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空の旅と王都
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「すげぇ……」
「本当に空を飛んでる……」
横暴貴族がお付きの騎士に回収されていった後、俺たちはすぐに王都に向けて飛び立った。
あの貴族、だいぶ恥をかいたからな。しばらくは、ヒソヒソとバカにされ続けて生きることになるだろう。
もしかすると、一族の威厳を落としたとかで当主からのお叱りや罰を受けている頃かもしれないな。ざまあみろ。
乗客のみんなからも感謝の言葉を貰えたし、野次馬からも大量の歓声が飛び交って、貴族がいなくなった後は大盛り上がりのお祭り状態だった。
それだけ、貴族が反抗されて打ちのめされるのは珍しいことなのだろう。これも、Aランクという権力を得たからこそ出来たことである。
ファンのみんなに感謝すると共に、絶対にこの権力を悪用しないことを誓った。
天龍になってしまっているせいで、みんなとのコミュニケーションを取ることはできないが、それぞれ楽しそうにしてくれていて何よりである。
皆、初めての空の旅であるにも関わらず、怖がっている人が皆無なのは、平民の底力というものなのだろうか。実に頼もしい。
そんなこんなで2時間ほど飛行していると、巨大な城を囲むように出来た都市を発見した。きっと、あれが王都だろう。
本物の魔物が襲来したと勘違いされては堪らないので、そろそろ着陸することにしよう。
翼と風の力でゆっくりと着地し、風を操って全員を地面へと降ろした。
突然体が浮遊して驚いたことだろう。それにもかかわらずすぐに適応し、上手に身を任せてくれた。流石である。
「魔物の襲来だと勘違いされてしまいそうなので、ここからは歩いていきましょうか」
「おう、そうだな」
「ここまでありがとうございました!」
「いやぁ、本当に助かりましたよぉ」
「馬車より楽だし、こんなに早く着いちゃうなんて!」
人間の姿に戻ると、一瞬で感謝の嵐に埋め尽くされた。本来6日かかるはずだった道を2時間だからなぁ。この反応も頷ける。
それから、馬車と違ってお金をとっていないこともあるだろうな。王都まで来ようとすると、数万ゴールドはかかるはずだし。
「いえいえ、本当についでだったので。むしろお役に立てて良かったです! それじゃ、行きましょうか」
それから10分ほど歩くと王都に到着した。本来もっと時間のかかる距離だったが、追い風を起こしたり皆にバフをかけたりと、能力を使った結果である。
皆とはそこで別れる。一応俺は客人であるので、皆とは別の受付から王都の中に入る必要があるからな。
冒険者カードを見せて手続きを行うと、簡単に中に入ることができた。王様万歳である。
さて、暇になってしまったな。まず宿を取るのは確定だが、そのあと何をしようかな。
王都といえば国中のいいものが集まるところ。きっと、たくさんの面白いものや美味い食べ物があるだろう。
期待に心を震わせながら、ひとまず宿探しに向かった。
「本当に空を飛んでる……」
横暴貴族がお付きの騎士に回収されていった後、俺たちはすぐに王都に向けて飛び立った。
あの貴族、だいぶ恥をかいたからな。しばらくは、ヒソヒソとバカにされ続けて生きることになるだろう。
もしかすると、一族の威厳を落としたとかで当主からのお叱りや罰を受けている頃かもしれないな。ざまあみろ。
乗客のみんなからも感謝の言葉を貰えたし、野次馬からも大量の歓声が飛び交って、貴族がいなくなった後は大盛り上がりのお祭り状態だった。
それだけ、貴族が反抗されて打ちのめされるのは珍しいことなのだろう。これも、Aランクという権力を得たからこそ出来たことである。
ファンのみんなに感謝すると共に、絶対にこの権力を悪用しないことを誓った。
天龍になってしまっているせいで、みんなとのコミュニケーションを取ることはできないが、それぞれ楽しそうにしてくれていて何よりである。
皆、初めての空の旅であるにも関わらず、怖がっている人が皆無なのは、平民の底力というものなのだろうか。実に頼もしい。
そんなこんなで2時間ほど飛行していると、巨大な城を囲むように出来た都市を発見した。きっと、あれが王都だろう。
本物の魔物が襲来したと勘違いされては堪らないので、そろそろ着陸することにしよう。
翼と風の力でゆっくりと着地し、風を操って全員を地面へと降ろした。
突然体が浮遊して驚いたことだろう。それにもかかわらずすぐに適応し、上手に身を任せてくれた。流石である。
「魔物の襲来だと勘違いされてしまいそうなので、ここからは歩いていきましょうか」
「おう、そうだな」
「ここまでありがとうございました!」
「いやぁ、本当に助かりましたよぉ」
「馬車より楽だし、こんなに早く着いちゃうなんて!」
人間の姿に戻ると、一瞬で感謝の嵐に埋め尽くされた。本来6日かかるはずだった道を2時間だからなぁ。この反応も頷ける。
それから、馬車と違ってお金をとっていないこともあるだろうな。王都まで来ようとすると、数万ゴールドはかかるはずだし。
「いえいえ、本当についでだったので。むしろお役に立てて良かったです! それじゃ、行きましょうか」
それから10分ほど歩くと王都に到着した。本来もっと時間のかかる距離だったが、追い風を起こしたり皆にバフをかけたりと、能力を使った結果である。
皆とはそこで別れる。一応俺は客人であるので、皆とは別の受付から王都の中に入る必要があるからな。
冒険者カードを見せて手続きを行うと、簡単に中に入ることができた。王様万歳である。
さて、暇になってしまったな。まず宿を取るのは確定だが、そのあと何をしようかな。
王都といえば国中のいいものが集まるところ。きっと、たくさんの面白いものや美味い食べ物があるだろう。
期待に心を震わせながら、ひとまず宿探しに向かった。
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