KAGUYA

Pikochu

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第一章~タイムリープそして~横浜編

~鬼没襲来~

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チリリリリリ~ン!目覚ましが鳴った。もう朝か。
ふと思ったのだがなぜ目覚まし時計なのだ。前はスマホの目覚し機能で起きれてたのだが。っというかスマホが無い。ってゆうか携帯が無い!当たり前といえば当たり前の事なのだが。
この時代の連絡ツールはポケベルかPHSだった気がする。
懐かしい。

そのどちらも俺は持ってなかった。
このご時勢連絡ツールが無いってのが痛い。
早速朝飯の時に親父にPHSを買ってもらうように言った。

結果はあっさりOKだった。
親父を説得する言葉が無駄になったようだ。
俺がこんな状態だからいつでも連絡できるようにしたいと言う事でPHSを買ってもらう事に成功したのだ。
前の人生では頼みに頼んでもポケベルさえ持たせてくれなかった。
親父はいつ悪い奴らに絡まれて病院送りになるとも限らないしなと言っていた。
今思うと約束は全て口約束だったのだ。前の人生のようにLINEで気軽にドタキャンということはない。口約束が重かったのだ。
PHSは今日の夜にはもう届くだろうと思い朝ごはんを美味しくいただいた。


「じゃあ学校行ってくるわ~」というと、「そんな頭でも学校はちゃんといくのね。偉いわ」と母親が言った。
どうやらグレてると思ってるらしい。
チャリをこいで学校へ向かうと周囲の視線が痛い。
何あいつ変な頭しやがってという思惑が突き刺さる。

そんな事は気にしてたら負けだ。春夏秋は健康的にチャリで学校へ行く。
途中コンビニに寄って中古車雑誌を買った。まだ免許は取れないものの車に興味はある。
チャリを乗ること20分ちょいで学校に着いた。バスなら10分もかからずに着くんだけどね。
ここは節約だ。

チャリに乗って学校へ行くという約束の元、バス代としてお小遣いのアップを申請したからだ。

学校についてクラスのドアをドカーンと開ける。そして元気よく「皆さんおはよう!」と声をかけるが誰もおはようと返してくれない。孤独だ。
しょうがないからホームルームが始るまで中古車雑誌をペラペラめくってた。
86やらS13シルビアやらが多いようだ。

値段もプレミアがついてないのでそこそこの値段だった。
バイトすれば買えるんじゃね?ってレベルのシルビアや86もあった。
ちょうどヤングマガジンで頭文字Dが連載が始った頃だ。この当時はまだ86の人気はそんなになかった。
湾岸ミッドナイトは連載していたがS30Zはそこまで高くなくガラクタ同然の値段が付いていた。
この後これらの車はプレミアがついて高騰することになるのを誰も知らなかった。
中古車雑誌を眺めていると1人の男子が声をかけてきた。


「車好きなの? 俺も車好きで免許取ったら走り屋になりたいと思ってるんだ」
俺は一言「お前誰?」と失礼な質問をした。

「まだ学校始って2日だもんな。名前とか顔知らなくて当たり前だよね。俺は佐伯信二宜しくな」
そう言って茶髪オールバックの少年は自己紹介した。どうやらこいつもグループからはずれた存在らしい。

「あぁ、俺は尾崎真吾宜しくな」軽く挨拶しておいた。

「俺免許取ったら180SX買おうと思ってるんだ。んで高校入ったらバイトに明け暮れようと思ってね。でもまだバイト先見つかってないんだ~」

とか聞いてもいない事をペラペラと喋り出した。
俺達は車談義に花を咲かせた。どうやらこいつも1人で寂しかったのだろう。ペラペラと話しかけてくる。
この頃は走り屋全盛期、20xx年のような若者離れや規制がまだ存在しない。
それにしてもこいつはいつまで喋ってるのだろうと思いつつチャイムが鳴った。
「また中古車雑誌一緒に観ようぜ」といい佐伯は席についた。


先生が入ってきてホームルームが始る。
「来週は学力テストがあるから皆中学の勉強を復習してくるように」
中学の勉強なんて意味あるのかとおもいつつ、1時限目はホームルームの続きだった。先生曰く学級委員長その他役職を決めるという内容だった。
もちろん率先してそんな面倒くさいような事をする奴はいなく誰も立候補しなかった。
ので俺は大学入学の為の内申点アップに繋げようと学級委員長に立候補した。
ハイッ!そうして手を上げると皆がざわめき出した。


先生が驚いたように俺の方を向く。

「お前学級委員長がどういうことだか知ってて手を上げてるのか?」

「当たり前ですクラスの代表でしょ? 小学生でも知ってますよ」

「だがお前のような奴に学級委員長が務まるとは思えん」

ちょっとムカついた。

「じゃあ誰ならいいんですか? 誰も立候補しないじゃないですか。立候補してるのに推薦で決めるなんてバカな真似はしませんよね?」
先生はポカーンとしていたがこう言った。

「クラスの代表がお前みたいな奴でどうする。他のクラスに申し訳が立たないぞ」

「先生は世間体を気にしてるのですか? 俺がやると言ったんだから俺でいいでしょう。なんか文句あります? 仕事はちゃんとやりますよ」

先生は諦めた様子で「じゃあ尾崎で学級委員長は決まりかな。反対の奴はいるか?」
反対したらそいつが学級委員長にさせられると思い誰も何も口にしなかった。

そして先生は副委員長候補についても聞いた。誰もいないだろうと予想していたが
ハイッ!と元気よく手を上げたバカがいた。
目を向けるとあゆだった。

「あんな下品な奴が学級委員長ならせめて副委員長はあたしがやります。こうみえてもしっかりしてるので」
先生はまた呆れた様子だった。

「なぜお前ら2人なんだ。このクラスは異常だと思われるぞ」

「それこそ真吾が言う世間体というやつじゃないですか? 見た目で全てを判断されては困ります。心外です」

あゆがそう言った。
あゆが副委員長に立候補するのは不思議だ。何か裏があるに違いない。俺はそう思った。
俺はめでたくクラスの代表になったが誰も祝福してくれなかった。
そしてなし崩し的に他の委員も推薦で決められていった。
立候補者はいなかったので擦り付け合いというわけだ。
めでたくクラス全員の中から委員が決まるとチャイムが鳴った。


先生は去り際に「問題だけは起こすんじゃないぞ!」と捨て台詞を吐いて行った。
2時限目から4時限目までは普通に授業が行われた。
授業と言っても中学の復習みたいな事だった。学校のレベルの低さを物語っている。
授業があまりにもヒマだったので中古車雑誌をペラペラめくり何かいい車がないか探していた。
中古車雑誌をみていると担当の先生が「授業を真面目に聞きなさい」とか言ってきたので「中学レベルの授業受ける価値がありませんので」と俺は答えた。
先生は「どうせ掛算もできないんだろうが、ちゃんと聞け!」と言ってきたのでムカッとして「多分先生より俺の方が頭いいですよ。こんなくだらない中学の復習みたいな事してるなら高校の授業をやったらどうですか?」と言ってやった。
先生の表情が少し曇ると「お前はもういい!」と言って授業を再開した。


そして4時限目が終わって昼休みとなる。
弁当を食い終わった俺はやる事が無いのでまた中古車雑誌をペラペラめくっていた。やっぱシルビアあたりか。そう思うと佐伯がに軽やかに近づいてきて一緒に中古車雑誌を観て雑談を始める。
そして5分位たった時、いきなりその時はやってきた。


ガラッ!と教室のドアが勢いよく開けられた。
上級生と思われる身長185cmはありそうなガタイのいいやつが突然入ってきて俺の所に向かってくる。
佐伯はハッとした表情で俺から離れていった。

ガタイのいい男は俺の前で机をガンッと蹴る。

「俺は暴走族で鬼没ってチームの頭を張ってるこの学校の番だ。お前1年のくせに調子こいてるみたいだな。変な頭しやがってナメてんのか?」

「別にナメてませんけど、普通に楽しく生活できるのが俺の信条なので」

「その態度が生意気だと言ってるんだよボケが! 放課後体育館裏に来いや! 逃げんなよ!」
などといきなりイチャモンを付けられた。

「ハイハイ。鬼没だか陥没だか知らないけどご要望とあれば行ってやるよ」

「逃げんじゃねーぞ。ぜってーだからな」

そう言うと教室から出て行った。

佐伯が走り寄ってきて「あいつ暴走族の頭でヤバイ奴に目付けられちゃったね。俺は別に関係ないけど・・・・・・」
申し訳なさそうに佐伯が言ってくる。

「問題ないさ返り討ちにしてやるよ。所詮素人だろ?」

「柏さんはこの街でも喧嘩で強いって有名なんだよ。俺でも知ってるよ」

佐伯は続けた。

「いまのうちに詫び入れといた方がいいよ。尾崎もそんな頭してなければ目を付けられる事も無かったのにさ」
俺は柏に負ける気がしなかった。俺は幼少の頃から父親の影響でボクシングを習わされてた。プロとも互角に渡り合える。
前の世界では19歳でプロボクサーの試験も通った。結果プロボクサーにはならなかったがストレス発散の為ボクシングジムに通っていたのだ。
そんな俺がたかが喧嘩が強いだけの素人に負けるはずが無い。


俺はプロなのだ。


あゆが心配そうに近寄って来て話しかけてきた。

「あの人マジで強いって評判だよ。真吾ボコボコにされちゃう前に今から行って謝ってくれば?」
あゆは心配してくれていた。しかし俺は絶対に負ける気はしなかった。

「いいって。あーゆー奴は1度痛い思いさせないと分からない猿なんだよ」

「なんか秘策でもあるの? それとも逃げるの? あいつ仲間連れてきたらどうするの?」
あゆは心配そうに聞いてきた。

「素人6人位なら瞬殺できるんじゃないかな~っと」
俺はふざけて言った。

「もうバカ! 真面目に聞いてるんだよ」
あゆは真剣な表情だった。前の世界では無いイベントが発生した。

「放課後を楽しみにしとくよ」
そういうとまた中古車雑誌に目を向けてシルビア~シルビア~と唱えていた。
昼休みが終り5時限目が終わった。
早速楽しみに体育館裏に行ってみた。しかし誰もいない。

「あれ~場所間違って伝えたのかな~」なんてぼやきつつ冷静に判断する事にした。
1年生は5時限授業でも3年生は6時限7時限授業があるのだ。
このまま1~2時間ここに突っ立ってるのはバカ過ぎる。


「か~えろっ」そういうと俺は体育館裏を後にしてチャリに乗って家に帰った。
家に帰るとまたしても原がいた。真也も家にいる。

「お前らまた学校フケてたのか?」

「今日は午前授業だったんだよ疑いすぎだな~」

「俺も午前授業だった」
真也もそういう。

「そうそう今日鬼没の頭とかいうやつが喧嘩売ってきたぞ」
原とハッとして表情を歪めた。

「それかなりヤバイやつに目を付けられたんじゃね? 真吾と真也と俺の3人がかりでも倒すのはきつそうだぞ」
原が言った。

「俺なら1人でもイケそうな気がするけどな~」
真也は自信満々にそういった。真也は中学時代喧嘩ではほぼ無敗だった。
多分真也でも勝つのは難しいかもしれない。

「真吾が強いのはよく知ってるけど今回ばかりは詫び入れた方がよくね?」
原が消極的な事を言ってきた。

「俺悪い事何もしてないよ? なんで詫び入れなあかんの? しかもあいつ授業で放課後体育館裏に来なかったし」
真也が笑い転げる。

「シカトするのはマズくね? 待っててやれば良かったじゃん」
原が続けてそう言う。

真也はまだ笑い転げてる愉快な奴だ。

真也は今日学校で1番強いといわれる上級生に喧嘩で勝ち、実質上学校のトップになったようだった。

「俺と真吾が学校の2トップになったら面白いんじゃね? イザコザもおきなくなるし。俺も真吾にガチでタイマン張ってたら負けると思う。なんつってもボクサーの卵だしな」
真也は笑いを収めてそう言った。
今頃体育館裏で俺を待ってる柏を想像すると笑いがこみ上げてきた。
来るはずも無い相手を待ち続ける。なんてアホなんだろうと。

「ちょっとジム行って来るわ。なんかいてもたってもいられんから打ち込みしてくる。お前らは帰ってくるまでゲームしてていいぞ」
そういうと原と真也はゲームしながら、「いってらー怪我しないようにな~」と原が言った。

俺はボクシングジムに来た。3週間ぶりくらいだろうか。
ジムに入るとコーチがかけ寄ってきた。

「よぉ尾崎久しぶりだなどうした?」

「ちょっとイラッとする事があったんでサンドバッグ叩いていいですか?」

「全然構わないけどなんならスパーリングでもするか?ライトフライ級でプロになったやつがいてなちょっと相手してもらったらどうだ?」
ライトフライ級?ナメてんじゃねーぞこっちはミドル級だ。

「いいですよ相手しましょうか」

そういうとコーチが「小柳ぃ!ちょっと素人なんだがスパーリングしてみないか?」
すると小柳という男が「いいですよ。素人相手だからって手加減はしないですけど、怪我させたらゴメンネ」
と上から目線で言ってきた。ちょっとお灸を据えてやる必要がある。
こいつと戦うのは2度目だ。1度目は前の人生の時苦戦して勝った思い出がある。
しかし今の俺は違う。ミドル級のプロだ。

「始めっ!」
合図と共にゴングが鳴る。
小柳はちょこまかと動きジャブを撃って来る。恐らく消耗戦でスピード系なのだろう。
しかし今の俺の敵ではない。
ジャブを撃ってきてアッパーを狙ってるところに思いっきりボディーブローを叩き込んだ。
小柳は多少ふらついた・・・・・・今がチャンスだ。顔面に向かってラッシュを仕掛ける。
小柳のガードの上からでも重いパンチが振り下ろされる。結果小柳は膝から落ちてダウンした。10カウントでも起きない。1分50秒TKO勝ちである。

コーチは「お前いつからこんなに強くなったんだ?」と言ったが、俺は「ライトフライとミドルのパンチの重さですよ」と返した。

「サンドバッグ借りますね~」といい俺はサンドバッグに向けて何度もパンチを繰り出した。

「あいつ何者なんですか? プロじゃないただの高校生ですよね?」

小柳はコーチに言った。

「あいつにはボクシングの才能がある。努力じゃ追いつかない強さだ」

コーチは小柳にそういった。
シャドーボクシングをしてると男が近づいてきた。

「さっきはナメた態度取ってすまなかった。俺もこれからもっと頑張って強くなるよ。そしたらまたスパーリングお願いできるかな?」
意外にも小柳だった。


「いいっすよ先輩。俺もプロとスパーリング出来て楽しかったですし」
そう言ってグローブを外して握手をした。

「そろそろ日が暮れたんで帰ります。また来ますコーチ宜しくお願いします」
そう言って俺は家に帰った。


なんと原と真也がまだゲームをしている。
「お前ら本当に飽きないな。健全な男子たるものナンパでも行って来たらどうかね?」
俺はそういうと「ナンパに引っかかる尻軽女に興味はねえ!」と真也が言ってきた。原も同感のようだった。

この2人はただでさえモテる。ナンパなんてしなくても女のほうから擦り寄ってくるだろう。なんて思いながら2人が順番にゲームをしてるのを観ていた。
ヒマなのでXのCDをかける。2人は「Xカッコイイよねライブ行きたい」とか話ていた。
Xはこの後解散するんだよって言いたかったが我慢した。これぞ大人というやつだ。ネタバレは一切しない主義なので。
夕食は原と真也も一緒に食った。母さん得意のカレーだ。いつも大量に作るので毎回原と真也は食べて帰る。
食事が終わって部屋に戻ると俺は切り出した。

「お前ら今日はもう帰ってくれ。ゲームならまた明日すればいいだろう? 今日は色んな事があって疲れたんだ。休ませてくれ」

「真吾ったらおっさんみてーな事いうな~。まぁ明日もあるから別にいいけど。また来るわ」
そう言って原と真也は窓から出て行った。

今日は汗まみれだからシャワーでも浴びて早めに寝るか~。
そう思って俺はシャワーを浴びた。

そういえばシャワー終りの1杯って最高なんだよな~とか昔を思い出し冷蔵庫から缶ビールを取り出して開けた。
「ヴォエ~マズッ!」体がアルコールを受け付けなかったのである。
アルコールが得意になったのは大学生になってからで、コンパで呑んでは吐いての繰り返しで強くなったのである。

「高校生の俺には早すぎるか・・・・・・」

そう思ってキッチンのシンクにビールを流し込む。
その時親父が帰ってきた。
手には袋をもってある。

「真吾ぉPHS買ってきたぞ。大事に使えよ」

そういうと袋を渡してきた。
部屋に持って帰るとさっそく箱を開けた。
で・・・・・・デカイ!スマホに慣れてた俺からしてみたらPHSはデカかった。

こんなもんよく昔の人つかってたよな~とか思いとりあえず充電した。
キッチンの方から父親の悲鳴にも似た叫びが聞こえてきた。

「俺の仕事上がりのビールがねええええええええ!」

母親と口論になっていた。たかがビール1本位1日くらい我慢せえよと。
原因は俺なのだが言わないでおいた。
とりあえず中学の復習でもするかと思い、中学校時代のテキスト問題を解いてみた。
「お! 全然出来るじゃん」と思い答え合わせすると満点だった。

これで学校の学力テストも問題ないだろう。と思い就寝の用意をしパジャマに着替えベッドに潜った。
さすがにあの鬼没の頭とかいう奴は明日は絡んでくるだろう。そう思い爆睡した。
翌日またけたたましく目覚まし時計が鳴る。

家で朝飯を食った俺は余裕をもって学校につけるように朝出かけた。
社会人では当たり前な事だが遅刻は厳禁なのだ。このクセを学生時代に付けておかないと社会人になってから困る。
学校に早めに着くと続々と入ってくる生徒達に「おはよう!」を連発した。

挨拶は大事なのだ。

そうすると鬼没の頭の柏が入ってきていきなり怒鳴り出した。

「何で昨日は来なかったんだよ! ビビッて逃げたのかコノヤロウ! 臆病者がこの場で血祭りにあげてやろうか!?」
凄んだ表情で言うが俺も売り言葉に買い言葉ではないが返す。

「昨日5時限目が終わった後体育館裏に行きましたよ。でも誰もいなかったので帰った。そもそも3年と1年は終わる時間が違うじゃないですか? 何か反論はあります?」
そういうと柏は冷静に言った。

「下級生なんだから待つのが当然だろう。なんで居ないからって先に帰るんだよ!」

「1時間も2時間もボーッとしてるほどヒマじゃないので。他に何か?」

「じゃあ今日の15時に体育館裏に来い! ぜって~だぞ! 授業云々ぬかしたら明日の朝お前を殺す!」

「ハイハイわかりましたよ15時まで待ってたらいいんでしょ? 話はわかりましたからギャラリーでも連れて大いに宣伝しといて下さい」
チッ!と言いながら柏は大人しく帰っていった。

佐伯が近寄ってきて「本当に大丈夫? あんなに挑発して。どうなっても知らないよ。学級委員長になったんだからモメ事は控えないと」
「ご親切丁寧にありがと。でも俺ぜってー負けないから大丈夫。多分1発も喰らわない」
そういうとあゆが近づいてきた。
 
「真吾あんた本当に大丈夫? 頭でも打ったんじゃない? アイツはマジヤバイって。どうなっても知らないわよ。時間指定してきたくらいだしあたしも観に行ってあげるけど・・・・・・」
あゆが不安そうな顔をしている。

俺はにこやかに微笑み。「あんなカスには絶対に負けない。負けるはずが無い」そう言った。
昨日のプロの小柳相手にも圧倒したのだ。負けるはずが無い。
そしてチャイムが鳴りホームルームとなった。

先生が教壇に立つと「尾崎、お前3年に目つけられてるらしいな。無茶はするなよ。クラスの名誉のためでもある」
と言った。俺は「別に3年なんて目じゃないですよ、先に2年早く産まれただけじゃないですか?」っと言い放った。

「問題を起こすなと釘を刺しておく!」

そう先生は言った。

ホームルームが終り授業に入る。


また中学の復習だ。寝よう。そう思って俺は午後の対決に向けて睡眠を取った。
驚くほど良く眠れた。11時45分。もうすぐ昼休みだ。誰も先生が起こさなかったのが不気味である。
俺が先生ならピンク色の髪をした生徒をたたき起こす事はしないだろう。常識ってやつだ。
昼休みに弁当を食い終わったら多数の生徒が俺を取り囲んだ。

「あの柏さんとやるって本当か?」

「お前確実にぶっ殺されるぞ!」

「そんな目立つあなたが悪いのよ!」

数々の罵倒を受けるが俺は気にしなかった。

「なんでお前らにそんな事言われなきゃならないんだよ。勝負なんてやってみるまでわかんねーだろうが! ギャーギャー煩いんだよ発情期ですかコノヤロウ!」
坂田銀時風に言ってみた。


そして適当な事をいわれつつ昼休みが過ぎ5時限目も過ぎて放課後になった。
まだ約束の時間までかなりあるヒマだ。
俺は掃除をしてるやつに話しかけ「俺も手伝ってやろうか?」と申し出る。

「いやいや尾崎君に手伝ってもらう程の事じゃないよ」断られた。

佐伯が近づいてきて話しかけられる。

「本当に15時からの勝負受けるのか? 逃げたほうがいいんじゃない?」

「逃げた所であいつは明日の朝勝負をしかけてくるだろう。こう言う事は早期解決が1番なんだよ」
社会人の常識である。問題事は後に引き伸ばせば引き伸ばすほど大掛かりになる。問題は早期解決が1番なのだ。

あゆもまだ残ってて話しかけてきた。

「あんた本当にやるの? ボコボコにされて終りよ。あいつの強さは他の学校でも有名なんだから今からでも謝る用意しときなよ」
そういう心配的なあゆの言葉を払拭した。

「俺の同級生は昨日で学校の番とタイマンして勝ったよ。たぶん俺の友達より柏は弱いと思われる!」

「あんた何言ってんの! そんな名前も知れ渡らない高校と違うのよ。それにこの街の数少ない暴走族のリーダーだし!」
あゆはちょっとムッとして言ってきた。

「別に誰だろうが負ける気はしねーよ。プロが出てくれば別だがな」

あゆは「?」マークを浮かべた表情になった。

「暴走族の頭とタイマンなんてそうそうにあることじゃないしな」
俺は続けて言った。


「柏さんは別格だよ2年で暴走族の頭取ったんだから。勝てるわけ無いよ」
そう佐伯は言った。

「じゃあお前が喧嘩仕掛けられてきたらどうする?逃げるのか?」

「そりゃあ侘び入れるよ!」

佐伯は間髪入れずに答えた。

「まぁ観てろ。ワンチャンあるかもしれないぜ?」

そう言って2人の心配をよそにその場を去って体育館で部活の見学をしていた。
「そろそろ時間か」そういうと体育館裏に向かった。
この後思わぬ展開になる事は生徒一同誰も知るよしもなかった・・・・・・

Coming soon!!
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