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その他
施設 *ちょっと閲覧注意
しおりを挟む施設と呼ばれる人間矯正所が常識になった世界。
20歳以下の未成年が大人に逆らうと施設に連れて行かれる。
子供達の間では施設が恐れられていて、それでも大人には施設の撤廃が認められない。
「悪い事すると鬼が迎えに来るよ!」みたいな感じで「施設に連れてくよ!」と言われる世界です。
施設にいる時間は大人が決めることが出来る。
大体1週間~1ヶ月、子供がいらない人はずっとと言う人もいる。その場合はまた別の事をされる。
ーーー
《澪の場合》ヒステリックな親 中学生
「ほんと使えないのよあんた!!!」
施設に連れて行かれる回数を周りと競えば、間違いなく圧勝で勝てるんじゃないかと思っている。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「もういいわ………施設に連れて行く」
家事を失敗して怒られた。
母が携帯を耳に当てる。
「や"…、お母さん、ごめんなさい、施設やだ」
涙が止まらなくて、必死に身を起こしてしがみついた。
母は精神が不安定になる度に僕を施設へ連れて行った。
「ご…ごめ、ごめんなさぃ、いい子にするから」
「ッ触んじゃないわよ!!」
土下座して謝っているうちに、家の呼び鈴が鳴った。
またあの人が迎えに来る。
「や"……、やだ、お母さん」
「すみません………またお願いします」
もうこの人とは顔見知り。
施設に行ったのはこれで何十回目になるんだろう。
「双葉澪くんか、また君?」
後ろにトラックのような車。荷台から子供の泣き声が聞こえてくる。
その運転手は施設の「従業員」というところ。
この黒いトラックを街で見かけない日は無い。
施設に連れていく子供の送り迎え。
「やめて、お願いします、おかあさ「1週間でお願いします」ッ…やだ」
いくら泣いても母には届かなかった。
襟首を掴まれて荷台の中に投げられ、ドアが閉まる。
ーーー
………1週間後。
「いい感じに従順になりましたね!」
壊れた僕を従業員が連れて、1週間ぶりの母の前に立たされた。
母は施設に連れていったことを今更後悔しているらしい。いくら後悔しても無理なものは無理なのに。
一時的な感情で、何度も何度も僕を施設へ入れて、その度に僕はあの地獄を見て、味わってきた。
骨は潰されて砕かれて、泣いても泣いても動く事は出来ない。
過呼吸は当たり前、呼吸困難で気絶しても起きた頃にはもう拷問は始まっている。
そんな環境で調教されて、洗脳された僕は驚く程従順になった。
骨が折れて立てない足も、青黒に酷く腫れた頬も。
僕を見た母は泣いてた。一体何回目なんだろう。
「ごめんね……もう二度と施設なんて連れて行かないから」
そう言って僕を抱きしめて泣いた母の姿はもう、何回も見てきた。
(どうせ……また連れていく癖に。)
心の中で呟いたその言葉を、泣き出す母の前で声に出す事は無かった。
ーーー
《優馬の場合》 高校生
「この子いらないわ。施設に入れましょう」
母親の記憶はあまり無い。
外の世界も知らない。
「優馬、ここの掃除お願いね。」
幼い頃からここにいる俺は、従業員として生活していた。
「はい、分かりました。」
期間が終わって返された子供がいた部屋を掃除している。
免許が取れるまではここの清掃員らしい。
「……うわ、…においきつい」
「大分血出てたからな………」
このにおいをかいでも吐いたりすることは無くなった。
『やだッ、やだ!!ぁあぁ"ぁあ"あ"ぁぁ"ぁ……ッ!!!』
………突然どこからが聞こえてくる叫び声も。
「……そうだ優馬、先生が優馬のこと、アシスタントにしたいんだって」
「え……アシスタント?」
アシスタントは、拷問する時にする人の手伝いをすること。
俺くらいの年齢になるとやらせてもらえる。
「だから行ってきてみろよ。」
「はい…分かりました」
ーーー
先生の部屋に行ったら本当にアシスタントをやらせてもらう事になった。
案内された部屋について行って、そこで初めて拷問相手と対面する。
(へぇ………年下かな)
黒い髪の男子。……可愛かったので初見は女子だと思った。
拘束椅子に座らせられて、酷く怯えている。
「お前もいずれやることになるからな。よく見てろよ」
「はい、分かりました」
泣いて「助けて」と叫ぶその人を見ても何も思えなかった。
……それに罪悪感を抱くように教育されていなかったから。
「双葉澪、……まぁこの人は常連だな。」
確かに既に傷だらけ。
服で体は見えないけど顔にひどい痣がいくつもあった。
「お前と同い年だ」
「え、そうなんですか?」
年下かと思った………
「暴れるようだったらまずは黙らせる。頬や腹、鳩尾を殴れ」
「はい、…はい、」
教わったことをメモして覚えようと必死になっていた。
その間も何度もその人は「助けて」と俺を見ていた。
「言う事を聞かないなら聞くまで指を一本一本潰していく。その前に爪を剥いでも構わない」
実践しながら先生は教えてくれた。
「拘束を解く時もあるが………その時少しでも逃げようとしたら足首をこれで叩くんだ。骨が砕ける音がするまでな。」
既に男の子は両足どちらもされているようだった。
移動する時は先生が運んでいた。
教えて貰いながら実践して、時間が過ぎていく。
「あと6日。出来そうか?」
「はい!俺も早く一人前になりたいので………、……俺が実践するのは駄目なんですか?」
早く出来るようになりたくて聞いてみた。
男の子は既に意識が無い。
「出来ないことは無いが………暴れて怪我されると大変だからな。」
否定されたのもつかの間
「まぁ………双葉澪は大人しい方だし……出来るかもな」
「ほんとですか…?!」
「ああ、明日やらせてやるよ」
初めての拷問。
「楽しみです、寝れないかも………」
「駄目だ、体力仕事でもあるからな」
男の子を再び拘束椅子に座らせて、部屋が閉まる。
その日は楽しみで寝られなかった。
ーーー
《未来斗の場合》近所のおじさん 中学生
「弱い者いじめするなよ!!」
正義感が強かった俺は、帰りに動物をいじめている人を見つけてすぐに駆け寄った。
「チッ………」
「大丈夫か?もう怖くないから………」
男を背にその動物を撫でて、安心させる。
…………けど、
「もしもし?施設お願いします」
油断していた。
「なッ………!」
「クソガキには当たり前の制裁なんだよ」
逃げようとしたけど、運悪く車はすぐ近くにいて、
「この子ですか?」
「はい、お願いします。………期間は1年で。」
そう聞いた時、顔が青ざめた。
「う……うそ、むり、そんなの」
来月受験も控えているのに、
「………ぃあ"ッ!!」
髪を掴まれて無理矢理トラックの荷台に投げられた。
「ッ……はぁ、はぁ、は………」
施設なんて行ったことがなくて、不安でたまらない。
一緒に怯える子供達を見て、さらに不安感が募っていくばかりだった。
「お母さん……お父さん、」
ーーー
連れてこられたのは部屋。その中の椅子に座らせられた。
椅子に座ると拘束されて、身動きが取れなくなる。
「ふざけんな…家に帰せ!!」
怯んでいないと見せつけるように睨み付けた。
「………」
それでも相手は無言で何かを用意している。
そのうち………部屋に沢山の男達が入ってきた。
「ひ………、何を」
「ここに来るのが中学生とは………余程いい親に育てられてきたんだな」
ようやく喋りだした男が先端が尖った太くて長い棒を持ってこっちにくる。
「でもまあ羞恥心があるのもいいだろ、ここに初めて来たらまずは処女を奪うからな」
…………ギョッとした。
「は………、何言って、…ッやめ、やめろ!!」
学ランのズボンと下着を脱がされて、でも拘束されているから抵抗も出来ない。
「ひ………ッ」
中に指が入ってきて、恥ずかしさと恐怖で息が苦しくなった。
「やだ…やだ、やだ」
怖いのに抵抗すら出来ない
そのうち指が抜けて、さっきの先の尖った棒がこっちに向けられた。
「やだってば、やめて」
「………」
息が苦しい
フー、フーッ、と、呼吸が荒くなっていた。
「お父さ………、…ひッ…!!」
刺される感覚があった。
痛くて、感覚が消えていく。
「やだ……、…ひ、あ"、あぁ"ぁあぁ"ぁぁ"……!!!」
異物感が一気に来た。
気を失いそうな程、気が朦朧としている。
「た…す、け、」
声に過呼吸が混ざっていた。
肉が裂けていくような有り得ない音がして、吐き気も襲ってくる。
「ぁ"………、…お"っ」
もう意識がなくなりそうになった時………ようやく、それが中から抜かれた。
まだ呼吸は苦しくて、息を整えるのに必死だった。
「………ひッ、…は、はぁ、ふ、っは………」
でも、休む暇はなくて、
「壊れるまで頼む、3回くらい気絶させろ」
男は後ろにいた沢山の男達にそう指示した。
こっちに来てベルトを外す音がして、背中が凍る。
「も"……やめ」
顔の前に性器が出された。
硬直してしまって、逃げることを忘れてしまう。
「やだ、やだ、やだやだやだ」
壊されるまでずっと、
嫌だと何回言っても、
何度も何度も犯された。
ーーー
「………壊れたか?」
「そうか……明日もする事があるからな、とりあえず寝てる間にここは掃除しておこう」
この地獄はあと1年。
耐えられる気がしなかった。
ーーー
《海斗の場合》毒親 高校生
「また1位になれなかったのか………馬鹿が!!」
テストで1位にならないと、必ず施設へ連れていかれる。
それが嫌で仕方なくて………必死で勉強してるのに、順位は上がらなかった。
「父さん、ごめんなさい、勉強…勉強する、ちゃんとするから」
腕を掴まれて無理矢理車に乗せられて、連れていかれた先で拷問を受ける。
あの恐怖に慣れることはなくて、1位を取るために俺は自分を捨てることにした。
「あの………お願い」
クラスの人達に協力してもらうことにした。
1位の人に言っても良かったけど、事情があってそれは出来なかった。
複数人に協力してもらう………効率は悪いと思ったけど、仕方ない。
「じゃあさ、ヤらせて?そしたら協力してあげる」
「………え」
そう言われて一瞬困ったけど、でももう施設に行った時に処女なんて無くなってる。
「うん……分かった」
何も捨てるものなんてないと思っていた。
ーーー
「んっ……、ん、んん」
脚を開いてしゃがんで、相手の性器を咥えて、手でも対応する。
いくらやっても終わらなくて吐きそうだった。
「や…ぁ、ッん゛!!」
口に出されるのと同時に手で扱いていたものも射精する。
2つ同時に来て苦しかった。
「さてと、」
今度は体を寝かせた。
柔らかいものなんてないし、教室の床だから骨が当たって痛かった。
「ズボン脱ごうねー」
「っ…、う…ぅ」
ベルトを外されてズボンが脱がされていく。
こんなこと施設だったらなんて事ないのに、同級生の前だと苦しくて仕方なかった。
「………あ」
何回も使った中に、異物が入ってくる。
この感覚ももう慣れた。
「ひ…ッ、ぅぐ、………ん゛」
それでも痛いものは痛い。
背中も、いれられているところも、全部、全部。
「はーッ……、はー………」
「テストで1位になりたいもんなー、頑張れよー海斗君」
でも施設に連れていかれないだけまし。
そう思うと耐えられた。
………そうだったのに、
ーーー
「は………なんで」
テストの点数はかなり下がっていて、1位どころが2桁に及んでいる。
「あれ、駄目だったんだ。どんまいどんまい」
クラスメイト達は笑ってた。
「そんな……………」
もう行きたくないのに、
(また……父さんに怒られる、施設に連れてかれる、もう無理、やだ)
気が狂った。
(そうだ………)
ーーー
「あの………腕、折ってください」
施設の人に頼んだ。
もう勉強なんてしたくないから。
「お願いします………もう限界なんです」
「………する事は既にこっちで決めているから」
でも、駄目だった。
「…………」
帰っても地獄、ここにいても地獄。
それでも逃げてはいけない。
(これが…………"普通"なんだよな)
それが俺の「当たり前の日常」だった。
ーーー
《郁人の場合》優馬と会います 高校生
「ふぅん……俺と同い年なんだ、お前」
面白半分で連れてこられた施設で、同い年の男に会った。
「僕今回は何されるの?」
「んーと、まず指を潰すっぽい。それから根性焼きを………」
内容が書かれているであろうバインダーにセットされた紙を見ている。
優馬という、背は僕と同じくらいだと思う。
僕が椅子に座って拘束された状態で、そんな時優馬が部屋に入ってきた。
「あ、俺先生のサポート役なんだよ、研修中みたいなやつ、前の人終わったら先生来るから」
「あっそ………」
これが当たり前だと認めてしまえば、割と拷問も耐えられる。
………耐えられる訳じゃなくて、単に壊れてしまっただけなんだろうけど。
「なぁ、俺とちょっとお話しようよ」
「………拘束解いてくれたらね」
「解き方は先生しか知らない」と笑う優馬。
こっちはまるで歯医者の治療を椅子に座って待っているような気分だった。
「高校って楽しいの?お前頭良い?なぁ」
「………人の事お前って言う奴とは話したくない」
そう言うと優馬は一度バインダーの紙を見た。
「………郁人」
「あぁ、名前で呼んでくれるんだ………」
「おう、だからちゃんと応えろよ?」
まぁ………暇つぶしにはなるだろう、と体を楽にする。
「高校は人によると思うよ、つまんないならつまんないし楽しいなら楽しい。………一応頭は良い方だと思うけど。」
さっきの質問に返事をすると、しばらくしてまた質問が来た。
「す……好きな食べ物は?!普段何時に起きる?外の世界って………」
質問が止まらない。
返していくのが精一杯だった。
「へぇ………すごいな、外の世界って………」
「……連れて行ってあげてもいいよ、ここから逃がしてくれるなら」
「それは駄目」と言われた。
「今更外の世界になんて行けないよ、俺頭悪いし………」
「そんなの勉強してみないと分かんないじゃん」
そう言うと優馬は少しだけ外の世界に期待したような目になった。
でもすぐにそれは諦めに変わって、
「………いいなぁ。」
そう、目を逸らして呟いた。
「……そういえばさ、俺見てて思うんだけど、ここに最初に来た時にされるあれって何?」
………それについては覚えてる。
「処女喪失だよ」
「……しょじょ?」
……そこまで教育されてないのか。
「んー……なんて言えば………純粋さがなくなる、みたいな」
「ごめん分かんない………」
………難しい。
「俺は?俺処女?」
「知らないよ………、……まぁ、子供がすることではないけど」
そう言うと何故か優馬の目が輝いた。
「俺もしたい!」
「……はぁ?!」
何言って…………、そう思ったけど、
(あー……セックスとか知らなそう)
それに気付くと、暇つぶしにはなるだろうと考えてしまった。
「じゃあ僕とする?」
「……?」
ーーー
そうは言ってもこっちは縛られてるので難しい。
本番以外でやることにした。
「ん…、っん、……ん、ぅ」
優馬が僕の膝の上にのって舌と舌を絡めた。
向こうがやり方を知らなかったからこっちが教えてあげてる感じだけど。
「っ…ふ、んぅぅ………」
そろそろ苦しそうなので離してあげた。
舌から引いた糸が切れて、目の前の男が袖で自分の口を拭ってる。
「っ……恥ずかしいなこれ」
「そう?まぁ初めてなんてそんなもんか」
あの時は恥ずかしさよりも恐怖の方が大きかった。
「………もっとする?」
「え"っ」
流石に断られるかな、と思った。……けど、
「うん………したい」
優馬は興味津々な様子だった。
ーーー
「えっと………ここにいれるのか?」
「うん、そこ……かな」
こっちが攻めたかったけど、縛られているから諦めた。
「こんなとこに指入れるなんて、大人って変な事するんだな」
「……そだね」
...
「っん、……ぁ、」
いつも酷いから、いくら素人でも悪くないと思ってしまったのはきっと気の迷い。
「……ッ」
「ふ……、…っん、んぐ」
指がどんどん奥に入ってくる。
(いつもいきなり挿入だったから分かんなかったけど………指でされるのってこんな感じなんだ)
なんて思っていたら、途端体に電流が流れたような感覚がした。
「ひぁ"ぅ……ッ!」
「……!…何か、ゴリってした」
好奇心のままにそこばっかり突かれて、快楽が強すぎて視界がばちばちと光って眩んだ。
「ぅ"…あ、ぁ"」
「郁人?…大丈夫?」
………もう少しで達しそうだった。…その時。
「………何してるんだ」
部屋に男が入ってきた。
「ッ……!」
「あ……先生」
………まずい。
優馬は指を抜いて、嬉しそうに先生のところへ駆け寄って行った。
「今郁人から大人のする事を学んでました!」
「…そうだったのか、勉強になったか?」
優馬には優しく微笑んで、それから僕の方を強く睨んだ。
「ぁ……」
「お前には少し強めに教育しなくちゃいけないな」
これはまずい。
それに気付いた時には、もう既に遅かった。
ーーー
《李世の場合》ベテラン 高校生
体を売るのはもう慣れた。
施設に送られるのも慣れたし、むしろそれが当たり前なんだとも錯覚している。
援交だって気持ち良くなければ気持ち良さそうに鳴いてイキ狂わせられれば「ごめんなさいいい子にするから」って泣いて謝ればいい。
それであの人達は興奮するみたいだし、こっちはこっちで援交して母親に必要とされるのは嬉しかった。
たまに上手くいかないと罰ゲームみたいな感覚で母が施設に連れていくけど、それも母が楽しいならそれでいいやという感じで、
それが当たり前でごく普通の日常。
「真冬、今日駅前に新しく出来たお店行ってみない?」
友達はいる。普通に。
「……」コク
「決まり!なんかねー」
放課後、友達の真冬と駅前に行った。
駅前には人も車も多くて、今日も
「あ、施設の回収車」
沢山あの車を見つけた。
「ふふ、目立つねーあれ」
「………」
また1人、2人、泣き叫ぶ子供が中に投げられる。
あれが普通の反応なのかな?と思いながらも買った新作スイーツを口に入れた。
「んー…っ!おいし~…!」
真冬もリスみたいに口の中に詰め込んで黙々と食べてる。
学校帰りなこともあって時刻は既に5時を過ぎていた。
「あ、そろそろ帰らないとだね。真冬が施設に連れてかれちゃう」
門限を破るだけで施設に連れていかれる真冬の為にも、今来たこの電車に乗ることにした。
ーーー
電車の中にいた男達が駅を出てもずっとボク達の後ろを歩いている。
まずいなぁ……なんて思いながら真冬と一緒に歩く速度を速めた。
でも逃げ切れるはずはなくて、捕まって2人とも路地裏に連れ込まれた。
「大人しくしろよ、施設に連れてくぞ」
「「………」」
それはボクは構わなくても真冬が困る脅し。
真冬は施設に連れていかれることを誰よりも怖がってるから。
(真冬の門限もあるし早く終わらせて帰るしかないか………)
それが1番良いと、出された性器を淡々と舐めた。
手も使って、セックスがしたいなら挿入もさせた。
「ぁ………、り、……りせ」
「…ん、…らいひょーふ」
怯える真冬に「大丈夫」と言おうとしたけど性器が邪魔で言えなかった。ちょっと腹が立ったので噛み砕きたくなった。
相手は3人、ボク1人で一気にさばける量。
(早く終わらせないと………あ、夜ご飯何作ろう)
余った右手でスマホをいじりたいな、と思ったけど逆上されたくなかったのでやめといた。
「テメェもやれよ」
「ッ……」ビク
手コキしてる奴が真冬の腕を掴んだ。
ぎゅ、っと強く性器を、握りつぶす勢いで握る。
喋れないからこうするしかない。
「李世……、りせ」
………真冬が怯えてる。
平気なんだけどな、と思うけど周りから見たらそうでもないのかな。
(このまま真冬を先に帰してあげてもいっか………ボクも遅くなったらお母さん心配するし、今日会う約束してた人にも迷惑かけるけど、)
それでもまぁ……真冬が平気ならそれでいい、
なんて考え事していた。
「ふは、……あの、そっちの子先帰していいですか?」
聞くと、あっさり許可を貰った。
男達はニヤニヤと笑っていたけど………約束通り真冬を先に帰らせて、ボク達だけが路地裏に残る。
「まぁこいつだけでもいいよな………」
「そうだな、……おい」
男達が取り出したのは、
「……………え……」
白い粉。
「な……ッ」
「抑え付けろ」
動揺している間に両脇にいた男2人に体を地面に押さえ付けられた。
「や…、やだ、嫌だ…っ」
人生を終わらせるつもりなんてない。
抵抗しようと動いても男2人に押さえ付けられた体はビクともしなかった。
(あれ………ボク、なんで)
でも気付いた。
(なんで嫌なんだっけ………いつも何されてもそんなこと言わなかったのに)
嫌なんて言わなかった、思わなかった
「………ッ」
駄目だ………ちゃんとボクでいないと。
(ボクなら、高山李世なら、こういう時は)
可愛く笑って、「はい」って言うんだ。
「………、………はい」
それが1番ボクらしいから。
………薬を飲まされてからの記憶は曖昧で、
でも確かにそれにハマってしまったことは今でもよく思い出せる。
………それが、中毒になってしまったから。
ーーー
《真冬の場合》虐待 高校生
夏休み。
家でソファに寝転がって本を読んでいたら父親がリビングに入ってきた。
「おい、そこ退けろ」
この人に命令されるのは嫌いなので答えなかった。
それが気に触ったのか、
「ッ……!」
髪を掴まれて、頬を叩かれた。
まずい……そう思った時にはもう遅くて、
「ガキが親を無視するんじゃねぇ!!施設呼ぶぞ!!!」
「施設」と聞いてサーッと顔が青ざめていくのを感じた。
「ぁ……ごめ…なさ」
「もしもし、すみませんお願いします」
すぐに父は施設に連絡をした。
「やめて」といくら頼んでも腹を蹴られて動けなくなるだけで、
すぐに………家の呼び鈴が鳴った。
「………ッ、ぁ、」
怯えていると腕を掴まれて無理矢理玄関まで引きずられた。
「回収に来ました」
「や"ッ……、お父さんごめんなさい」
怖くなって必死に謝ったけど、髪を掴まれてトラックの荷台に投げられる。
ドアが閉まって真っ暗になった。
『あー、じゃあ今回は1ヶ月で』
外からそんな声が聞こえてきて、そんなの無理だと壁を叩いたけど無駄。
暗いから見えないけど、周りには泣く子供や諦める高校生も沢山いる。
体質的にすぐに喉が苦しくなって、「助けて」と言うのをやめた。
ーーー
施設は嫌い。
昔大事な物を目の前で壊されたから。
痛いのも嫌いだし、苦しいのも嫌だ。
「夏休みは依頼多いですね」
「そうだな……いくらやっても終わらないな………」
作業感覚でこの人達は僕達にトラウマを植え付けていく。
それはこの世界では特に問題のあることではなくて、
「ふッ…!?ん"、んーーッ、…ん、」
拘束椅子に座らせられて目隠しと猿轡をされる。
足は開いた形で拘束されて、中にバイブをいれられた。
「よし、次行くか」
「はいっ」
忙しい時はこうやって放置されがち。
これはまだましな方だった。
爪を剥がされるよりもウイルスを体内に入れられて苦しむよりも、
(前のお父さんから貰った大事な物を壊された時よりも……これはずっとまし)
それでも涙が溢れてきた。
30分おきにサイズや形を変えるために1回交換されて、それに今度は意識が無くなるのを高確率で防ぐ薬も飲まされる。
これが3日は続く。
1人でずっと暗くて狭い部屋にいるのだって精神的にはまずい。
(李世…李世、たすけて)
………夏休みの宿題だって終わってないし、李世と遊ぶ約束もあったのに。
(宿題……施設に連れてかれて出来なくても、自分の責任なんだっけ、…こんなことなら早く終わらせておけばよかった)
最悪の夏休みだった。
「ん"ぐッ、…ん…んん、」
ただ痛くて苦しい
これに懲りたらもう二度と逆らったりしない、そう誓うのに出来なかった。
ーーー
1ヶ月後。
ようやく家に帰ってきた。
「真冬……ッ」
母親が抱きついてきて、泣いて何回も謝ってきた。
「ごめんね、私がいれば」
そう言うけど………それだけ思ってるならあの男と離婚して欲しいのに。
どうせ出来ないならあの男と一緒だ。
(あと何回施設に行くんだろう………)
沢山怪我をして、骨を折られて血を抜かれて、
ボロボロな体で、もう空っぽな頭で、
あの人達に逆らうことは出来なかった。
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