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8*三度、夢の中
しおりを挟むディランはしばらく叔父のエルガーのところに留まって様子を窺っていたが、なかなか眠る気配がない。
ひとり酒を飲みながら、ブツブツと独り言を言っている。
「オレだって長男だったら…」とか、
「今に見てろよ…」
とか、怪しいことばかり言っているので、屋敷に戻ることにした。
特に眠る必要性も感じないので、夜のあいだ中あちこちを見て周る。
執事のドノヴァンは遅くまで、我が家の親戚縁者宛の手紙を書いていた。
おそらく、私の急死を知らせる手紙だろう。
ティナのメイドのメイも、妻が泣き疲れて眠るまで辛抱強く、彼女に付き添ってくれていた。
ディランは妻の周りをふわふわ漂って、妻が眠るのを待った。
可愛い寝顔に見入っていたが、気がつくとまた夢の中に入り込んでいた。
* * *
「ディラン、どこなの?」
「ここにいるよ」
「いたのね」
ティナが体をすり寄せて来て、それを受け止めると真っ白な世界に二人とも、裸で横たわっていた。
「ディラン、今日は私があなたを抱きたいの…いい?」
(そんなこと言われたら…ダメなんて言えるか?)
「嬉しいな…ティナ」
「じゃあね、あなたは目を閉じて、そのままにして」
「わかった…」
(もう期待だけで、胸がドキドキ疼く…)
目を閉じて、体に感じるティナの感触に集中する。
初めはゆっくり、手の指の先からティナの細い指先がさわっと触れて来る。
腕を彼女の手のひらが伝うだけで、体の中がザワッとした。
腕から肩、鎖骨と通って両の手が首から耳と移動して行く。
彼女の柔らかな髪が顔に掛かり、頬に唇が添えられた。その唇から湿った小さな舌が出て来て、瞼、睫毛と舐められていく。
舌がそうっとディランの唇を割って入って来た。ゆっくりと唇を喰んで、弄んでから半開きになった口の中に侵入して来た。
舌と舌を絡め、上顎を舐められ、口の中で遊んだところで舌を吸われる。
細い指は、彼の胸の上を伝い小さな飾りのような乳首を摘んだ。
「ん…」
ディランはそこがくすぐったいのだ。小さな乳首が勃ち上がると今度は柔らかな唇に襲われた。温かくて濡れた舌に嬲るように舐められて、もう股間が大きくなるのを感じる。
柔らかい舌が胸から腹を通り、下に向かって行く。
ぺろりといきなり、鬼頭の先を舐められた。
「ハッ!」
として思わず目を開けると、
「ダメ、目を閉じてって言ったでしょ」
と言われる。
大人しく目を閉じるふりをして、薄目を開けて見ている。
彼女の両手がディランの大きくなった肉棒を握って、先っぽを舐め始めた。
「ん…」
我慢しているが、すごく気持ちがいい。身体中が上気して来て、動かないよう制御するのがつらい。
先っぽをぺろぺろしていた口が、今度は全体をその口の中に含む。
噛まないように大きく頬張って、舌だけを動かしてくれている。
柔らかく温かな舌の感触が、己の一番敏感な先端から全身に伝わって快感でゾクゾクする。
「ああ…ティナ…」
いったん口から出すと、今度は竿の裏側、カリ首と舐め上げられた。
先走りが中からどんどん湧き出して来て、期待で硬さが増していく。
その舌が、陰嚢の裏を舐め始めた時、もう我慢ができなくなった。
「ティナ!もう我慢できない!」
そう言ってディランはティナに襲いかかった。
彼女を捕まえると大きく股を押し開き、厚い舌で舐め上げていく。
彼女が堪らず嬌声を上げ腰をのけぞらせても、もう止められない!
指を突っ込んでぐりぐりとかき混ぜ、彼女の膣内がもう準備万端と確認すると、猛り狂った雄芯を激しく突き立てていった。
「ああ、ティナ、ティナ、気持ちがいいよ…」
何度も何度も突いて突いて、二人して昇り詰めて行く…
* * *
ティナの頬を一筋の涙がつたった。
「ディラン…」
呟いて目が覚めた。
朝の光がカーテン越しに明るさを増している。
昨日の夜のあの知らせを思い出し、それが現実のことだったと思い出す。
(ああ、あの人はもう死んでしまったのだ…なんで、なんで?こんなに愛しているのに…!)
こんなに人を愛したのは初めてだった。
心だけでなく、その瞳の中に宿る強さ、その洞察力、素晴らしく回転の良い頭。その力強い腕、滑らかな胸、そしてどこまでも彼女を求めて来る激しい情欲。
笑った時の目の横の笑い皺までも。
その全てを愛している。
だけれども、もう彼女を抱きすくめて来るその腕は、この世のどこにもない。
絶望で吐き気がする。
吐く物など無いのに、吐き気だけが込み上げて来る。
泣きながら、嗚咽を漏らし、鼻水が垂れるのも構わずにまた泣いていた。
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