44 / 54
前線基地5
しおりを挟む
近くにいた魔獣達を涼が一掃させ、辺りに静寂が訪れた。戦闘により舞っていた砂埃も収まっており、進軍するには申し分ないみたいだ。
「お兄ちゃん、あそこから浄化出来そうだよ。」
「…割と範囲がデカいんだな。」
「そんな事ないよ、これは小さ目だよ。」
「マジか…。」
指をさされた方に視点を向ける。パッとみ、学校のプール一つ分程度の瘴気の沼がそこにはあった。あれ程の涼の乱闘があったと言うのに、ダメージは受けていないらしく水面がウヨウヨと不気味に動いていた。現在進行形で魔獣が生成されているらしい。
二人で沼の縁に立ち、状況を確認する。涼が言うには直ぐに浄化した方が良い場合とそう出ない場合があるそうだ。
「どう違うんだ?」
「これは前の時に私個人が判断していただけなんだけどね。こう…今みたいな魔獣が生成されているであろう波が、そよそよ起きているなら浄化しても特に問題無いの。ただ…。」
「ただ?」
「波が一切無い場合がヤバい。」
「なんでだ?何も起きてない状態じゃないのか?」
「そうじゃないの。私も初めはそう思って魔法をぶつけてみたら…同じ分の魔力が返ってきちゃった事があったんだ。」
「え…。」
「多分だけど…ここは魔力の塊だから反射結界魔法とかそんな感じの魔法が施されてるんだと思う。波が出てる時…つまり魔獣が生成されてる時はそっち優先になるから浄化しても問題無いみたいだよ。だから、そこの所だけは気をつけてね。」
「わ、わかった。これに関してはアトラが戻ってきたら共有しておこう。」
「そうだね!」
元の世界にあった所謂RPGゲームにもこう言ったトラップがあったなと、ふと思い出した。大抵初見殺しだと言われていたような。
「それじゃぁ、ここの浄化始めよう。」
「あぁ。俺に出来る事があったら言ってくれ。」
「周りの警戒だけお願い。」
「わかった。」
先の戦闘があったのにも関わらず、ケロリとしており疲れを感じさせない。俺が見ても問題なさそうだ。
ならば、俺の魔力供給も今はまだ必要なさそうである。言われた通り近くに待機してまわりに魔獣が来ていないか哨戒するのみだ。
涼が肩から下げてある郵便鞄から一枚の巻いてある用紙を取り出した。
そのまま結ばれていた麻紐を解き、胸の前で両手で持つ。
「…エリア・ヒール!!!!!!」
「うぉっ?!こりゃまた…凄いな。」
光量が今までのものとは比べ物にならない。やはり攻撃魔法よりも、こういった聖女様らしい魔法の方が演出が派手であると思える。まるで光り輝く月が落ちてきたみたいだ。それに光量と比例して魔力の圧も肌で感じる。きっと消費量も相当なものでは無いだろうか。
魔力からなのだろうか、対象である瘴気沼から始めは湿度の高い空気が此方に流れてきていたが…浄化魔法が効いているのだろう。段々と清々しい空気に変わっていった。
「涼!!!平気か!?」
「ぅん…。」
魔法が段々と薄れてゆき、視界が確保出来た。急ぎ足でボウッと見えた彼女の方へと駆け足で向かう。黒い影が左右にフラフラとしている。やはりしんどいのだろう。
「涼!?」
「うぅ…やっぱり浄化魔法は苦手だなぁ。あはは。」
「それでも、よくやったさ。少し木の影で休もう。沼の浄化は出来たんだここ周辺は安全なんだろう?」
「うん…。」
「ほら、背中乗って。」
「?!?!?」
駆け寄ってみれば、やはり先程とは一変し顔色は真っ青であった。貧血を起こしているような、そんな具合で今にも崩れ落ちてしまいそうである。
流石にお姫様抱っこは無理だが、背負う事は出来る。何も出来ていない俺なりのお礼では無いが、目の前にしゃがんで背を向けた。
「そ、そんな?!平気だよお兄ちゃん!」
「平気じゃないだろ。涼くらいなら俺でも背負える。ほら。」
「ううぅぅ…重くても文句言わないでね?」
「はいはい。」
失礼します、だなんて小声でそう言われた。確かに彼女位の女の子に対して配慮が足りなかったかもしれないが、今はそれどころではない無いのだから。我慢してもらうしかない。
ゆっくりと体重をかけられ、完全に俺の背に乗ったことを認知した。じんわりと全体に伝わる熱量に、少しだけ心臓が跳ねた。まぁ、そうだよな。俺はこういったことは今までしたことがないのだ。仕方ない。
「動くよ。」
「うん、お願いね。」
「はいよ。」
ゆっくりとその場を立ち、目的地である木の下へと歩を進めた。何だ、重くないでは無いか。…とはハッキリは言えないけど少なくとも急いで移動出来る程度ではあった。口が裂けても彼女には伝えないけれど。
木の周辺には目視では特に問題なさそうである。彼女の浄化魔法の範囲は大分拡かったらしく、こちらまで届いていたらしい。土壌は変わる事は無いが、瘴気はなく空気も澄み渡っていた。
二人して根元に腰を下ろした。涼の顔を覗き込んでみたら、ほんのりと頬を赤くしていたが、発熱している訳では無いらしい。安心して、良いのかな。
「周辺には魔獣はいないけど、念の為俺が結界張っておくから涼は魔力回復してくれるか?」
「…余り時間って掛けられないよね。」
「まぁ、そうだな。看護の兵士さん達も魔力は無限じゃないだろうし。」
「………その。」
ちらりと俺の方を見る。
あー…そうか。
そうだよな。
手っ取り早い、か。
「俺の血、のむ?」
「……………ん。」
「っしょ、ほら。どーぞ?」
「っっっ!!!??!?!?!」
制服の首元のホックを外し、内側に着ているワイシャツの釦を鎖骨の下まで外し、彼女の方へと向けた。
どういう訳なのか、涼が顔から首元まで林檎みたいに真っ赤になってしまったのだが…本当に発熱してないんだよね?
「お兄ちゃん、あそこから浄化出来そうだよ。」
「…割と範囲がデカいんだな。」
「そんな事ないよ、これは小さ目だよ。」
「マジか…。」
指をさされた方に視点を向ける。パッとみ、学校のプール一つ分程度の瘴気の沼がそこにはあった。あれ程の涼の乱闘があったと言うのに、ダメージは受けていないらしく水面がウヨウヨと不気味に動いていた。現在進行形で魔獣が生成されているらしい。
二人で沼の縁に立ち、状況を確認する。涼が言うには直ぐに浄化した方が良い場合とそう出ない場合があるそうだ。
「どう違うんだ?」
「これは前の時に私個人が判断していただけなんだけどね。こう…今みたいな魔獣が生成されているであろう波が、そよそよ起きているなら浄化しても特に問題無いの。ただ…。」
「ただ?」
「波が一切無い場合がヤバい。」
「なんでだ?何も起きてない状態じゃないのか?」
「そうじゃないの。私も初めはそう思って魔法をぶつけてみたら…同じ分の魔力が返ってきちゃった事があったんだ。」
「え…。」
「多分だけど…ここは魔力の塊だから反射結界魔法とかそんな感じの魔法が施されてるんだと思う。波が出てる時…つまり魔獣が生成されてる時はそっち優先になるから浄化しても問題無いみたいだよ。だから、そこの所だけは気をつけてね。」
「わ、わかった。これに関してはアトラが戻ってきたら共有しておこう。」
「そうだね!」
元の世界にあった所謂RPGゲームにもこう言ったトラップがあったなと、ふと思い出した。大抵初見殺しだと言われていたような。
「それじゃぁ、ここの浄化始めよう。」
「あぁ。俺に出来る事があったら言ってくれ。」
「周りの警戒だけお願い。」
「わかった。」
先の戦闘があったのにも関わらず、ケロリとしており疲れを感じさせない。俺が見ても問題なさそうだ。
ならば、俺の魔力供給も今はまだ必要なさそうである。言われた通り近くに待機してまわりに魔獣が来ていないか哨戒するのみだ。
涼が肩から下げてある郵便鞄から一枚の巻いてある用紙を取り出した。
そのまま結ばれていた麻紐を解き、胸の前で両手で持つ。
「…エリア・ヒール!!!!!!」
「うぉっ?!こりゃまた…凄いな。」
光量が今までのものとは比べ物にならない。やはり攻撃魔法よりも、こういった聖女様らしい魔法の方が演出が派手であると思える。まるで光り輝く月が落ちてきたみたいだ。それに光量と比例して魔力の圧も肌で感じる。きっと消費量も相当なものでは無いだろうか。
魔力からなのだろうか、対象である瘴気沼から始めは湿度の高い空気が此方に流れてきていたが…浄化魔法が効いているのだろう。段々と清々しい空気に変わっていった。
「涼!!!平気か!?」
「ぅん…。」
魔法が段々と薄れてゆき、視界が確保出来た。急ぎ足でボウッと見えた彼女の方へと駆け足で向かう。黒い影が左右にフラフラとしている。やはりしんどいのだろう。
「涼!?」
「うぅ…やっぱり浄化魔法は苦手だなぁ。あはは。」
「それでも、よくやったさ。少し木の影で休もう。沼の浄化は出来たんだここ周辺は安全なんだろう?」
「うん…。」
「ほら、背中乗って。」
「?!?!?」
駆け寄ってみれば、やはり先程とは一変し顔色は真っ青であった。貧血を起こしているような、そんな具合で今にも崩れ落ちてしまいそうである。
流石にお姫様抱っこは無理だが、背負う事は出来る。何も出来ていない俺なりのお礼では無いが、目の前にしゃがんで背を向けた。
「そ、そんな?!平気だよお兄ちゃん!」
「平気じゃないだろ。涼くらいなら俺でも背負える。ほら。」
「ううぅぅ…重くても文句言わないでね?」
「はいはい。」
失礼します、だなんて小声でそう言われた。確かに彼女位の女の子に対して配慮が足りなかったかもしれないが、今はそれどころではない無いのだから。我慢してもらうしかない。
ゆっくりと体重をかけられ、完全に俺の背に乗ったことを認知した。じんわりと全体に伝わる熱量に、少しだけ心臓が跳ねた。まぁ、そうだよな。俺はこういったことは今までしたことがないのだ。仕方ない。
「動くよ。」
「うん、お願いね。」
「はいよ。」
ゆっくりとその場を立ち、目的地である木の下へと歩を進めた。何だ、重くないでは無いか。…とはハッキリは言えないけど少なくとも急いで移動出来る程度ではあった。口が裂けても彼女には伝えないけれど。
木の周辺には目視では特に問題なさそうである。彼女の浄化魔法の範囲は大分拡かったらしく、こちらまで届いていたらしい。土壌は変わる事は無いが、瘴気はなく空気も澄み渡っていた。
二人して根元に腰を下ろした。涼の顔を覗き込んでみたら、ほんのりと頬を赤くしていたが、発熱している訳では無いらしい。安心して、良いのかな。
「周辺には魔獣はいないけど、念の為俺が結界張っておくから涼は魔力回復してくれるか?」
「…余り時間って掛けられないよね。」
「まぁ、そうだな。看護の兵士さん達も魔力は無限じゃないだろうし。」
「………その。」
ちらりと俺の方を見る。
あー…そうか。
そうだよな。
手っ取り早い、か。
「俺の血、のむ?」
「……………ん。」
「っしょ、ほら。どーぞ?」
「っっっ!!!??!?!?!」
制服の首元のホックを外し、内側に着ているワイシャツの釦を鎖骨の下まで外し、彼女の方へと向けた。
どういう訳なのか、涼が顔から首元まで林檎みたいに真っ赤になってしまったのだが…本当に発熱してないんだよね?
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。
アーエル
ファンタジー
旧題:私は『聖女ではない』ですか。そうですか。帰ることも出来ませんか。じゃあ『勝手にする』ので放っといて下さい。
【 聖女?そんなもん知るか。報復?復讐?しますよ。当たり前でしょう?当然の権利です! 】
地震を知らせるアラームがなると同時に知らない世界の床に座り込んでいた。
同じ状況の少女と共に。
そして現れた『オレ様』な青年が、この国の第二王子!?
怯える少女と睨みつける私。
オレ様王子は少女を『聖女』として選び、私の存在を拒否して城から追い出した。
だったら『勝手にする』から放っておいて!
同時公開
☆カクヨム さん
✻アルファポリスさんにて書籍化されました🎉
タイトルは【 私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください 】です。
そして番外編もはじめました。
相変わらず不定期です。
皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます🙇💕
これからもよろしくお願いします。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
子持ち主婦がメイドイビリ好きの悪役令嬢に転生して育児スキルをフル活用したら、乙女ゲームの世界が変わりました
あさひな
ファンタジー
二児の子供がいるワーキングマザーの私。仕事、家事、育児に忙殺され、すっかりくたびれた中年女になり果てていた私は、ある日事故により異世界転生を果たす。
転生先は、前世とは縁遠い公爵令嬢「イザベル・フォン・アルノー」だったが……まさかの乙女ゲームの悪役令嬢!?
しかも乙女ゲームの内容が全く思い出せないなんて、あんまりでしょ!!
破滅フラグ(攻略対象者)から逃げるために修道院に逃げ込んだら、子供達の扱いに慣れているからと孤児達の世話役を任命されました。
そりゃあ、前世は二児の母親だったので、育児は身に染み付いてますが、まさかそれがチートになるなんて!
しかも育児知識をフル活用していたら、なんだか王太子に気に入られて婚約者に選ばれてしまいました。
攻略対象者から逃げるはずが、こんな事になるなんて……!
「貴女の心は、美しい」
「ベルは、僕だけの義妹」
「この力を、君に捧げる」
王太子や他の攻略対象者から執着されたり溺愛されながら、私は現世の運命に飲み込まれて行くーー。
※なろう(現在非公開)とカクヨムで一部掲載中
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる