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五歳編
十四話 宗家と分家 (響)
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風祭家の分家は四家存在する。東の天野家。西の宝条家。南の蛭川家。北の恩田家。風祭家の分家として長い歴史を共にしてきた名家である。それぞれの家に響と世代が近い子供たちがいる。今まで分家の子供たちが自ら響に近寄ることはなかった。
今頃になって何の用があるか疑問だった。いくら思考を働かせても分家の子供たちが友好的だとは思えなかった。急な呼び出しに違和感が拭えない。それに響のことを快く思っていないことも理解していた。
第三秘書である薫子の報告通り、庭へ向かうと分家である四家の子供たちが勢揃いで待ち構えていた。分家の子供たちとは顔を合わせたことはあっても会話をするのは今回が初めてだった。響が緊張するのも自然な流れだった。
「あの……お話があると伺って来たのですが、どのような用件ですか?」
「響様、急な呼び出しで申し訳ございません。我々は貴方のことを知りたいと思い、このような場を設けてもらいました。貴方が我々の上に立つべき人なのか、我々が尽くすべき人なのか知りたいのです。響様は我々の問いに答える義務があります」
響の問いに答えたのは宝条悟だった。分家の子供たちの中では年長に当たる少年だ。悟に兄弟はいないため、宝条家の跡取りでもある。今年で十歳になる彼は、和服を身に纏っていた。黒髪の坊主頭で、引き締まった体躯をしている。
悟を中心にして、分家の子供たちが弧を描くように並んでいた。悟の右側にいるのは恩田家の令嬢たちだった。恩田家の令嬢たちは三つ子であり、三人とも女の子だ。左から長女の恩田牡丹、次女の恩田桜、三女の恩田小梅である。
今年で九歳になる彼女達もまた和服を身に纏っていた。顔立ちも雰囲気も似ている彼女たちだが、髪型は意識的に変えている印象だった。長女の牡丹は黒髪を短く纏め、次女の桜は亜麻色の髪の毛を肩まで伸ばし、三女の小梅は明るい金髪を腰まで伸ばしていた。三人とも響の様子を食い入るように見詰めていた。
女性特有の威圧感と表現するべきか、彼女たちからは尋常ではないほどの重圧を感じずにはいられなかった。響が無意識のうちに後退ったのは自然の流れだった。やはり魔術が扱えないことが原因なのだろうか。響は動揺を隠せなかった。
悟の左側には天野家のご令息である長男の天野雄大、そして次男の天野雄輝が腕を組みながら響の様子を観察していた。雄大も雄輝もまた豪華な和服を身に纏っていた。今日は分家と宗家が一堂に集まる日であるため、身嗜みは綺麗に整っていた。
雄大は活発そうな男の子だった。今年で八歳になる彼は兄の誠一と同い年であり、友人でもある。黒髪は生まれつきなのか、跳ねるような癖のある髪型をしていた。肉体派の印象ではないが、人懐っこそうな愛嬌のある少年だ。
次男の雄輝は控えめな印象の男の子だ。短く切り揃えた黒髪に眼鏡を着用し、雄大の影に隠れるように立っていた。雄輝は今年で五歳になるため、響と同い年になる。肝心の雄輝は響と視線を合わせようとはしなかった。
分家の子供達の冷たい視線は相変わらずであった。初めて分家の子供達を見たのは三歳の誕生日の時だった。初めは冷たい視線を送られる理由が分からなかったが、時が経つにつれ現実を直視できるようなった。魔術の有無で人は態度が変わる。
分家の子供達が響のことを悪く思うことも仕方がないと思うようになっていた。魔術が使えないから鍛錬を怠っていると思われているのかもしれない。それとも生まれつき才能がないと思われているのであろうか。だとしたら何も言い返せない。
分家の子供達が何を考えているのかまでは理解できないが、良い感情ではないことは明白だった。分家の子供たちを見る限り、見下されているような気分だった。冷たい視線、敬語を使っているのにも拘らず、棘のある喋り方に気持ちが沈んだ。
「……え?」
「……え?じゃないわよ。貴方、質問の意味を理解しなさい。馬鹿なの?」
高圧的な態度で問いただして来たのは蛭川家の長女である蛭川睦月だった。金髪のショートヘアの女の子で、裾の短い和服を身に纏っていた。今年で九歳になる彼女は薄く化粧をしているため、大人びた表情をしていた。
瞳は鋭く、宗家の血筋である響にすら臆することなく突っかかるその姿は獰猛である。発言を誤れば今にも襲い掛かってきそうな雰囲気だった。魔術が扱えないことで嫌われることには慣れているといっても、悲しいことには変わらない。
「睦月姉さん、響様にその態度は酷いです」
そう答えたのは蛭川家の次女になる蛭川柚葉だった。気の強そうな睦月とは対照的に落ち着いた印象の柚葉だが、着ている和服は派手な色合いだった。深紅の和服を姉の睦月同様に裾を短くしている。今年で八歳になる柚葉もまた誠一と同い年である。
宝条家の悟。恩田家の牡丹、桜、小梅。天野家の雄大、雄輝。蛭川家の睦月、柚葉。八人に囲まれるようにして見詰められる響はどうすれば良いのか悩んだ。美玲以外で年齢の近い子たちと会話する事は今回が初めてだった。
「僕はどうすれば……何を求めているのですか?」
「簡単な話しです。我々に力を示せば良いのです」
「……力ですか?」
「そうです。力こそが全てです。我々を従えるには、それ相応の能力が求められます。もし、響様が噂通りの無能者であるならば我々は貴方を宗家の人間として認める訳にはいかないのです」
「……」
悟の意見に戸惑いを隠せない響は言葉を失った。なんと返事をすれば良いのか分からなかったのだ。勿論、人には様々な考え方が存在することは理解している。だが、響は悟の考え方が好きになることができなかった。
かと言って自分の価値観を押し付けることもしたくなかった。反論しても関係が拗れるだけで、良い結果を生まないことは幼いながらにも理解していた。悟のようなタイプの人間は自分の考え方が絶対に正しいと思っている傾向がある。
己とは違う他者の考え方を受け入れることができないと少ない会話の中で悟った。どれだけ響が努力し、血の滲むような鍛錬を繰り返しているのか、理解しようともしない。そのような相手と会話をするだけ時間の無駄であった。
「我々は貴方を知りたいだけです。響様の能力、そして戦い方。宗家に相応しい人間なのか。全員の総意だと思って頂いて構いません。本来、分家の我々が宗家の方々に対してこのようなことをしてはいけないことも重々承知してます。ですが、納得のいく答えが欲しいのです」
「どのようにして力を示せば宜しいのですか?」
「簡単な話しです。我々と闘って頂きます。貴方の力を我々に示して下さい。順番は誰からでも構いません。響様が選んで下さって結構です」
「……分かりました。順番は適当で構わないです」
自然と闘うことが避けられない空気だった。響が魔術を扱えないことは既に分家の者達の間では周知の筈。だとしたら何か別の意図があるのであろうか。響は思考を巡らせる。分家の子達も厳しい教育を受けていることを響は知っていた。
後先考えもせずに、ただ力関係を証明するためだけに闘いを挑むとは思えなかった。だからこそ響も真剣に相手をしようと思った。本来であれば分家の者が宗家の血筋である響に対して力試しをすることは宗家に対して反旗を翻すことと同義だった。
それでも響は構わなかった。響自身、同世代の子供達と触れ合う機会が少ないというのも要因している。単純に自分を試してみたかったのだ。今まで積み上げてきた修練の成果が、どれほどのものなのか知りたかった。
純粋に好奇心が抑えられなかった。自身の心臓が高鳴るのが分かった。普段から武術の稽古や魔術の鍛錬の相手は源十郎や誠一や紅葉だった。三人とも響とは比較できないほどに、遥か高みにいて比較対象にはなりえなかった。
同世代の子達と比較した時、自分はどれだけ通用するのであろうか。それに分家の子達はどのような魔術を扱うのであろうか。つい先日に自身の系統が陰性の特異体質だと判明したばかりの響は、自身の能力を設定する際のヒントに繋がるかもしれないと考えていた。
「では僕からやります。宜しくお願い致します。」
「よろしくお願いします。」
手を挙げたのは天野家の次男である雄輝だった。響と同い年ということもあり、身長も体格も似たり寄ったりである。雄輝もまた厳しい修練を積んでいるのか、今年で五歳になったばかりの少年とは思えないほどに鍛え上げられた肉体をしていた。
気の弱そうな印象だったが、闘いになると纏う雰囲気が一瞬で変わり、野生の獣のような鋭い眼光を覗かせていた。響は気を引き締めて、前を見据えた。落ち着け。と心の中で唱える。求めているのは勝敗ではない。鍛錬の成果である。
「では、始めさせて頂きます。」
「どうぞ。」
二人は向き合うように対面すると、礼儀正しくお辞儀をした。二人の表情は至って真剣そのもの。ピリピリとした不穏な空気が辺りを包み込んだ。睨み合う二人は互いに相手を警戒しているのか、初動するまでに随分と時間が掛かったが、先に動いたのは雄輝だった。
今頃になって何の用があるか疑問だった。いくら思考を働かせても分家の子供たちが友好的だとは思えなかった。急な呼び出しに違和感が拭えない。それに響のことを快く思っていないことも理解していた。
第三秘書である薫子の報告通り、庭へ向かうと分家である四家の子供たちが勢揃いで待ち構えていた。分家の子供たちとは顔を合わせたことはあっても会話をするのは今回が初めてだった。響が緊張するのも自然な流れだった。
「あの……お話があると伺って来たのですが、どのような用件ですか?」
「響様、急な呼び出しで申し訳ございません。我々は貴方のことを知りたいと思い、このような場を設けてもらいました。貴方が我々の上に立つべき人なのか、我々が尽くすべき人なのか知りたいのです。響様は我々の問いに答える義務があります」
響の問いに答えたのは宝条悟だった。分家の子供たちの中では年長に当たる少年だ。悟に兄弟はいないため、宝条家の跡取りでもある。今年で十歳になる彼は、和服を身に纏っていた。黒髪の坊主頭で、引き締まった体躯をしている。
悟を中心にして、分家の子供たちが弧を描くように並んでいた。悟の右側にいるのは恩田家の令嬢たちだった。恩田家の令嬢たちは三つ子であり、三人とも女の子だ。左から長女の恩田牡丹、次女の恩田桜、三女の恩田小梅である。
今年で九歳になる彼女達もまた和服を身に纏っていた。顔立ちも雰囲気も似ている彼女たちだが、髪型は意識的に変えている印象だった。長女の牡丹は黒髪を短く纏め、次女の桜は亜麻色の髪の毛を肩まで伸ばし、三女の小梅は明るい金髪を腰まで伸ばしていた。三人とも響の様子を食い入るように見詰めていた。
女性特有の威圧感と表現するべきか、彼女たちからは尋常ではないほどの重圧を感じずにはいられなかった。響が無意識のうちに後退ったのは自然の流れだった。やはり魔術が扱えないことが原因なのだろうか。響は動揺を隠せなかった。
悟の左側には天野家のご令息である長男の天野雄大、そして次男の天野雄輝が腕を組みながら響の様子を観察していた。雄大も雄輝もまた豪華な和服を身に纏っていた。今日は分家と宗家が一堂に集まる日であるため、身嗜みは綺麗に整っていた。
雄大は活発そうな男の子だった。今年で八歳になる彼は兄の誠一と同い年であり、友人でもある。黒髪は生まれつきなのか、跳ねるような癖のある髪型をしていた。肉体派の印象ではないが、人懐っこそうな愛嬌のある少年だ。
次男の雄輝は控えめな印象の男の子だ。短く切り揃えた黒髪に眼鏡を着用し、雄大の影に隠れるように立っていた。雄輝は今年で五歳になるため、響と同い年になる。肝心の雄輝は響と視線を合わせようとはしなかった。
分家の子供達の冷たい視線は相変わらずであった。初めて分家の子供達を見たのは三歳の誕生日の時だった。初めは冷たい視線を送られる理由が分からなかったが、時が経つにつれ現実を直視できるようなった。魔術の有無で人は態度が変わる。
分家の子供達が響のことを悪く思うことも仕方がないと思うようになっていた。魔術が使えないから鍛錬を怠っていると思われているのかもしれない。それとも生まれつき才能がないと思われているのであろうか。だとしたら何も言い返せない。
分家の子供達が何を考えているのかまでは理解できないが、良い感情ではないことは明白だった。分家の子供たちを見る限り、見下されているような気分だった。冷たい視線、敬語を使っているのにも拘らず、棘のある喋り方に気持ちが沈んだ。
「……え?」
「……え?じゃないわよ。貴方、質問の意味を理解しなさい。馬鹿なの?」
高圧的な態度で問いただして来たのは蛭川家の長女である蛭川睦月だった。金髪のショートヘアの女の子で、裾の短い和服を身に纏っていた。今年で九歳になる彼女は薄く化粧をしているため、大人びた表情をしていた。
瞳は鋭く、宗家の血筋である響にすら臆することなく突っかかるその姿は獰猛である。発言を誤れば今にも襲い掛かってきそうな雰囲気だった。魔術が扱えないことで嫌われることには慣れているといっても、悲しいことには変わらない。
「睦月姉さん、響様にその態度は酷いです」
そう答えたのは蛭川家の次女になる蛭川柚葉だった。気の強そうな睦月とは対照的に落ち着いた印象の柚葉だが、着ている和服は派手な色合いだった。深紅の和服を姉の睦月同様に裾を短くしている。今年で八歳になる柚葉もまた誠一と同い年である。
宝条家の悟。恩田家の牡丹、桜、小梅。天野家の雄大、雄輝。蛭川家の睦月、柚葉。八人に囲まれるようにして見詰められる響はどうすれば良いのか悩んだ。美玲以外で年齢の近い子たちと会話する事は今回が初めてだった。
「僕はどうすれば……何を求めているのですか?」
「簡単な話しです。我々に力を示せば良いのです」
「……力ですか?」
「そうです。力こそが全てです。我々を従えるには、それ相応の能力が求められます。もし、響様が噂通りの無能者であるならば我々は貴方を宗家の人間として認める訳にはいかないのです」
「……」
悟の意見に戸惑いを隠せない響は言葉を失った。なんと返事をすれば良いのか分からなかったのだ。勿論、人には様々な考え方が存在することは理解している。だが、響は悟の考え方が好きになることができなかった。
かと言って自分の価値観を押し付けることもしたくなかった。反論しても関係が拗れるだけで、良い結果を生まないことは幼いながらにも理解していた。悟のようなタイプの人間は自分の考え方が絶対に正しいと思っている傾向がある。
己とは違う他者の考え方を受け入れることができないと少ない会話の中で悟った。どれだけ響が努力し、血の滲むような鍛錬を繰り返しているのか、理解しようともしない。そのような相手と会話をするだけ時間の無駄であった。
「我々は貴方を知りたいだけです。響様の能力、そして戦い方。宗家に相応しい人間なのか。全員の総意だと思って頂いて構いません。本来、分家の我々が宗家の方々に対してこのようなことをしてはいけないことも重々承知してます。ですが、納得のいく答えが欲しいのです」
「どのようにして力を示せば宜しいのですか?」
「簡単な話しです。我々と闘って頂きます。貴方の力を我々に示して下さい。順番は誰からでも構いません。響様が選んで下さって結構です」
「……分かりました。順番は適当で構わないです」
自然と闘うことが避けられない空気だった。響が魔術を扱えないことは既に分家の者達の間では周知の筈。だとしたら何か別の意図があるのであろうか。響は思考を巡らせる。分家の子達も厳しい教育を受けていることを響は知っていた。
後先考えもせずに、ただ力関係を証明するためだけに闘いを挑むとは思えなかった。だからこそ響も真剣に相手をしようと思った。本来であれば分家の者が宗家の血筋である響に対して力試しをすることは宗家に対して反旗を翻すことと同義だった。
それでも響は構わなかった。響自身、同世代の子供達と触れ合う機会が少ないというのも要因している。単純に自分を試してみたかったのだ。今まで積み上げてきた修練の成果が、どれほどのものなのか知りたかった。
純粋に好奇心が抑えられなかった。自身の心臓が高鳴るのが分かった。普段から武術の稽古や魔術の鍛錬の相手は源十郎や誠一や紅葉だった。三人とも響とは比較できないほどに、遥か高みにいて比較対象にはなりえなかった。
同世代の子達と比較した時、自分はどれだけ通用するのであろうか。それに分家の子達はどのような魔術を扱うのであろうか。つい先日に自身の系統が陰性の特異体質だと判明したばかりの響は、自身の能力を設定する際のヒントに繋がるかもしれないと考えていた。
「では僕からやります。宜しくお願い致します。」
「よろしくお願いします。」
手を挙げたのは天野家の次男である雄輝だった。響と同い年ということもあり、身長も体格も似たり寄ったりである。雄輝もまた厳しい修練を積んでいるのか、今年で五歳になったばかりの少年とは思えないほどに鍛え上げられた肉体をしていた。
気の弱そうな印象だったが、闘いになると纏う雰囲気が一瞬で変わり、野生の獣のような鋭い眼光を覗かせていた。響は気を引き締めて、前を見据えた。落ち着け。と心の中で唱える。求めているのは勝敗ではない。鍛錬の成果である。
「では、始めさせて頂きます。」
「どうぞ。」
二人は向き合うように対面すると、礼儀正しくお辞儀をした。二人の表情は至って真剣そのもの。ピリピリとした不穏な空気が辺りを包み込んだ。睨み合う二人は互いに相手を警戒しているのか、初動するまでに随分と時間が掛かったが、先に動いたのは雄輝だった。
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