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3話 皇太子の婚約者になりました!

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私達全員は固まってしまった。

「是非、アリア姫を私の妃に!勿論、正妃として迎えたいと思ってます。」

ルイス王子は私の方を見て、ニッコリしてます。

「ルイス皇太子····いや·····別に構わないのだが····正妃ならアリアよりも、年齢的にカトリーヌやバーバラの方が良いと思うのだが····」

お父様も動揺してますね。仕方がありませんわ。普通はまず上からお嫁に出すものですもの。

「それにアリアはまだ三才だ。しかもこの子の母親の身分が低い。到底正妃になるのは難しい。」

「メンデル国王、何を言ってますか。三才で結婚なんかしませんよ。アリア姫が15才になったらリンカーヌ王国に嫁いで頂きたい。今は婚約の形を取りたいと思っています。」

「ですが····」

お父様は汗をふきふきして、まだ動揺してます。
お父様としたら、カトリーヌ御姉様かバーバラ御姉様をあわよくば側妃にでもと思っていたに違いない。運が良ければ正妃。
まさか、末の娘の私で、正妃に望まれると思っても見なかったでしょう。

「私はアリア姫に一目惚れしたのです!」


ルイス王子はいきなり、愛の告白をしてきました。
三才にして愛の告白を受けてしまった。

御姉様達はルイス王子の告白に目玉が飛び出そうなくらい、見開いてます。
でも何て応えればいいんでしょう?

ふとお父様を見ると、すがるように私を見ていた。

お父様!三才児に何の期待をしているのですか!?
やはり断れということですね····。

「ルイス殿下、とても嬉しいですが私には荷が重すぎると思うのです。ですので····」

ルイス王子は私の言葉を遮り

「アリア姫!なぜそんなことを言うのですが!?重荷なんて····そんなこと思わないでください!貴女は私の横に居てくれるだけでいいのです!私はそれで幸せなのですよ!」

ルイス王子は自分に酔っているいるようで、大げさな動作をし、潤目をして言ってきました。

ちょっと引いちゃうわ····。

それからは、何とか思い留まらせようとお父様も私も試みるますが
「貴女しか要らない」「アリア姫が好きなんだ。」「貴女しか愛でない」とか、くさいセリフを散々はいて、最終目的にはお父様も私も折れてしまった·····。

私は三才児にして、皇太子の婚約者になった。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


時が経ち、私は12才になった。
私は美しく成長していった····らしい。(ネネ談)
胸も膨らみを持ち始め、白銀色の髪もお尻の辺まで伸びた。目鼻立ちもはっきりしており、頬はぷにぷにから少しスリムになった。姉妹の中でも一番の白い肌を持ち、頬っぺたにうっすら浮かんでいるピンク色が、可愛さを増している。ほどよい肉厚で、まるで口紅をしているかのようにピンク色の唇。

いつの間にかサマヌーン国きっての美貌の持ち主も言われるようになっていた。
10才くらいから縁談が何故かくるようになった。勿論全てお父様が断っている。

それはさて置きルイス王子の結婚が決まり、周りの私への待遇が変わった。

なんと!御姉様方からいじめがなくなったのだ!報復されるのが怖いみたい。
そんなことしないのにね。
お兄様達には国の有利になるように働きかけて欲しいとしつこく幼児に言ってくる始末。まだ嫁いでないんだから、私に言っても無駄なのに。
お父様は前より私に甘くなりました。

あとは皇太子妃になるべく、教育に力をいれられた。
マナーの教養。算数などの勉強。
またリンカーヌ王国の教師が滞在し、リンカーヌ王国の歴史なども学んだりした。

一番嫌なのがダンスのレッスン!初めて気づいたのだけれど、ワルツ以外のステップが上手くできない。そして上手にできないので毎回怒られている。
サボりたい····実際サボったことがあった。その時には

「皇太子妃になるという自覚があるのですか!」

と、もの凄く怒られました····トホホホ····。苦手なものは苦手なんです!


そんな中で、ルイス王子はとてもマメな方で、誕生日には必ずプレゼントと情熱的なお手紙を付けて贈ってきてくださいました。高級そうなドレスを主に贈ってくれた。あとは視察した国の特産品など。

毎年、このサマヌーン国に来てくれている。

そして毎回甘い言葉をくれた。

「どんどん綺麗になっていくね。」

「早くアリア姫にお嫁にきて欲しい」

「君一人だけだ。」

途中「好きだよ」から「愛してる」

に変わったりもした。

凄く情熱的な目で私を見て、口説いてくる感じだった。

私も女の子ですもの。
そんな風に言われると、私の気持ちも揺らいでくる。
今では私もルイス王子のことをお慕いしております。

私の方のルイス王子のプレゼントとはいうと、ハンカチ。
我が国でしか取れない糸で作るハンカチを毎年贈っている。
かなり高級品でもあるし、ハンカチは必要不可欠の物なので喜ばれている。

「贈ってくれたハンカチ、凄くいいね。流石、国有の糸で作ったハンカチだよ。母上なんて欲しいと言って私から取り上げようとしたんだよ。」

初めて贈った時に言ってくれた言葉。
それからはリンカーヌ王国の王妃様にも贈るようにしていた。

この国しか生息しない、ムシュムシュという虫が作っている繭で製作している。
ムシュムシュはあまり数はおらず、この国でも貴重は虫なのだ。
王族の子供が五才になったら、その虫をプレゼントされるのだ。

門外不出の虫で本来なら大切に育てて、王族が管理しているハウスで飼育し、厳重に管理し守っているのだが、私たちは部屋に小さな小屋を作り、そこで飼育している。私は名前をシャルと名付けて可愛がっている。とてもいい子で一週間に一回は大きい繭を作ってくれて、それの繭を使い、一年かけてハンカチを作っていた。

その虫は、お嫁に行く時に花嫁道具として持っていっても良いとなっている。門外不出なのに?と思われるかもしれませんが、他の国では持ち出しても大体死んでしまう為、構わないということらしいです。だけど死んでしまうのは可哀想なので大体、国に寄付して嫁がれることが多い。

私は出来れば連れて行きたいなと思っています。

そして今、思っていること。
それは一度、嫁ぎ先であるリンカーヌ王国に行ってみたい!
だって生涯過ごすことになる国のことを知りたいと思うのは当たり前ですわ!
それにルイス殿下がどんな風に過ごしていて、国民の信頼度とか知りたいです。
そして、他の国がどんな感じなのか観光をしてみたかった。

それを実行する為、お父様にお願いをしに行ったら····

「何を言っておる!ダメに決まっておるだろう!嫁入り前なのに、旅の道中に何かあったらどうするんだ!」

かなり猛反対されました···。

でもどうしても行きたくて、ちょっとしたストライキと、泣き通しをしたら、お父様に妥協案が出されました。

「そこまで言うのなら条件を出す。各教科で全て90点以上を取り、ダンスとマナーでは教師から合格と言われたら行っても良い。明日から1ヶ月以内にクリア出来なければ諦めるんだ。」

なかなか無茶な条件を出されたけど、リンカーヌ王国に行く為!頑張らなくちゃ!


もう、頑張った!頑張った!寝る間も惜しんで勉強しました!

歴史などは勉強したらすぐに点数が取れたけど、マナーと、ダンスが足を引っ張っていた。

うぅぅ~!
両方苦手だから、なかなか合格点を貰えない。

「アリア姫!フォークはあれほど余り音を立てずに使わないといけないと言っていますのに、どうして食べ物を切る時に音を出すのですか!はい!やり直し!」

そんなの無理ですぅぅ!絶対音が出ます~!

「もっと優雅に歩いてください!」
「常に笑顔は忘れずに!」

果たしてそこまで求められることなのか!?と思ってしまう。

厳しすぎる!

と言うと、先生は
「王妃たるもの、皆の見本にならなければなりません!」

厳しい····。

悪戦苦闘しながら、何とか合格点まで持っていった。

あとはダンスだけ····。
護衛の騎士団の者に練習台になってもらい、相手の足を散々踏みながら練習を積み、テストでギリギリ1ヶ月で合格を貰った。

ダンスの合格を貰った日は、私はも疲れきって死んだように眠りについた。

次の日、早速お父様の元へ向かった。

疲れた····疲れたました~!でもこれで旅行に、リンカーヌ王国に行ける!
私は旅行の期待を胸に、お父様の許可を貰う為謁見した。
最初、お父様は渋りましたが、

「約束です!」

と私が言い切り許可がおりた。

部屋に戻る私の足取りは軽く、早速、ネネと旅の準備を始めた!

リンカーヌ王国に行くことは、ルイス王子には内緒にしようと思っている。
会った時の驚いた顔が見てみたい!

ふふふ。どんな反応するかしら?私に突然会えて喜んでくれるかしら!?それとも····!?

私はこれからどんなことが起こるのか楽しみで仕方がなかった!
私は期待に満ち溢れ、旅の準備に精を出した。


本当の現実を突き付けられ、帰る時には最悪な気分になるとも知らずに·····。
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