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番外編

番外編)ワインのせいってことでいいよね

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*第二王子と妃の夫婦事情番外編
いつもよりは少し短いです(時期列は本編と異なります。政略結婚で身体を繋いだばかりの頃かな・・・)








「ん・・・っ・・・これは、あれだ、あそこの・・・あっ、ダルギル産のやつ!」
「不正解だ。正解はダダールマッセ産だな」
「ええー似たような味でさっぱりわからないよ」
「・・・・それでよくワインの普及をだなんて言えたものだな」

ザンはグラスにワインを注ぎながら、胸にもたれているアリアにため息をついた。アリアも自覚があるのか、そっと目を逸らしている。
そもそも、まだ名目上の妻になったばかりの頃のアリアは未成年(聖女の場合は、特例として聖女のいた環境に合わせて年齢の基準が設定される)だった。しかしながら彼女は好奇心旺盛。ワインに興味を持ってこっそりと飲んで二日酔いになったほど。それ以降は彼女にワインを飲むことを禁じていた。しかし、それも彼女が成人したのと同時に解禁となった。もっとも、彼女はワインに弱かったようでやはり二日酔いになっていたが。何にせよ、アリアはワインを飲めるようになってからは積極的にお酒の普及に勤しんでいた。ワインもブドウの味によって変化するのだからもっとブドウの生産を!と力説したのもアリアである。
ザンにとっては提案者であるアリアが今なお、ブドウの生産地を覚えられないことが悩みの種ではあるが、ワインの普及は悪いことではないと容認している。
さらにそんな彼女にとって幸運だったのが、貴族の間でもワイン通で知られている経済産業大臣のサッパラーサがやる気満々で彼女の改革に協力してくれたことだ。
ザンにとってはやる気満々で暑苦しい男でしかないが、アリアにとっての強い味方の一人であるので無下にできなかった。しかしながら、毎回会うたびに抱きしめられるのには慣れない複雑さもわかってもらいたいところである。

「そういえば、サッパラーサ大臣からの手紙で新しいワインがまたできたって聞いた。今度は白ワインだって!!すごいよね~。またあのむっきむっきな肉体で樽を担いできてくれるのかな」
「・・・アリア、俺にあの肉体になれと?」
「なんでそんな解釈をするのかさっぱりだけれど、あそこまでのむきむきは似合わないと思うよ」
「それはよろこんでいいのかわるいのかわからんな」
「とかいいながら、バスローブを脱がさないで・・んっ・・・」

ザンが一口ワインを口にした後、アリアの顎を掴んだことから、そのワインの行き先など一か所しかありえない。喉が鳴るのを抑えながら、ザンからの口移しで与えられる芳醇なワインの味を堪能する。舌を絡めあうたびに感じるブドウの味と唾液のハーモニーはアリアを酔わせた。
くらくらする頭で感じるのはただ一つ、ザンから与えられる快感のみ。

「あっあああんっ、や、そこ、もっとぉ・・・!!」

うつ伏せになってシーツを掴んでも、力が入っている気がしないし、身体は思い通りに動いてくれない。
彼はそんなことなどお構いなしに、後ろから覆いかぶさってくる。背中に流れる汗をぬぐうように舌で舐めとり、手でお尻や股の間を擦りながら茂みの奥へと徐々に侵入していく。
アリアの羞恥心をあおるように、ザンは手の指を秘部の穴へと忍ばせた。
ゆっくりと穴の中を突き進み、次第に柔らかく狭くなっていく肌を擦りながら奥を目指す。そのたびにアリアの口から喘ぎ声が零れ落ちた。
まだグラスに残っているワインを少しずつ口移ししながら、彼女に体を動かすように急かす。アリアはぼんやりとしながらも、時折、身体をこすりつけては、あちこちに口づけてくる。
アリアの様子からして酔っていることは明白だったが、これはこれで悪くないとザンは感じていた。
ただ、二日酔いになるのが心配だったこともあり、傍に置いていた水も時々飲ませることにした。

「ザン、ザァン・・・」
「どうした?」
「指ばっかりはやだぁ・・・ね、お願い・・・」

拗ねたように体を起こして抱きついてくるアリアに心を動かされないはずがなく。ザンはアリアが自分で入れやすいように座位へと体勢を変えた。
ザンの意図に気付いたアリアはザンの胡坐に股を広げる形で立ち座り、ゆっくりと腰を落とす。ザンは知らぬことだが、アリアはこの腰を落とす瞬間が好きだったりする。正確には、落とす時に快感を抑えようとするザンの苦悶の表情が好きなのだが、そんなことを彼が知る由はないし、アリアも教えるつもりがないようだった。

「あんっ、だめ、ザンは動いちゃだめっ・・・」
「くっ・・・!」

ザンを焦らすように突き刺してはギリギリで引き上げる。卑猥な音が響いて滑りが良くなってもそのゆっくりとしたリズムを崩すつもりはない。アリアはザンの首に抱き着きながら、与えられる快感を楽しんでいた。アリアがわざと動きを焦らしていることに気付いたザンは苦し紛れながらもアリアの胸の方を攻めることにした。
汗ばんだ谷間を舌で舐めた後、性欲で膨らんでいる乳頭に刺激を与えるべく吸い付くと、彼女が身体を弓なりに逸らした。その瞬間深く奥へと突き刺さったのを感じたザンがチャンスを逃すはずもなく。勢いよく腰を掴んで激しく上下に揺さぶった。
激しい動きに必死に耐えようとザンにしがみついたアリアは口惜しいとばかりにザンの肩に嚙みついた。せめての抵抗だと分かっていたザンは肩の痛みなどものともせずにアリアをシーツへと押し付けようとする。
アリアをベッドに縫い留めるのと同時にアリアの中に入っていた逸物が濡れたまま卑猥な動きで抜き出された。下半身に違和感と喪失感を感じたアリアだが、ザンが足首を掴んだことから、まだ続きがあるのだと察した。アリアはぼんやりとしていたが、ザンからすればアリアの汗ばんだ身体は性欲を搔き立てる魅惑的なもので、どう見ても自分を求めているようにしか見えない。事実、アリアはザンを拒否するどころか、大好きなので当然のように受け入れたわけだが、この夫婦は政略結婚ゆえに想いをお互い語り合うことがなかったため、思いっきりすれ違っていた。



お互い両想いであることに気付いていない2人は再び身体を繋ぎ合わせながら快楽の波にのまれていった。









余談


「おおおおお、ザン殿下、お久しぶりですなぁあああ」
「げっ、サッパラーサ・・・大臣・・・ひさし・・・ぐえっ!」
「聞いてくだされ、アリア様に頼まれて開発していた白ワインを献上してきたところなのです。それはもう喜んでいただけましたとも!!」
「うっううう・・・そ、それはよかったですね・・・ぐくっ!」
「ううっ、アリア様のお蔭でございますよ。そういえば、ザン殿下に頼まれたワインを持ってきましたぞ、おや、どうされたので?」
「げほっげほっ・・・いえ、なんでもございません」
「おお、良く見れば顔色が悪うございますな。これはいけません、私が抱きかかえて部屋までお連れしましょう!」
「いやいや遠慮申し上げ・・・あっ!」
「なんとあまりにも軽い。ザン殿下よ忙しいのは解りますがきちんと食事をとらねばなりませぬ」
「・・・・・(お前が怪力なだけだ!!!!!!)き、きもに、命じます・・・」


・・・・という会話をしていた2人をこっそり見てしまったラティスはばれる前にと逃げようとしたが、気配を感じていたザンによって後から報復されたとかされなかったとか


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