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五歳編
五十一話 襲撃③ (肇)
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土煙で視界が覆われていようが構うことなく光線を放ち続けた。耳をつんざくような轟音が響き渡り、網膜を焼き尽くすような眩い光が辺りを照らした。普通の人間ならば一撃で死んでいる。死体さえも残さず、一瞬で灰になる筈だ。
だが、この程度の攻撃で宗家の者を殺せるとは誰も思ってはいない。精霊と契約した者は特殊な能力を得ることができる。人智では計り知れない能力を持っている可能性が高い。この程度の攻撃ならば簡単に無効化できると推測していた。
響子が精霊との契約でどのような力を手にしたのか、肇でさえも知らないのだ。だからこそ探りを入れるために、怒涛の攻撃を繰り返した。容赦のない攻撃が続き、さすがの響子でさえも特殊能力を使わざるを得ない状況を作り出す。
兵器による圧倒的な火力により、宗家の従者達に焦りの色が窺えた。だが、兵器をもってしても肇達は対等になったとは思わなかった。それほどまでに精霊の存在が大きいのだ。未知の力と戦うことになることは全員が理解していた。
不安要素は拭えないが、戦う以外の選択肢がなかった。平和的な解決策など存在しない。血で争う以外の解決などあり得ない。肇達にはどうしても精霊の存在が必要なのだ。宗家である風祭家を潰しただけでは、他の十二支家に認められることはない。
啓二が風祭家の当主として認められるには、精霊の存在が必要不可欠なのだ。何としても精霊を手に入れ、啓二のもとに届ける必要がある。精霊との契約儀式さえ済ませてしまえば、自然と啓二と信護の立場が入れ替わる。そう信じていた。
「攻撃を止めろ!繰り返す。攻撃を止めろ!」
電磁投射砲から放たれる光線が一斉に止んだ。時が止まったかのような静寂に包まれ、緊張感に溢れていた。土煙が辺り一帯を覆い尽くし、視界は殆ど見渡すことができない。敵にとっては都合の良い状況だ。だが、全ては計算通り。
「貴方が指揮者ね。どういった経緯で私達と敵対するのかしら?答えて頂戴」
「……」
それは突然のことだった。背後から女性の声が聞こえた。すぐに響子の声だと察しがついた。肇は背後を振り向くこともなかった。会話をする気はないと言わんばかりの肇の態度に、さすがの響子も怪訝な表情を浮かべる。
「答えて頂戴。私達に戦う意思はないわ。一方的な攻撃を止めなさい」
「貴様と会話をする気はない。大人しく精霊を差し出せ」
「あなた達の目的は精霊なのね?」
「答える必要はない」
肇が氣を纏うと、辺り一帯に暴風が吹き荒れた。土煙が一瞬で晴れ、視界が見渡せるようになった。肇の推測通り、殆どの従者が生き残っていた。電磁投射砲から放たれた光線でも殺すことができなかった。だが、何人かの従者は氣を使い果たしたのか、呼吸を荒げていた。何人かの従者は魔術を使うことができない状態に陥った。
「氣を使い果たした者から順に殺していけ。容赦するな」
「はっ!」
「止めなさいっ!」
響子の制止の声が響き渡るも、魔銃を持った肇の部下は容赦なく引き金を引いた。眩い光線が幾つも襲い掛かり、従者の胸を貫いた。回避する暇さえ与えなかった。残りの従者は響子を含め、五十人となった。胸を貫かれた従者は頭から崩れ落ちた。
「あなた達は……自分が何をしているのか、理解しているのかしら?」
「勿論だとも。理解した上での行動だ。今、ここで貴様らには滅びて貰う」
「そう、戦闘は避けられないのね……」
「電磁投射砲、機関砲の標準を敵に合わせろ。敵を一網打尽にする」
「はっ!」
戦車の機関砲と電磁投射砲の標準を響子に合わせる。唖然と佇む響子を尻目に、肇はハンドサインで合図を送る。数秒も経たないうちに機関砲から砲弾が放たれ、電磁投射砲から光線が放たれた。再び轟音が響き渡り、土煙が上がる。
「響子様っ!」
宗家の従者が響子を庇うように、自らの身体を盾にする。いかに風祭家の従者であっても、電磁投射砲から放たれる光線を何度も防ぎきることは不可能だ。何人かの従者が慌てて結界を構築し、響子を庇うように立ち塞がる。
だが、それも想定内のこと。いくらでも従者の命を使い捨てにして構わない。敵の戦力を削るには効率的なやり方だ。電磁投射砲から放たれる光線が止み、静寂が訪れる。次の光線を放つまで数秒のタイムロスが生じる。
その間は肇達が持ち堪える必要がある。訓練通りに事が進んでいた。不測の事態も考慮し、どんなことでも対応できるようにシュミレーションを繰り返した。だからこそ安心して戦える。信頼できる部下を持つと、仕事が捗る。
「魔銃を持った者は後方から支援、魔術を使える者は前衛に。さぁ、戦争だ」
その言葉を合図に、肇の部下達が一斉に襲い掛かった。氣を消耗している者から順に殺していく。宗家の者も抵抗を試みるが、徐々に劣勢に追い込まれる。総勢八百人もの軍勢が容赦なく攻撃を繰り返し、宗家の従者達に手の打ちようはなかった。
その時だった。響子の身体から溢れんばかりの氣が漏れ始めた。ついに風祭響子が動くか。肇は警戒しながらも響子の懐に潜り込み、拳を振り上げた。凄まじい速度での移動。氣を最大限にまで高め、致命傷を与える筈だった。
だが、響子との間に見知らぬ女性が割り込んで来た。肇の拳を片手で受け止めると、流れるような動作で肇を背負い投げた。空中で体勢を整えると、肇は綺麗に着地した。しかし、間髪を容れずに水の濁流が襲い掛かった。
響子が繰り出した攻撃だと悟った肇は、くるくると跳躍しながら回避した。水の濁流は津波のように襲い掛かり、瞬く間に肇の部下達が巻き込まれた。津波の勢いは凄まじく、魔術を使えない部下達は一瞬で無力化され、流されていった。
肇は風を操り、空中に留まる。もはや、災害級の魔術だった。水のない山奥で、これだけ大量の水を生み出したのだ。さすがは風祭響子だ。一瞬にして戦車が使い物にならなくなった。だが、響子が放出系で水の属性を使うことが分かった。
肇は笑みを浮かべると、風を身体に纏わせた。響子との相性は悪くはない。上手く戦えば勝てる可能性もある。いや、何としても勝利を掴む必要がある。全ての人間が平等に暮らせる世界を作るために。だからこそ犠牲は惜しまん。
「残った戦車は空に向かって電磁投射砲を放て。松衛がまだこの場に来ていない。戦闘が始まった合図を送ってくれ。ったく、どこをほっつき歩いているのか……残りの者は宗家の者を殺せ。容赦はするな。我々ならば勝てる」
「ははっ!」
肇の指示に従い、戦車の電磁投射砲から光線が放たれた。光線は空高く舞い上がり、雲を貫いた。ついに戦争が始まった。肇の部下と宗家の者がぶつかり合う。あちこちで銃声が響き渡り、氣を消耗した者から倒れていく。
その時、背後から鋭い殺気を感じ取った。感覚を研ぎ澄まさなければ気付かなかったであろう。気配を消し、肇の死角から攻撃を仕掛けようとしていることを悟った。危険を察知した肇は跳躍し、上空から辺りを見渡した。
土の塊が人間の形を形成し、巨大な腕を振り落としたところだった。いや、人間と呼ぶには些か過ぎた造りになっていた。体長は十メートルを優に超え、現代兵器であるロボットを土で形成したような造りだった。その名もゴーレム。
「チィ……ゴーレムか。厄介なものを……」
ゴーレムは魔術を行使している者の命令に忠実である。破壊と殺戮を好み、使い熟すことが難しい。ただの泥人形と思っていると痛い目を見る。ゴーレムは自らの意思を持つ人造人間とも呼ばれている。術者を殺してもゴーレムは消えることがない。術者を殺してしまうと、残されたゴーレムは狂暴化して暴れまわる特性を持っている。
土の属性を持つ者のみに許された禁断の魔術である。宗家の従者の個人情報を事前に把握しておいて助かった。術者の名は西条香苗だ。年齢は四十九歳。最終学歴は慶応義塾大学経済学部。既婚。子供が二人。そして放出系であり、土の属性を扱う。
風祭家の第二秘書でもあり、信護から信頼されている部下の一人だ。肇は脳裏に浮かんだ情報を素早く読み解き、状況を整理する。視線を左右に巡らせ、術者である香苗を捜す。人がごった返しているため、香苗を捜すのは困難かに思われたが、すぐに見つかった。ゴーレムの肩の上に女性の姿があった。
黒を基調としたパンツスーツ姿に、ヒールを履いていた。身長は高く、スタイルも良い。黒髪を短く纏め、眼鏡を掛けていた。瞳は鋭く、碧い双眸が肇を射抜いていた。いかに肇であっても響子と香苗の二人を相手にすることは困難かに思われた。
「ふむ。多少のズレはあるが、予定通りだな」
だが、この程度の攻撃で宗家の者を殺せるとは誰も思ってはいない。精霊と契約した者は特殊な能力を得ることができる。人智では計り知れない能力を持っている可能性が高い。この程度の攻撃ならば簡単に無効化できると推測していた。
響子が精霊との契約でどのような力を手にしたのか、肇でさえも知らないのだ。だからこそ探りを入れるために、怒涛の攻撃を繰り返した。容赦のない攻撃が続き、さすがの響子でさえも特殊能力を使わざるを得ない状況を作り出す。
兵器による圧倒的な火力により、宗家の従者達に焦りの色が窺えた。だが、兵器をもってしても肇達は対等になったとは思わなかった。それほどまでに精霊の存在が大きいのだ。未知の力と戦うことになることは全員が理解していた。
不安要素は拭えないが、戦う以外の選択肢がなかった。平和的な解決策など存在しない。血で争う以外の解決などあり得ない。肇達にはどうしても精霊の存在が必要なのだ。宗家である風祭家を潰しただけでは、他の十二支家に認められることはない。
啓二が風祭家の当主として認められるには、精霊の存在が必要不可欠なのだ。何としても精霊を手に入れ、啓二のもとに届ける必要がある。精霊との契約儀式さえ済ませてしまえば、自然と啓二と信護の立場が入れ替わる。そう信じていた。
「攻撃を止めろ!繰り返す。攻撃を止めろ!」
電磁投射砲から放たれる光線が一斉に止んだ。時が止まったかのような静寂に包まれ、緊張感に溢れていた。土煙が辺り一帯を覆い尽くし、視界は殆ど見渡すことができない。敵にとっては都合の良い状況だ。だが、全ては計算通り。
「貴方が指揮者ね。どういった経緯で私達と敵対するのかしら?答えて頂戴」
「……」
それは突然のことだった。背後から女性の声が聞こえた。すぐに響子の声だと察しがついた。肇は背後を振り向くこともなかった。会話をする気はないと言わんばかりの肇の態度に、さすがの響子も怪訝な表情を浮かべる。
「答えて頂戴。私達に戦う意思はないわ。一方的な攻撃を止めなさい」
「貴様と会話をする気はない。大人しく精霊を差し出せ」
「あなた達の目的は精霊なのね?」
「答える必要はない」
肇が氣を纏うと、辺り一帯に暴風が吹き荒れた。土煙が一瞬で晴れ、視界が見渡せるようになった。肇の推測通り、殆どの従者が生き残っていた。電磁投射砲から放たれた光線でも殺すことができなかった。だが、何人かの従者は氣を使い果たしたのか、呼吸を荒げていた。何人かの従者は魔術を使うことができない状態に陥った。
「氣を使い果たした者から順に殺していけ。容赦するな」
「はっ!」
「止めなさいっ!」
響子の制止の声が響き渡るも、魔銃を持った肇の部下は容赦なく引き金を引いた。眩い光線が幾つも襲い掛かり、従者の胸を貫いた。回避する暇さえ与えなかった。残りの従者は響子を含め、五十人となった。胸を貫かれた従者は頭から崩れ落ちた。
「あなた達は……自分が何をしているのか、理解しているのかしら?」
「勿論だとも。理解した上での行動だ。今、ここで貴様らには滅びて貰う」
「そう、戦闘は避けられないのね……」
「電磁投射砲、機関砲の標準を敵に合わせろ。敵を一網打尽にする」
「はっ!」
戦車の機関砲と電磁投射砲の標準を響子に合わせる。唖然と佇む響子を尻目に、肇はハンドサインで合図を送る。数秒も経たないうちに機関砲から砲弾が放たれ、電磁投射砲から光線が放たれた。再び轟音が響き渡り、土煙が上がる。
「響子様っ!」
宗家の従者が響子を庇うように、自らの身体を盾にする。いかに風祭家の従者であっても、電磁投射砲から放たれる光線を何度も防ぎきることは不可能だ。何人かの従者が慌てて結界を構築し、響子を庇うように立ち塞がる。
だが、それも想定内のこと。いくらでも従者の命を使い捨てにして構わない。敵の戦力を削るには効率的なやり方だ。電磁投射砲から放たれる光線が止み、静寂が訪れる。次の光線を放つまで数秒のタイムロスが生じる。
その間は肇達が持ち堪える必要がある。訓練通りに事が進んでいた。不測の事態も考慮し、どんなことでも対応できるようにシュミレーションを繰り返した。だからこそ安心して戦える。信頼できる部下を持つと、仕事が捗る。
「魔銃を持った者は後方から支援、魔術を使える者は前衛に。さぁ、戦争だ」
その言葉を合図に、肇の部下達が一斉に襲い掛かった。氣を消耗している者から順に殺していく。宗家の者も抵抗を試みるが、徐々に劣勢に追い込まれる。総勢八百人もの軍勢が容赦なく攻撃を繰り返し、宗家の従者達に手の打ちようはなかった。
その時だった。響子の身体から溢れんばかりの氣が漏れ始めた。ついに風祭響子が動くか。肇は警戒しながらも響子の懐に潜り込み、拳を振り上げた。凄まじい速度での移動。氣を最大限にまで高め、致命傷を与える筈だった。
だが、響子との間に見知らぬ女性が割り込んで来た。肇の拳を片手で受け止めると、流れるような動作で肇を背負い投げた。空中で体勢を整えると、肇は綺麗に着地した。しかし、間髪を容れずに水の濁流が襲い掛かった。
響子が繰り出した攻撃だと悟った肇は、くるくると跳躍しながら回避した。水の濁流は津波のように襲い掛かり、瞬く間に肇の部下達が巻き込まれた。津波の勢いは凄まじく、魔術を使えない部下達は一瞬で無力化され、流されていった。
肇は風を操り、空中に留まる。もはや、災害級の魔術だった。水のない山奥で、これだけ大量の水を生み出したのだ。さすがは風祭響子だ。一瞬にして戦車が使い物にならなくなった。だが、響子が放出系で水の属性を使うことが分かった。
肇は笑みを浮かべると、風を身体に纏わせた。響子との相性は悪くはない。上手く戦えば勝てる可能性もある。いや、何としても勝利を掴む必要がある。全ての人間が平等に暮らせる世界を作るために。だからこそ犠牲は惜しまん。
「残った戦車は空に向かって電磁投射砲を放て。松衛がまだこの場に来ていない。戦闘が始まった合図を送ってくれ。ったく、どこをほっつき歩いているのか……残りの者は宗家の者を殺せ。容赦はするな。我々ならば勝てる」
「ははっ!」
肇の指示に従い、戦車の電磁投射砲から光線が放たれた。光線は空高く舞い上がり、雲を貫いた。ついに戦争が始まった。肇の部下と宗家の者がぶつかり合う。あちこちで銃声が響き渡り、氣を消耗した者から倒れていく。
その時、背後から鋭い殺気を感じ取った。感覚を研ぎ澄まさなければ気付かなかったであろう。気配を消し、肇の死角から攻撃を仕掛けようとしていることを悟った。危険を察知した肇は跳躍し、上空から辺りを見渡した。
土の塊が人間の形を形成し、巨大な腕を振り落としたところだった。いや、人間と呼ぶには些か過ぎた造りになっていた。体長は十メートルを優に超え、現代兵器であるロボットを土で形成したような造りだった。その名もゴーレム。
「チィ……ゴーレムか。厄介なものを……」
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黒を基調としたパンツスーツ姿に、ヒールを履いていた。身長は高く、スタイルも良い。黒髪を短く纏め、眼鏡を掛けていた。瞳は鋭く、碧い双眸が肇を射抜いていた。いかに肇であっても響子と香苗の二人を相手にすることは困難かに思われた。
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