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最終章 全ての元凶

ルリの道具となったガーネット

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「ふむむ? なんじゃ……何もしてないのに倒れるとは……」

 ルリが崩れ落ちた結衣を見て、呆れた様子で言う。
 だが、その声は結衣には届かなかった。
 結衣の身体は小刻みに揺れていて、不穏なオーラが流れている。

「ん? なるほど……その姿は不完全じゃしな。倒れるのも無理はないか……」
「……なにか知ってるんですか……」

 ルリの言葉に、今まで口を閉じていた緋依が反応する。
 緋依はルリを睨むように見た。

「まあな、伊達に何回もこの世界を繰り返してきたわけじゃないしな」
「……じゃあ、あたしたちのことを隅々まで知ってる……ってことね」
「なんだか怖いですにゃ……」

 訝しげな顔でルリを見ているせーちゃんと、声と身体を震わせている夏音。
 それをルリは面白そうに、見下した笑顔を浮かべて見ている。
 そんな時。

 ――ガブッ。

「うぐっ……!」

 吸血鬼姿になったカスミが、ルリに噛み付いた。
 血を吸われ、ルリは苦しそうに顔を歪める。
 そして、血を吸うことで能力も吸ったカスミがルリの能力を発動し――

「――……ワッツ?」

 ――ようとしたが、なぜか何も出来ない。
 カスミが戸惑っていると、ルリが大声で笑う。

「ふはははは! わしは魔女だぞ? お主らよりも余程経験を積んでおるわ」

 何が起きたのかわからないが、ルリがカスミの能力を防いだらしい。
 だけど、カスミの牙は確実にルリの首筋に入った。
 なのになぜ……
 みんなが困惑していると、違う方向からルリの声が聞こえた。

「そやつは私の身代わりじゃ」

 その声が聞こえると同時に、カスミの牙を受けたルリが消える。
 そして、本物のルリがみんなに近づく。

「んー! ノーネームはやっぱり最高じゃな~! わしの想像を忠実に再現してくれるなんてな」

 ルリはとても嬉しそうに微笑む。
 さっきのはルリの力ではなく、ガーネットの力ということなのだろうか。
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