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塩対応にめげなかった男の独白~1
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「うわ…凄い…」
目が痛くなるほどの光彩を見上げて感嘆の声を上げた美緒に、俺は今日の計画も成功したのだと確信した。
今週末はクリスマスに一番近い週末という事で、世間はクリスマス一色だ。これまでは自分には関係ないイベントだと思っていたが…今年は違う。いや、今年だけじゃない、来年も再来年もずっと、俺にとっては重要で外せないイベントになった。偏に目の前で嬉しそうな表情を浮かべる唯一の存在のためだ。
「美緒!」
あの引っ越しの日、荷物を車に置いてから大家さんに声をかけて部屋に戻った俺は、部屋のドアが閉まっている事を不審に思い、慌てて部屋に入った。直ぐに戻ると言ったのに、鍵までかけるなんて普通じゃないと感じたからだ。
部屋に入ると案の定、美緒は怯えた表情のまま自分の方に逃げてきて、その後ろにフードを被った人物が見えた。そして…その手に銀色に光るものがあったのも…
咄嗟に美緒の身体を相手から守る様に抱き込んだところで、焼けつくような痛みを感じた。失敗した…と思ったが後の祭りだ。それでも美緒に害がなかったと安心したが…腕から血を流している事に気が付いて、俺は慌てた。自分よりもそっちの方がよっぽどマズイと思ったからだ。
だが…まずかったのは俺の方だった。フードを被った人物は早川で、あの女は美緒に逆恨みして狙っていたらしい。あの脅迫文を投函していたのもあの女だった。しかも厄介な事にあの女は、俺にナイフが刺さったと分かってパニックになり、ナイフを抜き取ってしまったのだ。刺さったままなら出血は抑えられたのに、抜いたおかげでより一層出血してしまった。…全く、どこまでいってもはた迷惑なヤツだった。お陰で俺は大家さんが呼んだ救急車が来る頃には…意識が朦朧としていた。
目が覚めた時、美緒の姿が見えない事に慌てたが、事態は俺の想像の斜め上をいっていた。美緒は襲われた事で想像以上に大きなショックを受けていた。美緒は入院中、何度か俺の様子を見に来ようとしたらしいが、部屋に近づくとパニックを起こしてしまったという。俺も絶対安静で動けず、美緒も俺に近づけないまま日が過ぎて、美緒は先に退院していった。よっぽど怖かったのか、俺のマンションに戻ろうとしたが過呼吸を起こして中に入れなかったという。医師の勧めもあって、美緒は母親の元に戻ってしまった。
俺はそれほど大事だと思わなかった事件だったが、美緒は違った。怪我は大した事がなかったが、襲われた恐怖で外に出られなくなってしまったのだ。気が強くてしっかり者だと思っていたけれど、俺が思う以上に繊細で脆かった。いや、そんなギャップも可愛いんだけど…
あの時、大怪我をして動けなかったのはある意味幸いだった…と俺は思っている。でなかったら、俺は怒りに任せて早川を殴り殺していたかもしれない…もしそんな事になれば今以上に美緒を苦しめたし、今一緒にいる事は適わなかった。怪我の功名とはちょっと意味が違うが、怪我のお陰で俺自身が犯罪者にならずに済んだのは幸いだった。
それでも…美緒のあまりのショックの受け方に、俺は初めて美緒との関係を躊躇してしまった。栗原は俺と小林の金を手に入れようとし、早川は俺を落とそうとしたのが始まりだった。美緒のせいで失敗したから矛先が美緒に向いてしまったが、そもそもの原因は俺だったのだ。
退院してから二週間、俺はマンションで一人、今後どうするかを考えていた。美緒と一緒にいたい、手放すなんて考えられないと思うのだが、一方で一緒にいればまた傷つけて苦しめてしまうかもしれない、とも思ったし、その可能性は否定できなかった。春花さんを見ていれば分かり切った事だ。その両価的な問いに、俺は答えが見つけられずにいた。
それに…母さんや春花さんは大人しそうに見えて、実は結構芯が強い。だが美緒は逆なのだ。パッと見た目は気が強くて根性があるように見えるが、内面は傷つきやすくて脆い。何だかんだ言いながらも俺の押しに流されていたのがその証拠だ。中身が見た目のまんまだったら、俺に絆される事はなかっただろう。
心配で仕方なかったため、美緒のお母さんに事情を話し、美緒の様子は教えて貰った。退院すると直ぐ、両親と共にお母さんにも会いに行った。今回の出来事は完全に俺のせいだから、お詫びとこれまでの経緯を説明するためでもあった。幸いだったのは、美緒のお母さんが俺を責めず、むしろ娘を好きになってくれて有難いと言ってくれた事だろう。
「あの美緒がねぇ…ちゃんと恋愛が出来たならよかったわ。しかもこんなにかっこいいなんて…あの子面食いだったのね」
そう言って俺を受け入れてはくれたけど、美緒を傷つけた原因は俺だったから、言葉通りに受け取る事は出来なかった。それでもお母さんは、美緒が父親との事で男性不信になった経緯などを教えてくれたし、あの事件があっても美緒との事に協力すると言ってくれた時は泣きたいほど嬉しかった。それでも、この時はまだ美緒の調子がよくなかったため、会うのは諦めた。近くに来たのに顔も見られないのは、怪我なんぞ比にならないほど苦しかった。
よりを戻せたのは…幸運だったかもしれない。お母さんの話では、美緒は会社を辞めて母親の元で再就職しようと言い出していたらしい。そこまで追い詰めてしまったのかと愕然としたし、そこに俺の存在がなかった事に恐怖を感じた。美緒の中で俺は、完全に黒歴史になっていたからだ…
このまま離れようか…いっそ開設予定の海外支社に手を挙げて日本を離れてしまおうか…そう考える事もあったが、それを止めてくれたのは美緒のお母さんだった。お母さんの話では、美緒はうなされている時によく俺の名を呼んでいるのだと教えてくれた。美緒なりに俺を想っているからもう暫く待って欲しい、と。そんな風に言われると期待してしまうから、期待させないで欲しいとは思ったが…そう言われてしまえば離れる決断など出来るわけがなかった。
転機は事件から一月ほど経った頃に訪れた。会社への復帰にゴーサインが出たのだ。それを一つの区切りにしようと思った俺は、思い切って会いに行く事にした。お母さんに聞いたところ、美緒も随分落ち着いてきたという。事前に連絡してから…とも思ったが、その方がストレスになるから連絡なしの方がいいとお母さんに言われた俺は、お母さんが休みの日を狙って美緒に会いに行った。
一月ぶりに会った美緒は、想像以上に痩せていて、力なくベンチに座っていた。俺を見て狼狽えたのを見て、正直、ここまで辛い思いをさせたのかとショックだったし、会いに来ない方がよかったのかもと後悔した。
それでも逃げる事なく、俺の話を聞いてくれたし、触れさせてくれたのは嬉しかった。もしかしたら罵られたり怯えられて会話にならないか、一目散に逃げられるのではないかと思っていたからだ。さすがに触れた途端に泣き出してしまったのには慌てたが…それでも俺のシャツをしっかり握っているのに気付いた時は、まだ間に合ったのだとホッと胸をなでおろした。
それからは、思った以上に関係は修復出来た…と思う。旅館で二人きり、テレビすらもつけず過ごした時間は、これまでにない程に充実していた。元々俺が一方的に美緒を囲い込もうとしていたから、じっくり話し合うなんて事もなかったのだ。美緒が自然に俺を好きだと言ってくれたのは、俺にとって一生の宝物になるほどに尊い瞬間になった。
プロポーズに関しては…失敗したと思っているし後悔している。あれは俺の人生最大の汚点だ。始まりが始まりだっただけに、俺だってプロポーズはいい雰囲気の場所で、ちゃんと指輪も用意して…と手順を踏もうと思っていたのだ。
でも、控えめながらも好きだと言われて舞い上がってしまい、そんな計画は全て吹っ飛んでしまった。結局今までと同じように、無理やり返事を貰うという失敗を繰り返してしまったのだ。あれは…何度思い出しても後悔しかない…あの時の自分をぶん殴りたいし、もう一度やり直したかったが、美緒はそれを許してくれなかった。
…それでも、ちゃんと返事を貰えたから、結果オーライなのだが…最高にみっともないプロポーズだったけど…人には絶対に言えないけれど…イエスと言って貰えた。ああ、正直に言うよ、最高に嬉しかったし、生まれて来てよかったってマジで思ったよ。
目が痛くなるほどの光彩を見上げて感嘆の声を上げた美緒に、俺は今日の計画も成功したのだと確信した。
今週末はクリスマスに一番近い週末という事で、世間はクリスマス一色だ。これまでは自分には関係ないイベントだと思っていたが…今年は違う。いや、今年だけじゃない、来年も再来年もずっと、俺にとっては重要で外せないイベントになった。偏に目の前で嬉しそうな表情を浮かべる唯一の存在のためだ。
「美緒!」
あの引っ越しの日、荷物を車に置いてから大家さんに声をかけて部屋に戻った俺は、部屋のドアが閉まっている事を不審に思い、慌てて部屋に入った。直ぐに戻ると言ったのに、鍵までかけるなんて普通じゃないと感じたからだ。
部屋に入ると案の定、美緒は怯えた表情のまま自分の方に逃げてきて、その後ろにフードを被った人物が見えた。そして…その手に銀色に光るものがあったのも…
咄嗟に美緒の身体を相手から守る様に抱き込んだところで、焼けつくような痛みを感じた。失敗した…と思ったが後の祭りだ。それでも美緒に害がなかったと安心したが…腕から血を流している事に気が付いて、俺は慌てた。自分よりもそっちの方がよっぽどマズイと思ったからだ。
だが…まずかったのは俺の方だった。フードを被った人物は早川で、あの女は美緒に逆恨みして狙っていたらしい。あの脅迫文を投函していたのもあの女だった。しかも厄介な事にあの女は、俺にナイフが刺さったと分かってパニックになり、ナイフを抜き取ってしまったのだ。刺さったままなら出血は抑えられたのに、抜いたおかげでより一層出血してしまった。…全く、どこまでいってもはた迷惑なヤツだった。お陰で俺は大家さんが呼んだ救急車が来る頃には…意識が朦朧としていた。
目が覚めた時、美緒の姿が見えない事に慌てたが、事態は俺の想像の斜め上をいっていた。美緒は襲われた事で想像以上に大きなショックを受けていた。美緒は入院中、何度か俺の様子を見に来ようとしたらしいが、部屋に近づくとパニックを起こしてしまったという。俺も絶対安静で動けず、美緒も俺に近づけないまま日が過ぎて、美緒は先に退院していった。よっぽど怖かったのか、俺のマンションに戻ろうとしたが過呼吸を起こして中に入れなかったという。医師の勧めもあって、美緒は母親の元に戻ってしまった。
俺はそれほど大事だと思わなかった事件だったが、美緒は違った。怪我は大した事がなかったが、襲われた恐怖で外に出られなくなってしまったのだ。気が強くてしっかり者だと思っていたけれど、俺が思う以上に繊細で脆かった。いや、そんなギャップも可愛いんだけど…
あの時、大怪我をして動けなかったのはある意味幸いだった…と俺は思っている。でなかったら、俺は怒りに任せて早川を殴り殺していたかもしれない…もしそんな事になれば今以上に美緒を苦しめたし、今一緒にいる事は適わなかった。怪我の功名とはちょっと意味が違うが、怪我のお陰で俺自身が犯罪者にならずに済んだのは幸いだった。
それでも…美緒のあまりのショックの受け方に、俺は初めて美緒との関係を躊躇してしまった。栗原は俺と小林の金を手に入れようとし、早川は俺を落とそうとしたのが始まりだった。美緒のせいで失敗したから矛先が美緒に向いてしまったが、そもそもの原因は俺だったのだ。
退院してから二週間、俺はマンションで一人、今後どうするかを考えていた。美緒と一緒にいたい、手放すなんて考えられないと思うのだが、一方で一緒にいればまた傷つけて苦しめてしまうかもしれない、とも思ったし、その可能性は否定できなかった。春花さんを見ていれば分かり切った事だ。その両価的な問いに、俺は答えが見つけられずにいた。
それに…母さんや春花さんは大人しそうに見えて、実は結構芯が強い。だが美緒は逆なのだ。パッと見た目は気が強くて根性があるように見えるが、内面は傷つきやすくて脆い。何だかんだ言いながらも俺の押しに流されていたのがその証拠だ。中身が見た目のまんまだったら、俺に絆される事はなかっただろう。
心配で仕方なかったため、美緒のお母さんに事情を話し、美緒の様子は教えて貰った。退院すると直ぐ、両親と共にお母さんにも会いに行った。今回の出来事は完全に俺のせいだから、お詫びとこれまでの経緯を説明するためでもあった。幸いだったのは、美緒のお母さんが俺を責めず、むしろ娘を好きになってくれて有難いと言ってくれた事だろう。
「あの美緒がねぇ…ちゃんと恋愛が出来たならよかったわ。しかもこんなにかっこいいなんて…あの子面食いだったのね」
そう言って俺を受け入れてはくれたけど、美緒を傷つけた原因は俺だったから、言葉通りに受け取る事は出来なかった。それでもお母さんは、美緒が父親との事で男性不信になった経緯などを教えてくれたし、あの事件があっても美緒との事に協力すると言ってくれた時は泣きたいほど嬉しかった。それでも、この時はまだ美緒の調子がよくなかったため、会うのは諦めた。近くに来たのに顔も見られないのは、怪我なんぞ比にならないほど苦しかった。
よりを戻せたのは…幸運だったかもしれない。お母さんの話では、美緒は会社を辞めて母親の元で再就職しようと言い出していたらしい。そこまで追い詰めてしまったのかと愕然としたし、そこに俺の存在がなかった事に恐怖を感じた。美緒の中で俺は、完全に黒歴史になっていたからだ…
このまま離れようか…いっそ開設予定の海外支社に手を挙げて日本を離れてしまおうか…そう考える事もあったが、それを止めてくれたのは美緒のお母さんだった。お母さんの話では、美緒はうなされている時によく俺の名を呼んでいるのだと教えてくれた。美緒なりに俺を想っているからもう暫く待って欲しい、と。そんな風に言われると期待してしまうから、期待させないで欲しいとは思ったが…そう言われてしまえば離れる決断など出来るわけがなかった。
転機は事件から一月ほど経った頃に訪れた。会社への復帰にゴーサインが出たのだ。それを一つの区切りにしようと思った俺は、思い切って会いに行く事にした。お母さんに聞いたところ、美緒も随分落ち着いてきたという。事前に連絡してから…とも思ったが、その方がストレスになるから連絡なしの方がいいとお母さんに言われた俺は、お母さんが休みの日を狙って美緒に会いに行った。
一月ぶりに会った美緒は、想像以上に痩せていて、力なくベンチに座っていた。俺を見て狼狽えたのを見て、正直、ここまで辛い思いをさせたのかとショックだったし、会いに来ない方がよかったのかもと後悔した。
それでも逃げる事なく、俺の話を聞いてくれたし、触れさせてくれたのは嬉しかった。もしかしたら罵られたり怯えられて会話にならないか、一目散に逃げられるのではないかと思っていたからだ。さすがに触れた途端に泣き出してしまったのには慌てたが…それでも俺のシャツをしっかり握っているのに気付いた時は、まだ間に合ったのだとホッと胸をなでおろした。
それからは、思った以上に関係は修復出来た…と思う。旅館で二人きり、テレビすらもつけず過ごした時間は、これまでにない程に充実していた。元々俺が一方的に美緒を囲い込もうとしていたから、じっくり話し合うなんて事もなかったのだ。美緒が自然に俺を好きだと言ってくれたのは、俺にとって一生の宝物になるほどに尊い瞬間になった。
プロポーズに関しては…失敗したと思っているし後悔している。あれは俺の人生最大の汚点だ。始まりが始まりだっただけに、俺だってプロポーズはいい雰囲気の場所で、ちゃんと指輪も用意して…と手順を踏もうと思っていたのだ。
でも、控えめながらも好きだと言われて舞い上がってしまい、そんな計画は全て吹っ飛んでしまった。結局今までと同じように、無理やり返事を貰うという失敗を繰り返してしまったのだ。あれは…何度思い出しても後悔しかない…あの時の自分をぶん殴りたいし、もう一度やり直したかったが、美緒はそれを許してくれなかった。
…それでも、ちゃんと返事を貰えたから、結果オーライなのだが…最高にみっともないプロポーズだったけど…人には絶対に言えないけれど…イエスと言って貰えた。ああ、正直に言うよ、最高に嬉しかったし、生まれて来てよかったってマジで思ったよ。
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