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第一章~タイムリープそして~横浜編
~衝撃~
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学校へいくと柏が教室で待っていた。
「尾崎さん、今日集会で神埼が1人で来るらしいんですけど、一緒に付いて来てもらえませんか?」
朝から物騒な話だ。
「別にいいよ。夜空いてるし」
「ありがとうございます。じゃあ20時30分に迎えに行きますね」
「おぅ!分かった」
今日は集会に備えて昼間はたっぷり寝ておくか。
ホームルームが始まり出席を取ると俺は早速寝た。
起きたら11時55分だ。
最近では机でも眠れるようにプチクッションを用意してある。
グッスリ眠れた。
昼休みあゆにノートを借りて午前の授業の復習をする。
佐伯はお弁当を持ってくると俺と一緒に昼飯を食べた。
「なぁ、佐伯。お前俺以外で昼一緒に食べる奴いないの?」
「仲が良くなってきた人は結構いるけど尾崎君と車の雑誌を見ながら飯を食うのが好きなんだ」
飯を食いながらノートを見る。
大体内容は分かった。あゆにノートを返す。
すると裕子が入ってきた。
「今日から神鬼没の集会に参加出来る事になったんだ。真吾夜また会いましょ」
そういって出て行った。
「小谷さん最近よく来るよね。尾崎君狙われてるんじゃない?」
「まぁ一時期付き合ってたからな」
そして中古車雑誌を観ながらアレコレ雑談して佐伯は他のグループに行った。
俺はというとあゆと他愛も無い雑談をしていた。
昼からもプチクッションを枕にして寝る。
あっという間に放課後だ。あゆにまたノートを借りる。
「いつもノート借りる位だったら授業受けなさいよ。午後からも寝てるなんて珍しいわね。ってゆうかなんでそんなに眠れるの?」
「夜遅いから眠いんだよ。あゆのノート綺麗にとってあるからこれ見るだけで授業なんざ受けなくても平気なんだよ」
「あたしに感謝しなさいよね」
「いつもありがとう」
するとフンッといいあゆはノートを受け取る。
学校が終わりチャリで家に帰った。
家に着くと原と真也がもう来てた。
「お前等また午後からの授業サボッてきただろう?」
「あったり~。今日は集会だからね。午後からの授業なんて受けてらんないよ」
原が無邪気にそう言う。
原は茶髪を下ろしているが、真也はリーゼントだ。
前の時代なんてリーゼントは絶滅してたから懐かしい。
しかし2人ともよく似合っている。
「真也と一緒に特攻服にお揃いの文字入れたんだよ」
原が特攻服を見せてくる。胸元に『天上天下唯我独尊』という刺繍が入っている。
「お前等いつから仏教になったわけ?」
「仏教の言葉なの?でもカッコイイじゃん」
「原ぁ、意味が分かって入れてるのか」
「いや、ニュアンスで」
「天上天下唯我独尊とは、犬や猫、虫けらに生まれたら果たすことのできない、俺等人間に生まれたときしか果たすことのできない、たった一つの目的がある。という意味だぞ」
「へぇ真吾物知りなんだ」
「一応文学も学んでるからな」
「でもまぁ特攻服の定番じゃん?」
「まぁ、好きなようにやればいいんじゃね?」
俺はそう言った。
特攻服でゲームをやってるというのは異様だ。
違和感しかない。
「真吾も暴走族らしく服装変えたら?」
真也が口を開く。
「俺はこのままでいいんだよ。しかも暴走族じゃねえしな」
俺はシティハンターの冴羽?みたいな服装をしていた。
他にもHIDEに似せた服も持っている。
そして原と真也は20時までゲームをやって窓から意気込んで出て行った。
ベッドで少し横になるとあっという間に30分が過ぎた。
V8サウンドが聞こえる。どうやら柏が来たようだ。
俺は外に出ると「今日もよろしくお願いします」と柏が言った。
「裕子は一緒じゃないのか?」
「裕子はスクーターで行くと言ってました」
「じゃあ行くか」
「ハイッ!」
そういうと公園に向かった。
人数が集るまで柏と雑談した。
「今日は神埼何しに来るんだ?」
「宣戦布告しに来るらしいです」
「それなら俺いらなくね?」
「万が一の為です」
そうして続々とバイクや車が集ってきた。
綾が近づいてくる。
「どうこの服。似合ってるでしょ」
黄色い上着にショートパンツを履いている。
「可愛いよ、似合ってる」そう言うと照れたように見えた。
21時になって皆が集る。
新しいメンバー加わり約250名近い人数になっている。
すると1台のジェイソンが入ってくる。
革パンにブーツ、Tシャツというラフな姿で1人の男が向かってきた。
特攻隊と親衛隊は警戒する。
柏が「あいつが神埼ですよ」という。
身長180cm位のガッシリした男としてはロングヘアに、金髪で体型の良い男がこっちに向かってきてこう言った。
「柏出て来い!」
俺は「お前をご指名らしいぞ。相手して差し上げろ」
そういうと柏を前に出した。
「柏ぁ。久しぶりだな。今日は宣戦布告だ。土曜日にお前等を潰す。この公園に幽霊全員集めるから勝負つけようぜ。まぁ丸くなったお前に負ける気はしねーけどな。俺らの走りの邪魔なんだよ」
そういうと柏は「上等だ、逆にぶっ潰してやんぜ。こっちには隠し玉もいるんだからな。覚悟しておけ」
「今日は挨拶だけだ。今度会ったらぶっ潰す!」
神埼がそういってジェイソンに乗って帰って行く。
「尾崎さんよろしくお願いしますよ」
柏は言ってくる。
「戦争なら俺は関係ねーよ。お前等で何とかしてみたら?」
「そりゃないっすよ~。神埼はああ見えてもの凄く強いんですから。多分俺じゃ勝てません」
消極的な事を言ってきた。
「まぁ~しょうがね~な~。薬やってるとなったら止めさせないといけないし」
「あいつ等に生半可な攻撃は効きません。薬で痛覚が飛んでますからね」
「ゾンビみたいなもんか。数ではこっちが上回ってるから苦戦する事はないだろう」
俺はそう言って柏を落ち着かせた。
裕子が心配そうに柏の元へ向かい話しをしている。
綾が近づいてきて「あんなやつ真吾の敵じゃないよ。ぶちのめしてやればいいのよ」そう言う。
俺は綾に直接戦う気はないと伝えると「真吾以外勝てる奴いないよ~」と言う。
「こっちには元神鬼の頭、高橋もいるしな。特攻隊長の近藤も強いらしいぞ」
そう綾に伝えた。
「土曜日が楽しみね。やる気が出てきたわ」
綾はそう言うが「綾は見ててくれ。戦闘に参加する必要はない。怪我する可能性もあるしな」
「あたしなら大丈夫、並の男に負ける気はしないわ」
綾も気合が入ってるようだった。
「柏ぁ!気を取り直して走りに行くぞ」
俺はそう伝えると柏は皆を集め走る用意をした。
公園の駐車場に止まってるバイクや車が次々にエンジンをかける。ハッキリ言って騒音以外の何物でもない。
そうして神鬼没は走り出した。
またしても対向車線に皇帝が走ってきた。
光の渦と爆音の中皇帝を見つめていた。
「なぁ柏。皇帝が戦争仕掛けて来たらどうする?」
「尾崎さん次第ですよ。やれというならやります」
「そうか・・・・・・」俺はそうならないように心の中で願った。
しばらく走ると柏がホーンを鳴らす。
そして一斉に公園に引き返してゆく。
公園に着くと皆仲良く喋ってるようだった。
その中にシンナーを吸ってる奴を発見した。俺はシンナーを取り上げて無造作にそいつを殴ると皆を集めた。
「ドラッグ、シンナーの類は禁止だ。その代わりタバコと酒ならまぁ認める。今後この方針に背いたら俺が直接制裁を下す」
皆は「ウッス!」と返事をする。
俺は柏にコーヒーを買って来るように命じた。
そして柏がコーヒーを買って戻ってくる。
「尾崎さんも輪の中に入りませんか?」
「俺はここでコーヒー飲んでるから柏行ってこいよ」
「それでは失礼します」
そういうと柏も神鬼没の輪の中に戻って行った。
俺は一人でブランコに揺られていると裕子がやってきた。
「あたしも神鬼没のレディースに入れてもらっちゃった。真吾こんな所に1人で寂しくないの?」
「あぁ。俺は別にメンバーじゃないからな」
「寂しくない?」
「あぁ。ここでみんなの楽しそうなお喋りを見てるだけで満足だよ」
「じゃああたしとお話しようか」
そうして雑談してると綾が俺の所に来た。
「あんたね~真吾を独り占めにするなんて100年早いのよ。あんたは柏の所に行きなさい」
「あたしは一人の真吾とお喋りしてるのよ、あんたこそ神鬼没の輪に戻ったら?」
2人の戦いはここでも起こった。
「2人共神鬼没の所で喋りへいけ。お前達がいるとあいつらも喜ぶだろう。俺は1人で平気だから」
そういって無理矢理2人を送り出した。
1人で居る時間は貴重だ。存分に楽しまないと。そう思った。
しばらくすると柏が近づいてくる。
「今日はもう解散です。家までお送りします」
「じゃあ頼むわ」
そう言うと柏と雑談しながら帰った。
決戦は土曜日だな。そう思うと土曜日が待ち遠しくなった。
家に着くと柏は挨拶して帰って行った。
俺はシャワーを浴びてパジャマに着替えてベッドに横になる。
薬中軍団に勝てるのかな。
そう思って寝た。
そして平和な日常を過ごし金曜日が来た。
学校へ着くと柏が教室で待っていた。
「明日迎えに行きますんでよろしくお願いします」
「おぅ!頼むわ」
そういうとあゆが口を出してきた。
「まだ暴走族に関わってるわけ? 来週委員長会議があるんだから問題だけは起こさないでよね。それと怪我だけには気をつけてね」
そうして金曜日の帰りはジムに行ってトレーニングをして帰った。
いよいよ明日か。気合を入れる。
俺はいつも通り眠った。
土曜日朝からバイクの吹かす音が聞こえて目が覚めた。
綾が来てるようだった。
「今日は学校も休みだし。夜集会があるんで気合入れようかなって思って来ちゃった」
「気合ってどう入れるんだよ?」
俺はそう言うと「キスして」綾がそう言った。
部屋に連れ込むと綾にキスをした。
数十秒綾と唇が重なる。
「今日はほんと無理すんなよ。柏も恐れる幽霊が相手だ」
「わかったわ。でもレディースもできるだけ武装させていくわ」
そういって何人かに綾は連絡を取った。
「夜までは2人きりね」
そういってずっとお喋りをしていた。
昼にはローソンへ行ってお弁当とデザートを買ってきた。
一緒に昼飯を食べる。
そしてゲームを少し教えてやった。
するとゲームにハマッたようだった。
綾がゲームしてる姿を横で見ている。
それだけでも幸せを感じた。
夕食は母親に頼んで作って貰った。
2人だけで夕食をする。まるで新婚家庭のようだ。
そして部屋に戻り雑談をする。
「今日どうするの? 何か作戦でもあるの?」綾が言ってきた。
「総力戦で行くよ。特攻隊と親衛隊とレディース全員で幽霊を襲うつもりだ。柏と高橋と近藤は神埼に当てるつもりだ。さすがに3人相手だと倒せるだろうと思ってな」
「神埼は痛覚がないのよ。勝てるとは思えない」
「まぁやってみないとわからないさ」
そうして雑談をしていった。
20時30分になる。
柏が迎えに来た。
「今日は宜しくお願いします」
そう言って一礼した。
リンカーンマークVの助手席に座ると、綾も後ろを追いかけてきた。
公園に着くと皆が集るまで暫く待った。
そして高橋と近藤を呼ぶ。
「柏と高橋、近藤は神埼を狙え。ザコは特攻隊と親衛隊、レディースで相手をする。他の奴等にもそう伝えろ」そう命令する。
柏は皆を集め作戦を伝えた。
そしてすぐ幽霊が公園の駐車場にバイクと車を止めた。
どうやら武装しているようだった。
「柏ぁ! 逃げないでよく居たな。今日は潰させて貰う」神埼が言う。
「上等だ! 返り討ちにしてやるよ」柏も売り言葉に買い言葉だ。
神埼が合図すると一斉に襲い掛かってきた。
俺は「特攻隊、親衛隊、レディースいけ~!」というと大乱闘が始まった。
数ではこっちが勝っている。1人相手に2人が相手してるようだった。
不思議な事にそれでも互角だった。
薬による痛覚が無くなっている事が原因だった。
気絶するまで相手を痛めつける。見ていて痛々しい光景だった。
神鬼没のメンバーも数十人やられている。
そして神埼に目をやった。
柏、高橋、近藤とも神崎とやり合っている。
近藤がやられ高橋もやられた。神埼は本当に強いらしい。
そして柏とのタイマンだが、どうも勝てる気がしない。
そう思ってると神埼と柏は互角にやり合っていたようにみえた。
柏のパンチは神埼に全然効いてない様だった。
そしてジリジリを柏が押されていく。そして柏は地に伏せた。
それでも神埼は柏を蹴りで痛めつける。
俺はダメだなと思い、闘争の中神埼に近づいた。
「やっとボスのお出ましって所か。待ってたぜこの瞬間をよぉ!」神埼が言った。
「煩い。黙れ。よくも俺の仲間を倒してくれたな。俺がキッチリ型付けさせてもらうぜ」
「どうせお前も今の俺の敵じゃねえよ」そういって神埼が擦り寄ってくる。
俺は神埼の顔面に助走を付けてストレートをブチかました。
すると神埼が「全然効かねえ・・・・・・顔が~顔が溶ける~」
神埼は幻影を感じているようだった。
俺はすかさす神埼を叩きのめしてゆく。
「ヒィエ~俺の顔が~体が溶けてゆく~」そういい神埼は崩れ落ちていった。
柏が起き上がってこちらへくると「やりましたね。尾崎さんなら勝てると信じてました」といい、高橋と近藤も近寄ってきて「勝ちましたね」と言う。
お前等まだ動けるなら、特攻隊、親衛隊、レディースの援護をしろと命令する。
俺も加わり幽霊を全員倒した。
「柏ぁ。水買って来い」そう言うと柏は水を買ってきた。
その水を神埼の顔にかける。
するとゲホッゲホッっといい神埼が目を覚ます。
「お前等配下は全滅させた。まだ文句があるならかかって来い」
神埼は意気消沈しているようだった。
「すまない。神鬼没にはもう手を出さない。許してくれ」と神埼がお願いしてきた。
「じゃあお前等も今日から俺の配下な。文句あるか?」
「わかりました。あなたの配下になります。今後なんなりと申しつけ下さい。ちなみにあんたの名前は?」そう聞かれた。
「俺は尾崎真吾、神鬼没の影の支配者だ」
「尾崎さんには負けたよ、今後あんたの言う事を聞く」神埼はそう言った。
「じゃあ幽霊は解散して神鬼没に入れ。それと全員クスリは止めさせろ」
「クスリを止めろだって? そりゃ難しいな。俺等は全員、薬中だ」
「それでも止めろ。これは命令だ。背いたやつは俺が直接制裁を加える」
「わかりました。これからはメンバーにも薬止めさせるようにいいます」
そういって神埼を説得させた。
「お前等の根性見せてもらったぞ。今後は神鬼没の切り込み隊を名乗れ」
「わかりました。その任受けましょう」
そう言うと幽霊のメンバーを集め説明していた。
そうして神鬼没はまた1つ大きくなった。
これで350人位の軍勢になった。
まだまだ皇帝には遠く及ばないが。
そして全員を集めると話し合いをしろと命じた。
皆はもう分かってるようでグループを作り幽霊のメンバーも入れ雑談が行われた。
俺はブランコでボーッとしていた。
するといつの間にか24時を過ぎていた。
綾を呼んで今日は家まで送ってくれと言った。
柏はもうボコボコなのだ。
そうして綾のケツに乗せて貰い家に帰った。
「流石は真吾ね。幽霊を倒しちゃうんだから」綾がそう言った。
「今日は疲れたから綾はもう帰れ。俺は1人でゆっくり眠りたい」
そう言って綾を帰した。
はぁ。今日は疲れた。そう思いシャワーを浴びる。
そして部屋に戻ってパジャマに着替えるとベッドに横になった。
神埼思ったほど強くなかったな。
もっと苦戦すると思ってたが薬中毒の性か。
俺はそう思って眠りに落ちるのだった。
翌週、また事件が起きるとは知らずに。
Coming soon!!
「尾崎さん、今日集会で神埼が1人で来るらしいんですけど、一緒に付いて来てもらえませんか?」
朝から物騒な話だ。
「別にいいよ。夜空いてるし」
「ありがとうございます。じゃあ20時30分に迎えに行きますね」
「おぅ!分かった」
今日は集会に備えて昼間はたっぷり寝ておくか。
ホームルームが始まり出席を取ると俺は早速寝た。
起きたら11時55分だ。
最近では机でも眠れるようにプチクッションを用意してある。
グッスリ眠れた。
昼休みあゆにノートを借りて午前の授業の復習をする。
佐伯はお弁当を持ってくると俺と一緒に昼飯を食べた。
「なぁ、佐伯。お前俺以外で昼一緒に食べる奴いないの?」
「仲が良くなってきた人は結構いるけど尾崎君と車の雑誌を見ながら飯を食うのが好きなんだ」
飯を食いながらノートを見る。
大体内容は分かった。あゆにノートを返す。
すると裕子が入ってきた。
「今日から神鬼没の集会に参加出来る事になったんだ。真吾夜また会いましょ」
そういって出て行った。
「小谷さん最近よく来るよね。尾崎君狙われてるんじゃない?」
「まぁ一時期付き合ってたからな」
そして中古車雑誌を観ながらアレコレ雑談して佐伯は他のグループに行った。
俺はというとあゆと他愛も無い雑談をしていた。
昼からもプチクッションを枕にして寝る。
あっという間に放課後だ。あゆにまたノートを借りる。
「いつもノート借りる位だったら授業受けなさいよ。午後からも寝てるなんて珍しいわね。ってゆうかなんでそんなに眠れるの?」
「夜遅いから眠いんだよ。あゆのノート綺麗にとってあるからこれ見るだけで授業なんざ受けなくても平気なんだよ」
「あたしに感謝しなさいよね」
「いつもありがとう」
するとフンッといいあゆはノートを受け取る。
学校が終わりチャリで家に帰った。
家に着くと原と真也がもう来てた。
「お前等また午後からの授業サボッてきただろう?」
「あったり~。今日は集会だからね。午後からの授業なんて受けてらんないよ」
原が無邪気にそう言う。
原は茶髪を下ろしているが、真也はリーゼントだ。
前の時代なんてリーゼントは絶滅してたから懐かしい。
しかし2人ともよく似合っている。
「真也と一緒に特攻服にお揃いの文字入れたんだよ」
原が特攻服を見せてくる。胸元に『天上天下唯我独尊』という刺繍が入っている。
「お前等いつから仏教になったわけ?」
「仏教の言葉なの?でもカッコイイじゃん」
「原ぁ、意味が分かって入れてるのか」
「いや、ニュアンスで」
「天上天下唯我独尊とは、犬や猫、虫けらに生まれたら果たすことのできない、俺等人間に生まれたときしか果たすことのできない、たった一つの目的がある。という意味だぞ」
「へぇ真吾物知りなんだ」
「一応文学も学んでるからな」
「でもまぁ特攻服の定番じゃん?」
「まぁ、好きなようにやればいいんじゃね?」
俺はそう言った。
特攻服でゲームをやってるというのは異様だ。
違和感しかない。
「真吾も暴走族らしく服装変えたら?」
真也が口を開く。
「俺はこのままでいいんだよ。しかも暴走族じゃねえしな」
俺はシティハンターの冴羽?みたいな服装をしていた。
他にもHIDEに似せた服も持っている。
そして原と真也は20時までゲームをやって窓から意気込んで出て行った。
ベッドで少し横になるとあっという間に30分が過ぎた。
V8サウンドが聞こえる。どうやら柏が来たようだ。
俺は外に出ると「今日もよろしくお願いします」と柏が言った。
「裕子は一緒じゃないのか?」
「裕子はスクーターで行くと言ってました」
「じゃあ行くか」
「ハイッ!」
そういうと公園に向かった。
人数が集るまで柏と雑談した。
「今日は神埼何しに来るんだ?」
「宣戦布告しに来るらしいです」
「それなら俺いらなくね?」
「万が一の為です」
そうして続々とバイクや車が集ってきた。
綾が近づいてくる。
「どうこの服。似合ってるでしょ」
黄色い上着にショートパンツを履いている。
「可愛いよ、似合ってる」そう言うと照れたように見えた。
21時になって皆が集る。
新しいメンバー加わり約250名近い人数になっている。
すると1台のジェイソンが入ってくる。
革パンにブーツ、Tシャツというラフな姿で1人の男が向かってきた。
特攻隊と親衛隊は警戒する。
柏が「あいつが神埼ですよ」という。
身長180cm位のガッシリした男としてはロングヘアに、金髪で体型の良い男がこっちに向かってきてこう言った。
「柏出て来い!」
俺は「お前をご指名らしいぞ。相手して差し上げろ」
そういうと柏を前に出した。
「柏ぁ。久しぶりだな。今日は宣戦布告だ。土曜日にお前等を潰す。この公園に幽霊全員集めるから勝負つけようぜ。まぁ丸くなったお前に負ける気はしねーけどな。俺らの走りの邪魔なんだよ」
そういうと柏は「上等だ、逆にぶっ潰してやんぜ。こっちには隠し玉もいるんだからな。覚悟しておけ」
「今日は挨拶だけだ。今度会ったらぶっ潰す!」
神埼がそういってジェイソンに乗って帰って行く。
「尾崎さんよろしくお願いしますよ」
柏は言ってくる。
「戦争なら俺は関係ねーよ。お前等で何とかしてみたら?」
「そりゃないっすよ~。神埼はああ見えてもの凄く強いんですから。多分俺じゃ勝てません」
消極的な事を言ってきた。
「まぁ~しょうがね~な~。薬やってるとなったら止めさせないといけないし」
「あいつ等に生半可な攻撃は効きません。薬で痛覚が飛んでますからね」
「ゾンビみたいなもんか。数ではこっちが上回ってるから苦戦する事はないだろう」
俺はそう言って柏を落ち着かせた。
裕子が心配そうに柏の元へ向かい話しをしている。
綾が近づいてきて「あんなやつ真吾の敵じゃないよ。ぶちのめしてやればいいのよ」そう言う。
俺は綾に直接戦う気はないと伝えると「真吾以外勝てる奴いないよ~」と言う。
「こっちには元神鬼の頭、高橋もいるしな。特攻隊長の近藤も強いらしいぞ」
そう綾に伝えた。
「土曜日が楽しみね。やる気が出てきたわ」
綾はそう言うが「綾は見ててくれ。戦闘に参加する必要はない。怪我する可能性もあるしな」
「あたしなら大丈夫、並の男に負ける気はしないわ」
綾も気合が入ってるようだった。
「柏ぁ!気を取り直して走りに行くぞ」
俺はそう伝えると柏は皆を集め走る用意をした。
公園の駐車場に止まってるバイクや車が次々にエンジンをかける。ハッキリ言って騒音以外の何物でもない。
そうして神鬼没は走り出した。
またしても対向車線に皇帝が走ってきた。
光の渦と爆音の中皇帝を見つめていた。
「なぁ柏。皇帝が戦争仕掛けて来たらどうする?」
「尾崎さん次第ですよ。やれというならやります」
「そうか・・・・・・」俺はそうならないように心の中で願った。
しばらく走ると柏がホーンを鳴らす。
そして一斉に公園に引き返してゆく。
公園に着くと皆仲良く喋ってるようだった。
その中にシンナーを吸ってる奴を発見した。俺はシンナーを取り上げて無造作にそいつを殴ると皆を集めた。
「ドラッグ、シンナーの類は禁止だ。その代わりタバコと酒ならまぁ認める。今後この方針に背いたら俺が直接制裁を下す」
皆は「ウッス!」と返事をする。
俺は柏にコーヒーを買って来るように命じた。
そして柏がコーヒーを買って戻ってくる。
「尾崎さんも輪の中に入りませんか?」
「俺はここでコーヒー飲んでるから柏行ってこいよ」
「それでは失礼します」
そういうと柏も神鬼没の輪の中に戻って行った。
俺は一人でブランコに揺られていると裕子がやってきた。
「あたしも神鬼没のレディースに入れてもらっちゃった。真吾こんな所に1人で寂しくないの?」
「あぁ。俺は別にメンバーじゃないからな」
「寂しくない?」
「あぁ。ここでみんなの楽しそうなお喋りを見てるだけで満足だよ」
「じゃああたしとお話しようか」
そうして雑談してると綾が俺の所に来た。
「あんたね~真吾を独り占めにするなんて100年早いのよ。あんたは柏の所に行きなさい」
「あたしは一人の真吾とお喋りしてるのよ、あんたこそ神鬼没の輪に戻ったら?」
2人の戦いはここでも起こった。
「2人共神鬼没の所で喋りへいけ。お前達がいるとあいつらも喜ぶだろう。俺は1人で平気だから」
そういって無理矢理2人を送り出した。
1人で居る時間は貴重だ。存分に楽しまないと。そう思った。
しばらくすると柏が近づいてくる。
「今日はもう解散です。家までお送りします」
「じゃあ頼むわ」
そう言うと柏と雑談しながら帰った。
決戦は土曜日だな。そう思うと土曜日が待ち遠しくなった。
家に着くと柏は挨拶して帰って行った。
俺はシャワーを浴びてパジャマに着替えてベッドに横になる。
薬中軍団に勝てるのかな。
そう思って寝た。
そして平和な日常を過ごし金曜日が来た。
学校へ着くと柏が教室で待っていた。
「明日迎えに行きますんでよろしくお願いします」
「おぅ!頼むわ」
そういうとあゆが口を出してきた。
「まだ暴走族に関わってるわけ? 来週委員長会議があるんだから問題だけは起こさないでよね。それと怪我だけには気をつけてね」
そうして金曜日の帰りはジムに行ってトレーニングをして帰った。
いよいよ明日か。気合を入れる。
俺はいつも通り眠った。
土曜日朝からバイクの吹かす音が聞こえて目が覚めた。
綾が来てるようだった。
「今日は学校も休みだし。夜集会があるんで気合入れようかなって思って来ちゃった」
「気合ってどう入れるんだよ?」
俺はそう言うと「キスして」綾がそう言った。
部屋に連れ込むと綾にキスをした。
数十秒綾と唇が重なる。
「今日はほんと無理すんなよ。柏も恐れる幽霊が相手だ」
「わかったわ。でもレディースもできるだけ武装させていくわ」
そういって何人かに綾は連絡を取った。
「夜までは2人きりね」
そういってずっとお喋りをしていた。
昼にはローソンへ行ってお弁当とデザートを買ってきた。
一緒に昼飯を食べる。
そしてゲームを少し教えてやった。
するとゲームにハマッたようだった。
綾がゲームしてる姿を横で見ている。
それだけでも幸せを感じた。
夕食は母親に頼んで作って貰った。
2人だけで夕食をする。まるで新婚家庭のようだ。
そして部屋に戻り雑談をする。
「今日どうするの? 何か作戦でもあるの?」綾が言ってきた。
「総力戦で行くよ。特攻隊と親衛隊とレディース全員で幽霊を襲うつもりだ。柏と高橋と近藤は神埼に当てるつもりだ。さすがに3人相手だと倒せるだろうと思ってな」
「神埼は痛覚がないのよ。勝てるとは思えない」
「まぁやってみないとわからないさ」
そうして雑談をしていった。
20時30分になる。
柏が迎えに来た。
「今日は宜しくお願いします」
そう言って一礼した。
リンカーンマークVの助手席に座ると、綾も後ろを追いかけてきた。
公園に着くと皆が集るまで暫く待った。
そして高橋と近藤を呼ぶ。
「柏と高橋、近藤は神埼を狙え。ザコは特攻隊と親衛隊、レディースで相手をする。他の奴等にもそう伝えろ」そう命令する。
柏は皆を集め作戦を伝えた。
そしてすぐ幽霊が公園の駐車場にバイクと車を止めた。
どうやら武装しているようだった。
「柏ぁ! 逃げないでよく居たな。今日は潰させて貰う」神埼が言う。
「上等だ! 返り討ちにしてやるよ」柏も売り言葉に買い言葉だ。
神埼が合図すると一斉に襲い掛かってきた。
俺は「特攻隊、親衛隊、レディースいけ~!」というと大乱闘が始まった。
数ではこっちが勝っている。1人相手に2人が相手してるようだった。
不思議な事にそれでも互角だった。
薬による痛覚が無くなっている事が原因だった。
気絶するまで相手を痛めつける。見ていて痛々しい光景だった。
神鬼没のメンバーも数十人やられている。
そして神埼に目をやった。
柏、高橋、近藤とも神崎とやり合っている。
近藤がやられ高橋もやられた。神埼は本当に強いらしい。
そして柏とのタイマンだが、どうも勝てる気がしない。
そう思ってると神埼と柏は互角にやり合っていたようにみえた。
柏のパンチは神埼に全然効いてない様だった。
そしてジリジリを柏が押されていく。そして柏は地に伏せた。
それでも神埼は柏を蹴りで痛めつける。
俺はダメだなと思い、闘争の中神埼に近づいた。
「やっとボスのお出ましって所か。待ってたぜこの瞬間をよぉ!」神埼が言った。
「煩い。黙れ。よくも俺の仲間を倒してくれたな。俺がキッチリ型付けさせてもらうぜ」
「どうせお前も今の俺の敵じゃねえよ」そういって神埼が擦り寄ってくる。
俺は神埼の顔面に助走を付けてストレートをブチかました。
すると神埼が「全然効かねえ・・・・・・顔が~顔が溶ける~」
神埼は幻影を感じているようだった。
俺はすかさす神埼を叩きのめしてゆく。
「ヒィエ~俺の顔が~体が溶けてゆく~」そういい神埼は崩れ落ちていった。
柏が起き上がってこちらへくると「やりましたね。尾崎さんなら勝てると信じてました」といい、高橋と近藤も近寄ってきて「勝ちましたね」と言う。
お前等まだ動けるなら、特攻隊、親衛隊、レディースの援護をしろと命令する。
俺も加わり幽霊を全員倒した。
「柏ぁ。水買って来い」そう言うと柏は水を買ってきた。
その水を神埼の顔にかける。
するとゲホッゲホッっといい神埼が目を覚ます。
「お前等配下は全滅させた。まだ文句があるならかかって来い」
神埼は意気消沈しているようだった。
「すまない。神鬼没にはもう手を出さない。許してくれ」と神埼がお願いしてきた。
「じゃあお前等も今日から俺の配下な。文句あるか?」
「わかりました。あなたの配下になります。今後なんなりと申しつけ下さい。ちなみにあんたの名前は?」そう聞かれた。
「俺は尾崎真吾、神鬼没の影の支配者だ」
「尾崎さんには負けたよ、今後あんたの言う事を聞く」神埼はそう言った。
「じゃあ幽霊は解散して神鬼没に入れ。それと全員クスリは止めさせろ」
「クスリを止めろだって? そりゃ難しいな。俺等は全員、薬中だ」
「それでも止めろ。これは命令だ。背いたやつは俺が直接制裁を加える」
「わかりました。これからはメンバーにも薬止めさせるようにいいます」
そういって神埼を説得させた。
「お前等の根性見せてもらったぞ。今後は神鬼没の切り込み隊を名乗れ」
「わかりました。その任受けましょう」
そう言うと幽霊のメンバーを集め説明していた。
そうして神鬼没はまた1つ大きくなった。
これで350人位の軍勢になった。
まだまだ皇帝には遠く及ばないが。
そして全員を集めると話し合いをしろと命じた。
皆はもう分かってるようでグループを作り幽霊のメンバーも入れ雑談が行われた。
俺はブランコでボーッとしていた。
するといつの間にか24時を過ぎていた。
綾を呼んで今日は家まで送ってくれと言った。
柏はもうボコボコなのだ。
そうして綾のケツに乗せて貰い家に帰った。
「流石は真吾ね。幽霊を倒しちゃうんだから」綾がそう言った。
「今日は疲れたから綾はもう帰れ。俺は1人でゆっくり眠りたい」
そう言って綾を帰した。
はぁ。今日は疲れた。そう思いシャワーを浴びる。
そして部屋に戻ってパジャマに着替えるとベッドに横になった。
神埼思ったほど強くなかったな。
もっと苦戦すると思ってたが薬中毒の性か。
俺はそう思って眠りに落ちるのだった。
翌週、また事件が起きるとは知らずに。
Coming soon!!
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