6 / 6
5、Wishing you
しおりを挟む
二人だけのベッドで、幸せの温もりを分け合って寄り添っている。
「気持ちよかったね、イオス君」
「……っ」
うっとりとした声で幸せそうにシグさんにいわれて、俺の胸がいっぱいになる。
「よ、よかっ」
泣きそうだ。声がつまってしまう。
優しく慈しむように背が撫でさすられて、後頭部を包み込むようにされて、顔が近づく。
柔らかに愛を伝える口付けは、清かで神聖な感じがした。
「好きだよ」
愛し気に囁かれると、ほたりと涙がこぼれてしまう。
自分も。
自分も、そうなのだ。
そんな想いが、自然と湧いた。
「お、……俺も。好きです」
必死に言えば、間近に見つめるシグさんの目に喜びの色がふわっと浮かんで……それがすごく幸せなのだ。そんな自分を自覚して、思うのだ。
愛されて、幸せ。
愛するのが、幸せ。
ああ、俺のスパダリはこの人なんだ。
そして俺も、この人のスパダリになりたい。
いっぱいいっぱい喜ばせてあげて、幸せにしてあげたい……愛された分、何倍も愛したい。嬉しかった気持ちを、何倍にもして返して嬉しくさせてあげたい。
好きだ。
大好きだ……!
「君のことが、好きだよ。いっぱい、いっぱい」
「俺も、好き。大好き……」
「ずっと、君だけだよ。大切にする。幸せにするよ」
「俺も、俺も……シグさんだけ……シグさんを幸せにしたい……っ」
「愛してる」
「愛してます」
オウムみたいに繰り返して、何度も何度もキスをする。
分厚いカーテンに守られた部屋の中、あったかな温もりの中。
特別な夜に燈るたくさんの光の中のひとつ。
二人でひとつの光の中、巣で身を寄せ合い、愛し合って――この夜は、最高に素敵なクリスマスとなったのだった。
Wishing you ――a special and magical Christmas.
――特別で魔法のようなクリスマスになりますように。
……happy end♡
「気持ちよかったね、イオス君」
「……っ」
うっとりとした声で幸せそうにシグさんにいわれて、俺の胸がいっぱいになる。
「よ、よかっ」
泣きそうだ。声がつまってしまう。
優しく慈しむように背が撫でさすられて、後頭部を包み込むようにされて、顔が近づく。
柔らかに愛を伝える口付けは、清かで神聖な感じがした。
「好きだよ」
愛し気に囁かれると、ほたりと涙がこぼれてしまう。
自分も。
自分も、そうなのだ。
そんな想いが、自然と湧いた。
「お、……俺も。好きです」
必死に言えば、間近に見つめるシグさんの目に喜びの色がふわっと浮かんで……それがすごく幸せなのだ。そんな自分を自覚して、思うのだ。
愛されて、幸せ。
愛するのが、幸せ。
ああ、俺のスパダリはこの人なんだ。
そして俺も、この人のスパダリになりたい。
いっぱいいっぱい喜ばせてあげて、幸せにしてあげたい……愛された分、何倍も愛したい。嬉しかった気持ちを、何倍にもして返して嬉しくさせてあげたい。
好きだ。
大好きだ……!
「君のことが、好きだよ。いっぱい、いっぱい」
「俺も、好き。大好き……」
「ずっと、君だけだよ。大切にする。幸せにするよ」
「俺も、俺も……シグさんだけ……シグさんを幸せにしたい……っ」
「愛してる」
「愛してます」
オウムみたいに繰り返して、何度も何度もキスをする。
分厚いカーテンに守られた部屋の中、あったかな温もりの中。
特別な夜に燈るたくさんの光の中のひとつ。
二人でひとつの光の中、巣で身を寄せ合い、愛し合って――この夜は、最高に素敵なクリスマスとなったのだった。
Wishing you ――a special and magical Christmas.
――特別で魔法のようなクリスマスになりますように。
……happy end♡
21
お気に入りに追加
92
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
悩ましき騎士団長のひとりごと
きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。
ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。
『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。
ムーンライト様にも掲載しております。
よろしくお願いします。
朝が来てもそばにいて〜聖夜の約束〜
雛
BL
小学二年生のクリスマスイブに、爽真は誰にも言えない秘密を抱えてしまった。──それは、サンタクロースに一目惚れしてしまったこと。
白い髭のおじいさんのイメージとはかけ離れた、綺麗な青年サンタ・凛。年に一度しか会えない彼の気を引こうと、爽真は奮闘する。
一方、無気力で子供嫌いのサンタクロース・凛は、素直で真っ直ぐな爽真に振り回されつつも、次第に心を開いていく。しかし、年々大人になっていく爽真と、子供にしか見えないサンタである凛の間には、越えられない『時間』という大きな壁が。
ずっと一緒にいる未来のために、彼らがした選択とは──?
異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。
オレと親友は、どうやら恋人同士になったらしい
すいかちゃん
BL
大学3年生の中村弘哉は、同棲中の彼女に部屋を追い出されてしまう。親友の沢村義直の部屋に転がり込み、同居生活がスタートする。
ある夜。酔っぱらった義直にキスをされ、彼の本心を知る事になった。
親友だった2人が、ラブラブな恋人同士になる話です。
魔性の男は純愛がしたい
ふじの
BL
子爵家の私生児であるマクシミリアンは、その美貌と言動から魔性の男と呼ばれていた。しかし本人自体は至って真面目なつもりであり、純愛主義の男である。そんなある日、第三王子殿下のアレクセイから突然呼び出され、とある令嬢からの執拗なアプローチを避けるため、自分と偽装の恋人になって欲しいと言われ─────。
アルファポリス先行公開(のちに改訂版をムーンライトノベルズにも掲載予定)
[BL]王の独占、騎士の憂鬱
ざびえる
BL
ちょっとHな身分差ラブストーリー💕
騎士団長のオレオはイケメン君主が好きすぎて、日々悶々と身体をもてあましていた。そんなオレオは、自分の欲望が叶えられる場所があると聞いて…
王様サイド収録の完全版をKindleで販売してます。プロフィールのWebサイトから見れますので、興味がある方は是非ご覧になって下さい
婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました
ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。
愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。
*****************
「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。
※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。
※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。
評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。
※小説家になろう様でも公開中です。
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。
近況ボードをご覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる