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スピンオフ

現代版ザンアリ『副社長と彼女の恋愛事情』(3)

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*第二王子と妃の夫婦事情【スピンオフ】現代版ザンアリ『副社長と彼女の恋愛事情』(3)
※ザンがアリアと同じ世界の人間だったら?という話です





高原有亜、この会社で勤務して数年経ちますが……まさかの副社長に目を付けられたようです。

「最近よく会いますね?」
「それは、副社長がここに来ているからでは…。それに、先輩は?」
「あれは少々仕事がありましてね。あとから来ます」

今日は定食を注文したようで、副社長はA定食を目の前において、有亜の向かい側にこれまたいつものパターンとばかりに座った。最初に会った時以降も会う機会があり、今日も今日とてこのように向かい合って食べていた。

「はぁ…そうですか」
「それはB定食か。なかなかにおいしそうだ」
「はい、ハンバーグが美味しいです。それはそうと最近会うように仕向けている理由をそろそろ教えてくださいませんか」

最初はざわついていた周りももう慣れたもので、副社長であるアレクサンダーが有亜と一緒にいるのをあっさりと受け入れている。それをよいことに有亜は小声であるものの、彼の核心を突いた。
から揚げを食べていた彼の手が一瞬とまるも、彼女から見れば胡散臭い笑みに変化はない。

「それもそうだね。じゃあ、今晩でも飲みに付き合ってもらえると助かる」
「それでもうこの奇妙なランチを終わらせることができるなら喜んで行きます」
「…相変わらずはっきり言ってくれるね。そうだな、修に場所を伝えておこう。仕事が終わったら指定した場所に来てもらいたい」
「解りました」
「ひとまず、今は会話を楽しもうか。そうだな、今日は…このニュースについて話し合おう」

……副社長はどうやら私に言われたことを気にしてか、最初のようにありきたりな話題を出すことがなくなった。その代わり、スマホを取り出して、あれこれと気になる話題を振ってくれるようになった。話が盛り上がると、時に有亜からも話題を出しては副社長に感心されることもある。
一通り話していると、遅れてやってきた修が、有亜の隣……ではなく、副社長の隣に座った。これもまた、最初のランチと変化したことである。有亜が疑問に思って修に聞いた事があったが、彼ははっはっと乾いた笑いを返すだけで何も説明してくれなかった。

「遅くなって…あ、もう食べたんスか、ザンさん」
「ああ。お前も知っているように今日は外で仕事があるからな。残念だ、もう少しゆっくりしたかったのだが」
「先輩、こっちのとんかつソースが美味しいですよ」
「……君は本当にいい性格をしていると思うよ」
「そうですか?」
「あー2人とも、終わらない絡み合いはやめてくれっス。んで、どうしたんです?」

修がやれやれと言いながらも、副社長から差し出されたメモを受け取る。それを皮切りに、副社長は立ち上がった。もう行くということなのだろう。内心でほっとしていた有亜だが、なぜか出ていく際の副社長の言葉が脳裏に残った。


『今夜は楽しめそうだ。じゃ、また後で』


首を傾げた有亜の前に修が差し出したのは、さっき副社長が渡していたメモ。有亜がメモを開くと、簡易な地図と12桁の数字が書かれていた。見るからに会社の中だが、どこかまではわからず、修に聞くとあっさりと答えが返ってきた。

「これは…?」
「ああ、ザンさんの執務室だよ」
「え?」
「ちなみに、その12桁の数字がドアの暗証番号な」
「あの最上階にあると言われている特別な部屋でしょ?なんで私がそこに呼ばれるの?」

まさかクビになるの?と慌てふためく有亜をよそに、修は内心で合掌しながらから揚げを頬張っていた。

(今夜取引を行うってことだろうなぁ。さて、ザンさんの本性を前にこの子がどれだけ持つか……)

修は内心楽しみだったりする。ようやくあの時の賭けの結果がわかりそうなのだ。明日にはいい知らせがあるだろうと楽しみにしていたりする。内心で浮かれている修のことを他所に有亜は有亜でいろいろと考えていた。

(最悪はクビよね……でも、これまでの会話を見る限り、悪印象はないと思う。となると、異動もしくは、仕事に関わる相談……ええ、でも仕事終わりにってことだから、個人的に何か話があるってことも…)

もんもんと考え込んでいた有亜だが、最終的にはなるようにしかならないと匙を投げた。もちろん、ランチは綺麗に平らげた。







(今思えば、ここへ来なければよかったと思うけれど……もう引き返せないかしら)


有亜は目の前にいる男の変貌にあっけにとられていた。執務室に入ってすぐ見たのは、アレクサンダーがソファーに寝転がっている様子だった。有亜に気付いて、すぐに起き上がってきたが。

「来たか。ああ、そっちに座れ」
「いえ、ここで構いません……その言い方の方が素ですか」
「ああ。とはいえ、薄々は勘づいていただろう?」
「それはもうわかりやすかったですから」
「だろうな。俺に見惚れない時点でお前は変わった女だなと思った」
「褒めているのかけなされているのかわかりません」

昼とはがらりと違うぶっきらぼうな態度にこの後の話の展開が読めないと思った有亜は瞬時に気を引き締めながら向かい側のソファーに座った。彼女が座ったのと同時に、アレクサンダーは書類を机の上に放り投げた。読めということなのだろう、書類を手に取った有亜は眉間に皺を寄せた。

「これ…私の調査書じゃないですか!」
「ああ。これを読んで、間違いなくお前ならできると思ったからここへ呼んだんだ」
「ここまで詳細に調べられると気持ち悪い…」
「修からも、お前なら大丈夫だと太鼓判を押してきた。確かに俺の素を見ても平然としているお前ならできそうだ」
「…何をやれっていうんですか」
「俺の婚約者になれ」

今、スゴイことを言われたような気がする。一瞬思考が停止してしまった。有亜は耳の中を擦りながら、もう一度言ってほしいと副社長に告げた。予想内の範囲だったので、アレクサンダーも要求に応えた。

「俺の婚約者になれと言った」
「聞き間違いであって欲しかった!!」
「敬語はもういいのか」
「今の貴方に敬意を払おうとは思えないので。いや、それよりどうして婚約者が必要なの」
「……本当に頭の回転が速いな」

事の起こりは、父親の度重なる結婚についてのせっつきだそう。前々からロマンチックな両親だったため、恋愛を育んだ上で結婚をするようにという。今までのらりくらりと交わしてきたが、今度は母親まで参戦してきたという。あげくに今度行われる母親の誕生日パーティーに彼女をつれてこいとまで命令されたので困り果てているとのこと。

「もちろん、偽の婚約者だ。良かったな、副社長の俺に見初められる経験などなかなかないぞ」
「なんてはた迷惑な家族!それで、何故私に?」
「いろんな派閥が絡むとかなり面倒でな。それに、お前は俺に見惚れないし、ありきたりな話題で飽きることはないだろうと踏んだ」
「……ん?どっかで聞いたような言葉ですね」
「お前が初対面で俺に向かって言った言葉だからな」
「もしかしなくとも、気にしてた?意外に器の小さい人だったんですね?」

皮肉が伝わったのだろう、HAHAHAと敬語つきで話す有亜に、アレクサンダーはかなり満足していた。

「……それに、俺の素を曝け出しても態度が変わらないところも高評価だ」
「はぁ」
「もちろん、取引として見返りは用意する。何か欲しいものはあるか?」
「全くないので、お断りします。それとその張り付けた笑み、気持ち悪いのでやめた方がいいですよ」

…最後の最後で張り付けた笑みもお気に召さなかったようだ。ちっと舌打ちするアレクサンダーをよそに、有亜は立ち上がった。
話がそれだけならばもう用はないだろうとドアに向かって歩き出そうとした。だが、彼女の足はそれ以上動くことができなかった。いつの間にか近くに立っていた彼が引き留めていたから。

「うわっ?い、いきなりなんですか」
「なるほどな。修が太鼓判を押すだけのことはある…確かに賭けは俺の負けのようだ。だが、逃がしはしない」

何しろ、本性がばれてしまったからな。と舌なめずりをするアレクサンダーに有亜は一瞬で背筋を凍らせた。

(やばい、逃げないと。今、逃げなければ嫌な予感が………!!!)

慌てて引っ張られた腕を振ろうとするが、それより早くアレクサンダーが腰に手を回してきた。そして腰からラインに這わせるように手を動かし、最終的には有亜の頬を撫でた。

「……肌もつやがいいが、髪も見事だな」
「褒めても、何も出ないから!!」
「母親の誕生日は二か月後。それから破棄するのにまぁ、三カ月ほどか。その間は俺に付き合ってもらうぞ」
「待って、私に拒否権はないんですか!」

有亜が見上げると、紫の目がキツネのように弧を描く。口元はくつくつと笑いが含まれており、この状況を楽しんでいるのだとすぐにわかった。顎を撫でてくる手は大きく、時に耳の裏を指で擦ってくる。イケメンではあるが、父親で慣れているからドキドキはしない。しかし、この展開の流れ的にまずいと感じていた有亜はなんとか頭をフル回転させた。

「じ、じゃあ、私の友達でも紹介し……」
「そんな手間をかけるぐらいならお前をやる気にさせる方に力を入れる」
「ごもっとも。で、でも、ご両親のお目にかなうかどうか…それに、パーティーって私が出れるような身分でもないかと」
「心配するな、社長である兄にも手を回しておく。もちろん、期限が終われば解放するし、破棄もお前の不利にならないように配慮はしてやる」
「…………」
「それとも、何か不満でもあるのか?この俺が婚約者になるというのに?」
「たいした自信デスネ…わかりました、これ以上粘られても困りますし。取引に応じますので、離れてください」

これ以上拒否していてもぴったりと張り付かれていては逃げられようもない。有亜自身とて、自分の言葉遣いがめちゃくちゃになっていることには気づいていた。内心ではそれぐらい動揺していたことになるのだろう。……もっとも、取引の内容に対してであって、彼に対してはまったくこれっぽちもときめなかったが。

「最初から頷いておけばよかったものを」
「耳元で息をしないでもらえますか!!見てよ、この鳥肌を…っ!」
「全くひどい女だ。俺が頬を触れば目を潤ませる女の方が多いというのに」
「………そういう女だから取引を持ち掛けたのでは」
「ああ、そういえばそうだな。まったくもってその通りだ。とりあえず座れ」

思いっきり皮肉をぶつけたつもりだが、副社長はスルーするつもりのようで、頬を撫でていた手が肩を掴み、ソファーへと移動させていく。彼に促されるまま、ソファーに再び座った有亜だが、アレクサンダーはそのまま、アリアの横に立った。そしてそのまま、なぜか有亜の髪を撫でながら机に腰かけだした。

(……マナーが悪い座り方をするのに、絵画のモデルにもできそうなほどのイケメンってどういうこと)

有亜の髪はかなり長い。いつもならまとめてバレッタで閉じているが、仕事終わりの時はいつもおろしている。それが仇になった形だ。ちなみに、腰を超えるほどの長さなので、定期的にヘアサロンで梳いてもらっている。それはともかくとして、彼は髪を弄るのをやめようとしなかった。机にあった封筒の方を有亜にほうりなげた時が唯一の例外だ。

「やはり触り心地が良い。お前の顏は平凡並みだが、髪のすばらしさは褒めてやる」
「ちっとも嬉しくない!」
「こっちが取引内容だ。それを読んだらサインを書け」
「ああ……って、待って、同棲ってどういうこと?」
「息子の前でも平気でいちゃつき、あまつさえことに及ぼうとする両親をだますためにはそれぐらいやらないと色々と突っ込まれそうな気がしてな」
「副社長も苦労されているのですね」

さすがにこれは同情するとばかりに頷いた彼女は理由に納得したのか、渋々と次の項目を読んでいる。
熱心に書類を読んでいる有亜を前に、彼女の髪を触るのは意外に楽しい。さらさらと長い髪は指と指の間に挟まり、それを梳くとこれまた絡み具合が良い。

(………不思議な女だ。これまでの女と違って化粧くさくもないし、香水の匂いもしない。平凡な顔立ちではあるものの、髪の手入れはもちろん、肌の手入れもきちんとしているようだ。これなら、両親も満足するだろう。しばらくはこの女で楽しめそうだ)

「読み終わりました」
「よし。何か付け加えてほしい内容はあるか?」
「婚約者は形だけですよね?なら、夜の相手は当然別の方で?」
「お前はあけすけに言うな……今は夜の相手はいないから問題ない。心配するな、平凡なお前に欲情する予定はない」
「ムカつきますが、良かったと思うことにします。金銭面での契約も家賃や交通費もそちらが負担するなら問題ないですし」
「こっちの都合で同居するのだからな、それなりには配慮しよう。ああ、当然このことは…」
「内緒ですね、解ってますよ」
「このことを知っているのは、修と第一秘書のポトスだけだ。……相談相手に女が必要か」
「それなら、私の上司の紗良さらさんがいいかと」
「総務部第一課の課長だな、彼女の父親が俺の部下にいるから問題はない」

細かい取引内容をいろいろ確認しあった後、最終的には二人揃ってサインを書き終えた。今度こそ用はないだろうと立ち上がった有亜だが、家まで送ると言われたため、結局家の前まで一緒にいるはめになった。

「はぁ、疲れた……」
「明日引っ越しだな、今晩は荷物をまとめておけよ」
「うわあ、最悪。休みを取ろうかな」
「文句を言えるなら十分だろう…おやすみ」
「あ、はい……おやすみなさい」

手をひらひらさせると、副社長は今までに見たことのない微笑みを見せた後、車に乗っていった。消えていく車を見送った有亜は星空を見上げながらぽつりと呟いた。



「……なんだ、普通に笑えるんじゃないの」







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