今日は何の日？~俺たちは毎日、記念日を過ごしている~

五月

二日『緑茶の日』

　フローリングに転がって寝落ちしそうになっていた晴日を母親が起こす。

「晴日、掃除するからどいてちょうだい。あんた向こうではちゃんとやってるんでしょうね？　こんなことじゃ信周くんに申し訳ないわ」
「大丈夫だよぉ」

――だってノブくん優しいもん。

　のそのそと起き上がる晴日に、母親はお茶を淹れてくれた。急須で入れた緑茶を飲むのは久し振りだ。やっぱり実家はほっとする。

　でも。
　ほっとすると同時に急に信周が恋しくなって、晴日は揺れるお茶の表面を見つめた。