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本編
六夜ー9 3連泊、楽しもうね *
しおりを挟む俺が仕掛けたキスはグランによって深くなっていった。
入ってきた舌は熱く、味を確かめるように口内を舐め回す。上顎を撫でられ、舌を絡め取られ、だんだん息が上がっていく。
苦しくなってグランを押しやると、咎めるように胸に置かれたままの指で立ち上がった尖を引っ掻かれた。
痺れるような刺激に腰が跳ね、グランとの間で快感に震えていた熱が弾ける。
「っーー!」
くったりと力が抜けた身体を支えるようにグランの腕が腰に回り、ようやく口唇が解放された。しかし、荒い息を整える間もキスは止むことなく、髪や頬に落ちる。
「……ぁ……は、ぁ……」
「かわいい……トモル……」
恍惚とした呟きを落とすグランの熱は未だが熱く猛り、俺の吐き出した白濁で汚れてしまっている。
生々しい光景が居た堪れない。
「ごめん、汚しちゃって。お湯で流すから」
「このままでも構わないが」
「俺が気になるの。ちょっと流すだけだから」
桶に湯を掬い、そそり勃つグランと果てたばかりの俺のものにゆっくりと流しかけていくと。
「ーーッ」
ぴくりとグランが震えた。濡れた口唇を噛み、眉間に力を入れて湯が齎す快感に耐えている。その艶っぽさに心臓が跳ねた。
グランが感じているとこ、もっと見たい。グランにも俺の手で気持ち良くなって欲しい。
衝動的に猛ったグランをそっと握り、上下に動かすと。
「トモル?!」
急な刺激に驚いたのか、上擦った声に名前を呼ばれた。
「俺もグランに触りたいなって思って。ダメ?」
「気持ちは嬉しい、が」
困ったように目を泳がせる顔が色っぽいのに妙に可愛くて、テンションが急上昇する。
ニヤっと笑いながらグランに見せつけるようにぺろりと舌を出して口唇を舐めた。
形勢逆転。
「嬉しいなら、してもいいでしょ?」
「それは、その、口でしてくれるのか?」
戸惑うような期待するような瞳ににっこりと笑いかける。
「グラン次第かな。どっちでして欲しい?」
ゴクリ、とグランの喉が鳴った。膝から下りグランの両足の間に陣取る。
俺の行動を止めることなく呆然と見ているグランの足に腕を置き、頬杖をつく。
「決まった?」
「あ、いや……やっぱり、私が」
「決まらないなら、俺のしたい方でいいよね」
屹立を両手で包みゆっくりと動かすと、グランは残念さと安堵感の入り混じった表情で長く息を吐き出した。
その隙をつき、先端にキスすると大きく口唇を開き、口腔内へグランを迎え入れる。
「ーーッ、トモルっ」
猛ったグランの中心は俺の行動に驚いたように震えるだけで、刺激を求めて奥に進むことも抜け出すこともない。ただ次の刺激を待ち侘びるように露を滴らせていた。
いじらしい反応が愛おしくて仕方ない。
熱い陰茎に夢中で舌を絡め、口唇を窄め、頭を振って刺激する。口淫なんてAVの知識しかないからやり方は見よう見まね。
含みきれないところは手で撫でたり擦ったりして快感を引き出していく。
拙い口淫にも関わらず、グランが堪えきれずに溢す吐息が浅くなる。
舌と上顎で挟むように深く咥えると、グランは低い呻き声をあげ、俺の頭を掴んだ。
「トモル、もうっ」
ぐんっと膨らむ熱に抽送を速め、先端の孔を舌で突いた瞬間。
頭を押し付けられ、喉奥に熱い液体が流し込まれた。
「んっ」
抑えつけられたまま、吐き出すこともできず、喉を鳴らして飲み込んだ。
「ーーんぐっ」
「トモル、大丈夫か?!」
果てた熱を引き抜かれ、口を解放されるとケホッと咳が出た。
「苦しかったんだけど」
生理的な涙が滲む目でわざとらしくグランを睨むと。
「うっ……すまない」
しょんぼりと肩を落とすグランに堪えきれない笑いが込み上げてくる。
「冗談だよ、俺が強引に咥えたんだし。それに俺こそごめんね、初めてだったから上手く出来なくて」
「初めて、だったのか……」
「そうだよ。ついでに言っちゃうと、キスもグランとしたのが初めてだから」
「トモルッ」
ガバッと抱きつき、キスしようと近付いて来たグランの口唇を手で塞ぐ。
「待って待って。フェラした上にグランの飲んだんだよ? 自分の味がする口とキスしたくないでしょ」
「ふぇら?」
「フェラは口でご奉仕すること。ーーうがいするから待ってて」
「ご奉仕……言い方がやらしいな」
腕の中から出ようともがくが、拘束は緩まない。離してくれる気はないみたいだ。
「変なとこに引っかかってないで離して」
「すまない。魔法で綺麗にするから離さなくていいか」
グランはまた膝に抱き上げ、元の体勢に戻すとそんな提案をしてきた。よっぽど離れたくないらしいけど、魔法は気になる。
「そんなこと出来るの? してみて欲しいな」
「では、口を開けてくれ」
「こう?」
フェラした時と同じように口をあける。
「そう、そのまま」
グランが人差し指を開いた口に入れ、円を描くように動かすと水で洗い流されるような感覚した。
苦しくもなく、ただ歯磨きをした後のような爽快感だけが残っている。
すごい、便利な魔法……!
魔法をかけてくれた人差し指が、口から引き抜かれる。そのまま口唇をひと撫でして離れていく間際、お礼代わりにキスを送った。
すると、大きな手は頬を撫で、上を向くよう顎を持ち上げる。
されるがまま、目を閉じて上を向くと柔らかな口唇が重なった。
身体を触られるのもいいけど、グランのキスはたまらない。
口唇を重ねるだけでも蕩けそうだが、舌が侵入して来ると目眩がするほど快い。
「ん、んん……ふ、ぁ…」
「ずっとこうしていたい……」
キスの合間のグランの呟きに頷きながら、また口唇を合わせる。
本当に。
ずっとこのままいられたらいいのに……
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