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二章
母親たちとの対面
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「ごめんください」
「遅くなりました~」
「あけましておめでとうございます!」
約束の時間を少し過ぎた頃、玄関から聞き覚えのある声とそうでない声が花耶の耳にも届いた。一人目は奥野の母親で三人目の一際元気な声が久美だろう、もう一人は知らない声だった。
「着いたらしいな…だが…あの声は…」
「そうね…今日来るとは伺ってなかったのだけれど……」
奥野がうんざりした様でつぶやくと、祖母は怪訝そうな表情を隠しもせずに席を立って玄関に向かった。花耶はどうするべきかと祖母と奥野を交互に見たが、奥野はここにいればいいと言って花耶の手をとったため、花耶は浮かしかけていた腰を下ろした。叔母が祖母の後を追って玄関に向かうと、会話がこちらまで届いていた。
「まぁ、お嬢さんは確か…雅江さんのところの?」
「はい、西川久美です。明けましておめでとうございます」
「お久しぶりです。十月のお祖父さまのお葬式以来ですわね」
「はい、その節はありがとうございました」
「いいえ、お気になさらないで…でも、今日いらっしゃるとは伺ってなかったような…」
「すみません、お義母さん。透夜が結婚するので、今日は一緒に来て貰ったんです」
祖母にやんわりと喪中ではないかとの指摘とアポなしでの訪問を咎められたのだが、母親も久美もそれには気が付かなかったらしい。その会話から、母親が何も言わずに久美を連れてきたのを悟った花耶は、本気で久美と奥野を結婚させようとしているのだと改めて突きつけられ、より一層不安と不快感を募らせた。我が子の意思を無視してまで自分の思い通りにしようとする傲慢さは、花耶には受け入れられなかった。
「花耶、大丈夫だ。俺がいる」
花耶の不安を感じ取ったのか、奥野がテーブルの下できゅっと花耶の手を握り、花耶はその温かさと力強さに励まされた気がした。そうだ、自分が弱気になってどうするのだ、奥野の手を離さないと決めたではないか…花耶が奥野を見上げて笑みを浮かべ、ありがとうございます、と小声で伝えると、奥野の表情も和らいだ。
「そうなのね。まぁ、ここは寒いからまずは上がって頂戴。透君が結婚すると聞いて、今日はお祝いの膳を用意したのよ」
「そうなんですか!」
「まぁ、お義母さん、ありがとうございます」
祖母の言葉に、母親と久美は感極まったかのように声を上げた。そうこうしている間にふすまが開いて、奥野一家と久美が現れた。一番前にいたのは母親と久美で、その奥には父親と思しき男性と、弟妹と思われる男女がみえた。祖父を亡くして程ないと聞いていたが、久美が華やかなメイクと真っ赤なセーターで現れた事に花耶はぎょっとした。
「と、透夜…!」
「透夜さん!」
先にテーブルについていた奥野の姿を目にして、母親と久美はそれぞれの反応を声に滲ませて声を上げた。両者とも驚きが一番大きかったようだが、その中に含まれているものは若干違っていた。久美が喜色を前面に出したのに対して、母親のそれには戸惑いとバツの悪そうな色が含まれていた。そして次の瞬間、隣に座る花耶の姿を認めて、二人はその場で動きを止めた。
「お、お義母さん…これは…」
「何で…あんたが…」
二人にとって、ここに奥野だけでなく花耶がいる事も想定外だったのだろう。多分母親は奥野がいないこの場で久美を奥野の結婚相手として紹介して、明日のパーティーに祖父母も呼んで既成事実化する計画だったのだろう。祖父母に先に久美を認めさせてしまえば何とかなると思ったのかもしれない。二人の存在に、母親と久美は目に見えて動揺しているのが伝わってきた。
「まぁ、透君と婚約者の花耶さんよ。絹代さんもお会いしているのでしょう?透君から聞いてるわよ」
「ああ、この前うちに来た時に、結婚すると紹介したよな。花耶の手料理だって食べていったじゃないか。なぁ、母さん?」
祖母の言葉を受けた奥野が白々しいほどににこやかな声色で母親にそう告げると、母親はどんな表情を作ったらいいのかわからなかったのか、表情を二転三転させた。さすがに夫の親族の前で奥野を問い詰める事も出来ないのだろう。そもそも、奥野からは久美との結婚はないと言い切られているのだ。
「く、来るのは明日って…」
「ああ、せっかくだから親戚にも紹介しようと思ってな。ばあちゃんに電話して、一日早く来ることにしたんだ」
「そうなの、急に透君から電話があったからびっくりしたわ。でも、こんなおめでたいサプライズなら大歓迎よ。どんな方かと思ったら、まだ若いのにしっかりしたお嬢さんで。絹代さんもこれで安心ですわね」
「な…そ、それは…」
「全くだ。これなら早くにひ孫が見られるかもしれんなぁ。楽しみだよ」
「お、お義父さん…」
「やだ、おじいちゃん、今はそれセクハラよ!初対面なんだから気をつけないと」
「おお、そうか…すまんすまん、今は難しいなぁ」
殆ど喋らない祖父までが、軽口をたたいて歓迎の意を示したため、母親はわなわなと小刻みに震えて奥野と花耶を凝視していた。その表情は先ほどと一転して、とても新年に相応しいものではなかった。
「え?どういう事?兄さん、久美と結婚するんじゃ…」
ここにいる者たちが母親と久美の企みがとん挫したと感じた中で、状況が理解できないのか、戸惑いの声をあげる者がいた。声を上げたのは花耶よりは年上の男性で、まだ若いところから奥野の弟だろうか。
「篤志か、久しぶりだな」
「あ、ああ、兄さん、久しぶり。どういう事?兄さん、久美と結婚するんじゃなかったの?」
奥野よりも背が低く、大人しそうに見える男性は、花耶の予想通り弟だった。という事は、その隣にいるのは妹で、後ろにいるの父親だろうか。男性二人は物静かそうで顔立ちや雰囲気がよく似ているように感じた。
「久美と結婚?そんな訳ないだろう」
「え?いや…でもそう聞いてるけど…」
「俺は久美と結婚しないとは言った。母さんにもそう言ったし、父さんにも伝えてある。どうしてそんな話になるんだ?」
「でも…母さんと久美が…」
弟の言葉に、親戚の目が母親に集まり、母親は目に見えて狼狽えた。まさかこの場で息子から自分の計画をぶち壊されるとは思わなかったのだろう。
「と、透夜!どうして?久美ちゃんと結婚するって…」
「俺は一言もそんな事は言っていない」
「でも、恋人だって…」
「あれは母さんの親戚が見合いしろとしつこかったから、見合い除けに言っただけだ。最初にそう言ったよな?」
既に何度言ったかわからないほど繰り返した説明を、奥野はうんざりした表情で繰り返した。そんなに必死になるほどに母親は自分の実家の母と妹が心配なのだろうか…不倫した娘と結婚させるなんて、奥野には大きなマイナスになると言うのに…花耶はそこまでこだわる母親の気持ちがわからなかった。
「あ、あれは…」
「あ~うんうん、そう言ってたねぇ~」
「ちょ…!文香!」
「なによ、最初にカモフラージュだって言ったの、久美じゃない」
「な…!」
奥野の問いかけに母親が何かを答える前に、妹らしき女性が間髪入れずにそう答え、それに久美が抗議の声を上げたが、それに対してもどこ吹く風と言った風だった。
「ちょっと文香。協力してくれるんじゃなかったの?」
「そりゃあまぁ、いとこだし、頼まれたからするとは言ったけど…でもその時は兄さんに相手がいないと思っていたからよ。でも、相手がいるならどうしようもないじゃない。しかも結婚するって言ってるんだし」
どうやらこの女性は奥野の妹らしく、面差しが両親よりも叔母に似ている感じがした。まくし立てるような久美に対して、妹の方はこの件には興味がないのか淡々としていて、久美ともあまり仲がいいようにはみえなかった。
「そんな…」
頼みにしていた筈の従妹の手のひら返しに、久美は苛立たし気に妹を睨みつけ、それを見た妹が、やだ怖~いとこれも温度のない声で告げた。その様子からは、久美への親しみは感じられなかった。久美は両手を握りしめて苛立ちを隠す事も出来なかったが、その内花耶の存在を思い出したのか、キッと花耶を睨み付けた。
「透夜さん、考え直して!あ、貴方はあの子に騙されてるのよ!」
「遅くなりました~」
「あけましておめでとうございます!」
約束の時間を少し過ぎた頃、玄関から聞き覚えのある声とそうでない声が花耶の耳にも届いた。一人目は奥野の母親で三人目の一際元気な声が久美だろう、もう一人は知らない声だった。
「着いたらしいな…だが…あの声は…」
「そうね…今日来るとは伺ってなかったのだけれど……」
奥野がうんざりした様でつぶやくと、祖母は怪訝そうな表情を隠しもせずに席を立って玄関に向かった。花耶はどうするべきかと祖母と奥野を交互に見たが、奥野はここにいればいいと言って花耶の手をとったため、花耶は浮かしかけていた腰を下ろした。叔母が祖母の後を追って玄関に向かうと、会話がこちらまで届いていた。
「まぁ、お嬢さんは確か…雅江さんのところの?」
「はい、西川久美です。明けましておめでとうございます」
「お久しぶりです。十月のお祖父さまのお葬式以来ですわね」
「はい、その節はありがとうございました」
「いいえ、お気になさらないで…でも、今日いらっしゃるとは伺ってなかったような…」
「すみません、お義母さん。透夜が結婚するので、今日は一緒に来て貰ったんです」
祖母にやんわりと喪中ではないかとの指摘とアポなしでの訪問を咎められたのだが、母親も久美もそれには気が付かなかったらしい。その会話から、母親が何も言わずに久美を連れてきたのを悟った花耶は、本気で久美と奥野を結婚させようとしているのだと改めて突きつけられ、より一層不安と不快感を募らせた。我が子の意思を無視してまで自分の思い通りにしようとする傲慢さは、花耶には受け入れられなかった。
「花耶、大丈夫だ。俺がいる」
花耶の不安を感じ取ったのか、奥野がテーブルの下できゅっと花耶の手を握り、花耶はその温かさと力強さに励まされた気がした。そうだ、自分が弱気になってどうするのだ、奥野の手を離さないと決めたではないか…花耶が奥野を見上げて笑みを浮かべ、ありがとうございます、と小声で伝えると、奥野の表情も和らいだ。
「そうなのね。まぁ、ここは寒いからまずは上がって頂戴。透君が結婚すると聞いて、今日はお祝いの膳を用意したのよ」
「そうなんですか!」
「まぁ、お義母さん、ありがとうございます」
祖母の言葉に、母親と久美は感極まったかのように声を上げた。そうこうしている間にふすまが開いて、奥野一家と久美が現れた。一番前にいたのは母親と久美で、その奥には父親と思しき男性と、弟妹と思われる男女がみえた。祖父を亡くして程ないと聞いていたが、久美が華やかなメイクと真っ赤なセーターで現れた事に花耶はぎょっとした。
「と、透夜…!」
「透夜さん!」
先にテーブルについていた奥野の姿を目にして、母親と久美はそれぞれの反応を声に滲ませて声を上げた。両者とも驚きが一番大きかったようだが、その中に含まれているものは若干違っていた。久美が喜色を前面に出したのに対して、母親のそれには戸惑いとバツの悪そうな色が含まれていた。そして次の瞬間、隣に座る花耶の姿を認めて、二人はその場で動きを止めた。
「お、お義母さん…これは…」
「何で…あんたが…」
二人にとって、ここに奥野だけでなく花耶がいる事も想定外だったのだろう。多分母親は奥野がいないこの場で久美を奥野の結婚相手として紹介して、明日のパーティーに祖父母も呼んで既成事実化する計画だったのだろう。祖父母に先に久美を認めさせてしまえば何とかなると思ったのかもしれない。二人の存在に、母親と久美は目に見えて動揺しているのが伝わってきた。
「まぁ、透君と婚約者の花耶さんよ。絹代さんもお会いしているのでしょう?透君から聞いてるわよ」
「ああ、この前うちに来た時に、結婚すると紹介したよな。花耶の手料理だって食べていったじゃないか。なぁ、母さん?」
祖母の言葉を受けた奥野が白々しいほどににこやかな声色で母親にそう告げると、母親はどんな表情を作ったらいいのかわからなかったのか、表情を二転三転させた。さすがに夫の親族の前で奥野を問い詰める事も出来ないのだろう。そもそも、奥野からは久美との結婚はないと言い切られているのだ。
「く、来るのは明日って…」
「ああ、せっかくだから親戚にも紹介しようと思ってな。ばあちゃんに電話して、一日早く来ることにしたんだ」
「そうなの、急に透君から電話があったからびっくりしたわ。でも、こんなおめでたいサプライズなら大歓迎よ。どんな方かと思ったら、まだ若いのにしっかりしたお嬢さんで。絹代さんもこれで安心ですわね」
「な…そ、それは…」
「全くだ。これなら早くにひ孫が見られるかもしれんなぁ。楽しみだよ」
「お、お義父さん…」
「やだ、おじいちゃん、今はそれセクハラよ!初対面なんだから気をつけないと」
「おお、そうか…すまんすまん、今は難しいなぁ」
殆ど喋らない祖父までが、軽口をたたいて歓迎の意を示したため、母親はわなわなと小刻みに震えて奥野と花耶を凝視していた。その表情は先ほどと一転して、とても新年に相応しいものではなかった。
「え?どういう事?兄さん、久美と結婚するんじゃ…」
ここにいる者たちが母親と久美の企みがとん挫したと感じた中で、状況が理解できないのか、戸惑いの声をあげる者がいた。声を上げたのは花耶よりは年上の男性で、まだ若いところから奥野の弟だろうか。
「篤志か、久しぶりだな」
「あ、ああ、兄さん、久しぶり。どういう事?兄さん、久美と結婚するんじゃなかったの?」
奥野よりも背が低く、大人しそうに見える男性は、花耶の予想通り弟だった。という事は、その隣にいるのは妹で、後ろにいるの父親だろうか。男性二人は物静かそうで顔立ちや雰囲気がよく似ているように感じた。
「久美と結婚?そんな訳ないだろう」
「え?いや…でもそう聞いてるけど…」
「俺は久美と結婚しないとは言った。母さんにもそう言ったし、父さんにも伝えてある。どうしてそんな話になるんだ?」
「でも…母さんと久美が…」
弟の言葉に、親戚の目が母親に集まり、母親は目に見えて狼狽えた。まさかこの場で息子から自分の計画をぶち壊されるとは思わなかったのだろう。
「と、透夜!どうして?久美ちゃんと結婚するって…」
「俺は一言もそんな事は言っていない」
「でも、恋人だって…」
「あれは母さんの親戚が見合いしろとしつこかったから、見合い除けに言っただけだ。最初にそう言ったよな?」
既に何度言ったかわからないほど繰り返した説明を、奥野はうんざりした表情で繰り返した。そんなに必死になるほどに母親は自分の実家の母と妹が心配なのだろうか…不倫した娘と結婚させるなんて、奥野には大きなマイナスになると言うのに…花耶はそこまでこだわる母親の気持ちがわからなかった。
「あ、あれは…」
「あ~うんうん、そう言ってたねぇ~」
「ちょ…!文香!」
「なによ、最初にカモフラージュだって言ったの、久美じゃない」
「な…!」
奥野の問いかけに母親が何かを答える前に、妹らしき女性が間髪入れずにそう答え、それに久美が抗議の声を上げたが、それに対してもどこ吹く風と言った風だった。
「ちょっと文香。協力してくれるんじゃなかったの?」
「そりゃあまぁ、いとこだし、頼まれたからするとは言ったけど…でもその時は兄さんに相手がいないと思っていたからよ。でも、相手がいるならどうしようもないじゃない。しかも結婚するって言ってるんだし」
どうやらこの女性は奥野の妹らしく、面差しが両親よりも叔母に似ている感じがした。まくし立てるような久美に対して、妹の方はこの件には興味がないのか淡々としていて、久美ともあまり仲がいいようにはみえなかった。
「そんな…」
頼みにしていた筈の従妹の手のひら返しに、久美は苛立たし気に妹を睨みつけ、それを見た妹が、やだ怖~いとこれも温度のない声で告げた。その様子からは、久美への親しみは感じられなかった。久美は両手を握りしめて苛立ちを隠す事も出来なかったが、その内花耶の存在を思い出したのか、キッと花耶を睨み付けた。
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