17 / 72
10-1 居たい場所
しおりを挟む
城下は、人々で溢れていた。いつ訪れても、人々の姦しさに、奏は圧倒される。
ルーデンヴァールは商業活動が活発で、市外には様々な工房や商業ギルドが存在している。また、街路や水路が整えられており、公衆衛生も奏が住んでいた世界と遜色ない。
中世風の街並みで、けれど、景観の美しさは近世レベルに整えられている。
景観の美しさ、人々の活発さは、ルーデンヴァール王家の統治が素晴らしいものであるということを意味している。
実際、奏が視察に出かけた際に、ルーデンヴァール王家を褒め称える声を聞くことは多い。奏――聖女が現れたことも、ルーデンヴァールの統治が素晴らしいものだったからだろう、と口にする言葉を何度も聞いた。
とにかく、ルーデンヴァール王家は、人々からの好感度がとんでもなく高いようだ。
先に降りたフェリクスの手を借りて、奏は馬車から足を降ろす。城下街の入り口近くに馬車を止め、フェリクスと護衛の騎士を連れて、街中へ足を踏み入れた。
「いつ来ても凄い活気ですね」
「まあね。緑の季節の次、陽の季節は、もっと活気が多くなるよ。陽の季節は騎士の大会があるからね」
「騎士の大会? ですか?」
聞き覚えが無い、というより、想像が出来ない。
奏が首を傾げると、奏の手を取ったまま、フェリクスは肩をすぼめて見せる。
「陽の月、二十日は騎士による御前試合が行われることになっているんだ。といっても、披露する場所は王城ではなくて、それのために建てられた会場で行うんだけどね」
「へええ。凄いですね」
「凄いよ。魔法も使うからね。剣の刃自体は潰したものを使うのだけれど、それでも迫力がある。騎士の試合を見るために、様々な場所から人々が訪れるくらいだから」
フェリクスは滔々と言葉を続ける。説明するような口調だった。嘘が混じっている様子は無い――気がする。本当に、単純に、説明してくれているだけなのだろう。
だが、ここで『フェリクス殿下、嘘を吐かなくなったんだな』なんて思ってはいけない。今までが今までである。油断してはいけない。絶対にどこかに嘘を混ぜてくるはずだ。それを真に受けてしまったら、またフェリクスに「普通に考えたらわかるでしょ?」なんて笑われてしまう。
必ず嘘を見抜いてみせる、という気概と共に奏はフェリクスを見つめる。熱のこもった視線だったからか、フェリクスはすぐ、奏の視線に気付いた。
美しい虹彩の瞳が奏をじっと見つめ、僅かな間を置いてからす、と逸れる。眦を僅かに赤らめて、フェリクスは早口に言葉を続ける。
「何? そんなに気になる?」
奏が熱心に見つめるのを、騎士の試合に興味があるのだと思ったようである。まさか嘘吐くかどうかを見定めるために見つめていました、と言うわけにもいかず、奏は重々しく頷く。
実際、騎士の試合は気になる。
「そうですね。少し……いえ、かなり、結構、気になります」
「そう。じゃあ近くなったら、誘うよ。一緒に行こう」
「えっ。良いんですか? 職務は?」
フェリクスの言葉に奏は瞬く。今月、こうやって一緒に外へ出られたのは、『緑の季節は祭がないから暇だった』からだろう。
だが、陽の季節――つまり来月は、騎士の試合なるものが開催される。そうなれば、確実に処理すべき事柄は増えるだろうし、フェリクスも今月のように奏の付き添いなんて出来なくなるのではないだろうか。
「フェリクス殿下はするべきことがあるのでは……あ、待って、当日になって嘘だよ、とか言いませんよね?」
「キミの中の僕に対する認識を変えてくれない? 僕が一日も休まず働くような存在に見えるなら、尚更」
フェリクスは呆れたように瞳を眇める。確かに、フェリクスの言う通り、一日も休まず働く必要があるのであれば、フェリクスに対する負担がとんでもなく重い。
フェリクスが一日休んだだけで何もかも回らなくなるのであれば、それは確実に一個人に対する職責の範疇を超えているだろう。奏は頷く。
「――でも、良いんですか、私と一緒で」
「キミを他の誰かに任せたら、大変なことになりそうだからね」
フェリクスはふ、と息を零すように笑う。穏やかな笑い方だった。気の抜けたようなそれに、一瞬だけ奏は目を奪われる。
「……殿下って私のこと、手を離したら走り回る何かと思って居ませんか?」
「さあ。どうだろう。まあでも、五歳とは思っているけれどね」
おかしそうに言葉を続けられ、奏は唇を引き結んだ。……五歳に見える、というのは、少し前にフェリクスに対して口にした言葉だ。
あれから一月以上経っているのに、ずっと覚えていたのか、と思うと、とんでもなく根に持つ人なんだな……と若干末恐ろしさを覚える。奏は息を吐いて、軽く肩をすくめてみせる。
「奇遇ですね。私もフェリクス殿下のことを五歳と思っています」
「ふ。知っているよ。――じゃあ、五歳同士、離れないように手を繋いで居ないといけないね。キミも僕も、急に走り出すかもしれないから」
フェリクスの指が、すり、と奏の手の甲を撫でる。まるで見せつけるように重ねた手の平を持ち上げられた。きゅ、と絡まった指に力が込められる。
とんでもない理屈な気がする。思わず奏は呆ける。間を置いて、そうですね、と囁いた。
急に走り出すかもしれないから。そうやって、言い訳めいた言葉を心の中で口にする。
今は、そういうことにしておこう。繋がった手の平から伝わる温度に、何故かくすぐったさを感じながら、奏は笑った。
視察は順調に進み、様々な店や人々の話を聞いて回った。
奏とフェリクスが揃って視察を行うなんて、奏が引きこもりそうになっていた最初の頃以来だからか、人々は恐縮しきりといった様子で奏たちと話をしてくれた。
いくつかの店を回り、休憩を取ることになった。
昼時が近いのもあって、城下の活気は最高潮に達している。緑の季節は、日本で言うところの五月に近く、木漏れ日が柔らかく奏の肌を濡らしていく。過ごしやすい気候、という表現がぴったりだろう。
ベンチに腰を据え、そっと息を零す。そろそろお腹が空いてきた。
いつもなら、奏は視察において、食事を城下で買うことに決めている。視察に赴く際、お腹が空いたら王城へ戻り、食事してまた城下へ戻る――だなんて、手間のかかる行動をするわけにもいかない。
だが、今はフェリクスが一緒だ。フェリクスは奏が知る限り、二度ほど毒を盛られている。
奏にとって、外で食べるという行為は日常の延長線上にあるものだが、フェリクスにとってはそうではないだろう。出来れば戻って食べたいのではないだろうか。
「フェリクス殿下、一度城へ戻りますか?」
「うん? どうして?」
「……お腹空いていませんか?」
奏が問いかけると、フェリクスは瞬いた。そうしてから、ああ、と微かに息を零すようにして笑う。
「……僕のことを気にしなくても良いよ。好きな物を食べたら?」
「いや、それはなんというか、物凄く……嫌、というか」
奏は眉根を寄せる。お腹は空いているが、流石に同じようにお腹が空いているであろう人の目の前で、自分だけ食事する、なんてことは出来ない。
「キミって変な所で律儀だよね。大丈夫。もう十四年前の出来事なんだから、流石に僕も克服している。少しくらいなら、一緒に食べられるよ」
本当だろうか。もしかしたら嘘を吐いている可能性だってあるだろう。やせ我慢しているかもしれない。
そう思ってじっと見つめていると、フェリクスがふ、と息を零すようにして笑った。口元に手を当てて、「見過ぎだよ」と囁く。
「前にも言ったけれど――嫌なら嫌だと言うし、面倒くさい時は面倒くさい、と言う。そういう性格だって、奏も知っているでしょう?」
知っている。けれど、フェリクスが優しいということも、奏は知っていた。
「いや……でも……、……あの、一つ聞いて良いですか?」
「何?」
「聖女の力って、人相手だけじゃなく発動したりしますかね……?」
奏の言葉にフェリクスは瞬く。恐らく奏の言いたいことがわかったのだろう、フェリクスは視線を逸らし、それから観念したように「……前例はあるよ」とだけ言う。
奏は頷いた。ならば――奏が、食べ物に触れることで、多少なりとも『毒を盛られている』可能性を、払拭出来るのではないだろうか。
「なら、私、聖女の力をここでふんだんに使わせてもらおうと思います!」
「待って。絶対にそう言うと思った。やめて。力を使ったら、キミは体調が悪くなるんだから。僕に対して力を使う必要性は無い」
「ならない可能性だってあります。選んでください。一緒に食べるなら力を使います。一緒に食べないなら、私も食べません!」
言いながら、奏は笑みを浮かべる。フェリクスは困ったように瞳を動かし、小さく息を零した。
「お腹空いてるくせに。僕が食べないって言ったら、キミも食べないの?」
「食べません」
奏は頷く。もし食べない、と言われたら、奏も食べない。視察が終わったら城に戻り、そこで軽食を多少なり口に入れれば充分である。
お腹の空きにも波があるし、それさえ越えたら後は無の状態で過ごすことが出来る。多少なり我慢すれば良いだけのことで、問題は無いはずだ。
「……キミの体調が悪くなったら直ぐに言うこと。その時はすぐに帰る。それで良い?」
「もちろんです」
「キミってなんていうか、強いよね……」
ルーデンヴァールは商業活動が活発で、市外には様々な工房や商業ギルドが存在している。また、街路や水路が整えられており、公衆衛生も奏が住んでいた世界と遜色ない。
中世風の街並みで、けれど、景観の美しさは近世レベルに整えられている。
景観の美しさ、人々の活発さは、ルーデンヴァール王家の統治が素晴らしいものであるということを意味している。
実際、奏が視察に出かけた際に、ルーデンヴァール王家を褒め称える声を聞くことは多い。奏――聖女が現れたことも、ルーデンヴァールの統治が素晴らしいものだったからだろう、と口にする言葉を何度も聞いた。
とにかく、ルーデンヴァール王家は、人々からの好感度がとんでもなく高いようだ。
先に降りたフェリクスの手を借りて、奏は馬車から足を降ろす。城下街の入り口近くに馬車を止め、フェリクスと護衛の騎士を連れて、街中へ足を踏み入れた。
「いつ来ても凄い活気ですね」
「まあね。緑の季節の次、陽の季節は、もっと活気が多くなるよ。陽の季節は騎士の大会があるからね」
「騎士の大会? ですか?」
聞き覚えが無い、というより、想像が出来ない。
奏が首を傾げると、奏の手を取ったまま、フェリクスは肩をすぼめて見せる。
「陽の月、二十日は騎士による御前試合が行われることになっているんだ。といっても、披露する場所は王城ではなくて、それのために建てられた会場で行うんだけどね」
「へええ。凄いですね」
「凄いよ。魔法も使うからね。剣の刃自体は潰したものを使うのだけれど、それでも迫力がある。騎士の試合を見るために、様々な場所から人々が訪れるくらいだから」
フェリクスは滔々と言葉を続ける。説明するような口調だった。嘘が混じっている様子は無い――気がする。本当に、単純に、説明してくれているだけなのだろう。
だが、ここで『フェリクス殿下、嘘を吐かなくなったんだな』なんて思ってはいけない。今までが今までである。油断してはいけない。絶対にどこかに嘘を混ぜてくるはずだ。それを真に受けてしまったら、またフェリクスに「普通に考えたらわかるでしょ?」なんて笑われてしまう。
必ず嘘を見抜いてみせる、という気概と共に奏はフェリクスを見つめる。熱のこもった視線だったからか、フェリクスはすぐ、奏の視線に気付いた。
美しい虹彩の瞳が奏をじっと見つめ、僅かな間を置いてからす、と逸れる。眦を僅かに赤らめて、フェリクスは早口に言葉を続ける。
「何? そんなに気になる?」
奏が熱心に見つめるのを、騎士の試合に興味があるのだと思ったようである。まさか嘘吐くかどうかを見定めるために見つめていました、と言うわけにもいかず、奏は重々しく頷く。
実際、騎士の試合は気になる。
「そうですね。少し……いえ、かなり、結構、気になります」
「そう。じゃあ近くなったら、誘うよ。一緒に行こう」
「えっ。良いんですか? 職務は?」
フェリクスの言葉に奏は瞬く。今月、こうやって一緒に外へ出られたのは、『緑の季節は祭がないから暇だった』からだろう。
だが、陽の季節――つまり来月は、騎士の試合なるものが開催される。そうなれば、確実に処理すべき事柄は増えるだろうし、フェリクスも今月のように奏の付き添いなんて出来なくなるのではないだろうか。
「フェリクス殿下はするべきことがあるのでは……あ、待って、当日になって嘘だよ、とか言いませんよね?」
「キミの中の僕に対する認識を変えてくれない? 僕が一日も休まず働くような存在に見えるなら、尚更」
フェリクスは呆れたように瞳を眇める。確かに、フェリクスの言う通り、一日も休まず働く必要があるのであれば、フェリクスに対する負担がとんでもなく重い。
フェリクスが一日休んだだけで何もかも回らなくなるのであれば、それは確実に一個人に対する職責の範疇を超えているだろう。奏は頷く。
「――でも、良いんですか、私と一緒で」
「キミを他の誰かに任せたら、大変なことになりそうだからね」
フェリクスはふ、と息を零すように笑う。穏やかな笑い方だった。気の抜けたようなそれに、一瞬だけ奏は目を奪われる。
「……殿下って私のこと、手を離したら走り回る何かと思って居ませんか?」
「さあ。どうだろう。まあでも、五歳とは思っているけれどね」
おかしそうに言葉を続けられ、奏は唇を引き結んだ。……五歳に見える、というのは、少し前にフェリクスに対して口にした言葉だ。
あれから一月以上経っているのに、ずっと覚えていたのか、と思うと、とんでもなく根に持つ人なんだな……と若干末恐ろしさを覚える。奏は息を吐いて、軽く肩をすくめてみせる。
「奇遇ですね。私もフェリクス殿下のことを五歳と思っています」
「ふ。知っているよ。――じゃあ、五歳同士、離れないように手を繋いで居ないといけないね。キミも僕も、急に走り出すかもしれないから」
フェリクスの指が、すり、と奏の手の甲を撫でる。まるで見せつけるように重ねた手の平を持ち上げられた。きゅ、と絡まった指に力が込められる。
とんでもない理屈な気がする。思わず奏は呆ける。間を置いて、そうですね、と囁いた。
急に走り出すかもしれないから。そうやって、言い訳めいた言葉を心の中で口にする。
今は、そういうことにしておこう。繋がった手の平から伝わる温度に、何故かくすぐったさを感じながら、奏は笑った。
視察は順調に進み、様々な店や人々の話を聞いて回った。
奏とフェリクスが揃って視察を行うなんて、奏が引きこもりそうになっていた最初の頃以来だからか、人々は恐縮しきりといった様子で奏たちと話をしてくれた。
いくつかの店を回り、休憩を取ることになった。
昼時が近いのもあって、城下の活気は最高潮に達している。緑の季節は、日本で言うところの五月に近く、木漏れ日が柔らかく奏の肌を濡らしていく。過ごしやすい気候、という表現がぴったりだろう。
ベンチに腰を据え、そっと息を零す。そろそろお腹が空いてきた。
いつもなら、奏は視察において、食事を城下で買うことに決めている。視察に赴く際、お腹が空いたら王城へ戻り、食事してまた城下へ戻る――だなんて、手間のかかる行動をするわけにもいかない。
だが、今はフェリクスが一緒だ。フェリクスは奏が知る限り、二度ほど毒を盛られている。
奏にとって、外で食べるという行為は日常の延長線上にあるものだが、フェリクスにとってはそうではないだろう。出来れば戻って食べたいのではないだろうか。
「フェリクス殿下、一度城へ戻りますか?」
「うん? どうして?」
「……お腹空いていませんか?」
奏が問いかけると、フェリクスは瞬いた。そうしてから、ああ、と微かに息を零すようにして笑う。
「……僕のことを気にしなくても良いよ。好きな物を食べたら?」
「いや、それはなんというか、物凄く……嫌、というか」
奏は眉根を寄せる。お腹は空いているが、流石に同じようにお腹が空いているであろう人の目の前で、自分だけ食事する、なんてことは出来ない。
「キミって変な所で律儀だよね。大丈夫。もう十四年前の出来事なんだから、流石に僕も克服している。少しくらいなら、一緒に食べられるよ」
本当だろうか。もしかしたら嘘を吐いている可能性だってあるだろう。やせ我慢しているかもしれない。
そう思ってじっと見つめていると、フェリクスがふ、と息を零すようにして笑った。口元に手を当てて、「見過ぎだよ」と囁く。
「前にも言ったけれど――嫌なら嫌だと言うし、面倒くさい時は面倒くさい、と言う。そういう性格だって、奏も知っているでしょう?」
知っている。けれど、フェリクスが優しいということも、奏は知っていた。
「いや……でも……、……あの、一つ聞いて良いですか?」
「何?」
「聖女の力って、人相手だけじゃなく発動したりしますかね……?」
奏の言葉にフェリクスは瞬く。恐らく奏の言いたいことがわかったのだろう、フェリクスは視線を逸らし、それから観念したように「……前例はあるよ」とだけ言う。
奏は頷いた。ならば――奏が、食べ物に触れることで、多少なりとも『毒を盛られている』可能性を、払拭出来るのではないだろうか。
「なら、私、聖女の力をここでふんだんに使わせてもらおうと思います!」
「待って。絶対にそう言うと思った。やめて。力を使ったら、キミは体調が悪くなるんだから。僕に対して力を使う必要性は無い」
「ならない可能性だってあります。選んでください。一緒に食べるなら力を使います。一緒に食べないなら、私も食べません!」
言いながら、奏は笑みを浮かべる。フェリクスは困ったように瞳を動かし、小さく息を零した。
「お腹空いてるくせに。僕が食べないって言ったら、キミも食べないの?」
「食べません」
奏は頷く。もし食べない、と言われたら、奏も食べない。視察が終わったら城に戻り、そこで軽食を多少なり口に入れれば充分である。
お腹の空きにも波があるし、それさえ越えたら後は無の状態で過ごすことが出来る。多少なり我慢すれば良いだけのことで、問題は無いはずだ。
「……キミの体調が悪くなったら直ぐに言うこと。その時はすぐに帰る。それで良い?」
「もちろんです」
「キミってなんていうか、強いよね……」
20
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【R18】聖女のお役目【完結済】
ワシ蔵
恋愛
平凡なOLの加賀美紗香は、ある日入浴中に、突然異世界へ転移してしまう。
その国には、聖女が騎士たちに祝福を与えるという伝説があった。
紗香は、その聖女として召喚されたのだと言う。
祭壇に捧げられた聖女は、今日も騎士達に祝福を与える。
※性描写有りは★マークです。
※肉体的に複数と触れ合うため「逆ハーレム」タグをつけていますが、精神的にはほとんど1対1です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【R18】「媚薬漬け」をお題にしたクズな第三王子のえっちなお話
井笠令子
恋愛
第三王子の婚約者の妹が婚約破棄を狙って、姉に媚薬を飲ませて適当な男に強姦させようとする話
ゆるゆるファンタジー世界の10分で読めるサクえろです。
前半は姉視点。後半は王子視点。
診断メーカーの「えっちなお話書くったー」で出たお題で書いたお話。
※このお話は、ムーンライトノベルズにも掲載しております※
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる