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神代 コウ

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決断

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少しずつ、少しずつ。
大切だった何かを忘れていってる気がする。

それが何で、何だったのか思い出せない。

少しずつ、少しずつ。
自分が何者だったのかを忘れていく。

何をしてきて、何をしようとしていたのか。

やがて自分の中に何もなくなり、空っぽの器だけが残った。

器は何かに動かされるように、運命を辿る。

やがてその行動から、新しい何かが器に入って新しい自分になる。

やるべき事が心の中に見えてくる。

それだけしか中になかった。

それしかないから、それに縋った。

また忘れて空っぽになるのが怖かったから。

ただただ、やるべき事成していった。

自分に与えられた役割を、ただただ成していった。

終わりを迎えるその日まで。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




シンはサラと一緒にウルカノというデーモンの話を聞いた。

ウルカノは、シンのような冒険者は初めてだったと話した。今までサラを庇う者などいなかった。日々傷つくサラの心と身体を見ていくうちに、ウルカノの中にどこか終わりを求める気持ちが芽生えたのだという。

そしてシンと同じく事情を知らなかった人物。

サラもまた、村を脱した後どうなっていたかまでは知らなかった。

徐々に自分の身体に変化が起きていたことには気づいていた。それ故の包帯とローブなのだから。

その変化はサラの身をどんどんと蝕んでいった。見た目の変化は、街の人たちの見る目を変えた。

初めはサラの訴えに耳を貸してくれ、クエストの手配や、進んで身を乗り出してくれる冒険者もいた。

だがサラの変わり果てた姿を見るや否や、“病気が感染る”や“呪われた”などと言い、遠ざけるようになっていき、近づく者すらいなくなる。

そんなサラの姿を不憫に思ったある女性が、サラを匿い服や包帯を提供してくれた。それだけではなく、サラの事情を知った女性は、サラが行なっていたクエストの手配を手伝ってくれ、冒険者達にクエストを促すようなこともしてくれていたのだ。

そして、その話はいつしかミアの耳に入り、そしてシンの元へと届いた。

サラは村を救ってくれる冒険者を求めた。
だが事態はそう簡単な話ではなかった。

助けたいと思っていた人々は、アンデッドとなり村を彷徨い、人々を助けるためには、今や元凶となっているメアが、サラやウルカノ、そして村を救うために来てくれたシン達を倒さなくてはならない。

やっと出会えた信頼できるシン達を、同じ屋根の下で過ごした、家族のように思っていたメアに捧げなければならない。

それ故サラは今、悩み苦しんでいる。
こんな小さな少女には重たい決断だ。

そしてシンも言葉を失っていた。

彼にとっても簡単な話ではない。
助けると約束した少女の為に死んであげられる人が、果たしてどれだけいるだろうか。

自分の死が、少女と見ず知らずの村人達の命を救う。

シンもまた八方塞がりとなる。

「ココヲ ハナレタ ホウガ イイ」

重く苦しい静寂な空気を始めに破ったのはウルカノだった。

ここに長居しては、アンデッド化した村人に見つかるかもしれない。ウルカノはシンと村人、双方の傷つく事態を避けたいようだった。

「サラ、一度丘上の家屋に戻ろう・・・。ミアも戻ってくるかもしれない」

真実を知り、言葉を失うサラの肩にそっと触れると、丘の方へと向かせ、ゆっくりと歩き出す。

去り行く二人の背中に、ウルカノが言葉を投げかける。

「オワラセテ クレ。 ジガヲ ウシナウ
マエニ。 メアモ ソレヲ ノゾンデイル」

ウルカノの言葉にシンは振り返る。
そして視線をサラの方へと向ける。
サラは何も言わず、ただウルカノの言葉に足を止め、黙っている。

シンはその背中に触れ、再び二人は歩き出す。



日も沈み真っ暗になった頃、ようやく丘の上に辿り着く。すると、家屋に灯る明かりが目に入る。誰かが家屋にいる、心当たりなど一つしかない。

だが、足取りは軽くならなかった。
ウルカノから聞いた真実を知ってミアはどう思うのだろう。どう、答えを出すのだろう。

きっとミアは迷わない、そんな気がした。
そしてシンは心の片隅で思っている。

ミアなら正しい判断が出来る。
自分では決められない。ミアの意見を聞きたい。

シンはミアの決断に全て委ねようとしていた。自分では背負いきれない事情を、誰かに被せて楽になろうとしていた。

ドアノブを握り、ゆっくりと開ける。
そこには椅子に座り、机に肘をついたミアの姿があった。やはり帰ってきていた。

「ミア・・・」

「遅かったな」

ミアは落ち着いていたが、少し不機嫌そうな声色をしていた。

「結界のようなものがあってエリアからは出られなかった。 結界沿いに調べてもみたが、抜け穴はなさそうだった。・・・閉じ込められている」

ミアは、過去のメアと同じことをしていた。
そしてミアは、手にしたボトルを机の上に置いた。

「これはアンデッド化の状態異常を治す薬だ」

アンデッド化を治すと聞いてシンは驚いた。本当に治せるのなら、戦う以外の別の道ができる。全員助かる道だって・・・、そう思ったが、ミアはすぐにその考えが甘いものだとわかる言葉を言った。

「1本、私が使ってみたがアンデッド化は治らなかった。進行状態が戻るだけ・・・。これはシン、アンタの分だ。そして薬はもう無い・・・もう作れない」

「作れない・・・?」

シンはゆっくりと机に近づき、ボトルを手に取る。そしてミアは、シンに忠告した。

「街で調合してた時の余り物で作れた物だ。その素材はもうここにはない。どれくらいの進行度を戻せるのかは分からないし、ここにいる以上、アンデッド化は進む。・・・だから、大事に使いな」

アンデッド化が進めば、シンもミアも村の人々と同じように、自我を失い、彷徨える屍となってしまうのだろうか。

そんなことを考えながらも、シンもミアに話さなければならない大事なことがあった。

「ミア、君が出て行った後、俺とサラで村にいったんだ」

ミアは少しだけ驚いた様子だった。

「そこで昨日見かけたアンデッドデーモンに会ったんだ。 でもモンスターではなかった。そして彼から村の事や、このエリアに起きてる事を聞いたんだ」

「アンタ・・・、そんな危険なことを」

視線をサラへ向けた後、またシンの方を見る。無理もない話だ。シンとミアの2人がかりでも勝ち目のないであろう相手に、守らなければならない依頼者のサラを抱えて、シンだけで向かったのだから。

「あぁ、日の出てる時には、村にアンデッドやデーモンの姿がなかったから、時間帯で湧かないものだと思っていてんだ」

シンはあの時のことを思い出していた。
何もいないであろう村に訪れ、突然物陰から上級モンスターが姿を表したのだ。咄嗟の出来事に対し、シンは逃げずに良くやった方だろう。

「いや、それはいいんだ。それよりそのデーモンから聞いた事の方が重要なんだ」

そしてシンは、アンデッドデーモンのウルカノから聞いたことを、全てミアに話した。

村のこと、メアという人物のこと、クエストのこと、そして・・・サラのこと。

全てを聴き終えるとミアは、目を閉じ、呼吸を整えるように深くゆっくり一呼吸すると、椅子から立ち上がり、部屋の隅に腰掛けているサラの元へ歩いて行った。

サラは、ミアが歩いてくるのを見ると、俯いてビクビクと身体を震わせていた。

それも仕方のないことだ。
今朝、ミアはサラを床に押し倒し銃口を向けて怒鳴っていたのだから。

ミアはサラの前まで来る。
サラは、恐る恐るミアの顔を見上げると、目があったのか、咄嗟に視線を落としてしまう。

「サラ・・・」

そしてシンとサラは、彼女の行動に驚いた。
彼女の行動というよりも、シンもサラも、ミアがそんなことをするイメージがなかったから驚かされたというべきだろう。

「ごめんなさい」

ミアはサラに向かって、深々と頭を下げて謝ったのだ。

「何も知らなかったとはいえ、私は貴女に酷いことをし、傷つけた・・・」

サラは驚き、目を見開いたままミアを見続ける。

そんな彼女の驚きを尻目に、ミアは頭を上げると、ゆっくり腰を下ろし目線をサラに合わせる。

「許して欲しいとは言わない・・・。この失態の埋め合わせは、行動で貴女に示す。私は・・・メアを倒すよ」

彼女に迷いはなかった。

メアのことを聞いても、村の人々がどうなるか見えていても、ミアは決断した。

サラを助けるのだと。

ミアはシンの思っていた通り、迷ったりはしなかった。

そしてシンは、自分がなんと恥ずかしくみっともないものかと思う。

サラを助けるという目的を見失い、迷った挙句、最終的な決断をミアに任せ、それに乗っかろうとしていたのだ。

2人のやり取りを見届けると、シンは手にしたボトルを握りしめると、サラの元へと向かった。

サラはミアの決断を聴き、固まっていた。
家族のように慕っていたメアを倒すということに、そしてウルカノの終わりを望むという言葉に、彼女はまだ迷っている。

「シン・・・」

ミアは、サラの元まで歩いてきたシンを見上げる。

シンはボトルを開けると、それをサラに使った。

「シン!?」

ボトルから降り注ぐ光の粒子は、サラへ降り注ぎ、効いているのか効いていないのかは分からなかったが、サラからは回復に似たエフェクトが出ている。

「ぁ・・・」

固まっていたサラは、シンから与えられた薬の効果で我に帰る。

「これは俺の決意表明だ。そして自分への戒め・・・。俺も自分で選んで、そして自分で決断した。・・・サラ、俺もメアを倒す。君を救う」

シンはアンデッド化の進行度を戻す薬を断つことで、保険を断ち決意を固めた。迷いを捨て、ただ前へ進むという道を選ぶ決断をした。

シンの決意が届いたのか、アンデッド化を良くする薬はサラに変化をもたらした。

「こ・・・、声が・・・声が、出る」

シンは目を見開き、ミアと目を合わせる。そして再度サラの方を見ると嬉しそうに言った。

「薬が効いたようだな」

ミアはサラを抱きしめる。

「サラ・・・!」

「シン・・・ミア・・・、あり・・・がとう」

ミアに抱かれるサラの目からは、清く純粋な雫がこぼれ落ちた。

初めて聴くサラの言葉は、シンとミアに対する感謝の言葉だった。
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