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1 砂出しの働き方改革
1-22.王都の構造
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「……作業服を脱いでくるのを忘れたわ」
「俺、詰所を出る前に何度も声をかけたよ」
町を歩いていて、はたと自分の姿に気づいた。砂出し用の作業服。だぶだぶで、袖と裾を厚く折り込んでいるせいで、必要以上に体が小さく見える。
呆れた顔をするニコも、作業服姿である。
「全然聞こえなかった」
「イリスって、時々凄い集中力を発揮するよね」
「……ご飯を食べましょう」
ニコの言葉は純粋な褒め言葉には聞こえなかったので、私は話を逸らした。この道は、先日食事をした、オアシスに続く道である。
作業服ではあるが、スコップ両手に砂を掘った訳でもないし、服にはそれほどの砂は付いていない。多少の砂は、この砂だらけの王都で暮らしていたら付着するものだ。迷惑はかけないだろう。
「いらっしゃいませ! ……あら」
店の戸を開けると、前回と同じ、水色の髪の女性店員が出迎えてくれた。爽やかな笑顔は、しかし一瞬のうちに、眉がひそめられる。
「お客様、砂出しの作業服では、当店には入店できないのです」
「え……どうして?」
「どうしてと仰られましても……魔法の使えない方々だと、はっきりわかってしまいますので」
困ったように笑う彼女。
「はっきりわかると、いけないの?」
「いけないというか……その、気にするお客様もいらっしゃるのです」
言葉を選びながら、そう告げられる。魔法が使えない者が同じ店内にいることを、気にする者もいる。それが、特権階級でもなく、こんな庶民の店にもいるというのか。
「気にしないで、イリス。店員さんも、作業服を脱いだら来て良いって言ってたじゃない」
「別に、どうでもいいわ。ただ……残念ね。そういう考え方が、まだ根付いているなんて」
魔法は、万能である。その力を知る者は、それゆえに、魔法が使えない者を見下してしまうことがある。
砂出しは、ゴードン達も言っていたように、魔法が使えない者が就く仕事。その作業服だけで、魔法が使えないとわかってしまう、というわけだ。
「俺は、田舎から出てくるときにも、ずいぶんそのことを言われたよ。砂出しなんて、褒められた職業じゃないってさ。イリスといるとあまり感じなかったけど、やっぱり冷たい目で見られる仕事なんだね」
「そうなのね……」
本来魔法とは、健康な人ならば、息をするように使えるもの。使えないのなら、それには理由があるし、本当に全く使えない人は限りなく少ない。魔法が使えないというとき、大抵の場合は、条件が限定されていたり、種類が限定されていたりするだけだ。
「なら、褒められる仕事にしてあげないとね」
超えられる壁を前にしたとき、人はやる気を抱く。そして私に、超えられない壁はない。砂出しが褒められない仕事だというのなら、尊敬される仕事に変えれば良い。冷遇されているのなら、評価が変わったときには、人々が魔法を使えない人に向ける眼差しにも変化があるだろう。
「イリスって、けっこう大口を叩くよね」
「大口を叩いて、叶えてきたのが私なのよ」
ニコは、「イリス・ステンキル・ブロット」の成した偉業を知らない。だから私の大言壮語に驚いているようだが、かつての私を知る人ならば、このくらいで驚くなんてこと、ないはずだ。
「おかえりなさいませ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます、ラルドさん。今日も作業服ですみません」
「いえ……構いませんよ、うちは宿屋ですから。このお時間なら、ほかのお客様と顔を合わせることもございません」
ニコは相変わらず、言うべきひと言をきちんと言う。宿の主人であるラルドはそう応え、「ごゆっくり」と部屋に戻る私達を見送った。
「結局、これしか買えなかったわ」
「いいじゃない。俺、好きだよ、パン」
その後、店舗型の料理屋を数軒回ったが、「砂出しの作業服」を理由に、いずれもことわられてしまった。止むを得ず、私たちのご飯は、屋台で売られていたパンになった。
ニコは丸く焼きあがった黒パンを、美味しそうに頬張っている。私はパンの一部をちぎり、口に運んだ。
「パンは好きよ、私も。でも、焼き具合が……」
外はぱりっと焼けているが、内部がどうも生焼けに思える。火の通し方に失敗したような食感だ。たしかにパンの火加減は難しいというが、客に出す以上、ある程度の均質性を求めたい。
「仕方ないよ。キータは上手くやってたけど、火を安定して保つのって、普通は難しいんだから」
「そうなの?」
「そう。昔は違ったの?」
私は頷く。弱火なら弱火、中火なら中火を出すことは、料理においては不可欠だ。難しい魔法でもない。そんな簡単な技術すら、失われてしまったというわけ。
「なら、キータは料理人になら、なれたんじゃないの?」
「そうだね。何か理由があるのかな」
ニコは言いながら、パンをまた口に放る。乾燥したパンが喉に詰まったのか、げほ、とむせた。
「水を……あっ」
咄嗟に魔法で水を出そうとしたが、魔力は感じられない。この肉体の不便さに、改めて気づかされる。こんな、ちょっとした魔法も使えないなんて。
ニコは自分で水を出し、喉を潤していた。
「ごめんなさいね」
「構わないよ。気にしないで」
「魔法が使えないって、本当に不便だわ」
以前は自由自在に魔法を使えていたから、なおさらそう思う。頬に手を当て、溜息をついた。
「どうしてイリスは、魔法が使えないんだろうね? 体は、普通に人間なのに」
「わからないの……一度死んだ体、だからかしら」
命を落とした他者の肉体に、自分の精神が入り込んで蘇るなど、私以外の人間は、経験したことがないだろう。だから、この肉体に起きている事態が異常なのか、必然なのかわからない。
「まあ、考えても今答えはわからないわね。ニコがいてくれるから、当面困らないし」
「それならいいけど」
「それよりも、王都の地図を見せてもらえる? この間、見てたじゃない」
ニコは鞄から、地図を取り出した。折り畳まれており、しわが強くついているものの、丁寧に書き込まれたわかりやすい地図である。というか。
「……なんとなく、見たことがある気がするわ」
「昔、優れた火の魔導士だった人が、大量に焼き付けたらしいよ。イリスの知り合い?」
「ああ……」
頭に、オレンジ色の髪をした、ぼさぼさ頭の男が思い浮かぶ。火の魔法に長けていて、紙をうっすらと焦がし、頭にイメージしたものを大量に焼き付けて複製していた。
この地図は、あの時彼が作ったものなのか。
「いざ、王都観光、ね」
地図の上に付されたタイトルを読み上げる。なるほど、これは王都へ来ることを促すため、地方に配ったものであろう。
彼は、王都で生まれた最先端の魔法を、地方にも広めて国中を豊かにしたいと考えていたからなぁ。懐かしく思い出すと共に、少しの寂しさを覚える。その地図が未だに使われているということは、それ以降、地図を更新するような力と志のある魔導士がいなくなったということだ。
作られた時期を考えたら当然だけれど、王都の地図は、私がかつて過ごしていた王都と、寸分違わぬものであった。王城を中心に、九つの区画に分かれている。
「ここが門だよ。この間入ってきた」
「そうよね……都の作り自体は、あまり変わっていないのかも」
王都に出入りする門は、基本的には一つ。その周辺に、歓楽街や旅人用の宿、飲食店、そこで勤める人々の住居が広がっている。私たちが宿泊しているのも、そのあたりだ。一般市民の住居がその左右の区画まで広がり、大きな住宅街を形成している。
中央部は、教会や図書館、研究所といった施設が、王城を取り囲むように建てられている。先日訪ねた図書館は、ちょうど、住宅街と中央部との境目付近にある。
王城より後ろの空間は、偉い人たちの居住空間らしい。私も足を踏み入れたことがないので良くわからないが、かなりの広さが、彼らの生活空間に取られている。
「砂出しの現場は、住宅街と、中央部のあたりに限られていたわね」
「そうだったね」
リックに連れて行かれた現場の位置を思い返すと、主に人々が居住する住宅街、そして図書館や教会の付近に限られていた。王城の近く、またそれより奥にある貴人の生活空間で仕事をすることは、まずない。
砂出しをしている者達が、「魔法の使えない」見下された人々であることを考えても、彼らが王都の奥まで行くことはないはずだ。
「王城を除いたこの五区画を、十人に割り振ればいいのね」
「ずいぶん広いね」
「そう? 一人でもできると思うけど」
ニコは懐疑的だ。そんな彼の懸念も、実施に魔法を使えば、晴れるに違いない。
「王城周りや奥の空間って、砂はどうなっているのかしらね」
「偉い魔導士様が、上手く防いでるんじゃない?」
「うーん……」
無論、できないわけではないが。それだけの広さを少人数で清められるような魔導士がいるのなら、なぜ一般の人々がこれほどに魔法に疎いのか、ということが気にかかる。今の魔導士は、自分の知識を自分のためにしか使わない、私欲に走る者なのだろうか?
「まあ、いいけど」
気にはかかるが、王都の奥に暮らすような人々に、今の私やニコが御目通りすることは限りなく不可能に近い。まずは、砂出し部隊を認められるべき存在にまで、魔法の力で高めること。私は地図を眺めながら、作戦を練った。
「俺、詰所を出る前に何度も声をかけたよ」
町を歩いていて、はたと自分の姿に気づいた。砂出し用の作業服。だぶだぶで、袖と裾を厚く折り込んでいるせいで、必要以上に体が小さく見える。
呆れた顔をするニコも、作業服姿である。
「全然聞こえなかった」
「イリスって、時々凄い集中力を発揮するよね」
「……ご飯を食べましょう」
ニコの言葉は純粋な褒め言葉には聞こえなかったので、私は話を逸らした。この道は、先日食事をした、オアシスに続く道である。
作業服ではあるが、スコップ両手に砂を掘った訳でもないし、服にはそれほどの砂は付いていない。多少の砂は、この砂だらけの王都で暮らしていたら付着するものだ。迷惑はかけないだろう。
「いらっしゃいませ! ……あら」
店の戸を開けると、前回と同じ、水色の髪の女性店員が出迎えてくれた。爽やかな笑顔は、しかし一瞬のうちに、眉がひそめられる。
「お客様、砂出しの作業服では、当店には入店できないのです」
「え……どうして?」
「どうしてと仰られましても……魔法の使えない方々だと、はっきりわかってしまいますので」
困ったように笑う彼女。
「はっきりわかると、いけないの?」
「いけないというか……その、気にするお客様もいらっしゃるのです」
言葉を選びながら、そう告げられる。魔法が使えない者が同じ店内にいることを、気にする者もいる。それが、特権階級でもなく、こんな庶民の店にもいるというのか。
「気にしないで、イリス。店員さんも、作業服を脱いだら来て良いって言ってたじゃない」
「別に、どうでもいいわ。ただ……残念ね。そういう考え方が、まだ根付いているなんて」
魔法は、万能である。その力を知る者は、それゆえに、魔法が使えない者を見下してしまうことがある。
砂出しは、ゴードン達も言っていたように、魔法が使えない者が就く仕事。その作業服だけで、魔法が使えないとわかってしまう、というわけだ。
「俺は、田舎から出てくるときにも、ずいぶんそのことを言われたよ。砂出しなんて、褒められた職業じゃないってさ。イリスといるとあまり感じなかったけど、やっぱり冷たい目で見られる仕事なんだね」
「そうなのね……」
本来魔法とは、健康な人ならば、息をするように使えるもの。使えないのなら、それには理由があるし、本当に全く使えない人は限りなく少ない。魔法が使えないというとき、大抵の場合は、条件が限定されていたり、種類が限定されていたりするだけだ。
「なら、褒められる仕事にしてあげないとね」
超えられる壁を前にしたとき、人はやる気を抱く。そして私に、超えられない壁はない。砂出しが褒められない仕事だというのなら、尊敬される仕事に変えれば良い。冷遇されているのなら、評価が変わったときには、人々が魔法を使えない人に向ける眼差しにも変化があるだろう。
「イリスって、けっこう大口を叩くよね」
「大口を叩いて、叶えてきたのが私なのよ」
ニコは、「イリス・ステンキル・ブロット」の成した偉業を知らない。だから私の大言壮語に驚いているようだが、かつての私を知る人ならば、このくらいで驚くなんてこと、ないはずだ。
「おかえりなさいませ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます、ラルドさん。今日も作業服ですみません」
「いえ……構いませんよ、うちは宿屋ですから。このお時間なら、ほかのお客様と顔を合わせることもございません」
ニコは相変わらず、言うべきひと言をきちんと言う。宿の主人であるラルドはそう応え、「ごゆっくり」と部屋に戻る私達を見送った。
「結局、これしか買えなかったわ」
「いいじゃない。俺、好きだよ、パン」
その後、店舗型の料理屋を数軒回ったが、「砂出しの作業服」を理由に、いずれもことわられてしまった。止むを得ず、私たちのご飯は、屋台で売られていたパンになった。
ニコは丸く焼きあがった黒パンを、美味しそうに頬張っている。私はパンの一部をちぎり、口に運んだ。
「パンは好きよ、私も。でも、焼き具合が……」
外はぱりっと焼けているが、内部がどうも生焼けに思える。火の通し方に失敗したような食感だ。たしかにパンの火加減は難しいというが、客に出す以上、ある程度の均質性を求めたい。
「仕方ないよ。キータは上手くやってたけど、火を安定して保つのって、普通は難しいんだから」
「そうなの?」
「そう。昔は違ったの?」
私は頷く。弱火なら弱火、中火なら中火を出すことは、料理においては不可欠だ。難しい魔法でもない。そんな簡単な技術すら、失われてしまったというわけ。
「なら、キータは料理人になら、なれたんじゃないの?」
「そうだね。何か理由があるのかな」
ニコは言いながら、パンをまた口に放る。乾燥したパンが喉に詰まったのか、げほ、とむせた。
「水を……あっ」
咄嗟に魔法で水を出そうとしたが、魔力は感じられない。この肉体の不便さに、改めて気づかされる。こんな、ちょっとした魔法も使えないなんて。
ニコは自分で水を出し、喉を潤していた。
「ごめんなさいね」
「構わないよ。気にしないで」
「魔法が使えないって、本当に不便だわ」
以前は自由自在に魔法を使えていたから、なおさらそう思う。頬に手を当て、溜息をついた。
「どうしてイリスは、魔法が使えないんだろうね? 体は、普通に人間なのに」
「わからないの……一度死んだ体、だからかしら」
命を落とした他者の肉体に、自分の精神が入り込んで蘇るなど、私以外の人間は、経験したことがないだろう。だから、この肉体に起きている事態が異常なのか、必然なのかわからない。
「まあ、考えても今答えはわからないわね。ニコがいてくれるから、当面困らないし」
「それならいいけど」
「それよりも、王都の地図を見せてもらえる? この間、見てたじゃない」
ニコは鞄から、地図を取り出した。折り畳まれており、しわが強くついているものの、丁寧に書き込まれたわかりやすい地図である。というか。
「……なんとなく、見たことがある気がするわ」
「昔、優れた火の魔導士だった人が、大量に焼き付けたらしいよ。イリスの知り合い?」
「ああ……」
頭に、オレンジ色の髪をした、ぼさぼさ頭の男が思い浮かぶ。火の魔法に長けていて、紙をうっすらと焦がし、頭にイメージしたものを大量に焼き付けて複製していた。
この地図は、あの時彼が作ったものなのか。
「いざ、王都観光、ね」
地図の上に付されたタイトルを読み上げる。なるほど、これは王都へ来ることを促すため、地方に配ったものであろう。
彼は、王都で生まれた最先端の魔法を、地方にも広めて国中を豊かにしたいと考えていたからなぁ。懐かしく思い出すと共に、少しの寂しさを覚える。その地図が未だに使われているということは、それ以降、地図を更新するような力と志のある魔導士がいなくなったということだ。
作られた時期を考えたら当然だけれど、王都の地図は、私がかつて過ごしていた王都と、寸分違わぬものであった。王城を中心に、九つの区画に分かれている。
「ここが門だよ。この間入ってきた」
「そうよね……都の作り自体は、あまり変わっていないのかも」
王都に出入りする門は、基本的には一つ。その周辺に、歓楽街や旅人用の宿、飲食店、そこで勤める人々の住居が広がっている。私たちが宿泊しているのも、そのあたりだ。一般市民の住居がその左右の区画まで広がり、大きな住宅街を形成している。
中央部は、教会や図書館、研究所といった施設が、王城を取り囲むように建てられている。先日訪ねた図書館は、ちょうど、住宅街と中央部との境目付近にある。
王城より後ろの空間は、偉い人たちの居住空間らしい。私も足を踏み入れたことがないので良くわからないが、かなりの広さが、彼らの生活空間に取られている。
「砂出しの現場は、住宅街と、中央部のあたりに限られていたわね」
「そうだったね」
リックに連れて行かれた現場の位置を思い返すと、主に人々が居住する住宅街、そして図書館や教会の付近に限られていた。王城の近く、またそれより奥にある貴人の生活空間で仕事をすることは、まずない。
砂出しをしている者達が、「魔法の使えない」見下された人々であることを考えても、彼らが王都の奥まで行くことはないはずだ。
「王城を除いたこの五区画を、十人に割り振ればいいのね」
「ずいぶん広いね」
「そう? 一人でもできると思うけど」
ニコは懐疑的だ。そんな彼の懸念も、実施に魔法を使えば、晴れるに違いない。
「王城周りや奥の空間って、砂はどうなっているのかしらね」
「偉い魔導士様が、上手く防いでるんじゃない?」
「うーん……」
無論、できないわけではないが。それだけの広さを少人数で清められるような魔導士がいるのなら、なぜ一般の人々がこれほどに魔法に疎いのか、ということが気にかかる。今の魔導士は、自分の知識を自分のためにしか使わない、私欲に走る者なのだろうか?
「まあ、いいけど」
気にはかかるが、王都の奥に暮らすような人々に、今の私やニコが御目通りすることは限りなく不可能に近い。まずは、砂出し部隊を認められるべき存在にまで、魔法の力で高めること。私は地図を眺めながら、作戦を練った。
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