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神代 コウ

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届かぬ想い

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イデアールの守る城門が、シンによって切り開かれたことにより、何とか聖都入りを果たすアーテム。

しかし、アーテムが先へ進むのをイデアールは、追うことはなかった。

市街地と同じく、聖都内の各地でも騒動が起きており、アーテムは聖騎士やルーフェン・ヴォルフの隊員達がモンスターと戦う中を、真っ直ぐ聖騎士城内目掛けてひた走る。

「みんな・・・、すまねぇッ・・・!」

道端に生き倒れた仲間達の屍が、アーテムの方を見ているかのように、目を開けたまま倒れている。

それでも彼には立ち止まっている時間がない。

この騒動の発端を知るであろうシュトラールに、事の真相を問いただすまで止まれない。

アーテムが聖都城内に入ると、その閑散とした様子に違和感が湧いた。

「何故だ・・・? 嫌に静かだな・・・」

城内を駆け、シュトラールのいるであろう玉座の間を目指していると、廊下の横の通路からスッと、何かの気配と鋭い物が振り下ろされるのを感じ、アーテムは咄嗟に前方へ飛び込むように前転して、背後を振り返る。

「何のつもりだッ・・・!? 」

彼が声をかけた先には、白銀の甲冑を身に纏い、兜で顔を覆った全身完全武装の聖騎士が、剣を振り下ろした格好で立っていた。

聖騎士は、剣をゆっくりと持ち上げると、アーテムの方へ向きを変え、甲冑の音を響かせながら向かってくる。

「何処の所属だッ!? 突然剣を振るうなど騎士としてあり得ねぇ行為だぞ・・・」

しかし騎士は、アーテムの言葉に微塵の反応も示さず、ただただその足を前へと運ぶだけ。

「おいッ! 止まれってんだッ!」

アーテムが短剣を抜き、聖騎士にその鋭い剣先を向け静止を促す。

「おいおい・・・、聞こえてねぇのか? それとも、俺達とは会話すらするなと、ご主人様に言われたのか? おいッ!」

彼が何を言おうと意思疎通の意思が全くなく、聖騎士は剣を構え、アーテムに向かってその殺意の込められた剣を振るう。

「正気かッ!? 貴様ッ!」

聖騎士が振るった攻撃は、廊下が粉砕されるほどの一撃だった。

「本気で殺す気かよ・・・。 じゃぁ仕方ねぇよな・・・、死んでから後悔すんなよッ!?」

両手に短剣を取り出すと、手首を使いクルクルと器用に回すと、聖騎士目掛けて数本の短剣を放つ。

聖騎士は、盾と剣で飛んでくる短剣を弾くその間に、アーテムは廊下から姿を消していた。

聖騎士がまるで機械のように辺りを見回している時、アーテムは天井に張り付き、両手に持った短剣を握りしめ、力を込める。

雷撃ブリッツ双刃シェーレッ!!」

アーテムは天井を蹴り、落ちながら聖騎士の首を狙う。

全身を覆う甲冑は、適当に狙った攻撃ではダメージすら与えることが出来ない。

だからアーテムは防御の薄い関節部位、首裏を狙う。

交差した腕から放たれた一閃は、ハサミのように聖騎士の首を捉えると、その兜ごと首から上を跳ね飛ばした。

「なッ・・・何だ!? 手応えがねぇ・・・」

聖騎士の首に刃が当たる瞬間、アーテムの手に感じた刃を伝う、モノを斬る感触に違和感を覚えた。

その手には肉を断つ感触はなく、ただ空を斬る感触に似ていた。

アーテムは振り返って、首を切った筈の聖騎士を確かめる。

「どうなってやがるッ・・・? 何だコレはッ!?」

兜が外れた聖騎士の甲冑の中身は、空っぽだったのだ。

人が着て動かしているのではなく、何かの魔法やスキル、或いは召喚なのだろうか、アーテムには衝撃のあまり、そんなことを分析している余裕は無かった。

「通りで喋らねぇ訳だ・・・。 シャイなんじゃなく、中身そのモノがいないとはッ・・・!」

兜を跳ね飛ばされた後も、依然変わりない様子で剣を振るい、アーテムを攻撃し続ける聖騎士に、何を動力源に動いているのかを探るアーテム。

「何か・・・鎧を動かしている動力源がある筈だ・・・。 だが、見当たらねぇ・・・。 一体、何で動いてるんだコイツはッ!」

聖騎士の攻撃をかい潜りながら、関節部分への攻撃で、徐々に腕や足を切り離していく。

四肢を切り離され、動けなくなる聖騎士。

床に転がる胴体へと歩み寄り、アーテムが目にしたのは、動けなくなった鎧の中から煙が上がるという光景だった。

「俺らが見てきた聖騎士とは、一体何だったんだ・・・? 喋れる奴も居た・・・、それにシャルロットだって・・・ッ!?」

アーテムは、当初の目的を思い出す。
分からないことで悩んでいる暇はない、それも全部引っくるめてシュトラールに全てを吐かせるしかない。

廊下を駆け抜け、階段を駈け上がりながら玉座の間を目指す間も、数体の先程と同じ聖騎士がアーテムの前に立ち塞がる。

「邪魔ッ・・・すんじゃねぇぇぇッ!!」

最初の一体目で要領を掴んだのか、アーテムは素早い身のこなしで、聖騎士の四肢を切断し、動きを封じていく。

聖騎士の数自体は多く無かったが、時間を掛けないためにアーテムはスキルを使って瞬時にこれを捌く。

そして、漸く聖騎士の城、シュトラールがいるであろう玉座の間までやって来たアーテム。

息を整え、ゆっくりとその大きな扉を推し開く。



しかし、そこには彼の求めていた光景は無く、シュトラールもいない。

閑散とした玉座の間には、窓から外を眺める、かつて朝孝の元で志を同じくして励みあった親友シャーフの姿と、床に倒れるシャルロットの姿だけだった。

アーテムの頭は真っ白になり、思考が全く働かなかった。

「シャーフ・・・? シャルロット・・・?」

覚束ない足取りで、倒れ込むシャルロットの元まで行くと、アーテムは膝から崩れ落ち、シャルロットの身体を抱える。

「シャルロット・・・。 シャルロットッ・・・! シャーフッ! シャルロットがッ・・・!」

慌てだすアーテムに見向きもしないシャーフ。

「どうなっているッ!? 何故、シャルロットがッ・・・」

その問いかけに、漸くシャーフが動きを見せ、五月蝿いものを黙らせるかのような、冷酷な声でアーテムに答える。

「邪魔をするからだ・・・。 我々の・・・聖都の民達の理想を叶えるために。 コレは必要なことなんだ・・・」

「お前がやったのか・・・? シャーフ。 お前が・・・シャルロットを・・・?」

シャーフが聖騎士の隊長になり、性格が変わり無慈悲になったことは、シャルロットからも聞いていた。

しかし心の何処かで、それは仲間やかつての友へは向けない感情だろうと、アーテムは少し高を括っていた部分があった。

だが、目の前にある現実が、それは彼のあまい、薄氷のように脆い考えであったかを物語っている。

「何故だッ! シャーフ!! 何故、お前はそんなに変わっちまったんだッ!?」

「・・・アーテム。 先生の元にいたお前には現実が見えていなかったんだ。俺らの夢や理想がどんなに無駄であったことか・・・」

「何だとッ・・・?」

「お前や先生の甘い戯言では、国は平和にならない、人は変わらない。 それを俺は聖騎士になってから何度も・・・、何度も何度も何度も何度も何度もッ!! 繰り返し見せ続けられてきたんだッ!! 何度民のために行動してきたか・・・、何度民のために言ってきたか・・・。 それでも俺たちの・・・俺の思いは、民達に少したりとも伝わらなかった・・・」

シャーフが感情を露わにし、アーテムやシャルロット、そして朝孝と袂を分かって経験してきたことを、思いのまま吐き出した。

「シュトラール様は俺の目を覚まさせてくれたよ。 人々の心には既に“悪”が蔓延していること。その“悪”の中で、正しく生きようとする健気な者達の苦しむ姿を目にして、俺は彼らを救いたい、助けになりたいと思った。 ・・・だから俺はシュトラール様の理想に感銘を受け、そしてそれが正しいと思ったから・・・。 ひたすらに“悪”を刈り取ってきた・・・」

床に座り込むアーテムの元に、ゆっくりと近づくシャーフ。

その手は腰に帯刀した刀に伸び、鞘から抜き取ると、アーテムの眼前へと剣先を向ける。

「お前達は、民に分からせるための良い教訓となった。 ・・・だが、それももう必要無くなる。 そうなればルーフェン・ヴォルフや先生の道場は、ただ民を惑わす邪魔なモノでしか無くなる。 だからせめて俺の手で・・・お前を裁いてやる」

「本気で・・・、そんな風に思ってたのかよ・・・。 お前こそシュトラールの奴に洗脳されてるぜッ! シャーフ!! 今、国中で起きてる騒動を知ってるかッ!? お前の言葉を聞いて確信したぜ・・・。毒で人々を殺し、聖騎士や騎士の仲間諸共モンスターの餌食にする・・・そんな非人道的なやり方でッ!」

立ち上がり短剣を抜くアーテムも、剣先をシャーフへと向ける。

「正しい民達への被害はゼロだ。 騎士達に関しては、あの程度のモンスターに食われるのなら、その程度だったという事だろう。正義の為の、尊い犠牲だ」

「何処までもシュトラールの野郎に染まりやがってッ・・・! 目を覚まさせてやるよ・・・。 洗脳を解いて、元のてめぇに戻ったらッ!! その面をぶん殴ってやるッ!!」

刀を弾き、間合いを取る二人。

「哀れだな・・・アーテム。 夢幻にいるのは、お前の方だと言うのに・・・」

お互いの想いは届かない。

正義の敵は悪だけでなく、別の正義もまた敵たりうるもの。

そして、勝者だけが”真の正義“になる。
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