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君に笑顔でいてほしいから

オオカミと歩いた道

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 何度目かのキスを終えた後、尾上くんを抱きしめて耳を食む。放熱機関としての役割も持つそれは、幾分か冷たくて火照った唇を心地よく冷やしてくれる。
「そろそろ寝ようか」
 その言葉に、すっかり上機嫌になっていたオオカミがマズルに皺を寄せる。
「僕も、するのっ」
 まあ僕も久しぶりのエッチで興奮したし、現に勃起は治まらずパンツはぐしょぐしょに濡れている。それでも正直な所、このまま眠ってしまっても良いという気持ちもあった。とは言え、折角の恋人の提案を無碍にする事も無いだろうし、折角久しぶりなのだから何か変わった趣向で…
「あぁ、匂い嗅ぎたくなっちゃったんだ?」
 尾上くんの為というよりも、自分の欲望の方が大きいのかもしれない。僕は仁王立ちになって浴衣をたくし上げて、先走りに濡れたパンツを見せつける。
「はい、どうぞ」
 尾上くんは小さく唸りながらもパンツに鼻先を寄せる。
 くん……くんくん……
 蒸れた股間の匂いを、舌をはみ出させて味わっている。鼻先をぐりぐりと押しつけて、その肺いっぱいに取り込もうと必死になっている。
「じゃあおしまいね」
 そう言って軽く頭を撫でて引き離そうとすると、しがみ付いていやいやと首を振る。
「な、舐めて……飲みたい……」
 言葉に詰まりながらも懇願する。
「ん?なにを舐めたいの?」
 意地悪!そう目で訴えながらも尻尾がゆらりと揺れる。
「ちん……ち……ん」
 尾上くんはそういう言葉を滅多に口にしない。若くて盛っていた頃ならともかく、今はいい大人なのだ。
「あぁ、匂い嗅いでちんぽ欲しくなっちゃった?」
 尾上くんはまた小さく唸る。あまり焦らしても可哀想なので、パンツをずり下げてちんぽを目の前に出して見せつける。尾上くんの鼻がひくひくと動いて生ちんぽの匂いを堪能し、尻尾が床を叩く。
「ちんぽ見せたらわんちゃんみたいになっちゃったね」
 羞恥で顔を赤くしながらも、本気で嫌がっている様子は無い。次第に匂いを嗅ぐだけでは飽きたらず、亀頭に鼻を押し当てながら陰嚢からちんぽをべろりと舐め上げる。唾液を塗りつけるように愛おしそうにちんぽを舌でなぞる。
 ぴちゃ……れちゅ……はむっ
 頭を撫でてやると、許しを得たと理解したのかちんぽを口に含む。火傷しそうな熱に亀頭が包まれて先から溶けてしまいそうだ。
「んっ、あぁ……」
 久々の感触に頭がショートしそうになる。今すぐ頭を掴んで乱暴に腰を振りたい衝動をすんでの所で押さえ込む。
 ちゅぽ、ちゅちゅ……にゅくく……
 オオカミの長いマズルにちんぽが飲み込まれていく。狭い口内の肉をかき分けて亀頭が進入して、上顎のヒダが雁首をほどよく引っかき、ぬるついて蠢く舌が裏筋を這い回る。
「すご……ちんぽ咥え込むいやらしいマズルだね」
 涙目になりながら、もごもごと声にならない声をあげて否定しようとするが、その口を動かす刺激で思わず腰が引けてしまう。
 ぐぽ……くぽっ……じゅぷっじゅっぷ
 緩急を付けてちんぽを刺激されて、喘ぎ声が漏れる。尾上くんのマズルはもう何百回何千回と僕のちんぽを咥え込んで、僕のちんぽの形を覚えてしまい、ぴったりと肉壁で包み込んでくれる。初めて舐めてもらった時も気持ちよかったけれど、今のこの刺激は格別だ。
「ほんと、ちんぽの扱い上手くなったね」
 そう言って頭を撫でるとはち切れんばかりに尻尾が振られて、マズルの動きが更に激しくなる。
 じゅこっじゅこっ、っぷごぷっ
「あぁ……いく……」
 背筋がぞくりと震えて、頭の中が真っ白になる。
 びゅーっびゅ……ごくっ……ぴゅっ……
 尾上くんは目を閉じて、喉の渇きを癒すように精液を飲み下す。尿道に残った精液まで搾り取らんとするその動きに、僕は腰砕けになって情けない声を上げるだけだった。
 射精後のくすぐったさを感じながら尾上くんの口からちんぽを引き抜いていく。ちゅっと口から離れた刺激で亀頭の先に僅かな精液が玉を作る。おまけとばかりに尾上くんの鼻の穴に塗り込むと、ふすふすと荒く息をした後、ぺろりと舌なめずりをして舐め取った。
 汗と先走りと精液の混じったひどい臭いのする身体を抱き寄せて口づけをする
「愛してるよ」
「うん、僕も愛してる」
 尾上くんの胸に顔を埋めて深呼吸をしていると、優しく頭をぽんぽんと叩いてくれた。


 夕暮れの街を尾上くんと連れだって歩く。
 ああいった情緒溢れる田舎町というのも趣があるが、狭苦しいこの街が一番落ち着くのかもしれない。この20年で新しいビルが建ったり思い出の店が無くなったりして、記憶はどんどん塗りつぶされていくけれど。尾上くんといい思い出が作れて良かった。
「尾上くん」
 夕日が逆光になって、僕を見据える金色の目だけが輝いて見える。
「別れよう」
 君と出会えて、本当に僕は幸せだった。
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