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清潔感と飯屋
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「はぁ……布団から出たくない」
一軒家を獲得した翌朝。久しぶりにベッドで眠くことができたからか、目が覚めてもしばらく動けないでいた。
仕方ないよな。昨日はあの後もいろいろやることがあったせいで、寝るのが遅くなったんだから。
住居内を軽く見回って魔物がもういないか確認し、家具の配置を動かしてから眠りについたんだ。地味に疲れたよ。
その疲れだけでなく、浄化スキルで家全体がキレイになっているおかげもあり、居心地が良く寝過ぎてしまった。
そろそろ流石に起きよう。両腕を上に伸ばし、ぐぐっと伸びをした。これ、なんでかわからないがシャキッとするよな。
さて、ベッドから出たところで今後の予定を立てるか。予定といっても、再びダンジョンに潜るまで特にやることがないし……よし、今日は街の中を探索してみようか。
少し怖いが、朝食はどこかお店で食べることにしよう。もし人間には危険なものが入っていたとしても、浄化スキルや消化スキルなどがあるので一応平気だと思う。
【粘液の腕】
腕から生えたスライムで全身を包み込み、汚れやホコリなど、身体以外を全て消化してキレイにする。
これのおかげで洗顔や歯磨き要らずでとても楽ができている。それに、ダンジョン内など水浴びができない環境でも常に体を清潔に保つことができるので、とても気に入っている。
ついでに言えば、髭やすね毛などのムダ毛処理にも使えるので、俺の肌は常にツルツルに保たれているんだ。
これもまた、人間界でモテていた理由であった。冒険者はワイルドな奴が多いから、清潔感のあるやつが貴重だったのだろう。
ま、能力を見られたとたんバケモノ扱いされるから彼女の1つも出来たことないんだけど。はは。
ともかく、服を着て準備は完了だ。身体だけすっきりした状態で外に出る。
それにしても。早朝だと言うのに人が多いな。魔族は夜間にしか行動しないだとか、そんな話を聞いていたんだけどなあ。
街並みを観察しながら歩く。
武器屋、八百屋、防具屋、服屋などの横を通り過ぎると、『飯!』と大きな字で書かれた看板を発見した。
少し覗いてみると、よく繁盛しているようだ。朝食はここで摂ることにしよう。
「いらっしゃい! 空いてる席へご自由にどうぞ!」
「はーい」
『飯!』の看板の店に早速入ってみた。
元気がよくて若い女の子の店員さんがいて、店の雰囲気も結構良いな。客に笑顔が多い
空いていた2人掛けの席に座り、メニュー表などはないのか探していると、店の壁にメニューが書いてあるのを発見した。
どうやら、本日のおすすめはシチューのようだ。
舌がシチューの気分になってきたので、それとパンを頼んで一緒に食べたいと思う。
「すみませーん」
「はい! ただいまお伺いします!」
店員さんの行動が落ち着いてきたタイミングを見計らって声をかけ、シチューとパンを注文した。
「お待たせいたしました!熱いですから気をつけてくださいね~。ごゆっくりどうぞ!」
注文してから数分。おすすめ品だからか、とても素早くシチューとパンが出てきた。腹が減っていたのでとてもありがたい。
「はい、ご丁寧にありがとう」
「え! ありがとうございます!」
それに、接客も丁寧で気分が良い店だな。お気持ちばかりのチップを渡し、シチューを食べ始める。
熱々でクリーミーなシチューが最高に美味いな。
ゴロゴロと入った野菜と鶏だと思われる肉も最高に柔らかくて食べやすい。よく煮込んであるのかな。
パンにつけて食べるのもうまい。この柔らかくなったパンが好きなんだよな。
一軒家を獲得した翌朝。久しぶりにベッドで眠くことができたからか、目が覚めてもしばらく動けないでいた。
仕方ないよな。昨日はあの後もいろいろやることがあったせいで、寝るのが遅くなったんだから。
住居内を軽く見回って魔物がもういないか確認し、家具の配置を動かしてから眠りについたんだ。地味に疲れたよ。
その疲れだけでなく、浄化スキルで家全体がキレイになっているおかげもあり、居心地が良く寝過ぎてしまった。
そろそろ流石に起きよう。両腕を上に伸ばし、ぐぐっと伸びをした。これ、なんでかわからないがシャキッとするよな。
さて、ベッドから出たところで今後の予定を立てるか。予定といっても、再びダンジョンに潜るまで特にやることがないし……よし、今日は街の中を探索してみようか。
少し怖いが、朝食はどこかお店で食べることにしよう。もし人間には危険なものが入っていたとしても、浄化スキルや消化スキルなどがあるので一応平気だと思う。
【粘液の腕】
腕から生えたスライムで全身を包み込み、汚れやホコリなど、身体以外を全て消化してキレイにする。
これのおかげで洗顔や歯磨き要らずでとても楽ができている。それに、ダンジョン内など水浴びができない環境でも常に体を清潔に保つことができるので、とても気に入っている。
ついでに言えば、髭やすね毛などのムダ毛処理にも使えるので、俺の肌は常にツルツルに保たれているんだ。
これもまた、人間界でモテていた理由であった。冒険者はワイルドな奴が多いから、清潔感のあるやつが貴重だったのだろう。
ま、能力を見られたとたんバケモノ扱いされるから彼女の1つも出来たことないんだけど。はは。
ともかく、服を着て準備は完了だ。身体だけすっきりした状態で外に出る。
それにしても。早朝だと言うのに人が多いな。魔族は夜間にしか行動しないだとか、そんな話を聞いていたんだけどなあ。
街並みを観察しながら歩く。
武器屋、八百屋、防具屋、服屋などの横を通り過ぎると、『飯!』と大きな字で書かれた看板を発見した。
少し覗いてみると、よく繁盛しているようだ。朝食はここで摂ることにしよう。
「いらっしゃい! 空いてる席へご自由にどうぞ!」
「はーい」
『飯!』の看板の店に早速入ってみた。
元気がよくて若い女の子の店員さんがいて、店の雰囲気も結構良いな。客に笑顔が多い
空いていた2人掛けの席に座り、メニュー表などはないのか探していると、店の壁にメニューが書いてあるのを発見した。
どうやら、本日のおすすめはシチューのようだ。
舌がシチューの気分になってきたので、それとパンを頼んで一緒に食べたいと思う。
「すみませーん」
「はい! ただいまお伺いします!」
店員さんの行動が落ち着いてきたタイミングを見計らって声をかけ、シチューとパンを注文した。
「お待たせいたしました!熱いですから気をつけてくださいね~。ごゆっくりどうぞ!」
注文してから数分。おすすめ品だからか、とても素早くシチューとパンが出てきた。腹が減っていたのでとてもありがたい。
「はい、ご丁寧にありがとう」
「え! ありがとうございます!」
それに、接客も丁寧で気分が良い店だな。お気持ちばかりのチップを渡し、シチューを食べ始める。
熱々でクリーミーなシチューが最高に美味いな。
ゴロゴロと入った野菜と鶏だと思われる肉も最高に柔らかくて食べやすい。よく煮込んであるのかな。
パンにつけて食べるのもうまい。この柔らかくなったパンが好きなんだよな。
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