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第二章 高校二年生(二学期)
ろりこん(紫乃)
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「は、葉奈ちゃん……えっと、どしたの~……?」
「ねぇ、紫乃ちゃんって……小さい子好きなんすか?」
「え? 何の話~?」
葉奈はなにを聞いているのだろう。
思い詰めた顔で迫ってきたから何事かと思ったら……わけがわからない。
葉奈はなにを思ってそういうことを聞いているのか、紫乃には見当がつかなかった。
すると、はぐらかされたと思ったのか、葉奈は露骨に機嫌が悪くなる。
「だからっ! ロリコンってやつなのか聞いてんすよ!」
「ちょっ、声でかいよ~……! 本当に何の話をしてるのか……」
その時ふと思い返して記憶を探っていくと、葉奈と一緒に出かけた先で迷子の子どもを助けたことがあった。
助けたあとに「小さい子って可愛いよね~」という話をしたことを思い出す。
あれに深い意味などなかったが、まさか葉奈が真面目に受け取るとは思ってもみなかった。
「あ、あれは誤解というか……一般的な感想を述べただけというか……なんでそれがロリコンに繋がるの~?」
「うちのことはどう思ってるんすか?」
「えっ? なんか唐突だね~……」
話が変わりすぎじゃないだろうか。
でもまた話がこじれても嫌なので、紫乃は真剣に考える。
とはいえ、答えはもう決まりきっているが。
「可愛い……かどうかは僕にはわからないけど~……面白いところとか明るいところとか大好きだよ~」
紫乃はそう答えたが、葉奈は目を見開いたまま固まった。
今度はどうしちゃったのだろう。
なにか言ってくれないと、自分の発した言葉を振り返って恥ずかしくなってくる。
「……わかったっす。紫乃ちゃんに好きって言われて嬉しいっす」
「ほ、ほんと……!? よかった……答えがこれでいいのかわかんなかったから~」
「とっても嬉しいっすよ!」
葉奈はとてもいい笑顔を浮かべている。
満足な回答だったようで、紫乃はほっと安堵する。
それにしても、本当によかった。
ロリコン疑惑と葉奈への想いがどう繋がっているのかはいまいちわからないが、葉奈の中の紫乃像がロリコンだということにならなくて安心した。
……と、紫乃は思っていたのだが。
「……そっか、紫乃ちゃんはうちが大好きなんすか。ふふっ」
……なんだかとんでもないことを言ってしまったような気がして、紫乃は苦笑いすることしかできなかった。
「ねぇ、紫乃ちゃんって……小さい子好きなんすか?」
「え? 何の話~?」
葉奈はなにを聞いているのだろう。
思い詰めた顔で迫ってきたから何事かと思ったら……わけがわからない。
葉奈はなにを思ってそういうことを聞いているのか、紫乃には見当がつかなかった。
すると、はぐらかされたと思ったのか、葉奈は露骨に機嫌が悪くなる。
「だからっ! ロリコンってやつなのか聞いてんすよ!」
「ちょっ、声でかいよ~……! 本当に何の話をしてるのか……」
その時ふと思い返して記憶を探っていくと、葉奈と一緒に出かけた先で迷子の子どもを助けたことがあった。
助けたあとに「小さい子って可愛いよね~」という話をしたことを思い出す。
あれに深い意味などなかったが、まさか葉奈が真面目に受け取るとは思ってもみなかった。
「あ、あれは誤解というか……一般的な感想を述べただけというか……なんでそれがロリコンに繋がるの~?」
「うちのことはどう思ってるんすか?」
「えっ? なんか唐突だね~……」
話が変わりすぎじゃないだろうか。
でもまた話がこじれても嫌なので、紫乃は真剣に考える。
とはいえ、答えはもう決まりきっているが。
「可愛い……かどうかは僕にはわからないけど~……面白いところとか明るいところとか大好きだよ~」
紫乃はそう答えたが、葉奈は目を見開いたまま固まった。
今度はどうしちゃったのだろう。
なにか言ってくれないと、自分の発した言葉を振り返って恥ずかしくなってくる。
「……わかったっす。紫乃ちゃんに好きって言われて嬉しいっす」
「ほ、ほんと……!? よかった……答えがこれでいいのかわかんなかったから~」
「とっても嬉しいっすよ!」
葉奈はとてもいい笑顔を浮かべている。
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それにしても、本当によかった。
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……と、紫乃は思っていたのだが。
「……そっか、紫乃ちゃんはうちが大好きなんすか。ふふっ」
……なんだかとんでもないことを言ってしまったような気がして、紫乃は苦笑いすることしかできなかった。
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