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リクエスト小説
莉里と虎矢の出会い(1)虎矢目線
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※なろうの方で、苺たると様から頂いたリクエストで書きました。
なんていうかさ、あれだよね、香帆と出会ってよかったなぁって思うのー。
あれこそ、まさに運命ってやつだよね。
八尋は、絶対それを無意識に言っていて。
ある意味それを平然と言えるってすげーなって思った。
なんなんだ、この女狂いがなんでそんなことをいうんだっていう呆れもあったけれど。
アジトでいつものように集会を終えて、幹部達と雑談に興じている最中に質問があった。
「・・・俺と莉里の?え、八尋じゃなくて、俺の恋愛についての話が聞きたいって?」
相変わらずわんこの言うことは突拍子だなぁ。
まぁ、面白みのない話だから、別に話したっていいんだけれど・・・・・。
「そもそも、莉里との出会いはこいつ・・・八尋がきっかけだからね」
そう、登良野莉里という人間との出会いは香帆ちゃんを探すことがきっかけだった。
「メンドイなぁ・・・とりあえず、彼女と同じ中学校から来た子を探さないと」
彼女の出身校と同じ中学校にいた人間については、こっそり職員室から名簿を抜いていたから調べるのも難しくなかったし、名簿を見て、すぐに気づいた。香帆ちゃんのクラスにも、香帆ちゃんと同じ出身校の子がいると。
もちろん、朝一番に1-A教室に行って、該当する子を呼び出してもらった。
「お、香帆ちゃんと同じグラスにも一人いるっぽいね。えっと・・・わるいねー、君らさぁ、登良野さんっつー人を、呼んでくれる?」
1-A教室にいた子を捕まえて頼むと、彼はまっすぐに香帆ちゃんの隣にいる子に声をかけていた。
(おっ、ビンゴ?香帆ちゃんと親し気な様子からして、有力な情報を持ってそうだ。)
その子は俺を見て訝しい様子を見せていたが、すぐにドアの方に来てくれた。
長いストレートロング、ぱっちりとした目、陶器のように白い肌。
顔はとこどなくぼーっとのんびりしている雰囲気があるが、顔立ちは整っているし、美人に入るほうだろう。
まじまじとその子を見つめながらも、本題に入った。
「えっと、いきなりで申し訳ないけれど、別室で話できないかなー?」
「・・・・・・内容による」
「内容は、うーん、簡単に言うと君の友達の情報を知りたいってことかな。あわよくば、君を通して、田城香帆っていう子と知り合えたらと思ってる」
「・・・ナンパ、お断り」
「俺は違うからね、どっちかってと最終的には、俺の・・・・ダチの彼女になってもらえたら・・・・と思ってるんだけれど」
途中でしどろもどろになったのは、香帆ちゃんの真面目そうな雰囲気を見て、うちのバカを思い浮かべたから。あのド変態女狂いが何をトチ狂って真面目な子を選んだのか・・・今だに理解しがたい。
(・・・・あいつ、今まで尻軽そうな子ばかり選んでたのにな・・・。)
じっと二つの黒曜石のような目がこっちを見てくる。腕を組んで何かを考え込んだ後、彼女は口を開いた。
「放課後・・・会える?香帆と会わせる・・・情報提供、こっちも条件つける」
「それは願ってもないし、情報交換に条件を付けるのも構わないよ」
さぁ、どんな条件が飛び出すのかと構えていたら、なんてことない。八尋の情報が欲しいという。
「話、早いね・・・・簡単・・・・鬼人族の族長の具体的な情報が欲しい」
「族長・・・・ああ、うん・・・八尋のことならいくらでも喋るよ」
「取引成立・・・面倒、一度しか言わない。メモするなら、ちゃんと聞いて・・・」
彼女の言葉に頷き、メモを取り出したその時、それまで片言だった彼女が勢いよく喋り出した。
「彼女は田城香帆。漢字は、田んぼの田、お城の城、お香の香、ヨットの帆。誕生日は5月14日、血液型はA型、中学校は地域が違う中学校にいた。あたしも一緒。でも、香帆は1人暮らしをきっかけにこっちに来た。国語と歴史が得意、苦手なのは物理・・・・他には?」
「あ、好きな男のタイプと入ろうと思っている部を教えて」
「本について語り合える面白い人がタイプ。もともと読書が好きだから図書部を選ぶと思うし、このクラスの様子からして、入部はほぼ確定だと思う」
「・・・了解、ありがとー。八尋については、同じだけの情報を書き止めておいた」
メモを取りながら、同じように八尋の情報も書き止めておいて正解。
彼女はちょっと感心した様子でメモを受け取って読んでいた。
メモから目を離すことなく、彼女は淡々と声を紡いでいた。さっきまでの勢いがウソのようにまた片言に戻っている。
「・・・女狂い・・・やっぱり、あいつか・・・放課後、玄関で・・・待ち合わせOK?」
「もちろん。ありがとう」
「・・・担任来た。じゃ、また」
「了解。放課後、よろしく」
まぁ、彼女の話し方とか、ふるまいとかには、いろいろとびっくりしたけれど、ああいう雰囲気も悪くないと思った。
「今までにいないタイプだなぁ、あの子」
俺の見るからに不良!ってカンジの容姿を見ても、特に反応ナシ。
それどころか、族長について知りたいとか言うし。
片言なのに、突然ペラペラと話すところも割と面白いって思ったし。
(・・・ちょーっと気になるなあ。俺がこんなに好奇心をそそられるなんてなかなかないよ。)
廊下を歩いて、教室の席に着いた時、思いだした。
「・・・・そういや、名前を言い忘れたな。まぁいいか」
(どうせ、放課後に会えるし。)
朝の会を終えた後、後ろの席にいた八尋がこっそりと話しかけてきた。
「おい、隆?何をニヤニヤしてたんだよ・・・もしかして女関係か?」
「遠目に撮ったカホちゃんの写真をニヤニヤしながら見ているお前と一緒にしないでくれる」
ほっんとうに心外。俺は純粋に気になってるだけだっての。
後、すっげー、今更だけれど、俺は虎矢隆ね。復唱お願いしやーす。
なんていうかさ、あれだよね、香帆と出会ってよかったなぁって思うのー。
あれこそ、まさに運命ってやつだよね。
八尋は、絶対それを無意識に言っていて。
ある意味それを平然と言えるってすげーなって思った。
なんなんだ、この女狂いがなんでそんなことをいうんだっていう呆れもあったけれど。
アジトでいつものように集会を終えて、幹部達と雑談に興じている最中に質問があった。
「・・・俺と莉里の?え、八尋じゃなくて、俺の恋愛についての話が聞きたいって?」
相変わらずわんこの言うことは突拍子だなぁ。
まぁ、面白みのない話だから、別に話したっていいんだけれど・・・・・。
「そもそも、莉里との出会いはこいつ・・・八尋がきっかけだからね」
そう、登良野莉里という人間との出会いは香帆ちゃんを探すことがきっかけだった。
「メンドイなぁ・・・とりあえず、彼女と同じ中学校から来た子を探さないと」
彼女の出身校と同じ中学校にいた人間については、こっそり職員室から名簿を抜いていたから調べるのも難しくなかったし、名簿を見て、すぐに気づいた。香帆ちゃんのクラスにも、香帆ちゃんと同じ出身校の子がいると。
もちろん、朝一番に1-A教室に行って、該当する子を呼び出してもらった。
「お、香帆ちゃんと同じグラスにも一人いるっぽいね。えっと・・・わるいねー、君らさぁ、登良野さんっつー人を、呼んでくれる?」
1-A教室にいた子を捕まえて頼むと、彼はまっすぐに香帆ちゃんの隣にいる子に声をかけていた。
(おっ、ビンゴ?香帆ちゃんと親し気な様子からして、有力な情報を持ってそうだ。)
その子は俺を見て訝しい様子を見せていたが、すぐにドアの方に来てくれた。
長いストレートロング、ぱっちりとした目、陶器のように白い肌。
顔はとこどなくぼーっとのんびりしている雰囲気があるが、顔立ちは整っているし、美人に入るほうだろう。
まじまじとその子を見つめながらも、本題に入った。
「えっと、いきなりで申し訳ないけれど、別室で話できないかなー?」
「・・・・・・内容による」
「内容は、うーん、簡単に言うと君の友達の情報を知りたいってことかな。あわよくば、君を通して、田城香帆っていう子と知り合えたらと思ってる」
「・・・ナンパ、お断り」
「俺は違うからね、どっちかってと最終的には、俺の・・・・ダチの彼女になってもらえたら・・・・と思ってるんだけれど」
途中でしどろもどろになったのは、香帆ちゃんの真面目そうな雰囲気を見て、うちのバカを思い浮かべたから。あのド変態女狂いが何をトチ狂って真面目な子を選んだのか・・・今だに理解しがたい。
(・・・・あいつ、今まで尻軽そうな子ばかり選んでたのにな・・・。)
じっと二つの黒曜石のような目がこっちを見てくる。腕を組んで何かを考え込んだ後、彼女は口を開いた。
「放課後・・・会える?香帆と会わせる・・・情報提供、こっちも条件つける」
「それは願ってもないし、情報交換に条件を付けるのも構わないよ」
さぁ、どんな条件が飛び出すのかと構えていたら、なんてことない。八尋の情報が欲しいという。
「話、早いね・・・・簡単・・・・鬼人族の族長の具体的な情報が欲しい」
「族長・・・・ああ、うん・・・八尋のことならいくらでも喋るよ」
「取引成立・・・面倒、一度しか言わない。メモするなら、ちゃんと聞いて・・・」
彼女の言葉に頷き、メモを取り出したその時、それまで片言だった彼女が勢いよく喋り出した。
「彼女は田城香帆。漢字は、田んぼの田、お城の城、お香の香、ヨットの帆。誕生日は5月14日、血液型はA型、中学校は地域が違う中学校にいた。あたしも一緒。でも、香帆は1人暮らしをきっかけにこっちに来た。国語と歴史が得意、苦手なのは物理・・・・他には?」
「あ、好きな男のタイプと入ろうと思っている部を教えて」
「本について語り合える面白い人がタイプ。もともと読書が好きだから図書部を選ぶと思うし、このクラスの様子からして、入部はほぼ確定だと思う」
「・・・了解、ありがとー。八尋については、同じだけの情報を書き止めておいた」
メモを取りながら、同じように八尋の情報も書き止めておいて正解。
彼女はちょっと感心した様子でメモを受け取って読んでいた。
メモから目を離すことなく、彼女は淡々と声を紡いでいた。さっきまでの勢いがウソのようにまた片言に戻っている。
「・・・女狂い・・・やっぱり、あいつか・・・放課後、玄関で・・・待ち合わせOK?」
「もちろん。ありがとう」
「・・・担任来た。じゃ、また」
「了解。放課後、よろしく」
まぁ、彼女の話し方とか、ふるまいとかには、いろいろとびっくりしたけれど、ああいう雰囲気も悪くないと思った。
「今までにいないタイプだなぁ、あの子」
俺の見るからに不良!ってカンジの容姿を見ても、特に反応ナシ。
それどころか、族長について知りたいとか言うし。
片言なのに、突然ペラペラと話すところも割と面白いって思ったし。
(・・・ちょーっと気になるなあ。俺がこんなに好奇心をそそられるなんてなかなかないよ。)
廊下を歩いて、教室の席に着いた時、思いだした。
「・・・・そういや、名前を言い忘れたな。まぁいいか」
(どうせ、放課後に会えるし。)
朝の会を終えた後、後ろの席にいた八尋がこっそりと話しかけてきた。
「おい、隆?何をニヤニヤしてたんだよ・・・もしかして女関係か?」
「遠目に撮ったカホちゃんの写真をニヤニヤしながら見ているお前と一緒にしないでくれる」
ほっんとうに心外。俺は純粋に気になってるだけだっての。
後、すっげー、今更だけれど、俺は虎矢隆ね。復唱お願いしやーす。
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