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第7章 せめぎ合い

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 ジッとさゆりを見続ける晴香、枕は持って来ていない。
 動く晴香、ベットに上がりさゆりの隣に滑り込む、二人とも仰向けなのでお互いの表情は見えない。
「何しに来たの?」
 目を開けて冷たく言い放つさゆり、頭の位置は微動だにしていない。
「愛する息子に軽蔑された親の顔を見に来たんだけど」
 晴香も上を向いたままで平然と答えている。
「今すぐ出てって」
 まだ上を向いたままのさゆり。
 むくっと起き上がる晴香、横向きになって肘をつきさゆりを見つめて、
「なに、もう泣き止んでる、もっと泣いてればいいのに」
「晴香っ、どこまで馬鹿にすれば気がすむの、いいから出てって」
 二人の目が合う、怒気を含んださゆりの目を極めて冷静な晴香の目が射貫くように見下ろす。
「お兄ちゃんに捨てられたら、私しか残ってないのよ」
 さゆりの目が戸惑いに変わる、晴香が掛け布団を一気に剥がしてさゆりに馬乗りしてくる、ショーツ一枚で他は何も身に着けていないさゆりが両腕で胸を隠すが、馬乗りになっている娘の背丈は165もある、150ちょっとのさゆりの力では太刀打ちできない、すぐに両手首を掴まれて剝がされる。
「なに立たせてんのよ」
「立ってない」
「これのどこが立ってないんだか、呆れるわ」
 両手首を掴まれているさゆりに胸を隠すすべはない、顔をそむけるのがやっとだ。
 上から見下ろす晴香の肩まである黒髪が垂れる、手首に巻いていた髪ゴムで後ろに留める、その隙にさゆりの両腕が胸を隠してしまう、薄笑いを浮かべた晴香が、無駄なことを、と言いながらさゆりの両手首を掴んで剥がす、動けなくなるさゆり。
「確かめてあげる」
 晴香の舌先がさゆりの乳首をひとなでする、あっ、と小さな声が出るがグッと耐えるさゆり、今にも泣き出しそうに見える、顔を上げた晴香の目がぎらついてくる、頭を下げる晴香、今度は舌先と舌腹で舐め回す、ダメッ、歯を食いしばるさゆり、頭が後方に反り返る。
「カチカチになってる、こんなに硬くして。私が来るまでなに考えてたのよ、誰かのことを思ってないとこうはなってないよね」
「誰の事も思ってないっ、晴香、もうやめて、お願いだから」
「ウソつきっ、誰のこと考えてたのか、言ったら許してあげる」
 あくまで冷静に攻める晴香。
「思ってないってば、本当だから」
「素直になればいいのに、女しか愛せない躰なんだから。私が来る前までどの女を思っていたのか言いなさい、言ったら楽になるから」
 ポイントを付いて攻めを続ける晴香。
「言えない」
「言わないと、ずっとこのままにするわよ、それでもいいの?」
 さゆりを見下す晴香、二人の目線がせめぎ合う。
「晴香が追いかけた、あの人よ」
 さゆりが陥落する。
「まだ続いてたの?」
「もう言ったでしょ、離してっ」
 晴香が手を放し馬乗りを止めて脇に退ける、起き上がるさゆり、掛け布団を引っ張り胸を隠しベットの背にもたれる。
「続いてない、離婚の原因はあの人だけど、ぜんぶ友也とあの人が仕組んでいたことだったのが分かったの、それで、思い出しちゃって」
「マジでっ、仕組まれてたって噓でしょ、信じられない、小説の世界みたい」
 複雑な表情を見せる晴香、それもそうだろう、父親が母親の浮気相手と共謀してただなんてどこの世界の話かってなる。
「現実の世界の方が小説よりよっぽどドロドロしてる、浮気がバレて追い出されたけど、本当は自分が罠に落ちてたとは今日の今日まで知らなかった、人を騙して裏切る、現実にこんなことが自分の身に起きるなんて思ってもみなかった」
 さゆりのショックのピークは過ぎているようだ、普通に話している。
「お兄ちゃんに話してしまった、後悔はしてないけど」
 母親が女性関係が原因で追い出されたことを拓海に伝えた晴香、もう少し待ってもよかったかも知れないと顔に出ている、苦渋の顔付をしている。
「もう、いいのよ。後で知るよりよかったかも知れない」
「だったらいいけど。それにしても騙して裏切った女を思い出して独りで興奮してたなんて、パジャマも着ないで、なにをしようとしてたか、分かるんですけど」
 晴香が近寄る。
「言わないで」
 さゆりが抱えている掛け布団が剥がされる、背を向けるさゆり、その体勢のまま背もたれからベットに引きずられうつ伏せにさせられるさゆり、すぐに晴香の腕がさゆりの両肩を押さえつけにかかる。
 二人の間に言葉はない、さゆりの拒絶の言葉もない、沈黙があるのみだ。
「さゆり」
 母親の耳元で名前を告げる晴香、瞬時でマゾ顔に変わるさゆり、晴香からは見えていない。
 晴香の腕が肩から両手首の押さえつけに向かう、押さえつけたままで腰骨のすぐ上から背骨を這いあがる晴香の舌先にたまらずにさゆりが声を出す。
「イヤっ」
 首筋に這う舌先と舌腹。
 さゆりが晴香の名前を呼ぶ、甘えた声が出ている。
 手首の押さえを解き、腰を両手で引き上げて四つん這いの体勢に変えてくる、背中の舌攻めはそのままで後ろから回した晴香の手が乳首を攻める、さゆりの息遣いが荒くなる。
 真っ直ぐにうつ伏せにされていたので四つん這いだが膝が閉じたままで脚は開いていない、晴香が少し後ろに下がりショーツに手を掛けて一気に引き下げ、有無を言わさずに恥部を広げてむさぼりつく。
 低い声で泣き叫ぶさゆり、「虐めて、もっと虐めて下さい」、舌先が侵入してくる、「ダメぇ、入ってくる」、挿入が繰り返される。
 舌を退けた晴香がさゆりに覆いかぶさって今度は右手で秘部を攻める、左手でさゆりの髪を鷲掴みして上に持ち上げる、のけぞるさゆり、「逝きます、また、逝ってしまいます」、何度目かの絶頂を迎えたさゆりがぐったりとする。
 さゆりを仰向けにした晴香がショーツを脱ぐ、さゆりの脚を割って重なる晴香、脚を大きく開いていく晴香、跳ね上がるさゆりの脚を両腕で抱えて前に倒す、晴香の秘部をさゆりの秘部にくっつけクリトリス攻めに移る、「当たる、晴香、当たる」「分かってる」、腰を前後と上下に動かしながら攻め続ける、さゆりの喘ぎ声がまた高まってくる、「逝ってもいいですか」、泣き顔に近いマゾ顔のさゆり、脳でも逝くのかも知れない、「いいけど、何て言うのかな、言えるでしょ、言いなさい」、見つめ合う二人、「逝きます、晴香様」「逝けっ」、ピアノの先生に犯される時の最後はいつもこうだった、二人とも犯されているので阿吽で分かっていたのだ。

 事が終わり晴香に抱かれて眠りに就くさゆり、さゆりが寝入ったのを確かめた晴香がつぶやく、「女しか愛せないお母さんが平凡に暮らす選択をしてくれてよかった、じゃなきゃ私生まれてない、私のご主人様も生まれてない、ありがとう、お母さん」。

 

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