12 / 111
衝撃とドロップアイテム
しおりを挟む
『30階層エリアボス【ゴブリンキング】の死亡を確認しました。30階層までの転移ポータルが解放されます。』
『30階層エリアボス【ゴブリンキング】の死亡を確認しました。貢献度、攻略ランクに応じて、宝箱を配布します。』
これは……ダンジョンのボスを討伐した時に流れるメッセージだ。
転移してからの数日間、全く人間や野生動物に遭遇しないので少しおかしいとは思っていたが、まさか転移先がダンジョンだったとは。
ダンジョンという危険地帯に飛ばされたことに関しては運が悪いとしか言えないが、今回に限っては都合がいいかもしれない。
この凶悪な魔界に住む魔族のことだから、良くて即死。悪ければ拷問や人体実験など、死んだ方がマシだと思うような目に遭わされるだろうと考えている。
そのため、なるべく魔族との交流は避けようと思っていたところだったんだ。
魔族に遭遇しないよう、しばらくダンジョンに滞在していようかな。
ただ、配信のコメント欄でのやり取りなどで魔族への偏見は若干薄れてきてしまっている。みんな普通にいいやつだからな。
しかし、それは俺のことを魔族だと視聴者たちが考えているからであって、人間だとバレたらどうなるかわかったものではないからな。やはり、警戒しておくに越したことはないだろう。
『いきなり固まってどうしたんだ?』
『フリーズしてて草www変なもんでも見たか』
『体調不良とか?』
「ああ、いえ。ボス討伐後のアナウンスが思ったよりも大きくて驚いてしまいました。設定ミスですね。あとで音量を下げておきます。」
『アレナ:おー! ボス討伐、おめでとうございます! というか、ゴブリンキングがボスだったんですねー!』
『おちゃめ』
『設定ミスな。あるある』
『可愛くて草』
ダンジョンにいることを自覚していなかったことがバレたら、怪しまれるかもしれないからな。ひとまず誤魔化し、焦りを悟らせないよう、あくまでも自然にドロップ品の確認を行う。
「そうなんです、ゴブリンキングがボスだったみたいですね。僕も事前情報を集めずにこのダンジョンへ来ているので、驚きました。」
よし、コメントの反応的に怪しまれては居ないようだな。
「さて、それではお待ちかねのドロップ品の確認を行っていきたいと思います! ボスのドロップ品ですからね、期待できますよ~」
今回のドロップ品は3つだ。1つ目はゴブリンキングの死体で、これはさまざまな装備や薬を作る材料として活用できる。
ただ、自分では活用できる気がしないので、これは売却だな。体にあまり傷をつけずに倒したため、高く売れる気がしている。
思わぬ収入ゲットにガッツポーズを決めてしまいそうだが、配信中なのでグッと抑え、次のドロップ品の確認だ。
「次は、ゴブリンキングの大剣です! 単純に大きくて硬いだけでなく、オーラが通しやすい剣みたいですね。黒光りしているところをみるに、魔鉱石で作られているのかなと思います。 ちなみに、僕はスキルでオーラを扱えますが、まだまだ練習不足なので、この剣を使用することはしばらく無いかなぁ……」
オーラとは、戦士系スキルを持った生物が一定の熟練度を超えると扱えるようになる力のこと。
では、なぜ戦士系でもなんでもないスキルの俺がオーラを扱えるのかというと、オーラを扱える魔物に変身できるからだ。
オーラを扱える魔物に変身することにより、一時的にだけオーラが扱えるのだ。常に使用できるわけではないので、もちろん熟練度は低く扱い慣れていない。そのため、わざわざこの剣を使うメリットもない。武器を使うとしても、これを売って別のものを買うことにしよう。
「最後はお待ちかねの宝箱です!」
ボス討伐報酬の宝箱だが、これは正直ハズレが出てもいい。もともとゴブリンキングをボスだと分かって倒したわけではない。得られると思っていなかったものだから、何が出てもプラスだと考えている。
もちろん、高値で売れるものや使えるものなら尚更嬉しいけどね。
『宝箱(B級)を開封しますか? はい/いいえ』
システムを開き宝箱を開封しようとすると、このようなメッセージが届いた。もちろん『はい』だ。
『禁断の魔剤を入手しました』
禁断の魔剤
・魔物にのみ使用することができる。
・使用された魔物は、一定時間能力が上昇する。
・使用された魔物は、一定時間知能が低下する。
・一度使用された魔物には、240時間使用することはできない。
宝箱から出てきたアイテムは、禁断の魔剤という魔物に対して使うアイテムだった。魔物の能力を上昇させてしまうようだが、使い道はあるのだろうか。視聴者に問いかけてみよう。
『使い道?あるぜ!知能の高い技巧型の魔物の知能を低下させるのに使うんだ。』
『技巧型は多少能力が上がったところで、その技術が失われれば大したことないからなぁ。倒すのが楽になるんだ。』
『そうそう、Aランク冒険者のライインもそれでヴァンパイアロードを倒してたよな。』
『まぁーでも当たりではないよなぁードンマイだ! ドンマイ! 』
なるほど。能力が低くて知能が高く、厄介な相手に使うようなものなんだな。使い所が限られすぎていてハズレアイテムのようだが、『魔物』か。
もしかするとこの魔剤の効力は、俺が能力で変化した魔物の部分にも有効なのではないだろうか……。
『30階層エリアボス【ゴブリンキング】の死亡を確認しました。貢献度、攻略ランクに応じて、宝箱を配布します。』
これは……ダンジョンのボスを討伐した時に流れるメッセージだ。
転移してからの数日間、全く人間や野生動物に遭遇しないので少しおかしいとは思っていたが、まさか転移先がダンジョンだったとは。
ダンジョンという危険地帯に飛ばされたことに関しては運が悪いとしか言えないが、今回に限っては都合がいいかもしれない。
この凶悪な魔界に住む魔族のことだから、良くて即死。悪ければ拷問や人体実験など、死んだ方がマシだと思うような目に遭わされるだろうと考えている。
そのため、なるべく魔族との交流は避けようと思っていたところだったんだ。
魔族に遭遇しないよう、しばらくダンジョンに滞在していようかな。
ただ、配信のコメント欄でのやり取りなどで魔族への偏見は若干薄れてきてしまっている。みんな普通にいいやつだからな。
しかし、それは俺のことを魔族だと視聴者たちが考えているからであって、人間だとバレたらどうなるかわかったものではないからな。やはり、警戒しておくに越したことはないだろう。
『いきなり固まってどうしたんだ?』
『フリーズしてて草www変なもんでも見たか』
『体調不良とか?』
「ああ、いえ。ボス討伐後のアナウンスが思ったよりも大きくて驚いてしまいました。設定ミスですね。あとで音量を下げておきます。」
『アレナ:おー! ボス討伐、おめでとうございます! というか、ゴブリンキングがボスだったんですねー!』
『おちゃめ』
『設定ミスな。あるある』
『可愛くて草』
ダンジョンにいることを自覚していなかったことがバレたら、怪しまれるかもしれないからな。ひとまず誤魔化し、焦りを悟らせないよう、あくまでも自然にドロップ品の確認を行う。
「そうなんです、ゴブリンキングがボスだったみたいですね。僕も事前情報を集めずにこのダンジョンへ来ているので、驚きました。」
よし、コメントの反応的に怪しまれては居ないようだな。
「さて、それではお待ちかねのドロップ品の確認を行っていきたいと思います! ボスのドロップ品ですからね、期待できますよ~」
今回のドロップ品は3つだ。1つ目はゴブリンキングの死体で、これはさまざまな装備や薬を作る材料として活用できる。
ただ、自分では活用できる気がしないので、これは売却だな。体にあまり傷をつけずに倒したため、高く売れる気がしている。
思わぬ収入ゲットにガッツポーズを決めてしまいそうだが、配信中なのでグッと抑え、次のドロップ品の確認だ。
「次は、ゴブリンキングの大剣です! 単純に大きくて硬いだけでなく、オーラが通しやすい剣みたいですね。黒光りしているところをみるに、魔鉱石で作られているのかなと思います。 ちなみに、僕はスキルでオーラを扱えますが、まだまだ練習不足なので、この剣を使用することはしばらく無いかなぁ……」
オーラとは、戦士系スキルを持った生物が一定の熟練度を超えると扱えるようになる力のこと。
では、なぜ戦士系でもなんでもないスキルの俺がオーラを扱えるのかというと、オーラを扱える魔物に変身できるからだ。
オーラを扱える魔物に変身することにより、一時的にだけオーラが扱えるのだ。常に使用できるわけではないので、もちろん熟練度は低く扱い慣れていない。そのため、わざわざこの剣を使うメリットもない。武器を使うとしても、これを売って別のものを買うことにしよう。
「最後はお待ちかねの宝箱です!」
ボス討伐報酬の宝箱だが、これは正直ハズレが出てもいい。もともとゴブリンキングをボスだと分かって倒したわけではない。得られると思っていなかったものだから、何が出てもプラスだと考えている。
もちろん、高値で売れるものや使えるものなら尚更嬉しいけどね。
『宝箱(B級)を開封しますか? はい/いいえ』
システムを開き宝箱を開封しようとすると、このようなメッセージが届いた。もちろん『はい』だ。
『禁断の魔剤を入手しました』
禁断の魔剤
・魔物にのみ使用することができる。
・使用された魔物は、一定時間能力が上昇する。
・使用された魔物は、一定時間知能が低下する。
・一度使用された魔物には、240時間使用することはできない。
宝箱から出てきたアイテムは、禁断の魔剤という魔物に対して使うアイテムだった。魔物の能力を上昇させてしまうようだが、使い道はあるのだろうか。視聴者に問いかけてみよう。
『使い道?あるぜ!知能の高い技巧型の魔物の知能を低下させるのに使うんだ。』
『技巧型は多少能力が上がったところで、その技術が失われれば大したことないからなぁ。倒すのが楽になるんだ。』
『そうそう、Aランク冒険者のライインもそれでヴァンパイアロードを倒してたよな。』
『まぁーでも当たりではないよなぁードンマイだ! ドンマイ! 』
なるほど。能力が低くて知能が高く、厄介な相手に使うようなものなんだな。使い所が限られすぎていてハズレアイテムのようだが、『魔物』か。
もしかするとこの魔剤の効力は、俺が能力で変化した魔物の部分にも有効なのではないだろうか……。
0
お気に入りに追加
446
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
俺のギフト【草】は草を食うほど強くなるようです ~クズギフトの息子はいらないと追放された先が樹海で助かった~
草乃葉オウル
ファンタジー
★お気に入り登録お願いします!★
男性向けHOTランキングトップ10入り感謝!
王国騎士団長の父に自慢の息子として育てられた少年ウォルト。
だが、彼は14歳の時に行われる儀式で【草】という謎のギフトを授かってしまう。
周囲の人間はウォルトを嘲笑し、強力なギフトを求めていた父は大激怒。
そんな父を「顔真っ赤で草」と煽った結果、ウォルトは最果ての樹海へ追放されてしまう。
しかし、【草】には草が持つ効能を増幅する力があった。
そこらへんの薬草でも、ウォルトが食べれば伝説級の薬草と同じ効果を発揮する。
しかも樹海には高額で取引される薬草や、絶滅したはずの幻の草もそこら中に生えていた。
あらゆる草を食べまくり最強の力を手に入れたウォルトが樹海を旅立つ時、王国は思い知ることになる。
自分たちがとんでもない人間を解き放ってしまったことを。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる