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高校1年生

17話 デート

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11月すっかり寒くなった。

今日は圭介君とデートだ。

前回はサッカーを見に行ったけど今回はテーマパークに行く。

僕は姉と母に彼氏が出来た事を少し前に話していた。
そうするといつも以上にガーリーな洋服をたくさん買ってくれた。

僕はその中の一つを選んで着た。

なるべく大人っぽいのを選んだ。
フリルのついたブラウスに、ジャケットとスカートのセットアップだ。

スカートはいつも通りミニスカだ。
でも生脚だと寒いから黒のストッキングを履いた。

できればロングスカートとかズボンで寒さを凌ぎたいけど持ってないのでストッキングで我慢だ。

僕は準備をしてリビングに向かった。

最近はメイクも覚えてきて姉に見てもらいながら自分でさせられた。

長時間歩いたり立ったりするので
今日はスニーカーを履いた。

待ち合わせ場所まで向かう。

圭介君の方が先に着いていて、僕は小走りで向かった。

「みずき、おはよ~!」

「圭介君、おはよっ!」

会ってすぐに手を繋いだ。

僕から積極的に行く事はないから、圭介君は僕が恥ずかしがり屋だと思ってる。

別にそういうわけではない、僕の中でどうしても同性だからカップルみたいな事は躊躇してしまうのだ。

スニーカーは圭介君とお揃いだ。

普段はヒールやパンプスが多かった僕は久しぶりにスニーカーを履いた。

足元の写真を撮った。

同じスニーカーなのにサイズが全然違うから男女でペアルックにしてるのは靴を見ただけでわかった。

テーマパークに着いた。

11月だったから人も多すぎる事なく、いろいろなアトラクションに乗れた。

僕も圭介君も絶叫系が好きでたくさん乗った後に、お昼ご飯を食べて、パレードを見た。

「ホラー系行こうよ。」

僕はホラー系が苦手だ。

「怖いのは苦手なの。」

「いいじゃん。みずきの怖がる反応みたい笑」

「圭介君のいじわる。私が怖いの苦手って知ってるのに連れていくんだ。」

「でもカップルでホラー系は定番だよ!行こうよ!」

「そんなに言うなら、わかったよ。」

僕は押しに負けて行くことにした。

列が前に進むほど僕は怖くなっていた。

僕は自然と圭介君にしがみついていていた。

「やっぱりやめようよぉ、怖くていけないの、お願い」

「大丈夫だよ、俺がいるから、それにしても本当に怖いの苦手なんだな笑」

僕は入りたくないという気持ちが大きすぎて、なんとしてでも止めようと必至だった。

でも。僕たちの入る順番が来た。

真っ暗で肌寒い空間に2人で入り
僕は怖くてなかなか足が進まなかった。

圭介君に誘導されながら奥へ進んでいく。

「みずき、怖がりすぎ、偽物だから大丈夫だよ。心霊スポットな訳でもないし。」

「怖いものは怖いのっ!」

僕は圭介君に腕にしがみつきながら答えた。
次第に段々進めなくなってきた。

怖くて足が前に進まないのだ。

「そんなに怖いのか、ほら、おんぶするから駆け抜けようか。」

「ありがとう。」

僕は抵抗することなく、おんぶしてもらい最後まで圭介君にしがみついていた。

「みずき!ゴールだよ!」

そう言われて僕はゴールした事に気づいた。

「本当に怖ったんだから、もう怖いのは無しだよ。」

僕は精一杯圭介君に言った。

「ごめんごめん。こんなに怖がるなんて思わなかった。でもそういうところが男心くすぐって可愛いかったんだよ」

「もうっ!」

僕は恥ずかしいの誤魔化すために起こった口調で答えた。

「最後にパレード見ようか!」

「うん!」

僕たちはパレードの見やすい場所へ移動した。

良い場所を見つけて、圭介君の横に座ろうとしたら

「俺の前座ってよ、俺の方が背高いから前に座ってもパレード見れるし。」

ホラー系で僕が圭介君にしがみついてきたから自然と距離が近づいていたのだ。

僕は圭介君の前に、座った。
圭介君は後ろからぼくを覆うような感じで座った。

小さな僕は後ろから見たら見えていないだろう。

圭介君が軽く僕を抱くような感じだった。

パレードが終わり、立とうと思った時に
圭介君は僕に抱きついたまま離れなかった。

「どうしたの?もうパレード終わったよ?」

「もう少しこのままでいよう」

僕は耳元囁かれた。

「こっち向いてよ」

「わかった」

僕は体勢を変えて圭介君の方へ向いた。

すると、キスされた。

キスをされるのは文化祭の綾君以来だ。

でも、今回は彼氏だ。意識したくなくても意識してまう。

「ん…」

僕は思わず声が漏れてしまった。

「いきなりキスしてびっくりした?ごめんな」

「ううん、大丈夫。」

僕たちはテーマパークの出口に向かった。

駅まで歩き、別れ際に僕は顎をクイと上にあげられもう一度キスをした。

圭介君とは会うたびにドキドキする事が増えた。

男同士なのになぜなんだろう。
僕は唇に残った感触を思い出しながら帰ったのであった。







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