってくれた時がいい・・・、その時が勝負どころだッ・・・」
シンは、ツクヨとミアがシュトラールの隙を作ってくれることを信じ、その時が来るまで、今は光の鎖の追尾を避けることに専念する。
シュトラールは再度、ツクヨの周りをグルグルと周る光の剣を出現させる。
「これを捌き切らなければ、お前はここまでだろうな・・・」
「さっきは不意をつけれたが・・・、今度はそうはいかないッ・・・!」
剣が背中に隠れるほど、腕を右から左へと曲げ、思い切り横に斬り込みを入れるような構えをとるツクヨ。
彼目掛けて最初の1本目の剣が発射されると、ツクヨはこれを飛んで避ける。
「悪手だな・・・、空中では避けられないぞ」
「避けるんじゃないさッ・・・」
ツクヨは構えた横薙ぎの一閃を地面に向けて放つと、空かさず今度は縦に一閃を放ち、地面に十字の斬れ込みを入れる。
すると、斬れ込みから何かが吹き出るように爆発が巻き起こる。
「これはッ・・・!?」
爆発は広範囲に渡り、ツクヨを囲んでいた光の剣は一気に弾け、辺りへ爆風を撒き散らす。
「彼女の・・・シャルロットの手伝いで、何度かクエストというのをこなして来た・・・。 私が学んだのは、何もこの世界のことだけではないッ・・・」
土煙の中から姿を表したツクヨが一期活性にシュトラールへ斬りかかる。
シュトラールの前で一周回転すると、遠心力を利用した重たい横薙ぎを振り抜くツクヨだが、それは彼が手にしている光の剣によって防がれる。
「ッ・・・!」
防いだにも関わらず、止まらぬツクヨの動きに異変を感じたシュトラールは、彼が剣を二本持っているのを目にすると、飛び退いて二撃目の横薙ぎを躱す。
「悪手を取ったのは貴方の方だ・・・、騎士の王ッ・・・!」
煙の中から飛び出したシュトラール。
地から足が離れている体勢の彼に、音の無い銃弾が襲いかかる。
「くッ・・・! なるほど、彼女に繋げた攻撃だったという訳か・・・」
不意を突かれたものの、シュトラールはまたしても自分の周りに出現させた浮遊する光の剣によって、ミアの銃弾を防いでみせる。
「だが・・・、残念だったな」
どんなに策を巡らせようと、どんなに不意を突こうと読まれてしまい、彼にまともな攻撃すら与えることの出来ない戦況に、焦りや不安といった、絶望の表情を浮かべるツクヨとミア。
しかし・・・。
地面に着地しようかというシュトラールの影が、徐々に色濃くなっていくと、その影の中から何かが出てくる。
彼がそれに気がついた時には、既にガードの体勢を取るような時間はなく、自分の影から飛び出してきた何かによって、重い一撃を貰っていた。
「ぐッ・・・!! 貴様ッ・・・どうやってここにッ・・・!?」
影から現れたシンによっと、漸く初めての一撃がシュトラールへと入る。
しかし、銃弾は突如彼の周りに光と共に現れた、自動で動く光の剣によって防がれてしまう。
「おいおい・・・嘘だろッ・・・。 何だありゃ・・・」
二人が戦っている間に、近くの高所からシュトラールを無音の弾丸で狙撃したミアだったが、彼女の不安は銃弾に乗せられ、“失敗した”という結果としてミアの眼前に入ってきた。
「マズイ・・・折角の不意打ちがッ・・・」
ミアは直ぐにその場を離れ、シュトラールに位置を悟られないよう、別の狙撃ポイントへ移動する。
だが銃弾を防いだシュトラールは、ツクヨの頭から手を離し、ミアが銃弾を撃った場所を鋭い目つきで睨みつける。
「連中がここに来た時の人数は四人・・・、二人は今ここに居て、一人は騎士のシャルロット。 ・・・最後の一人は、ガンスリンガーの女。気配を悟られぬ弾丸とは・・・いいスキルを持っているじゃぁないか」
シュトラールは何故かミアの位置を特定していた。
実体化している光の剣で弾いたせいで、弾痕ではミアの位置は分からない上に、音による探知も不可能だというのに。
「ミア・・・いつの間にあんなスキルを・・・。 だが、何故防がれた? 音も無い銃弾をどうやって・・・?」
シンは光の鎖を避けながら、自身を自動追尾する鎖がどうやってシンを捉えているのか、ミアの無音の銃弾を何故シュトラールは防げたのかを考えていた。
索敵とは、五感と言われる感覚、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚によって行われることが殆どであり、例外として第六感と言われる、その人の経験や知識による感や予知、虫の知らせなどといったものがある。
視覚は、言わずもながら見て索敵するやり方で、リーベが狩人の力でミアを索敵したように、足跡などの痕跡でターゲットを追い詰める方法もある。
聴覚もそのまま、音による索敵の方法。
嗅覚は、ルーフェン・ヴォルフの幹部の一人、ナーゼが行なっていた匂いによる索敵方法で、ミアのように銃を扱う相手だと火薬の匂いなどで索敵されてしまう。
味覚・触覚は、それ単体では索敵の効果は薄いが、第六感の経験や知識、または予知にも役立つ情報を得ることができる。
シュトラールの場合、どれに当てはまるだろうかと考えた場合、シンを追う自動追尾に関して彼は一切見ることなく関与もしていないことから、視覚で追っていない。
ミアの無音の銃弾を防いだことから、聴覚で索敵もしていない。
嗅覚に関しては、ミアのいる位置まで匂いで特定するとなると相当な嗅覚が必要であり、シュトラールがそこまで鼻を使っている様子も見受けられないことから、やや考えづらい索敵方法だ。
味覚で探っている様子もなければ、触覚に至っては全く分からない。
単純に考えれば、シュトラールの経験や知識、彼の感などといった第六感である可能性が非常に高い。
「これは、重要なことだ・・・。 奴との戦闘において、もっとも重要なこと・・・」
シンは弾かれると分かっていながらも、何か手掛かりを掴もうと、鎖を避けながら短剣をシュトラール目掛けて、いくつも投げる。
「無駄だ。 お前はいずれ疲労し避けきれなくなる。私が直接手を下さなくとも、終わりは見えている」
哀れなものを見るような目でシンを見た後、シュトラールは再度、ツクヨを掴み上げようとする。
頭を抑え、うずくまるツクヨは、シュトラールの行動に気がつくと、必死に力を振り絞り咄嗟に後方へと飛びのくと、呼吸と体勢を整える。
「はぁ・・・はぁ・・・。 まるで、化け物にでも掴まれたかのようだッ・・・! もう、捕まりたくないものだね・・・」
「お前のスピードでは私にはついてこれまい・・・。 おまけに疲弊しているのだから、尚のことだ」
再び剣を握り、痛々しくも、それでも尚戦いを挑むツクヨ。
だが、シンは先ほどの短剣の投擲で、小さなこと、もしかしたら見間違いかもしれないような些細なことだが、シュトラール攻略の糸口を見つけていた。
「気のせいか・・・? 奴の髪が少し、不自然に動いたような気がしたが・・・」
それは、例え相手がシュトラールであっても、気にするにはあまりに些細なこと。
それでも、やっと掴んだ僅かな可能性を話すわけにはいかなかった。
「試してみる価値はある・・・。奴はもう俺に興味を示していない。 出来ればミアとツクヨで、奴の隙を作ってくれた時がいい・・・、その時が勝負どころだッ・・・」
シンは、ツクヨとミアがシュトラールの隙を作ってくれることを信じ、その時が来るまで、今は光の鎖の追尾を避けることに専念する。
シュトラールは再度、ツクヨの周りをグルグルと周る光の剣を出現させる。
「これを捌き切らなければ、お前はここまでだろうな・・・」
「さっきは不意をつけれたが・・・、今度はそうはいかないッ・・・!」
剣が背中に隠れるほど、腕を右から左へと曲げ、思い切り横に斬り込みを入れるような構えをとるツクヨ。
彼目掛けて最初の1本目の剣が発射されると、ツクヨはこれを飛んで避ける。
「悪手だな・・・、空中では避けられないぞ」
「避けるんじゃないさッ・・・」
ツクヨは構えた横薙ぎの一閃を地面に向けて放つと、空かさず今度は縦に一閃を放ち、地面に十字の斬れ込みを入れる。
すると、斬れ込みから何かが吹き出るように爆発が巻き起こる。
「これはッ・・・!?」
爆発は広範囲に渡り、ツクヨを囲んでいた光の剣は一気に弾け、辺りへ爆風を撒き散らす。
「彼女の・・・シャルロットの手伝いで、何度かクエストというのをこなして来た・・・。 私が学んだのは、何もこの世界のことだけではないッ・・・」
土煙の中から姿を表したツクヨが一期活性にシュトラールへ斬りかかる。
シュトラールの前で一周回転すると、遠心力を利用した重たい横薙ぎを振り抜くツクヨだが、それは彼が手にしている光の剣によって防がれる。
「ッ・・・!」
防いだにも関わらず、止まらぬツクヨの動きに異変を感じたシュトラールは、彼が剣を二本持っているのを目にすると、飛び退いて二撃目の横薙ぎを躱す。
「悪手を取ったのは貴方の方だ・・・、騎士の王ッ・・・!」
煙の中から飛び出したシュトラール。
地から足が離れている体勢の彼に、音の無い銃弾が襲いかかる。
「くッ・・・! なるほど、彼女に繋げた攻撃だったという訳か・・・」
不意を突かれたものの、シュトラールはまたしても自分の周りに出現させた浮遊する光の剣によって、ミアの銃弾を防いでみせる。
「だが・・・、残念だったな」
どんなに策を巡らせようと、どんなに不意を突こうと読まれてしまい、彼にまともな攻撃すら与えることの出来ない戦況に、焦りや不安といった、絶望の表情を浮かべるツクヨとミア。
しかし・・・。
地面に着地しようかというシュトラールの影が、徐々に色濃くなっていくと、その影の中から何かが出てくる。
彼がそれに気がついた時には、既にガードの体勢を取るような時間はなく、自分の影から飛び出してきた何かによって、重い一撃を貰っていた。
「ぐッ・・・!! 貴様ッ・・・どうやってここにッ・・・!?」
影から現れたシンによっと、漸く初めての一撃がシュトラールへと入る。
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