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9話 アジトで危機!
しおりを挟む私は盗賊の男に担がれ、どれくらい走っているのだろう。
既に周りは暗くなっていた。
····何も見えない。
だが男は、見えているのかこの暗闇の中でも、どんどんと森の奥に進んで行く。
私は暗闇が怖くて目を閉じた。
しばらくすると走りを止めた。
私は目を開けたら灯りが見えた。
私は上体を上げ振り向くと、大きな洞窟が見えた。
あそこがアジトなのかしら。
男はノシノシと歩き洞窟に入っていく。
「お頭!お帰りなさいやし!」
仲間らしき男が出迎えた。
「おっ!上等な女じゃないですか!さっきもカブスが連れて帰ってましたぜ!」
その男は私を値踏みするように見ている。
「そうか!すぐ向かう。」
「お頭····その子は輪していただけるんで?」
手揉みしながら聞いてくる。
私はドキッとした。
「こいつは輪さん。カブスが連れてきた女は後でな····」
盗賊のお頭はニヤリとして言った。
ネネ!
私は胸が締め付けられる思いをした。
盗賊のお頭はさらに奥の方に進んで行った。
所々の穴に布が垂らしてあった。男はその一つの布をめくり入っていく。
そこは、そこそこ広い空間だった。
中には大きなベッドもあった。
この人の部屋なのかしら。
私はベッドの横にある鉄格子があるところに入れられ、そこにはネネもいた。
「アリア様!」
ネネは少し小さい声で私の名前を呼び抱き締めてきた。
「ネネ!」
私も抱き締めかえした。
ネネも無事で良かった!
「大丈夫です!きっとキース隊長が見つけてくれます!」
ネネは希望を捨ててなかった。
勿論、私もそう思うわ!
「ひっひっひっ!しかし、いい女だなあ。」
盗賊の男が私達を舐め回すような視線を送ってくる。
····いやだわ。
私とネネはお互いに抱き合いながら、身を構えていた。
「ガブロス様!まだ他の者が帰って来ませんぜ!」
また新しい盗賊の男がやってきた。
その男は私達を見るとニヤニヤした。
「思ったより遅いな····。まあ、もうすぐ戻ってくるだろうよ。久しぶりに女が手に入ったんだ!宴会始めるぞ!」
ガブロスと呼ばれてた男が、叫ぶように言った。すると外から
「おっ!宴会だってよ!」
と言う声がする。
「やりますかい?」
先ほど入ってきた男がニヤリとしながら、私達とガブロスと呼ばれた男を交互に見る。
「おう!まずは酒だ!昨日盗った酒がまだたんまり残ってるだろう!それを持ってこい!見張りに2、3人は残しとけ。」
「へい!」
その男は颯爽と出ていった。
それからは次々と、ガラの悪い男達が入ってきた。
入る度に男達は私達を見ていきニヤニヤする。
そこそこの人数が集まり····20人くらいだろうか、宴会が始まった。
ガブロスが音頭取り
「「「「乾杯ー!」」」」
男達はお酒を一気飲みをし、ワイワイと話し始めた。
「お頭!あの女どもは輪していただけるんで?」
「ああ。ただし、あの青い髪のやつのみな!」
「えー!あの白銀の髪のやつはダメなんですかい!?」
「あれはダメだ。俺が楽しんだ後で貴族に売り付けるつもりだ。あまり傷者にすると高く売れねーからな!がっはっは!」
ガブロスは豪快に笑いながら言う。
私はその言葉にビクリとし震えた。
わ、私·····。
だが、その後の言葉で身体が固まった。
「その代わり、青い髪の女は俺が楽しんでからは、お前達の好きなようにしろ。お前らが飽きたら奴隷として売るしな!ボロボロになっても大丈夫だ!がっはっは!」
ガブロスはまたもや高笑いをし、お酒を煽った。
私達は身を寄せあい、この宴会が終わらなければいいと思った。
しばらくは、昨日襲ったのであろう商隊の痛ましい話しで盛り上がっていた。
聞くに耐えなかった。
すると、不意に一人の男が言った。
「お頭!後の奴らまだ帰って来ませんぜ。もしかしたら殺られんじゃ···」
その言葉で、ワイワイしていたのがシーンと静かになった。
「うむ。確かに遅いの···たが、残ってる奴らの半分は傭兵上がりだし、人数もこちらの方が多かったはずだから大丈夫だと思うが···」
ガブロスは自分の顎ひげを触りながら考えこむ。
「もしかしたら、追いかけられて逃げて遠回りしているのかもしんな。朝までに帰って来なかったら偵察をだすか····。だが万が一のことがある。宴会はここまでで、見張りを強化する。」
そのガブロスの言葉で他の者は片付けを始めて部屋から出ていった。
ガブロスは自分以外の者が出て行ったのを見届けてから、こちらにやってきた。
「さ~て。外は奴らに任せて俺は楽しませて貰うかな。」
ニヤリとしてポケットから鍵を取り出し、鉄格子の鍵を開けてノシノシと入ってきた。
「まずは青い髪の女から楽しませてもらうぜ。」
ガブロスはネネの腕を引っ張り、片手で身体ごと担ぎ上げた。
「離せー!」
ネネは足をじたばたさせ、ガブロスの背中をぽかぽかと殴っているが、ガブロスは平然として歩きだし鉄格子から出ていった。
そして空いているもう一つの手で鍵を閉めながら言った。
「こいつを可愛がったら、次はお前だ。」
背筋がゾクリとした。
ガブロスはベッドの上にネネを放り投げるように下ろした。
そしてネネに覆い被さって両手を上にし、両手首を左手で持って動けないようにした。
「これから可愛がってやるからかな。ぐへへへ」
ガブロスは気持ち悪い笑いをしながら、ビリッ!ビリッ!とネネの服を破いていく。
ネネ!
「止めてー!」
私は叫んだ。
早く!早く誰か来てー!
襲われるネネを見ながら、私は心の中で助けを求めることしか出来なかった。
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