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第57夜 入れ替わり
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高校2年の時、夜中に友人たちと学校に忍び込もうとしたことがありました。
深夜1時に正門前で待ち合わせしていたのですが、仲間のうちの1人であるJ君が時間になっても来ませんでした。
僕たちはJ君を驚かしてやろうと、正門を乗り越えて塀の陰に隠れて待っていました。
15分ほど遅れてJ君がやって来ました。
J君は
「なんだ、まだ誰も来てないのか」
と言って、正門の前でスマホをいじり始めました。
僕たちは笑いをこらえながら、その様子を見ていました。
僕はJ君のスマホに
『グラウンドの隅の旧倉庫で待ってるから早く来いよ』
とメッセージを送りました。
グラウンドの隅の旧倉庫は、昔死んだ生徒の霊に取り憑かれるから絶対に一人で行ってはいけないと言われていました。
J君は正門を乗り越え、すぐそばに隠れている僕たちに気付かないまま、旧倉庫まで走って行きました。
J君は旧倉庫のドアを開け、中に入って行きました。
「あれ?鍵開いてたんだ」
友人のうちの一人が言うと、J君からメッセージが届きました。
「お前、どこにいんの?みんな待ってるから早く来いよ」
僕は意味が分からず、J君に電話をかけましたが、J君はどれだけ待っても出ませんでした。
心配になった僕たちは、旧倉庫まで走っていき、旧倉庫のドアに手をかけましたが、鍵がかかっていて開きませんでした。
僕たちはドアをドンドンと叩きながら、
「J!出てこい!返事しろ!」
と怒鳴りましたが、J君からの返答はありませんでした。
結局、J君は気付かないうちに家に帰ったんだろうと自分たちに言い聞かせ、その日は家に帰りました。
次の日、J君は普段と変わらぬ様子で登校してきました。
僕たちは昨夜のことをJ君に訊ねましたが、旧倉庫のことを話題に出すと
「そんなの知らない。行ってない」
と無表情で答えるだけでした。
そして、J君は逆に僕たちに訊いてました。
「君たち、何ていう名前だっけ?」
その顔はJ君のようで、J君ではないようでした。
深夜1時に正門前で待ち合わせしていたのですが、仲間のうちの1人であるJ君が時間になっても来ませんでした。
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「なんだ、まだ誰も来てないのか」
と言って、正門の前でスマホをいじり始めました。
僕たちは笑いをこらえながら、その様子を見ていました。
僕はJ君のスマホに
『グラウンドの隅の旧倉庫で待ってるから早く来いよ』
とメッセージを送りました。
グラウンドの隅の旧倉庫は、昔死んだ生徒の霊に取り憑かれるから絶対に一人で行ってはいけないと言われていました。
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「あれ?鍵開いてたんだ」
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「お前、どこにいんの?みんな待ってるから早く来いよ」
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