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30 優先順位

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「おや、お嬢様……」

 車に乗り込むと、山口が、片眉だけを器用に持ち上げた。

「……なあに?」
「いえ。何か、決意を固めていらっしゃるようなお顔に、見受けられましたので」

 山口の観察眼は、やはり恐ろしい。

「そうなの。頑張ろうと思って」

 私は今日、早苗に、詳しい話を聞く決意を固めてきた。

 正直言って、彼女とそこまで、話したくはない。
 早苗はヒロインであり、海斗の心を奪った張本人。進んで関わり合いにはなりたくない存在だ。

「そうですか。応援しております」
「ありがとう」

 それでも、私が前進するためには、情報を集めないといけない。今のままぐるぐると思考を巡らせていたって、何も生まれないのだ。

「行ってくるわ」
「いってらっしゃいませ」

 山口に見送られ、車を降りる。

 いつもの噴水も、いつもの階段も、どこか新鮮に見える。それは、私の心持ちが違うからだ。

「……早苗さん」

 人に囲まれた早苗に、目立たぬように話しかけるのは難しい。
 結局、私が早苗に声をかけることができたのは、昼休みであった。それも、5限目がそろそろ始まる、という時間。

 お手洗いに立った彼女をそれとなく追いかけ、廊下で追いつき、声をかける。

 声をかけると、ふんわりと蕩ける良い香りがして、早苗が振り向いた。

「……あ、藤乃さん」

 花開くような、愛らしい笑顔。

「考えてくれたの?」
「ええ……もう少しお話を、聞かせてほしくて」

 早苗は、唇に指を当てる。丸く、美しく整えられた指先。爪まで、つやつやと輝いている。

「なら……放課後、カフェでお茶しない?」
「カフェ? 校内にあったかしら」
「ううん、外」

 早苗は、首を軽く左右に振る。彼女が動くたび、甘い香りがして、頭がくらくらする。

「駅前にあるの。そこなら、ここの生徒は、来ないから」
「そうなの……」
「そう。放課後、落ち合いましょう」

 目立たない待ち合わせ場所を確認して、私たちは離れた。

 放課後、早苗と出かけるとなると、慧には会えない。
 その前に図書室に寄って、慧にその旨を伝えたい。

 私は放課後になると、急いで支度をして、教室を出た。

「ねえ、ねえ、藤乃さん!」
「わ……なあに、泉さん」

 早足で図書室に向かっていた私に追いついた泉は、息を弾ませていた。

「藤乃さん……お昼に、早苗さんと話していたでしょ?」
「あら……見てたのね」

 泉は頷く。頬が薄らと赤いのは、小走りで追いかけてきたからだ。

「見ていたわ。大丈夫? 何か言われなかった? わたし、心配で」
「心配するようなことは、何もなかったわ」

 泉は、眉尻を下げ、上目気味に私を伺う。

「なら、いいんだけど」
「大丈夫よ。ありがとう」

 疑われているらしい。心配をかけないよう、私は努めて、明るい声を出した。

「何かあったら、言ってね。わたし、協力するから……」
「うん。その気持ちが嬉しいの」

 泉は、「本当に大丈夫?」と、聞く。私が頷くと、やっと「それなら……」と、納得する素振りを見せた。

「ありがとう。また明日、泉さん」
「ええ、また明日」

 慧と交わすはずの挨拶を、ここで交わしてしまった。
 そして、泉と話していたために、もう行かなければならない時間になる。

 彼女のせいと、言いたいわけではない。
 泉は、心配してくれただけだから。

 しかし、きっと図書室で待ってくれている慧のことを思うと、切ない気分になった。
 それでも、優先順位を考えたら、今は早苗と会うべきだ。

「……待った?」
「いいえ。全然」

 待っていた早苗は、そう答えて微笑む。
 その瞬間、風がさっと吹いて、彼女の髪が爽やかに揺れた。

 ……つくづく、彼女はヒロインだ。

 思わず見惚れ、私は思う。
 普通の人なら気が抜けてしまうような、こんな何気ない瞬間でも、彼女は美しい。
 こうして並んで歩いていると、こちらが、どきどきしてしまうほどに。

「藤乃さんは、カフェって、行ったことがあるの?」
「ええ。アフタヌーンティーなら、昔家族で、よく行っていましたわ」
「ふふっ……本当に、お嬢様らしいわ。ごめんね、庶民のお店が、気に入らなかったら」

 この絶妙な、砕けた口ぶり。
 綺麗な声に、どこを見ても美しい容姿。
 道行く人は皆、彼女を一瞥し、すれ違った後に振り返る。

 近くにいると、早苗の魅力は、本当によくわかった。

「ここよ」
「ここ……」

 早苗が立ち止まったのは、駅前の、雑居ビル。
 1階はガラス張りになっていて、その中は確かに、丸テーブルが幾つか並んだカフェのようだ。

「藤乃さんも、コーヒーでいい?」
「ええ、何でも……」

 店に入ると、まずコーヒーの香りが鼻をつく。店内には人がごみごみといて、間隔の狭いテーブルにつき、お喋りに興じている。
 早苗に言われるがままコーヒーを頼み、私たちは、店内の奥のソファ席に座った。

 早苗は、頼んだコーヒーに口をつけることなく、テーブルに置く。その整った指先を、制服のスカートに載せた。僅かに、こちらに身を乗り出す。
 グロスでつやっとした、淡い桃色の唇が開かれた。

「……ここなら、学園の人は誰もいないから。もうお嬢様のふりなんて、しなくていいのよ」
「え?」

 お嬢様の、ふり。
 早苗から出たのは、よくわからない言葉だった。

「わかってるのよ。あなた、あたしと同じでしょ? 知ってるんでしょ、ここが、あのゲームの中だって」
「……!」

 思わず息を呑むと、早苗はけたけたとおかしそうに笑った。

「ほら、やっぱり。誤魔化すの、へたすぎ」
「やっぱり、って……」
「おかしいと思ったのよ。藤乃さんだけ、ゲームと違うんだもん」

 やはり、意識されていたのだ。

 私の存在なんて、ゲームでは些細なもの。脇役なのだから、多少の違いは、見過ごされると思っていた。

「どうして、違うなんて、わかったの?」
「わかるわよ。どれだけやり込んだと思ってるの? 嬉しかったなあ、死んだと思ったらここにいて、しかも、大好きなゲームの中って」

 早苗の語る話が、今まで読んできた小説と重なる。死んだと思ったら、ゲームの世界。そんな話は、いくつもあった。

「……そうなのね」
「あれ、藤乃さんは、嬉しくなかったの?」
「私は……」
「嬉しくないか。藤乃さんは脇役だもんね、あたしはヒロインだったけど」

 勝手に納得し、早苗は続ける。

「でね、あたしは樹ファンだったから、絶対生徒会長ルートに入ろうと思ってたんだけど……失敗しちゃったの。うっかり、海斗ルートに入っちゃったんだよね。ゲームじゃないから、やり直しもできないし」

 早苗が頬杖をつくと、柔らかそうな頬が餅のように変形する。そのままため息をつく、アンニュイな雰囲気。それすら絵になる彼女は、さすが、ヒロインだ。

「まあ彼も嫌いではないし、現実的に考えたら玉の輿だから、もう仕方ないかあと思って進めてたんだけど……藤乃さんがストーリーを変えてるのを見て、もしかしてって思ったの」

 その透き通った瞳が、真っ直ぐこちらを見つめる。美しく瞳。胸が自然と高鳴る。

「変えてなんて、いないわ。何も……」
「ううん、変えてる。学外活動では、選んだのと違う選択肢にされたし。イベントは、あなたが来ないせいで、起きなかった。テストではあたしが2位のはずなのに、なぜか、あなたが2位。どう考えたって、あなたは『こっち側』だし、わかってて邪魔してるでしょ」

 流暢に話す早苗に、口を挟めない。

 彼女が言う「こっち側」が、「前世で死んでこの世界に転生した人」という意味なら、厳密には私は違うのだけれど。
 それに、彼女を邪魔したわけではなくて、距離をとっていただけだ。

 事情を説明したくても、口を挟めない。

「そんなことができるなんて、思いもしなかった。なら、あたしにもできるかなって、思ったの」

 早苗は、勝手に話し続ける。長い睫毛が、何度か瞬いた。

「……そう」
「そうなの。ほら、あなたは、学外活動に樹を呼んだでしょ」

 早苗が身を乗り出して、顔が僅かに片付く。甘い香りが、鼻をくすぐる。

「呼んだというか、勝手にいらしたというか……」
「とにかく。あんなこと、あたしは思いもつかなかったの」

 彼女の話しぶりに、だんだん、熱が入っていく。

「選んだ相手は変えられないけど、せめて樹に会いたくて、クルーズを選んだんだから。ビーチバレーってことになって、そんなのストーリーにないから、無理だと思ってたのに……あなたは来るはずのない彼を、呼んだのよ」

 あ、だからクルーズだったんだ。

 私は納得する。
 たしかにゲームの中では、クルーズを選んだイベントで、樹が登場していた。

 早苗が樹を好んでいることは、本当らしい。

「でね、試しに樹のストーリーを進めたいんだけど……そうなると、海斗が邪魔になっちゃうのよね。そっちのストーリーも、どんどん進んじゃって」

 拗ねたように尖らせる唇が、ぽってりとして、艶やか。長い睫毛も、人目を奪う。
 その美貌と愛嬌で海斗を虜にしていた彼女が、「海斗が邪魔」と言い放つなんて。
 言葉を失っていると、その潤んだ瞳が、また私を捉える。

「それで、あなたに頼もうと思って。あなた、海斗推しでしょ?」

 なぜ私に頼もうと思ったのか全然理解できなくて、その瞳を見つめ返す。
 無言の肯定だと思ったのだろうか。早苗は、自身ありげに深く頷いた。

「ストーリーと違うことをするのは、あたしが海斗のストーリーを進めたら困るってことで……海斗推しなんでしょ? だから、あたしに協力してよ」

 なるほど。
 本来起こりうるゲームの展開と、違う動きをしている私。

 私が海斗に好意を持っていて、その上で、邪魔をしているのだと解釈しているようだ。
 全くの勘違いだ。

 私は海斗の婚約者ではあるが、彼に好意があるわけではない。ゲームの進行を違う行動を取ったのも、別に二人の仲を、意図的に邪魔するためではない。
 ただ、早苗は私の行動を見て、「海斗と早苗が親しくなるのを邪魔するために行動している」と思ったらしい。

「あたしと協力してよ。樹ルートに入れるように。あなたが海斗とくっつけるように、あたしも協力するわ」

 早苗の描く理想図が、私にも理解できた。

 ここは、現実。ゲームと違って、相手の選択を間違えても、時間を戻すことはできない。
 ゲームのセーブデータを選び直すように、なんとか、別の選択肢を選びたいのだ。

 そのためには、樹のイベントを進めることだけではなく、海斗のルートから抜けることも必要で。

「どう? WIN-WINでしょ?」

 ぱちっ、と早苗は片目を瞑る。その芝居がかった仕草も、彼女によく似合う。

「……そうね」

 確かに、彼女の言う通り。

 彼女の申し出に乗れば、もっと穏やかに、海斗との婚約関係を継続できる。早苗も、樹と親しくなれる。お互いに、良いところしかない。

「やった。契約成立ね」

 早苗が、輝かしい微笑みを見せる。心から、嬉しそうだ。よほど、樹のことが好きなのだ。

「ふふっ。これであたしも、樹と結ばれるんだわ」

 浮かれる彼女を見る私の目は、妙に冷静だった。

 確かに、WIN-WINだ。
 私が、海斗との婚約継続を、望むのなら。

「とりあえず夏休みのイベントを起こしたいから、協力してよね」
「……ええ」

 私の返事は、上の空だ。

「ありがとう! また明日ねっ!」

 ああ、いつもは慧と交わす挨拶を、ここでも使ってしまった。

 満面の笑顔で去っていく早苗を見送り、私は、学園に戻る道を歩いた。
 駅まで来たけれど、山口は学園の正門前で待っているからだ。

 流れてくる人の波に、逆らうように歩く。空はもう、薄暗い。話し込んでいるうちに、すっかり夜になってしまった。
 もう、慧は帰ってしまっただろう。閉館時刻だ。

 残念な気持ちもありつつ、私の心は、熱くなっていた。

 シノの言う通り。
 情報量が足りないから、優先順位がつけられなかったのだ。

 早苗の話を聞いて、私が最初に考えるべきことが、ちゃんとわかった。

 海斗ルートに入ってしまった早苗を、樹ルートに入れる。その後で、私が海斗との関係を築いていく。

 そんな彼女の申し出に乗るかどうかは、私の選択次第。
 両親の期待も含めて、結局、兄の示した2択のどちらを選ぶのか。

 海斗との婚約を、継続したいのか。
 それとももう、破棄したいのか。

 優先順位の第1位は、それ。
 私はあの2択について、結論を出さなければならない。
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