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最終章 全ての元凶

本性を現した

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「それで、あなたはその滅びを防ぎたかったんだよね……?」
「その通りじゃが?」
「……なら、どうして……ループさせたいと思ったの?  なんで?  その必要ある?」

 世界の滅びを防ぐだけなら、その魔女の魔法を消すなり封印するなりすればいいだけだ。
 なのになぜ、そんな面倒なことを?
 それに、ループしてしまったら、この話も忘れてしまう。

「……わしでは力不足だからじゃ。その魔女の魔法はとてつもなく大きくて……だから――」
「ゆ、結衣様っ……! その人の話は作り話です! 信じてはなりませ――」
「――おい、ノーネーム。お主いつからそんな口を聞くようになった?」

 今までしおれた表情を見せていたルリだったが、ガーネットの言葉を聞いた途端に豹変した。
 それはまるで、童話に出てくる悪い魔女――の百倍は恐ろしい顔をしている。
 そして、ガーネットの周りに黒い光が舞い始めた。
 その光を見て、ガーネットが目を剥く。

「こ、これは――っ!」

 ガーネットの表情は、その光を恐れているように見えた。
 そして、ガーネットの姿が徐々に変化していく。
 人型だったはずが、ゆっくりと本のような形になる。

「こ、これって……」

 ――そう。その本には、見覚えがあった。
 ガーネットに初めて出会ったあの日、自宅のお風呂場に沈んでいた……あの本。

「ふっ、ふふふふふ。お主とノーネームは最初から契約などしてはいない。だってこいつはわしのものじゃからな!」

 ガーネットが本になってしまっても、今の表情が手に取るようにわかる。
 今のガーネットは――絶望している、と。
 だが、ルリが叫ぶと同時、何か黒いものがルリに向かって投げられた。

「おい、ごちゃごちゃうっせーんだよ。『ガーネットが欲しくばわしを倒せ』――そういうことだろ?」

 それを投げたのは魔央で、投げられたものは黒い槍だとわかる。
 黒い槍が放たれた地面がクレーターになっており、とてつもない力を放ったのだということが結衣にも理解出来た。
 だけど、ルリは無傷でその場を動かずに立っている。

「ふむ。不意打ちとは見事じゃ。じゃが遅い」

 ルリは本を捲ると、そのページに手をかざして言った。

「――再生リバイバル!」

 そして、クレーターになった地面が元通りになる。
 その間、わずか0.1秒。
 とてつもない速さに、全員が目を剥いた。
 ――こんなやつに勝てるのか。
 そんな声が、どこからか聞こえた気がした。

「そやつの言う通りじゃな。ノーネームが欲しくばわしから奪え」

 ……そう、いうことにしておこう。
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