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第二十五話 無情の剣 桑原一心

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 真夜中だというのに戸をがんがんと叩く音がした。
 中山屋の店の戸である。
 それに気づいた永山宗之介と佐々木琴は刀をたずさえ店の戸まで来た。いつでも動ける様にと身支度は解いていない。
 永山宗之介は刀のつかに手をやり「どなたかな」と問いかけた。
 「大村右近の身内の大村左近という。信じてくれるなら中に入れてほしい。おりんの姉のおたつを連れてきた」
 その言葉に永山宗之介と佐々木琴は顔を見合わせた。
 「他に頼れる所がない。頼む、おたつを助けてやってくれ」
 その言葉を聞いて永山宗之介は戸を開いた。佐々木琴は抜き打ちする構えを取る。
 そこには意識を失っているおたつをおぶった男がひざまついていた。
 「佐々木殿、頼む。今おたけを連れてくる」永山宗之介はきびすを返して奥へと走っていく。
 佐々木琴はふたりを店の中に入れると、大村左近とともにたつを横たえた。永山宗之介がたけを連れて戻ると「申し訳無い。兄者はおたつを護れと言ったのだが、黒錦党を倒すのに人手が足りぬかもしれない。私も富士屋に行く」と言って大村左近が出ていこうとする。
 「そこに日影殿と前田のはいるのか」と佐々木琴が聞いた。
 「あ、ああ。ふたりが兄者の加勢に行ってくれたのだが、そのまま本拠地に向かうかもしれない」
 「ならば私も行く。案内しろ」
 永山宗之介はそれを聞いて「佐々木殿、危険だ。あのふたりに任せなさい、おりんはどうするのです」と止めようとする。
 「……約束をたがえる。永山殿頼む。大村左近殿、案内してくれ」
 「すまぬ」
 そう言ってふたりは駆け出していった。
 「私も加勢したいのですが」そう言って、永山宗之介はたけの方を見た。
 永山宗之介は握りこぶしを震わせていた。
 たけはそれを見て少し悩む様な顔をすると「宗之介様、こちらへ」と声をかけ奥へと戻っていった。
 
 「まさか儂らが強盗紛いの様な事をする羽目になるとはな」と前田主水が言った。
 そこは富士屋の裏口である。
 「決して表の人間を斬ったりするなよ。黒錦党の連中も皆殺しにするな。大蛟如水おおみずちにょすいの居所を知っているはずだ」
 「分かってるがな。おっ、扉に鍵がかかっていない」
 「嶺岸千寿みねぎしせんじゅの帰りを待つ為だろう」
 日影兵衛がそう言うと、三人は中へ入っていった。
 富士屋は店のある表向きの建物とその後ろにも建物がある構造になっていた。
 後ろの建物は煌煌と明かりが灯り、やけに騒がしい。
 「ちょうどいい。店の者と奴らの区別がしやすい」と大村右近が言った。
 「俺達は強盗だから正面から行く」日影兵衛がなにも考えていなそうに言うと、三人は駆け出して、いきなり裏手の建物の障子しょうじを蹴破る。
 そこには十人程の手下と、三人の偉そうな奴が宴会をしていた。押し込みの前祝いといったところであろう。
 「な、何だ貴様らは」と口々に言って立ち上がろうとした雑魚を三人はつぎつぎと斬り飛ばす。
 「荒木田伝助、林小次郎、江戸川士郎だな。俺の事を忘れたとは言わせん」
 大村右近は叫んだ。
 「落ち着け右近。荒木田伝助とはどいつだ」日影兵衛は大村右近が一番最初に言った男がどれかたずねる。
 「真ん中の奴だ」
 「ではそいつだけ残そう。俺がやる」
 「何だと、舐めるな」そう言いながら敵の三人は切りかかって来た。
 日影兵衛は荒木田伝助の斬撃をあっさり躱すと鎖骨を強烈な峰打ちで粉砕する。肋骨まで折れたかもしれない。
 大村右近と前田主水も林小次郎と江戸川士郎をあっさりと斬り倒していた。
 「さて、こいつをどうする」前田主水は荒木田伝助を踏みつけ腹に体重をのせてぐりぐりと足をねじ込む様にする。
 言葉にならない悲鳴を上げる荒木田伝助。
 「主水、遊ぶな」そう言って日影兵衛は近づき荒木田伝助の喉元に刀の切っ先をあてる。そこからじわりと血が滴り落ちた。
 「おいお前。正直に答えたら生かしておいてやる。お前らのかしら大蛟如水おおみずちにょすいは何処にいる。お前らはそこから来たのだろう」
 「み、見逃してくれるのか」
 「二度言わすな」日影兵衛は切っ先を横に滑らせた。
 荒木田伝助の首の傷が大きくなる。
 「やめてくれ、話す話す、助けてくれ」
 「いいから喋れ」
 「よ、淀川にこの店の蔵が三つある、そ、そこにいる」
 「馬鹿な事を言うな。請人屋うけにんやが蔵を持つわけがなかろう」日影兵衛はさらに切っ先を動かす。
 「ほ、本当だ、嘘じゃない。嶺岸千寿みねぎしせんじゅが富士屋を脅して買い取ったのだ」
 日影兵衛は大村右近の方を見た。
 「淀川の方はまだ調べていないのだが、こいつらが大阪に行くつもりならあり得る」
 日影兵衛は再び荒木田伝助の方に目を向けた。
 「その蔵はどうしたら見分けがつくのだ」
 完全に怯えてしまった荒木田伝助は「あ、青い屋根だ。そんな色をした蔵は他にない」
 「そうか。ではさらばだ」日影兵衛はそう言って荒木田伝助の首を刎ねた。
 「見逃すわけがなかろうが」斬り殺した日影兵衛の顔は無表情である。
 そして富士屋にたむろしていた黒錦党は全滅した。
 「まだ嶺岸千寿が仕事をしていると思っているだろう。直ぐに向かうか」と大村右近。
 「無論。こいつらが淀川に戦利品を持ち込む迄の時間はまだあるだろう。 日が登る頃に見つければ問題ないと思うが。夜では屋根の色がわからん」
 「とにかく、淀川まで行って探れるだけ探って見れば」
 前田主水がそう言うと、日影兵衛と大村右近は頷き富士屋から出ていった。
 
 大村左近と佐々木琴が富士屋の裏口に着くと、敷地内は大騒ぎになっていた。
 「これでは兄者が何処に向ったかわからん。同心や岡っ引きでいっぱいだ。時が移る、どうするか」
 佐々木琴はそれを聞きながら敷地内を探る。
 そしてたまたま裏口の方へやって来た富士屋の奉公人を見つけると、いきなり中に入ってその奉公人を捕まえ口をふさぎながら裏口の外まで引きずってきた。
 「……思いきった事をするな」
 佐々木琴はそれには答えずに奉公人に問いかけた。
 「悪い様にはせん。ひとつ聞きたい事があるだけだ。教えてくれまいか」
 佐々木琴が女であることに気がついたせいか、奉公人はがくがくとうなずく。
 「富士屋の建物は他にどこかあるのか。大声を出すなよ」佐々木琴はそう言うと、自分の刀を少し抜いて見せる。
 「同心どもがこちらへくるぞ、佐々木殿」
 佐々木琴は頷いて、奉公人の口から手を放した。
 「あ、あ、あの、淀川に番頭様が買い入れた蔵が三つああります。なんの為に買い取ったのかはわかりませんが、ふ、富士屋の者はみな知っています」
 大村左近と佐々木琴は頷いて、奉公人を開放すると淀川へ向かって走り出した。
 どうせ奉公人は同心に報告するであろう。その前に富士屋から離れなければならない。今は聞き出した情報を信じるしかなかった。
 
 「あれかな。真っ青という訳では無いのだな。よく見なければ気づかんな」
 前田主水は蔵を見ながらそう言った。その蔵の前の淀川には小舟が三艘とめられている。
 「三つか。どれから入る」と大村右近。
 「手前から順番に入るか。どうせ皆殺しだ」日影兵衛はあまり考えずに物騒な事を言った。
 三人はその蔵のの前に立つ。
 「外側の鍵は開いているが内側にかんぬきがかかっているぞ」と前田主水。
 「任せろ」日影兵衛はそう言うと、刀を抜き頭上に掲げ、振り下ろした。中のかんぬきと、鎖が切り落とされた音がした。
 月光である。
 前田主水が扉を蹴破ると、そのまま三人は蔵に突入する。いきなりすえた匂いが鼻を突いた。
 蔵の中央に、十人ほどの男がひとりの女をなぶっていた。そしてその奥に置いてある樽のひとつにひとりの男がそれを見ながらにやにやして酒を飲んでいる。
 蹴破られた蔵の扉の方に全員が目を向けた。
 それを見据えた三人。
 いきなり大村右近が「この外道が」と叫んで走りこんだ。敵は誰も刀を身に着けていない。
 「取り乱すな、右近」と、日影兵衛が言いながら前田主水ととともに走り込む。
 女を取り囲んでいた盗賊どもは声を上げる間もなく切り殺された。
 「右近、あいつが大蛟如水か」との日影兵衛の問いに「いや、赤山正蔵という下衆野郎だ」と大村右近が答える。赤山正蔵はみっともない格好をして己の刀を手に取ろうとした。
 それを無言で首を刎ねる大村右近。
 そして三人は意識を失って倒れている女の元へ駆け寄った。
 「このおなごが橘遊侠のむすめだ。おらんという。俺は……」顔を青白くした大村右近はそこで言葉を失った。
 「俺が橘遊侠を殺したせいでもう用無しとこの様な目に」と日影兵衛は誰にともなくつぶやいた。
 そこにふたりの人影が入ってきた。大村左近と佐々木琴である。扉が蹴破られた蔵を見つけてやって来たのだ。
 「左近、お前」
 「お琴、何故ここにいる」
 日影兵衛と大村右近が同時に言った。
 「おたつさんは中山屋に預けた。三人で押し入るのは無謀であろうと思って」と大村左近。
 「仕方あるまい。お琴、この娘を頼む」
 佐々木琴はらんを見て、青ざめながら抱きかかえた。
 「他の奴らが来るかもしれん。ひとりで大丈夫か」
 それに頷く佐々木琴。その目は怒りに満ちている。
 
 「真ん中だ。しかし外れの様だ。お前ら、どうする」と日影兵衛が問うた。
 「なぜ外れと分かる日影殿」と前田主水が首をひねる。
 「外側から鍵が掛かっている。中にいるならこれでは出られまい」
 「ああ、そうか。流石日影殿」
 「流石も何もあるか。よく考えろ」
 「先程の様に誰か囚われているかもしれませんが、親玉を片付けてからのほうが安全では無いでしょうか」と大村左近。
 「一理あるが」そう言って大村右近は扉に近づいた。
 「……酷い血の臭いがする。ただの蔵では無さそうだ」そう言って大村右近は皆の顔を見た。
 「嫌な予感がする。主水、もし囚われた者がいたら護ってやってくれるか。お琴と合流してくれ」
 「それは構わんが、最後の蔵を三人でとは厳しくないか。そこが当たりなら頭を護る手下がうようよいるに違いない」
 「たまにはまともな事を言うな。どうする」と日影兵衛は大村兄弟の方を見た。
 「後顧こうこの憂いを断つ方がいいかもしれん」と大村右近。
 「私も兄者と同意見です。もし手に負えぬものがあって、それを使われたら危険におちいるかもしれないかと」
 「焙烙火矢ほうろくひやか火縄か何かか……ここで騒ぎを起こせば、最後の蔵から幾らか敵を引きつける事ができるかもしれん。迷っている暇はないな。やるぞ」日影兵衛の言葉に頷く三人。
 焙烙火矢とはいわゆる手榴弾の様なものである。江戸時代では大塩平八郎の乱で使われている。
 日影兵衛は再び月光を放って鍵を断ち切り、四人は蔵に押し入った。
 しかしそこにはひとりの男しかいなかった。
 立ちのぼる血の匂い。
 無残に切り殺された幾人もの男女の惨殺体。そして天井から吊るされたひとりの男。
 その男を見ながら、飯を食っている奴がいた。蔵の中にはその男がひとりしかいない。
 この状況で、平気な顔をして飯を食えるとは。
 「何だ、おかわりを持ってきてくれたのか。今日は気前がいいな。縛ったまその辺に転がしておけ」そう言って男は立ち上がると日影兵衛達の方を見た。やけに痩せこけて背が高い男である。
 日影兵衛、大村右近、大村左近はそいつの顔に見覚えがあった。
 「桑原一心んんん」と叫ぶ大村右近と左近。
 「貴様の顔は忘れることができぬ」と唸る日影兵衛。
 今にも斬りかかろうとする大村右近と左近を日影兵衛が止める。
 「俺のお楽しみを邪魔するなあ」と桑原一心は言いながら、己の刀についた血糊を舐める。
 「貴様、江戸の神山屋と上総屋の事を覚えているか」
 「ああん、お前は自分が斬り殺した人数を覚えているのか。そんな店の名前など……ああ、思い出した。二件一緒に襲った奴だ。人が大勢で斬り放題だったあれだ。
 途中で行灯あんどんを倒した奴がいて火が廻ったのが残念であったな。もっと斬らせろと言うのになあ。だから俺は隣の店もついでに襲ったのだ。あはははは。
 だがあれだけ一度に斬りまくれたのはその時だけだ。だから覚えているぞ。何だお前、今更か。ひゃはははは」
 「貴様……」と怒りに満ちた声を上げる日影兵衛。
 「ああ、そっちの二人、お前らも見覚えがあるぞう。あの女は色々と楽しませて貰ったな。よく泣いてたっけかなあ。仲間がいなければもっと楽しめたのに惜しかった。
 命を奪う瞬間は最高だったぞ。お前ら二人もあの女が成仏する所を見られて良かったろう。ふはははは、お前らがあれを思い出しながら苦しんで死ぬところが見たい。見たいぞう」
 「き、貴様あ、ふざけるなあああ」
 「こ、こいつあああ」
 大村兄弟は激昂した。
 「さ、三人とも」前田主水はそれしか言えなかった。
 「阿呆どもめ、これと同じようにしてくれるわ」
 桑原一心はそう言うと、天井から吊るされていた男の胴を両断した。叫び声が響き渡る。
 「その男、まだ生きていたのか。そこまでしながら生かしておいただと」前田主水は声を荒げた。
 「何を言う。できるだけ死なないように斬るのが楽しいのではないか」
 「こいつ、狂ってる。狂っているぞ」前田主水がそう言った後ろから「何やら騒がしいと思ったら、鼠が入り込んでいたのか。桑原は扱いが難しいからここでやりたい放題させていたのに、余計な事をする」と声をかける男。
 その横にいた男が「あっちの蔵もやってくれたな。女ひとりを護る為に仲間を置いてきた様だな。そろそろ倒した頃合いかな」などと言った。
 「お、お琴」と動揺する前田主水。
 「近衛重郎、米原暮波、貴様ら何処まですればっ」大村左近が怒りを飛ばした。
 「俺が道を開ける。主水、お琴のところへいけ」
 日影兵衛はそう言うと、いきなり姿が消えた。
 同時に近衛重郎と米原暮波がばっと横に飛び下がる。しかし後ろにいた雑魚はことごとく斬り倒されていた。
 前田主水は日影兵衛が穿うがった道を駆け抜けて、邪魔する雑魚を斬り捨てながら佐々木琴のいる蔵の方へ向かう。
 「けったいな技を使うと聞いていなかったらやばかったな」近衛重郎がそう言うと「上手く避けられたものだ」と米原暮波が返す。仲間が死んだというのに気にした様子もない。
 蔵の出入り口に現れた日影兵衛は言った。
 「頭目の取り巻きだけあってそこそこ腕が立つようだな。しかし貴様ら、地獄にも行けぬ様にしてくれる」
 日影兵衛のその瞳に闇が見えた。
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