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会食1
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店内に入っててみればダンテさんの言う通り貸切となっているため、店主の男性と配膳係りの女性二人だけだった。
全体的に落ち着いた装飾が施されており、誰もが好みそうな暖かみのある木造であった。
食堂のように広い訳ではなく一軒家をそのまま中抜きにした広さである。
「わぁ…俺こういう店好きです。」
「そうか、ならば良かった。アーサー、好きな物頼めよ。」
「あ、はい。」
「ならば僕はハンバーガーセットにする。」
「それ、私もそれにしたかった。」
「へぇ、色んな種類のハンバーガーあるのね。」
「貴方たちでもそういったものを食べたがるのですね。」
「最近ハマってな。他の客がいる店や家でじゃまず無理だろ。」
「確かになー、俺も流石に気にするからな。んー…ニコラス達がそういう感じなら俺も人目気にせずに食いたいもん食うかな。」
「良い案ですね。」
みんなそれぞれ注文しており、俺も遅れながら頼み料理を待つことにした。
因みに席としては、隣にダンテさんで目の前にはレンフレッドとランドルフ、そしてニコラス達が好きな様に腰掛けていた。何故だか全員がこちらに注視しているのが気になるが触れないようにしておく。
「ところでアーサーは学校の方ではどうなんだ?」
「どう、とは。」
「楽しくお勉強や友人関係を楽しんでいるのか?俺やヴァルトの時はあまり楽しめなかったからな。今はどうなのかと気になって。」
「楽しめなかった…?」
「質問に質問で返すなよ。…お前が普段置く世界では無縁だろうが、貴族社会では基本的に上っ面のやり取りだ。本当の友人とは中々出来ないものなのさ。」
「あー…理解しました。それならば恐らくダンテさん達の時とは変わらないと思いますよ。」
「ふぅん?ではこの面子はどう理由するんだ。第二王子がいるのは流石に驚いた。」
「俺達は好きでアーサーといるだけだ。家柄にそこまで興味が無い、ある意味変人の集まりだと思ってくれていいんじゃねぇか?」
「レンフレッドの言う通りね。横の繋がりとか本当に興味が無いし、身分の差で虐めとかやっている連中と同類になりたくないしね。」
「虐め…。」
そのワードを耳にした瞬間にダンテさんの表情が強ばった。数センチだけ、俺の方に身を寄せてきた。な、なんなんだ。
「あの…?」
「お前…。」
「こいつらに虐められてたりするのか?」
「…………はぇ?」
え?
どゆこと?
虐められてる?
こんだけわちゃわちゃしてるのに、どういう見方をされてるんだ。
しかも地味に声を小さくして言ってくるあたりマジだ。
「されて、ませんけど。」
「それを俺は信じられると思うのか?」
「えぇ…。」
「待ってください、僕達がそんなことすると思いますか?」
「おかしいと思ったんだ、こんな身分が高い奴らに平民のアーサーが囲われてるだなんて。百歩譲って虐められていなかったとしても、間違いなく興味本位で囲われてるだけだ。興味が無くなったらポイだ。」
「待て待て、すんごい誤解をしていないか?僕達はそんな浅い気持ちでアーサーと友達をしていないぞ。」
「友達?奴隷の間違いじゃないのか?」
「奴隷って…そ、そもそも身分を気にしてるのはダンテさんじゃ…。」
「俺はもうアーサーをみてから気にする事は無くなった。こいつはそこいらの奴らとは違うとわかったからな。」
「…こいつも同族?」
「…何となくは感じてましたけどね。」
ランドルフとレンフレッドがボソボソと話し合っている。
何かこの誤解を解いてくれるのだろうか。
それにしても、ダンテさんって…思い込みが凄い人だぞこれは。
気が付けば両手を大きな手のひらに包まれて、真剣な眼差しで見詰められてるし…。
その様が何言っても無駄だと訴えかけてきてる。どうしたらいいんだ。
全体的に落ち着いた装飾が施されており、誰もが好みそうな暖かみのある木造であった。
食堂のように広い訳ではなく一軒家をそのまま中抜きにした広さである。
「わぁ…俺こういう店好きです。」
「そうか、ならば良かった。アーサー、好きな物頼めよ。」
「あ、はい。」
「ならば僕はハンバーガーセットにする。」
「それ、私もそれにしたかった。」
「へぇ、色んな種類のハンバーガーあるのね。」
「貴方たちでもそういったものを食べたがるのですね。」
「最近ハマってな。他の客がいる店や家でじゃまず無理だろ。」
「確かになー、俺も流石に気にするからな。んー…ニコラス達がそういう感じなら俺も人目気にせずに食いたいもん食うかな。」
「良い案ですね。」
みんなそれぞれ注文しており、俺も遅れながら頼み料理を待つことにした。
因みに席としては、隣にダンテさんで目の前にはレンフレッドとランドルフ、そしてニコラス達が好きな様に腰掛けていた。何故だか全員がこちらに注視しているのが気になるが触れないようにしておく。
「ところでアーサーは学校の方ではどうなんだ?」
「どう、とは。」
「楽しくお勉強や友人関係を楽しんでいるのか?俺やヴァルトの時はあまり楽しめなかったからな。今はどうなのかと気になって。」
「楽しめなかった…?」
「質問に質問で返すなよ。…お前が普段置く世界では無縁だろうが、貴族社会では基本的に上っ面のやり取りだ。本当の友人とは中々出来ないものなのさ。」
「あー…理解しました。それならば恐らくダンテさん達の時とは変わらないと思いますよ。」
「ふぅん?ではこの面子はどう理由するんだ。第二王子がいるのは流石に驚いた。」
「俺達は好きでアーサーといるだけだ。家柄にそこまで興味が無い、ある意味変人の集まりだと思ってくれていいんじゃねぇか?」
「レンフレッドの言う通りね。横の繋がりとか本当に興味が無いし、身分の差で虐めとかやっている連中と同類になりたくないしね。」
「虐め…。」
そのワードを耳にした瞬間にダンテさんの表情が強ばった。数センチだけ、俺の方に身を寄せてきた。な、なんなんだ。
「あの…?」
「お前…。」
「こいつらに虐められてたりするのか?」
「…………はぇ?」
え?
どゆこと?
虐められてる?
こんだけわちゃわちゃしてるのに、どういう見方をされてるんだ。
しかも地味に声を小さくして言ってくるあたりマジだ。
「されて、ませんけど。」
「それを俺は信じられると思うのか?」
「えぇ…。」
「待ってください、僕達がそんなことすると思いますか?」
「おかしいと思ったんだ、こんな身分が高い奴らに平民のアーサーが囲われてるだなんて。百歩譲って虐められていなかったとしても、間違いなく興味本位で囲われてるだけだ。興味が無くなったらポイだ。」
「待て待て、すんごい誤解をしていないか?僕達はそんな浅い気持ちでアーサーと友達をしていないぞ。」
「友達?奴隷の間違いじゃないのか?」
「奴隷って…そ、そもそも身分を気にしてるのはダンテさんじゃ…。」
「俺はもうアーサーをみてから気にする事は無くなった。こいつはそこいらの奴らとは違うとわかったからな。」
「…こいつも同族?」
「…何となくは感じてましたけどね。」
ランドルフとレンフレッドがボソボソと話し合っている。
何かこの誤解を解いてくれるのだろうか。
それにしても、ダンテさんって…思い込みが凄い人だぞこれは。
気が付けば両手を大きな手のひらに包まれて、真剣な眼差しで見詰められてるし…。
その様が何言っても無駄だと訴えかけてきてる。どうしたらいいんだ。
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