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【14】最終手段
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(俺は……何をやっているんだろう……)
珠莉の願いは聞くと約束したのに……すぐに答えられなかった村瀬は後悔していた。
真剣な思いに応えたいし、自分だって彼女を愛している。しかし、いくら珠莉を想っているとは言え、自分が教育者としてあるまじき行為に及んでいることは痛いほどわかっていた。
本当に彼女が大切で大事にしたいのに、今では珠莉は下着をつけずに村瀬に会いに来て、自分のために股を開くようになってしまって。
珠莉をそうしたのもすべて自分の責任だと村瀬はわかっていた。
その日も珠莉と会う約束をしていた村瀬は、いつものラフな格好ではなく、スーツを着てネクタイを締めて車に乗った。
(もう、こうするしか……手段はない)
約束の場所で、白いワンピース姿の珠莉が立っていた。珠莉は村瀬の車を見つけるとはにかんだ笑顔で駆け寄ってくる。
「こんにちは! あれっ、先生、今日はスーツ着てるんですか?」
「……ああ。ちょっとね……」
「とっても似合ってます! かっこいい!」
花が咲いたような珠莉の明るい笑顔に、強張っていた村瀬の顔も少し綻ぶ。が、ここからが本題だ。
「今日、ご両親いるかな? 少し挨拶させてくれないか?」
「えっ? 家にいますけど、今日?」
「うん。できるだけ早く、言っておきたいんだ。珠莉と結婚を考えて付き合いたいってことを」
「え……」
途端に珠莉の瞳が揺れて潤み、ぽろりぽろりと大粒の涙がこぼれる。村瀬は愛しげにそれを指で拭う。
「卒業したら……いつか結婚してくれる? 珠莉」
「は……はいっ、喜んで……」
泣きながら笑う珠莉はとても美しく、世界で一番きれいだと村瀬は思った。
***
「先生……大丈夫ですか?」
車の中で、珠莉が心配そうに保冷剤を包んだハンカチを村瀬の口元に当てる。
「いてっ、……うん……でも、結局は許してもらえてよかった……珠莉のお陰だよ」
「だって、お父さん、酷いことするんだもの……」
アポなしで突撃し、唐突に非常識な挨拶をしたわりには丸く収まった方だろう。
激怒した父親に殴られた村瀬の口の端は切れ、血が滲んでいたが、珠莉が泣きながら経緯を話し、何とか親の許しを得た。
「先生が痴漢から守ってくれてるんだもの……先生が悪いわけがないよ」
珠莉は力を込めてそう言うが、村瀬はどうかなあ……と茶を濁した。村瀬だって、あの痴漢に負けず劣らず珠莉に淫らな行為を重ねているわけで。
「……これで、ちゃんと珠莉って呼べるよ。まあ、卒業するまでは秘密にするのは大前提なんだけど……」
「これで……私、先生とセックスできる?」
村瀬の隣に寄り添うようにしている珠莉が、儚げに睫毛を伏せてつぶやいた。どきりとした村瀬は珠莉を見る。珠莉が村瀬にしなだれかかると甘く爽やかな香りが首筋から漂い、村瀬はたまらない気持ちで珠莉の体を抱き止めた。
ワンピースの胸元からは白く豊満な谷間が見え、視線を奪われる。
「ねえ、して、先生……お願い……」
いつの間にか、清純だった珠莉からは色気が溢れ出している。
村瀬はごくりと喉を鳴らすと、愛する女の体を貪り始めた。
珠莉の願いは聞くと約束したのに……すぐに答えられなかった村瀬は後悔していた。
真剣な思いに応えたいし、自分だって彼女を愛している。しかし、いくら珠莉を想っているとは言え、自分が教育者としてあるまじき行為に及んでいることは痛いほどわかっていた。
本当に彼女が大切で大事にしたいのに、今では珠莉は下着をつけずに村瀬に会いに来て、自分のために股を開くようになってしまって。
珠莉をそうしたのもすべて自分の責任だと村瀬はわかっていた。
その日も珠莉と会う約束をしていた村瀬は、いつものラフな格好ではなく、スーツを着てネクタイを締めて車に乗った。
(もう、こうするしか……手段はない)
約束の場所で、白いワンピース姿の珠莉が立っていた。珠莉は村瀬の車を見つけるとはにかんだ笑顔で駆け寄ってくる。
「こんにちは! あれっ、先生、今日はスーツ着てるんですか?」
「……ああ。ちょっとね……」
「とっても似合ってます! かっこいい!」
花が咲いたような珠莉の明るい笑顔に、強張っていた村瀬の顔も少し綻ぶ。が、ここからが本題だ。
「今日、ご両親いるかな? 少し挨拶させてくれないか?」
「えっ? 家にいますけど、今日?」
「うん。できるだけ早く、言っておきたいんだ。珠莉と結婚を考えて付き合いたいってことを」
「え……」
途端に珠莉の瞳が揺れて潤み、ぽろりぽろりと大粒の涙がこぼれる。村瀬は愛しげにそれを指で拭う。
「卒業したら……いつか結婚してくれる? 珠莉」
「は……はいっ、喜んで……」
泣きながら笑う珠莉はとても美しく、世界で一番きれいだと村瀬は思った。
***
「先生……大丈夫ですか?」
車の中で、珠莉が心配そうに保冷剤を包んだハンカチを村瀬の口元に当てる。
「いてっ、……うん……でも、結局は許してもらえてよかった……珠莉のお陰だよ」
「だって、お父さん、酷いことするんだもの……」
アポなしで突撃し、唐突に非常識な挨拶をしたわりには丸く収まった方だろう。
激怒した父親に殴られた村瀬の口の端は切れ、血が滲んでいたが、珠莉が泣きながら経緯を話し、何とか親の許しを得た。
「先生が痴漢から守ってくれてるんだもの……先生が悪いわけがないよ」
珠莉は力を込めてそう言うが、村瀬はどうかなあ……と茶を濁した。村瀬だって、あの痴漢に負けず劣らず珠莉に淫らな行為を重ねているわけで。
「……これで、ちゃんと珠莉って呼べるよ。まあ、卒業するまでは秘密にするのは大前提なんだけど……」
「これで……私、先生とセックスできる?」
村瀬の隣に寄り添うようにしている珠莉が、儚げに睫毛を伏せてつぶやいた。どきりとした村瀬は珠莉を見る。珠莉が村瀬にしなだれかかると甘く爽やかな香りが首筋から漂い、村瀬はたまらない気持ちで珠莉の体を抱き止めた。
ワンピースの胸元からは白く豊満な谷間が見え、視線を奪われる。
「ねえ、して、先生……お願い……」
いつの間にか、清純だった珠莉からは色気が溢れ出している。
村瀬はごくりと喉を鳴らすと、愛する女の体を貪り始めた。
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