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鳳未来斗
元気な子に甘やかされたい
しおりを挟む疲労増し増しチョモランマなのでうちの子に癒されます
「兄ちゃん」と呼ばれるおじさん視点
ーーー
仕事終わり。
家に帰ると天使のような子がお出迎えしてくれる。
「おかえりー!おしごとお疲れ様!兄ちゃんっ!」
玄関まで走ってきて最高の笑顔でお出迎えしてくれた。
「ただいま……あぁ癒される」
「ご飯作ったから食べて!…あ、でも、風呂からの方が良かったか?」
未来斗がご飯…………料理下手だけど最近友達に教えてもらいながら練習してるらしい。
「勿論ご飯から頂くよ、着替えてくるから待っててね」
「…!うん……っ!」ぱぁ
ーーー
黒焦げになったハンバーグとマヨネーズが多いポテトサラダ。
そしてちょっと味の薄いスープ…………
米もべちゃべちゃだった。
…………でも
「前はハンバーグ原型もとどめられてなかったのにちょっと焦げるだけになったなんて………、ポテトサラダもじゃがいもそのまんまだったし、スープは逆に濃すぎて具合悪くなったし、それに比べたらすごく成長したな…………」
米だって初めはほぼ水だったのに。
未来斗の成長が見れて嬉しい。
「はじめは早く火が通ればなって強火にしすぎちゃったからな……、…ていうかスープは、兄ちゃんが具合悪くならないかなって不安になったというか…………」
そう考えてくれるのが嬉しい。
「………未来斗」
「なに?」
「今すぐ甘えたいのですがあーんをして頂けませんか」
欲が
「…………ばか」
…………ッ
それはしてくれる時の反応…………!!!
「はい、口開けて」
「あがーーーん」
「開けすぎ……顎外れるぞ?」
尊すぎてつい
「……ん、…美味いなぁ!」
「………そう…?良かった。」
ーーー
風呂。
「一緒に入る??!」
「もう入った」
すごい冷えた目…………
「…背中、流してあげようか?」
と思ったら急に笑顔になった。
…………ああでもこの笑顔は、なにか企んでいる時の笑顔だ。
「お願いします!」
………
「ああ”ぁ”ーーー!!!!」
水かけられたー!!!
「ちょ、未来斗!!背中流すフリして水をかけるんじゃない!!」
当の本人は意地悪く笑っていた。
「兄ちゃんが怒ったー!」
「ま、こら未来斗!!」
もうやだこの子…………
「…あ、兄ちゃん!風呂上がったらアイス食べよ!」
ーーー
冷凍庫にバニラアイスとソーダのアイスがあった。
「未来斗、どっち食べる?」
「ソーダ!」
俺も好きなソーダが取られた。
「いいけどさぁ…バニラも」
「あ、じゃあはんぶんこしよっ?……はい兄ちゃん!」
未来斗はにぱっと明るく笑ってソーダのアイスを一口くれた。
………そんな眩しい笑顔で、本日二度目の「はいあーん♡」………
「………っ、…誰にでもそういうことするなよ……?」
「……?兄ちゃんにしかしないけど………、溶けちゃうよ」
溶けると勿体ないので急いで食べた。
「ッつめた~!!」
「あははっ!……あ、兄ちゃんのも頂戴?」
お返しにとスプーンでカップアイスのバニラから一口分取って、未来斗にあげた。
「…あむ、」
食べ方可愛い
「………甘い…、…やっぱりどっちも美味しいな!」
そう言って笑う未来斗に、幸せを感じつつ頷いた。
ーーー
「未来斗寝るよ、漫画はそこまで!」
「あー」
ベッドでも漫画を読む未来斗から本を没収した。
「全く………、………ってまたこんな如何わしいものを…………」
腐男子、ってのは聞いてたけどこんな………いやらしいものを堂々と読まないで欲しい。
「いかがわしくないぞー健全だもん!!」
「とりあえず俺の前で読むのはやめろ、……こんなの見たら………、………」
男同士なこと、少し意識してしまう。
「…兄ちゃん?」
「未来斗は…こういうの、見るのが好きなのか?」
なんだか聞くのも恥ずかしいけど、それを聞かれた未来斗はしばらくの沈黙のあと、
「………えっと……、……うん、そう、だよ?」
その質問に肯定した。
「そうだよな…はは………」
「あはは……、…、……うん、」
なんだか微妙な空気になってしまった。
(でも………もしかして、この微妙な空気がチャンスになることもあるんじゃ)
そう捉えて、もう一押し。
「好きな相手が同性とかさ……ほんとにあるのかな」
「沢山いると思うよ…?………ほら、…同棲とかもしてる人達もいるんじゃないかな」
…………ッ
それは俺達にも当てはまっているんじゃないか、そう思って未来斗を見る。
さっきまで何事も無かったように普通だったそれは、真っ赤になった頬を隠すように俺から目線を逸らしていた。
「み…未来斗、それってさ「っああもうこの話おしまい!!寝よ!!」……っあ、」
これで終わったら、またこのままの関係。
………もっと、もっと進みたいのに
勢いで声が出ていた。
「………ッ、俺は!!!
未来斗のこと……すっごい好きなんだけどな………」
...
なんだかかなり恥ずかしいことを言っている気がする。
「恋人とか夫婦とか、そういう好きなんだ、俺にとってずっと隣にいて欲しいのは未来斗だけなんだよ」
素直に言葉が溢れてくる。
「………兄ちゃん…………」
確かに俺と未来斗の関係はとても曖昧でふわふわしていて、恋人とも、親友とも呼べないような仲だった。
出会った時の事もはっきりと覚えていない、それでも
「俺は……未来斗のこと、大好きだよ」
………この人ともっと先に行ってみたい。
…………まあ、俺に意気地があればの話なんだけど。
「って、…なんか恥ずかしいな!!」
結局いつもこうなる。…ヘタレってこういう時辛い。
「ははっ…ごめん、もう寝よっ「…兄ちゃん、」うん…?………、……っ、」
目の前のことから目を逸らそうとした次の瞬間、口が柔らかいもので塞がれる、そんな感覚がした。
「……んッ」
少ししてそれが離れて、俺の目の前にいたのは未来斗だった。
「え…未来斗、今のって……キ「今は…それしか出来ないけど、」………っ、」
かなり顔を真っ赤にして、それでもまっすぐ俺の目を見てくれた。
「もっと兄ちゃんの役に立てるように…兄ちゃんのこと甘やかせるように、頑張るよ。
そうしたら、この続き、……しよ?」
...
..
「………はい……」
………こんなに甘くて、暖かくて、
幸せすぎるこの子との時間を全力で守っていきたいと思った。
ーーー
おまけ…固定カプ海斗くん
「え、なんで今回俺じゃないんですか俺しか適任じゃないですよ!!!」
あまあまな回に登場出来なかった海斗くん、次は頑張れー………☆
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