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直接対話2

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「…という事だ。僕達はこの行事だけではなく、今後とも関わり合えれば嬉しいと考えているんだ。二人に許可を取るのはよく分からないが、その方がアーサーの為にも面倒な事にはならないのだろう?」
「流石クラスBの中でも上位なだけありますね。理解が早くて助かります。」
「本当になんで俺の事なのに俺が決めちゃいけないのかわかんねぇよな。」
「でも、あ、アーサーと一緒にいられるなら頑張る。」
「早くアーサー離れして欲しいわね。」
「ははっ!それは無理だな。」

ニコラスの方が二人に折れたらしく正直に真っ向勝負で話をもちかけた。二人もそれをいやがる素振りはせずに、ちゃんと耳を傾けてくれたのである。
バルリング先生についても話すべきなのか、今ちょっとだけ考えてる。
一番初めに誘いを受けた時は確か、授業の時だった。当時を振り返ると、既に同行する気満々だったのを覚えている。つまりは間違いなくバッティングする未来しかない。

「あ、あのさ。」
「ん?」
「俺達の目的地担当の教員がバルリング先生だったんだ。それで、先生がニコラス達とも研究所の話を聞きに来ないかって…。二人も来る気満々だろ?だから、もういっその事まとめて行くのはどうかなって…思ってんだけど。」




「なるほど。それで今日ここまでの大所帯で来たわけだね?」
「なんか、ほんとすんません。」
「いやいや、流石アーサーくんだなぁって関心したよ。」
「それ褒めてますか?」
「もちろんだとも。ある意味カリスマ性があるのだと僕は思ってるしね。」
「はぁ。」

バルリング先生の言う通り、結局全員で先生の研究室に行く事になった。あのブースの時も満場一致だったし。変にコソコソするよりかは俺の気苦労も無いだろうと判断したのだ。

全員先生が用意してくれた椅子に腰かけて、手元に作成してくれた資料に目を通していた。

「それじゃぁ始めようか。先ず、僕はこの学校の教員もしているが此方は本職ではなくあくまで副職だ。本業は王宮内にある薬草研究員。薬草以外にも生物系の物も行うが、今回アーサーくん達に興味を持ってもらいたいのは薬草研究の方だ。」
「バルリング家は確か薬草研究所の長もやってますよね。先生がそうなのですか?」
「いや、違う。確かに僕の親戚筋がやっているが何かと長になると面倒だから…遠縁の者に任せてしまっている形だ。」
「あー…そういう事でしたか。分かります。面倒ですよね。」
「ねー。会合だ何だ集まりも多いし、長いし。そんな時間があるなら研究室に籠ってる方が有意義だしね。あとそもそも僕自身に運営ができるとは思えない。」
「あはは…。あの、それじゃぁもしも俺が研究所に入ったら先生の下に着く形なんですか?」
「僕はそうするつもりだよ!はいる?」
「先生が上司なら結構気持ちは上がってますね。」
「おぉ!そうだ。今度の夏期休暇の時に体験入学ならぬ、体験研究所してみようか。僕から所長に話をしておこう。アーサーくんはお家の人に話をしておいてくれるかい?」
「具体的には、どういった体験が出来るんですか?」
「そのままだね。僕達研究者の一日をそのまま体験させるよ。」
「そのまま…。」

俺が、王宮所属の研究所に行ける。なんて贅沢な響きなんだろうか。バルリング先生の目からそんなにも俺は良く映っていただなんて。
あぁ…頑張ってみたい。
もっともっと、頑張って生きてみたい。

「他のみんなも良ければどーぞ。」
「あ、あの!!」
「なんだいアーサーくん。」
「そのお話、お受けします!!もっと色んなことを知って研究員になってみたいです!」
「アーサーならそういうと思いましたよ。」
「俺は騎士団にしか興味ねぇけど、アーサーの将来の就職先予定なら興味ある。」
「僕も、見てみたい。」
「わ、私も一緒に働いてみたいです…!」
「医局に関わりそうだし、お邪魔するわね。」
「それじゃぁ決まりだね。日程については後で伝えるから待っててね。」

卒業までだと区切りをつけていたが、そっか。
また未来をもっと観てもいいんだ。
考えてもいいんだ。
そっか、良いんだ。
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