KAGUYA

Pikochu

文字の大きさ
上 下
19 / 28
第一章~タイムリープそして~横浜編

~炸裂~

しおりを挟む
朝学校へいくと柏が教室で待っていた。

「おぅ! 朝からどうした」

「今日緊急で族長会議があるんですよ。もし良かったら一緒に出てくれませんか。神埼も出席します」

「俺なんかが行っていいのか?」

「竹内がなんか話あるみたいなんですよ」

「おう分かった。今日何時だ?」

「20時に迎えに行きます」
そうして柏は一礼してクラスを出て行った。

「あんた族長会議にまで顔出すようになったの?」あゆが言ってくる。

「頼まれたら断れないタチでね」

「暴走族に関わるのやめなよ。危ないって」

「まぁ、族っても喧嘩あるわけじゃないからな」
フラグが立ったような気がした。
そうして雑談をしていた。
ホームルームのチャイムが鳴り出席を取るとクッションを抱いて爆睡した。


その日は特に何も無かった。
学校が終わるとチャリで家に帰った。
族長会議か、何か俺に用なのかな。
そう思っていると原と真也が窓から入ってきた。

「お前等教習所は?」

「今日はお休みだよ」原が言う。

「たまにはのんびりゲームでもしようと思ってね」真也が答える。

「まぁ久しぶりにゆっくりするのも悪くないな。楽しく遊んでいけ」
俺がそう答えると原と真也はゲームを始めた。

「そういえば今日緊急族長会議に呼ばれてな~。なんかあるんかな~とか思って」

「えっ!真吾が族長会議に!」
原が驚いて言った。

「神埼も来るよ」

「真吾もついに族長会議デビューか」
真也がそう言った。

「デビューって程でもないけど。だから今日は20時になったら帰れよ」

「しょうがないな~20時過ぎたら帰って教本でも見るか」
真也が言った。

「教本はいいけど勉強もちゃんとやってるか?」

「学校の勉強はボチボチやってるよ」
原が答えた。

「テストで赤点とらないようにな」
2人からの反応は無かった。
俺は2人のゲームしてる姿をずっと見つめていた。

「飯は食っていくか?」

「うん! ご馳走になる」
2人がそういったのでリビングに行き母に3人前の晩御飯を作ってもらうように言った。
そして30分が過ぎ晩御飯が出来たと知らせが来た。
3人でリビングにいくと「いつもご馳走様です」と、原が言う。
「遠慮しないでどんどん食べてね」母が言う。
そして3人で食事をすると部屋に戻った。

まだときメモにはまってるようだった。

「どうしても詩織ちゃん落とせないんだよな~」
原がそう言う。

「まぁ、そう簡単にはクリアできないようになってるのさ」
俺は答えた。
そうしてゲームを続けていく。
20時近くになった。

「お前等今日はもう出かけるから帰れ」

「しょうがないな~また来るよ」
原がそういい、真也も帰ってゆく。
まもなくするとV8サウンドが聞こえてきた。
「よぅ! 行くか」

「お願いします」
そういってリンカーンマークVの助手席に乗り込んだ。

「場所はどこでやるんだ?」

皇帝エンペラーがいつも集まる埠頭です。今日は集会がないので人はいないと思います」

「そうか。俺が出席するのはなぜだ?」

「竹内から直々に来るように言われています」
しばらく雑談をしてると埠頭に着いた。
竹内と神埼も着いてるようだった。
俺は竹内に近づくと自己紹介する。

「尾崎真吾です。今後とも宜しく」

「俺は竹内信介だ。初めましてだな」
竹内も自己紹介した。
神埼、柏、竹内、俺で集まると俺は話を切り出した。

「今日なんで俺なんかが呼ばれたの?」

「実は明日静岡県から黒鴉ブラッククロウという族がこの街に来るんだ。黒鴉ブラッククロウは総勢1000人規模の隣の静岡県で唯一の暴走族だ。そいつらが遠征に来る。だから俺たち皇帝エンペラーと神鬼没で一旦手を組んで潰したいと思ってる」
竹内は物騒な事を言った。
ハイ!フラグ回収。

皇帝エンペラーだけで対処できないのか?」
神埼が言う。

「相手は1000人を越える大所帯だ。とても皇帝エンペラーだけでは手に負えない。そこででかくなった神鬼没に手を借りたいということだ」
竹内が言った。

「一時休戦で共闘というわけか。ま~県外からの連中にこの街を荒らされるのは嫌だからな~。どうします尾崎さん」
柏が言う。

「よし、分かった。協力しよう。その代わり半年は神鬼没に手を出さないと約束してくれ」俺は提案する。

「分かった。神鬼没には手を出さないと約束しよう」

「んで、決戦場所はどこだ?」

「この埠頭に来ることになってる」
竹内が言う。

「じゃあ明日、この場所に神鬼没全員連れてくる。喧嘩にならないように竹内からも言っといてくれ」
柏がそう言う。

「わかった。皇帝エンペラーの連中には神鬼没に手出ししないように言っておく」
竹内が言った。

「しっかし、なんで県外から遠征になんて来るのかねえ~」俺が呟くと竹内は、「横浜は日本でも有名だ。だから潰しに来るんだろう」

「どんな部隊編成なんだ?」俺が問うと竹内は答えた。

「総長に親衛隊、特攻隊、切り込み隊に偵察隊の4グループに分かれてる。それぞれの規模はかなり大きい。偵察隊から昨日連絡が入って宣戦布告してきた」

「わざわざ負けに来ることはないだろうに。俺が潰してやんぜ」
神埼は意気込んでいた。

「じゃあ皇帝エンペラーと神鬼没の特攻隊と切り込み隊を前面に配置して、後方に幹部を守る親衛隊を配置するのはどうだ?」
俺はそう提案した。

「それがいいかもな。いざとなったら幹部も全員出撃だ。敵の頭の強さは分からない。1000人を束ねる総長ともなるとかなり強いだろう」
竹内が言った。

「総長討伐には柏、神埼、高橋、近藤を当てる。皇帝エンペラーからも切り込み隊の向井を含め何人か出して欲しい」俺は提案した。

「分かった。こっちも何人かピックアップして頭対策に備えよう」
竹内が答える。

「頭がやられると終りだ、竹内さんはこの戦闘に参加しないでくれ。陣頭指揮を取ってもらう。もし頭を倒せなかったら俺が相手の頭をやる。それでいいな?」
俺はそう提案した。

「わかった。尾崎とやらに任せるよ」

「頭なんぞグチャグチャの挽肉にしてやんぜ」
神埼が笑いながらそう言う。

「1000人を束ねる頭だ。相当強いと思え」
俺は神埼にそう言った。

「所詮俺達の敵じゃない事を見せてやりましょう」
柏がそう言う。

「協力感謝する。昨日の今日でどうしようかと思ってた所だ。援軍が来ると安心出来る」
竹内がそう言った。

「明日は戦争だ。俺たちの街は俺たちが守る」
神埼がそう言う。

「無理しなくていいからな。いざとなったら俺が頭を潰す。まぁ出番は無さそうだが」

「戦力を確認させてくれ皇帝エンペラーは600人、神鬼没は400人でいいんだよな?」竹内が言った。

「今回レディースは入れないから神鬼没は350人だ。この戦争に女を投入するわけにはいかない」

「950人程度か、悪くない数字だな。総力戦でもいいとこいけるだろう。こっちは武闘派もいるわけだしな」
竹内が言う。

「元鬼没だけでもかなりの戦力になるぜ。日常的に喧嘩してたからな」
柏が答える。

「ところで明日は何時に黒鴉ブラッククロウは来るんだ?」
俺の問いかけに竹内が答える。

「22時に埠頭に来る事になってる。静岡県からだから多少時間はズレるかもしれないがな」

「じゃあ神鬼没と皇帝エンペラーは20時に集合をかけろ。いきなり戦闘しても仲間割れする可能性があるからな。仲良くなっておく必要がある」
俺はそう提案した。

「わかった皇帝エンペラーも20時には全員集まるように連絡しておこう」

「神鬼没はとりあえず公園に19時30分に集合させますね。移動もあるし」
柏がそう言った。

「おぅ頼むわ。俺の所には19時に来てくれ」

「尾崎よぉ! お前相当強いんだってな。街の噂になってるぞ。お前が頭を潰してくれると有難いんだが」
竹内が言った。

「俺はメンバーじゃなくてあくまでも影だ。前面に出ることは無い。ピンチになったら出るけどな。まぁ明日は仲良くやっていこうぜ」
そう言うと俺は竹内に握手を求めた。
すると竹内は手を握り返してきた。

「今の握手で分かったよ。あんたは強い。明日は宜しく頼む」
竹内が言った。

「要は頭潰せば勝ちだろ? そんなの俺等にかかれば余裕だぜ。俺等はこの街でも5本の指に入る強さだ、そんな俺等が組んだら相手なんて無いぜ!」
神埼が言う。

「柏ぁ。高橋に連絡を取ってレディースは明日公園で待機だと伝えておけ」

「江川に連絡とるなら尾崎さんの方がいいのでは?」

「何でも俺に頼ろうとするな。お前が神鬼没の頭だ。そこんとこ覚えとけ!」

「すみません。高橋に伝えます」

「明日は絶対ゼッテー勝つぞ。県外からのクズに負けるわけにはいかねえ」
そう言って竹内はタバコに火をつけた。
神埼もタバコを吸う。

「俺等ならま~負ける事はないだろう。俺が頭をとってやるぜ」
神埼が意気込む。

「まぁ明日になってみないとどうなるかわからんがな」
俺はそう呟いた。

「この街の族を甘く見てもらっては困る。力を見せ付けるいい機会だ」
竹内が言った。

「勝ったあとはどうする?俺の配下でいいか?」
俺は言った。

「それは任せる。県外の族なんぞに興味はないからな。好きにするといい」
竹内が答えた。

「じゃあ明日ここに集合な」
俺が言うと皆頷いた。

「じゃあ帰るとするか。おい柏帰るぞ。」

「わかりました」
竹内に挨拶すると俺はリンカーンマークVの助手席に座る。
そして埠頭を後にした。

「今回は共同戦線を張るが俺との勝負はついてねえぜ」
神埼が言う。

「わかってる。必ずケリは付けてやる」
竹内がそう言うと、神埼はジェイソンに跨りエンジンをかける。

「明日は頼むぜ」
竹内がそう言うと、神埼は猛烈なスピードで走り去って行った。


翌日、昼間はジムに行ってトレーニングをした。
そして夕方になると原と真也が来た。

「真吾聞いたかよ、県外から遠征軍来るらしいぜ。皇帝エンペラー内でも大騒ぎだ」原が言った。

「あぁ聞いてるよ。昨日その事で話し合ってきた。一時的に皇帝エンペラーと神鬼没が組む事になった。特に真也お前には活躍してもらわないとな」

「あぁ。切り込み隊長の座にかけて今日は負けねえよ」
真也も意気込んでいる。

「今日の集合はちょっと早いんだよな。何するのかな?」
原が聞いてきた。

皇帝エンペラーと神鬼没の交流会みたいなもんだ」
そして雑談してると18時になった。
俺らは先行くわ。徒歩で合流だし。

「お前等、今日は気合入れていけよ」

「おぅ。任せとけ」
真也が元気よく答えた。
PHSが鳴った。相手は綾だった。

「真吾県外の暴走族と喧嘩するんだって?」

「あぁ。危ないからレディースは待機だ。公園でガールズトークでもしてろ」

「怪我しないでね。本当はあたしたちも行きたかったんだけど」

「俺の判断だ。レディースは今回の戦闘には参加させない。どんな連中かわからないからな」

「あたし達のこと心配してくれてるのね。真吾優しいね」

「顔に怪我してお嫁に行けなくなったら困るだろ?だから今回はレディースはお留守番だ。レディース同士仲良くやれよ」

「うん♪ わかった」
そしてしばらく雑談した。

「じゃあな。また」

「じゃあね♪」
そして電話を切った。
あっという間に19時だ。柏が迎えに来た。V8サウンドが聞こえる。俺は外に出た。

「今日は宜しくお願いします」

「あぁ。何も心配する事は無い。行くか」
そう言ってリンカーンマークVの助手席に乗り込む。
公園に着いたらもう神鬼没の大半が集まってた。

皇帝エンペラーと組むって本当ですか?」
神鬼没のメンバーがそう言う。

「あぁ、共同戦線だ」
柏は答える。
周囲がざわめき始める。
柏にコーヒーを買ってこさせると時間までブランコで待った。
するとレディース達がやってきた。
どうやら応援にきたようだった。
レディースは神鬼没の輪の中に入って楽しそうにお喋りしていた。
綾は高橋と共にいる。
裕子がこっちに気がついて近づいてくる。

「真吾、怪我だけはしないでね」

「俺を誰だと思ってる。ザコ相手になんて負けねえよ」
そして裕子と雑談してると19時半になった。

「お前等埠頭に移動だ~!」柏が叫ぶ。
レディースに見送られながら神鬼没は埠頭へと向かった。
埠頭に着くと皇帝エンペラーのメンバーも集まっていた。

竹内に神鬼没と皇帝エンペラー2~3人のグループになって話するように言った。
そして皇帝エンペラーと神鬼没はグループになって喋り始めた。

15分おきにメンバーを交代させ。5人~6人グループを作るように竹内に命じた。
すると皇帝エンペラーと神鬼没のグループが出来上がった。
原と真也が俺に気が付いて近づいてくる。

「真吾やっぱり来てたのか」
原がそう言う。

「まぁな。俺が来ないわけにはいかないだろ?」

「これで勝利は確実だな」
真也が言う。

そして竹内が近づいてくる。
「お前等知り合いか?」
原と真也は緊張している。
「はい、中学時代からの親友です」
真也が答えた。


「切り込み隊長として向井には頑張ってもらわないとな」

「原も頑張れよ。期待してるからな」

「はい!頑張ります!」
2人はそう言った。
すると竹内は神埼と柏の元に向かって行った。

「ハァ~、緊張した。総長に話しかけられるなんて思わなかったよ」
原が言う。

「緊張なんてするのか?あんなやつに」

「当たり前じゃないか。雲の上の存在だぞ」
原が言った。

「そんなもんかね~。お前等もグループの中に入って輪を広めておけ。特に神鬼没とは仲良くするんだぞ」

「うん、わかった」
原と真也はそう言って輪の中に入っていった。
俺は柏の元へ向かう。丁度いい事に神埼、竹内もいる。

「敵も総長である竹内さんを狙ってくるだろう。親衛隊を竹内さんの周りに重点的に配備しろ。神鬼没の親衛隊もだ。神埼は頭を潰せ」
そういうと竹内と柏は親衛隊を集めてその旨を伝えた。
皆を集めて気合を入れさせる竹内と柏。
そうして時間より早く黒鴉ブラッククロウが来た。
総長らしき男が近づいてくる。

「お前等今日で解散させてやんよ。覚悟しろ」そう言った。

「こっちこそ横浜の族の力見せてやんぜ」竹内が答える。
総長らしき男が戻ると合図を出す。
一斉にこちらへ向かってくる。
竹内と柏が「行け~!」と大声で叫ぶ。
大乱闘が始まった。
柏、神埼、高橋、近藤を呼ぶと頭を潰すように命じた。
皇帝エンペラーも精鋭部隊を送り出した。
包囲網を突破して何人かやってくる。

竹内を狙いに来たのだ。
そして竹内はあっという間に突破してきた奴等を倒すと、「お前等!気合入れろ~!」と雄叫びを上げた。
俺に向かってくる奴がいたが原が盾になってくれた。


「真吾はそこを動かなくていい。俺らがヤルぜ」
原が言った。
真也は敵の頭の元へ向かっていた。
高橋と近藤は乱戦に巻き込まれて戦っている。
柏と神埼が頭の元まで辿り着いた。

「総長さんよぉ~もう終りにしようぜ」
神埼が挑発する。
柏が殴りかかった。
何発かパンチや蹴りを当てたが相手の総長にやられた。

「柏を倒しただけでいい気になるんじゃねーぞコラ!」
神埼が雄叫びを上げた。
そして闘いが始まった。神埼が一方的に圧倒している。
そこへ皇帝エンペラーの精鋭部隊が到着した。
神埼1人でも倒せたのだが皇帝エンペラーの精鋭部隊も同時に相手の総長を攻撃する。
そして相手の総長は地に膝をついた。
皇帝エンペラーの精鋭部隊は攻撃を止めたが神崎は必要以上に攻撃を加えていた。
神埼は強かった。相手が地面に転がっても永遠と蹴りを繰り出していた。

しかし相手の親衛隊に取り囲まれる。
皇帝エンペラーの精鋭部隊は互角以上に渡り合い、次々と親衛隊を倒してゆく。
その中には真也の姿もあった。
相手の部隊も混戦をすり抜け竹内のもとへと何人か来た。
しかし竹内は強かった。5人をあっという間に倒した。

俺の元へも何人か来たが、原がボコボコになっているのに俺を守ろうとする。
相手の総長はもう虫の息だった。神埼が圧倒的な強さを発揮していた。
柏も起き上がって相手の総長に暴行を加える。
相手の総長は、「もう降参だ許してくれ」と言った。

柏はそれで攻撃を止めたが、キレた神崎は止まらなかった。
俺はヤバイと思い、相手の総長の所まで走って行った。
何人かの兵隊をなぎ倒しながら。
そして神埼の元へ辿り着くと、「神埼、もうその辺にしといてやれ。死んでしまうぞ」

すると神埼が冷静に戻り、「わかりました。敗北宣言をさせます」と言って相手の総長を立たせた。
「これ以上痛い思いしたくなければ、兵隊を止めさせろ」

相手の総長は震えながら「ハイ」といい、全員に撤退命令を出した。
竹内も「戦闘中止!」っと叫ぶと乱戦は終わった。
俺は相手の総長の元へ行き、「これからは俺の配下な。文句あるんだったらもっとボコにすんぞ!」というと、「わかりました。あんたの配下に入るよ」と言った。
PHSの番号も交換しておいた。

「あんたが頭なのか?」相手の総長がそう言うと。「そうだ。俺が本当の頭だ」と言った。

「一騎打ちしないか?」と言われたが相手はもうボロボロだ。

「神埼に勝てたら一騎打ちしてやるよ。神埼やれ!」
そういうと神埼が相手の総長をボコボコにし始める。
黒鴉ブラッククロウのメンバーは心配そうにそれを見つめている。
気絶しかかった所で「神埼、もういいよ」と声をかけ神埼を止める。

シャブやってなくても神埼って強いんだな。そう思った。
もしかしたら竹内よりも強いんじゃないかとも思った。
黒鴉ブラッククロウの総長は何度も詫びを入れてくると竹内が歩いてきた。

「今後一切横浜に手を出す事は許さねえ! 次は無いと思え!」
竹内が威圧すると相手の総長は失禁した。
そうして黒鴉ブラッククロウ達はボコボコになりながら帰って行った。

「これもあんたのおかげだよ尾崎」
竹内がそう言ってきた。

「俺は特に何もしてねえよ。やったのは神埼だ」

「あの程度で総長なんて、尾崎さんの手を煩わすまでもねえ」
神埼は言った。

「勝利だ!」竹内がそう叫ぶと皇帝エンペラー、神鬼没は雄叫びを上げた。
見ると皆ボコボコになってる。
真也でもボコボコにされている。
皇帝エンペラー、神鬼没共に仲良くなったようだった。
俺は柏に近づき言った「お前、弱すぎるぞ。もっと強くなれ」すると「お恥ずかしい限りです。すみません」と言ってきた。

神埼に近寄ると「お前はやりすぎ。限度を考えないとそのうち人を殺しちまうぞ」と言った。

「ちょっとハイになってたもので。今後気をつけます」神埼はそう言った。
原と真也が近づいてきて、「やったな。勝ったぞ!」と真也が言った。

原に「俺を守ってくれてありがとう」と言った。
「友達じゃん。当たり前だよ」原はボコボコになりながらもそう言った。

「原、お前の戦いは見事だった、よくぞ友達を守ったな」
竹内がそう言った。

「とんでもありません。当たり前の事をしただけです」
原がそう言った。

「尾崎ぃ、友達思いの奴がいて良かったな」
竹内は俺にそう言った。
戦場で無傷だったのは竹内と神埼と俺だけだった。
他はみんな疲労困憊でボコボコにされていた。

「皆!よく頑張った!」竹内が皆をねぎらう様に叫んだ。
「ウッス!」という声が聞こえてくる。

「皆。おつかれさん。この街は守りきったぞ」柏が声高らかにそう言う。
すると神鬼没からも「ウッス!」という声が聞こえてきた。

「今後も協力関係を築いていきたい。よろしくな。でも俺の代で神鬼没は潰すからな」そう言って竹内が俺に握手を求めてきた。

「今回別に俺は何もしてないですから」
そういって握手した。
そして竹内は「神埼ぃ! ありがとな」と言った。

「あの位、俺の敵じゃねーよ。もっと強いかと思っていた」
神埼はそう言った。
たしかに神埼は頭1つ飛びぬけた強さだった。
さすが竹内と互角に喋りあえる仲だと思った。

「さぁ帰るぞ~!」柏は言った。
竹内は帰り際に柏と神埼と俺に礼を言ってきた。

「礼には及ばん、この街は俺たちの街だからな」柏がそう言った。
そしてリンカーンマークVに乗り込み公園へと向かった。

「なぁ柏ぁ、神埼と竹内ってどっちが強いんだ?」

「互角の勝負でしょう。あの2人の強さは頭1つ飛び抜けてますから。でも尾崎さんの方があの2人よりも強いでしょう」そう言った。

公園ではレディースが待っていた。
ボコボコになった神鬼没を心配そうに見て皆周囲に集まっていた。
高橋もボコボコだ。綾が心配そうに高橋の元へと行く。
裕子も心配そうに柏の側へ寄る。
他のレディース達も心配そうに皆に駆け寄る。
綾が俺の元へ来る。「真吾は怪我ないのね。良かった」

「俺には強力な盾役がいたからね。まぁいなくても良かったんだけど」

「高橋なんてボコボコよ。情けない」綾はそう言った。

裕子が近づいてくる。「真吾怪我なくて良かった。心配してたんだよ」

「俺は何もしてなかったからな。ただ観ていただけだ」

「怪我するかと思って心配してたんだよ」
裕子が言った。

「何あんた真吾にベッタリして離れなさいよ」綾が言う。

「あんたこそ真吾に馴れ馴れしいのよ」裕子が言う。
女の戦いが勃発しそうだった。
「まぁ俺はいいからお互い相棒の所に行ってやりな」
そういうと2人共俺から離れた。

神埼に近寄ると「今日はよくやった。今日の主役は神埼だな」そう言うと、「あんなカスみたいな奴には負けませんよ。数に物を言わせるだけの奴なんて所詮ザコです。竹内にだって負けませんよ」
「竹内も相当な強さだったぞ。5人相手に一瞬で勝ったんだから」

「ザコなんて何人来ても一瞬で倒せます。強い奴を倒せるかどうかですよ」
神埼は冷静に言った。
神埼の周りにはレディースが集まっていた。
神埼って妙に人気あるんだよな~。

「走りでもそのうち竹内とケリ付けますよ。公道レースで最速を決めるって約束しましたから」

「生きて帰って来いよ」

「もちろんです。死を覚悟して走ってても死ぬわけにはいきませんからね」

「神埼ぃ、女の相手でもしてやれ」

「ハイ」
そして神埼はレディース数人に囲まれた。
俺は柏に缶コーヒーを買ってこさせた。

その間神鬼没のメンバーとも少し話した。なんかみんな俺の事をビビッてる様子だった。
缶コーヒーを手に俺はブランコに腰掛けると、勝利で賑わう神鬼没達を見ていた。
すると裕子が近づいてきた。

「真吾活躍したんだってね。聞いたわ。みんなの士気を高めたって」
缶コーヒーを開けると俺は言った。

「別に今日は何もしてないよ。作戦を立てただけ。柏の方が頑張ったよ。相手の総長に怯まず戦って。まぁボコボコにされたわけだが」

「真吾なら先陣切って戦うと思ってたのに不思議だわ」

「俺をなんだと思ってる。今日は観戦してただけだよ。俺の元まで来れる奴は1人も居なかったよ。友達が盾になってくれたからね」

「原君と向井君?」

「そうだよ。原がボコボコになりながらも俺を守ってくれた」

「真吾なら勝てたんじゃない?」

「俺は表に出ないって決めてたんだ。皇帝エンペラーの総長と柏が陣頭指揮を取ってたよ」

「それより柏の所にいかなくていいのか?」

「正樹なら神鬼没のメンバーと話しこんでるのよ。輪に入れない」

「勝利の余韻に浸ってるんだろう。みんなあんなボコボコになるまで頑張ったからな」

「正樹から聞いたんだけど相手の総長神埼君が倒したんだってね。神埼君って強いのね」

「あの強さは尋常じゃなかった。相手の総長をもてあそんでたからね。まぁ俺でも十分勝てる相手だとは思うけど」

「神埼君が余裕なら真吾だったら1発よ~♪」
しばらく話してると綾がやってきた。

「また2人で何をコソコソ喋ってるのかしら?」

「正樹が構ってくれないから真吾とお話してるだけよ。文句あるの?」
裕子が挑発した。

「あたしの真吾に何気安くベタベタしてるわけ。柏のとこ行きなさいよ」
綾が怒る。

「あなただって高橋の所いけばいいじゃない。真吾に何の用なの?」

「真吾とお話しにきたのよ。あなたこそどっかいきなさいよ」

「まぁまぁ2人共落ち着けって。同じチーム内で言い争ってどうする」

「真吾はあたしと綾どっちが好きなの?」
裕子が突然言ってきた。

「どっちも彼氏がいるだろ? 俺には答えられないよ」

「あたしの方が真吾の事好きに決まってるじゃない」
綾が言う。

「あたしだって真吾の事が好きよ。あんたなんかに負けないんだから」
裕子がそう言う。

「2人共自分の彼氏の所に行って来い。これは命令だ」

「またお話しようね♪」裕子が言ってくる。

「今度はあたしとお喋りしましょ♪」綾も言ってくる。
そうして2人はまた神鬼没の輪の中に入っていった。
やれやれ。あの2人はなぜこうも仲が悪いのかね~って原因は俺か。ハァ~そう心の中で溜め息をつく。
今回の一件のようにまた県外からのチームに狙われたりしないだろうか。俺はそう思っていた。


そんな予感がまだ続くとはこの時俺は思っていなかった。


Coming soon!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~

kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

GIVEN〜与えられた者〜

菅田刈乃
青春
囲碁棋士になった女の子が『どこでもドア』を作るまでの話。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

処理中です...