58 / 111
視聴者の急増と怪林病
しおりを挟む
毒龍の死体をストレージにしまった後、残りのモンスターも同じように処理した。
「さて、もう残りのモンスターはいなさそうですね。よし! これにて、20階攻略完了です! みなさん、今日は長い中ご視聴ありがとうございまし……」
締めの挨拶と共に、配信を終わろうと配信画面を開く。すると、1000人程だったはずの視聴者数が、いつのまにか爆発的に増加していた。
「……えっ!?50000人!?」
何があったのだろう。まさか、炎上した?いくら魔界でも、このせこい戦法はダメだったか?
やらかしてしまったかと、ヒヤヒヤしながらコメントを表示させる。状況を理解するなら、コメントを見るのが1番手っ取り早いからである。
恐る恐るコメント欄を覗くと、何やら騒がしい。コメントを読み込んでいくと、まるでスパムのように『毒龍の血を売ってほしい』とのコメントが殺到していた。
ふむ、どうやら炎上したわけではなさそうなので一安心。
しかし、油断は禁物だ。『金がないので格安で売って欲しい』や『娘のために安値で売ってくれ』など、こいつら乞食かよ! と思わせるようなコメントが相次いでいる。
これの対応次第では、本当に炎上してしまうかもしれないからな。ひとまずこうなった事情を聞いて、それから判断することにしよう。
「えっと……長い間コメントを見ることができず、すみませんでした。
いきなり視聴者数が増えていること、毒龍の血を売って欲しい方が大量にいることなど、ちょっと理解が追いついていない部分があります。
コメントを読み返して状況を理解するので、少しお待ちください」
視聴者達に一言告げてから、コメントを遡って読み始める。
えーと、この辺から読み始めれば平気そうだな。
なになに、『娘が怪林病で苦しんでいる』『怪林病の治療薬を作るため、毒龍の血を分けて欲しい』『お願いだ。毒龍の血だけが足りないんだ。このままだと弟が死んでしまう』
ふむ、だいたい状況が掴めてきたな。どうやら、怪林病という病気があるらしい。なんでも、放置していると身体中が腐り始め、やがて死に至ってしまうらしい。
そして、その治療薬を作るのに毒龍の血が必要なのだとか。
だが、毒龍は討伐が難しい龍系統のモンスターなのに加え、そこまで辿り着くのも大変な毒系統のダンジョンに生息している。そのため、素材が全然出回らないらしい。
そこで、毒龍を無傷で討伐した俺のことが掲示板などを通して広まり、毒龍の素材を売って欲しい人たちと野次馬が配信を見に集まってきたのか。
なるほどな。治療薬の元になるなら安値で売りに出すのは全然構わない。
しかし、ショップに売りに出すと、買い占めや転売ヤーが蔓延る可能性があるんだよな。そのせいで、必要な人たちの手に届かなかったら意味がないし……どうしたものか。
「さて、もう残りのモンスターはいなさそうですね。よし! これにて、20階攻略完了です! みなさん、今日は長い中ご視聴ありがとうございまし……」
締めの挨拶と共に、配信を終わろうと配信画面を開く。すると、1000人程だったはずの視聴者数が、いつのまにか爆発的に増加していた。
「……えっ!?50000人!?」
何があったのだろう。まさか、炎上した?いくら魔界でも、このせこい戦法はダメだったか?
やらかしてしまったかと、ヒヤヒヤしながらコメントを表示させる。状況を理解するなら、コメントを見るのが1番手っ取り早いからである。
恐る恐るコメント欄を覗くと、何やら騒がしい。コメントを読み込んでいくと、まるでスパムのように『毒龍の血を売ってほしい』とのコメントが殺到していた。
ふむ、どうやら炎上したわけではなさそうなので一安心。
しかし、油断は禁物だ。『金がないので格安で売って欲しい』や『娘のために安値で売ってくれ』など、こいつら乞食かよ! と思わせるようなコメントが相次いでいる。
これの対応次第では、本当に炎上してしまうかもしれないからな。ひとまずこうなった事情を聞いて、それから判断することにしよう。
「えっと……長い間コメントを見ることができず、すみませんでした。
いきなり視聴者数が増えていること、毒龍の血を売って欲しい方が大量にいることなど、ちょっと理解が追いついていない部分があります。
コメントを読み返して状況を理解するので、少しお待ちください」
視聴者達に一言告げてから、コメントを遡って読み始める。
えーと、この辺から読み始めれば平気そうだな。
なになに、『娘が怪林病で苦しんでいる』『怪林病の治療薬を作るため、毒龍の血を分けて欲しい』『お願いだ。毒龍の血だけが足りないんだ。このままだと弟が死んでしまう』
ふむ、だいたい状況が掴めてきたな。どうやら、怪林病という病気があるらしい。なんでも、放置していると身体中が腐り始め、やがて死に至ってしまうらしい。
そして、その治療薬を作るのに毒龍の血が必要なのだとか。
だが、毒龍は討伐が難しい龍系統のモンスターなのに加え、そこまで辿り着くのも大変な毒系統のダンジョンに生息している。そのため、素材が全然出回らないらしい。
そこで、毒龍を無傷で討伐した俺のことが掲示板などを通して広まり、毒龍の素材を売って欲しい人たちと野次馬が配信を見に集まってきたのか。
なるほどな。治療薬の元になるなら安値で売りに出すのは全然構わない。
しかし、ショップに売りに出すと、買い占めや転売ヤーが蔓延る可能性があるんだよな。そのせいで、必要な人たちの手に届かなかったら意味がないし……どうしたものか。
0
お気に入りに追加
446
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる