24 / 72
直接対話2
しおりを挟む
「…という事だ。僕達はこの行事だけではなく、今後とも関わり合えれば嬉しいと考えているんだ。二人に許可を取るのはよく分からないが、その方がアーサーの為にも面倒な事にはならないのだろう?」
「流石クラスBの中でも上位なだけありますね。理解が早くて助かります。」
「本当になんで俺の事なのに俺が決めちゃいけないのかわかんねぇよな。」
「でも、あ、アーサーと一緒にいられるなら頑張る。」
「早くアーサー離れして欲しいわね。」
「ははっ!それは無理だな。」
ニコラスの方が二人に折れたらしく正直に真っ向勝負で話をもちかけた。二人もそれをいやがる素振りはせずに、ちゃんと耳を傾けてくれたのである。
バルリング先生についても話すべきなのか、今ちょっとだけ考えてる。
一番初めに誘いを受けた時は確か、授業の時だった。当時を振り返ると、既に同行する気満々だったのを覚えている。つまりは間違いなくバッティングする未来しかない。
「あ、あのさ。」
「ん?」
「俺達の目的地担当の教員がバルリング先生だったんだ。それで、先生がニコラス達とも研究所の話を聞きに来ないかって…。二人も来る気満々だろ?だから、もういっその事まとめて行くのはどうかなって…思ってんだけど。」
「なるほど。それで今日ここまでの大所帯で来たわけだね?」
「なんか、ほんとすんません。」
「いやいや、流石アーサーくんだなぁって関心したよ。」
「それ褒めてますか?」
「もちろんだとも。ある意味カリスマ性があるのだと僕は思ってるしね。」
「はぁ。」
バルリング先生の言う通り、結局全員で先生の研究室に行く事になった。あのブースの時も満場一致だったし。変にコソコソするよりかは俺の気苦労も無いだろうと判断したのだ。
全員先生が用意してくれた椅子に腰かけて、手元に作成してくれた資料に目を通していた。
「それじゃぁ始めようか。先ず、僕はこの学校の教員もしているが此方は本職ではなくあくまで副職だ。本業は王宮内にある薬草研究員。薬草以外にも生物系の物も行うが、今回アーサーくん達に興味を持ってもらいたいのは薬草研究の方だ。」
「バルリング家は確か薬草研究所の長もやってますよね。先生がそうなのですか?」
「いや、違う。確かに僕の親戚筋がやっているが何かと長になると面倒だから…遠縁の者に任せてしまっている形だ。」
「あー…そういう事でしたか。分かります。面倒ですよね。」
「ねー。会合だ何だ集まりも多いし、長いし。そんな時間があるなら研究室に籠ってる方が有意義だしね。あとそもそも僕自身に運営ができるとは思えない。」
「あはは…。あの、それじゃぁもしも俺が研究所に入ったら先生の下に着く形なんですか?」
「僕はそうするつもりだよ!はいる?」
「先生が上司なら結構気持ちは上がってますね。」
「おぉ!そうだ。今度の夏期休暇の時に体験入学ならぬ、体験研究所してみようか。僕から所長に話をしておこう。アーサーくんはお家の人に話をしておいてくれるかい?」
「具体的には、どういった体験が出来るんですか?」
「そのままだね。僕達研究者の一日をそのまま体験させるよ。」
「そのまま…。」
俺が、王宮所属の研究所に行ける。なんて贅沢な響きなんだろうか。バルリング先生の目からそんなにも俺は良く映っていただなんて。
あぁ…頑張ってみたい。
もっともっと、頑張って生きてみたい。
「他のみんなも良ければどーぞ。」
「あ、あの!!」
「なんだいアーサーくん。」
「そのお話、お受けします!!もっと色んなことを知って研究員になってみたいです!」
「アーサーならそういうと思いましたよ。」
「俺は騎士団にしか興味ねぇけど、アーサーの将来の就職先予定なら興味ある。」
「僕も、見てみたい。」
「わ、私も一緒に働いてみたいです…!」
「医局に関わりそうだし、お邪魔するわね。」
「それじゃぁ決まりだね。日程については後で伝えるから待っててね。」
卒業までだと区切りをつけていたが、そっか。
また未来をもっと観てもいいんだ。
考えてもいいんだ。
そっか、良いんだ。
「流石クラスBの中でも上位なだけありますね。理解が早くて助かります。」
「本当になんで俺の事なのに俺が決めちゃいけないのかわかんねぇよな。」
「でも、あ、アーサーと一緒にいられるなら頑張る。」
「早くアーサー離れして欲しいわね。」
「ははっ!それは無理だな。」
ニコラスの方が二人に折れたらしく正直に真っ向勝負で話をもちかけた。二人もそれをいやがる素振りはせずに、ちゃんと耳を傾けてくれたのである。
バルリング先生についても話すべきなのか、今ちょっとだけ考えてる。
一番初めに誘いを受けた時は確か、授業の時だった。当時を振り返ると、既に同行する気満々だったのを覚えている。つまりは間違いなくバッティングする未来しかない。
「あ、あのさ。」
「ん?」
「俺達の目的地担当の教員がバルリング先生だったんだ。それで、先生がニコラス達とも研究所の話を聞きに来ないかって…。二人も来る気満々だろ?だから、もういっその事まとめて行くのはどうかなって…思ってんだけど。」
「なるほど。それで今日ここまでの大所帯で来たわけだね?」
「なんか、ほんとすんません。」
「いやいや、流石アーサーくんだなぁって関心したよ。」
「それ褒めてますか?」
「もちろんだとも。ある意味カリスマ性があるのだと僕は思ってるしね。」
「はぁ。」
バルリング先生の言う通り、結局全員で先生の研究室に行く事になった。あのブースの時も満場一致だったし。変にコソコソするよりかは俺の気苦労も無いだろうと判断したのだ。
全員先生が用意してくれた椅子に腰かけて、手元に作成してくれた資料に目を通していた。
「それじゃぁ始めようか。先ず、僕はこの学校の教員もしているが此方は本職ではなくあくまで副職だ。本業は王宮内にある薬草研究員。薬草以外にも生物系の物も行うが、今回アーサーくん達に興味を持ってもらいたいのは薬草研究の方だ。」
「バルリング家は確か薬草研究所の長もやってますよね。先生がそうなのですか?」
「いや、違う。確かに僕の親戚筋がやっているが何かと長になると面倒だから…遠縁の者に任せてしまっている形だ。」
「あー…そういう事でしたか。分かります。面倒ですよね。」
「ねー。会合だ何だ集まりも多いし、長いし。そんな時間があるなら研究室に籠ってる方が有意義だしね。あとそもそも僕自身に運営ができるとは思えない。」
「あはは…。あの、それじゃぁもしも俺が研究所に入ったら先生の下に着く形なんですか?」
「僕はそうするつもりだよ!はいる?」
「先生が上司なら結構気持ちは上がってますね。」
「おぉ!そうだ。今度の夏期休暇の時に体験入学ならぬ、体験研究所してみようか。僕から所長に話をしておこう。アーサーくんはお家の人に話をしておいてくれるかい?」
「具体的には、どういった体験が出来るんですか?」
「そのままだね。僕達研究者の一日をそのまま体験させるよ。」
「そのまま…。」
俺が、王宮所属の研究所に行ける。なんて贅沢な響きなんだろうか。バルリング先生の目からそんなにも俺は良く映っていただなんて。
あぁ…頑張ってみたい。
もっともっと、頑張って生きてみたい。
「他のみんなも良ければどーぞ。」
「あ、あの!!」
「なんだいアーサーくん。」
「そのお話、お受けします!!もっと色んなことを知って研究員になってみたいです!」
「アーサーならそういうと思いましたよ。」
「俺は騎士団にしか興味ねぇけど、アーサーの将来の就職先予定なら興味ある。」
「僕も、見てみたい。」
「わ、私も一緒に働いてみたいです…!」
「医局に関わりそうだし、お邪魔するわね。」
「それじゃぁ決まりだね。日程については後で伝えるから待っててね。」
卒業までだと区切りをつけていたが、そっか。
また未来をもっと観てもいいんだ。
考えてもいいんだ。
そっか、良いんだ。
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
嫌われ公式愛妾役ですが夫だけはただの僕のガチ勢でした
ナイトウ
BL
BL小説大賞にご協力ありがとうございました!!
CP:不器用受ガチ勢伯爵夫攻め、女形役者受け
相手役は第11話から出てきます。
ロストリア帝国の首都セレンで女形の売れっ子役者をしていたルネは、皇帝エルドヴァルの為に公式愛妾を装い王宮に出仕し、王妃マリーズの代わりに貴族の反感を一手に受ける役割を引き受けた。
役目は無事終わり追放されたルネ。所属していた劇団に戻りまた役者業を再開しようとするも公式愛妾になるために偽装結婚したリリック伯爵に阻まれる。
そこで仕方なく、顔もろくに知らない夫と離婚し役者に戻るために彼の屋敷に向かうのだった。
竜王陛下、番う相手、間違えてますよ
てんつぶ
BL
大陸の支配者は竜人であるこの世界。
『我が国に暮らすサネリという夫婦から生まれしその長子は、竜王陛下の番いである』―――これが俺たちサネリ
姉弟が生まれたる数日前に、竜王を神と抱く神殿から発表されたお触れだ。
俺の双子の姉、ナージュは生まれる瞬間から竜王妃決定。すなわち勝ち組人生決定。 弟の俺はいつかかわいい奥さんをもらう日を夢みて、平凡な毎日を過ごしていた。 姉の嫁入りである18歳の誕生日、何故か俺のもとに竜王陛下がやってきた!? 王道ストーリー。竜王×凡人。
20230805 完結しましたので全て公開していきます。
乙女ゲームに転生したらチートだったけど平凡に生きたいのでとりあえず悪役令息付きの世話役になってみました。
ぽぽ
BL
転生したと思ったら乙女ゲーム?!
しかも俺は公式キャラじゃないと思ってたのにチートだった為に悪役令息に仕えることに!!!!!!
可愛い彼のために全身全霊善処します!……とか思ってたらなんかこれ展開が…BLゲームかッッ??!
表紙はフレドリックです!
Twitterやってますm(*_ _)m
あおば (@aoba_bl)
弟枠でも一番近くにいられるならまあいいか……なんて思っていた時期もありました
大森deばふ
BL
ユランは、幼馴染みのエイダールが小さい頃から大好き。 保護者気分のエイダール(六歳年上)に彼の恋心は届くのか。
基本は思い込み空回り系コメディ。
他の男にかっ攫われそうになったり、事件に巻き込まれたりしつつ、のろのろと愛を育んで……濃密なあれやこれやは、行間を読むしか。←
魔法ありのゆるゆる異世界、設定も勿論ゆるゆる。
長くなったので短編から長編に表示変更、R18は行方をくらましたのでR15に。
主人公は俺狙い?!
suzu
BL
生まれた時から前世の記憶が朧げにある公爵令息、アイオライト=オブシディアン。
容姿は美麗、頭脳も完璧、気遣いもできる、ただ人への態度が冷たい冷血なイメージだったため彼は「細雪な貴公子」そう呼ばれた。氷のように硬いイメージはないが水のように優しいイメージもない。
だが、アイオライトはそんなイメージとは反対に単純で鈍かったり焦ってきつい言葉を言ってしまう。
朧げであるがために時間が経つと記憶はほとんど無くなっていた。
15歳になると学園に通うのがこの世界の義務。
学園で「インカローズ」を見た時、主人公(?!)と直感で感じた。
彼は、白銀の髪に淡いピンク色の瞳を持つ愛らしい容姿をしており、BLゲームとかの主人公みたいだと、そう考える他なかった。
そして自分も攻略対象や悪役なのではないかと考えた。地位も高いし、色々凄いところがあるし、見た目も黒髪と青紫の瞳を持っていて整っているし、
面倒事、それもBL(多分)とか無理!!
そう考え近づかないようにしていた。
そんなアイオライトだったがインカローズや絶対攻略対象だろっ、という人と嫌でも鉢合わせしてしまう。
ハプニングだらけの学園生活!
BL作品中の可愛い主人公×ハチャメチャ悪役令息
※文章うるさいです
※背後注意
俺にはラブラブな超絶イケメンのスパダリ彼氏がいるので、王道学園とやらに無理やり巻き込まないでくださいっ!!
しおりんごん
BL
俺の名前は 笹島 小太郎
高校2年生のちょっと激しめの甘党
顔は可もなく不可もなく、、、と思いたい
身長は170、、、行ってる、、、し
ウルセェ!本人が言ってるんだからほんとなんだよ!
そんな比較的どこにでもいそうな人柄の俺だが少し周りと違うことがあって、、、
それは、、、
俺には超絶ラブラブなイケメン彼氏がいるのだ!!!
容姿端麗、文武両道
金髪碧眼(ロシアの血が多く入ってるかららしい)
一つ下の学年で、通ってる高校は違うけど、一週間に一度は放課後デートを欠かさないそんなスパダリ完璧彼氏!
名前を堂坂レオンくん!
俺はレオンが大好きだし、レオンも俺が大好きで
(自己肯定感が高すぎるって?
実は付き合いたての時に、なんで俺なんか、、、って1人で考えて喧嘩して
結局レオンからわからせという名のおしお、(re
、、、ま、まぁレオンからわかりやすすぎる愛情を一思いに受けてたらそりゃ自身も出るわなっていうこと!)
ちょうどこの春レオンが高校に上がって、それでも変わりないラブラブな生活を送っていたんだけど
なんとある日空から人が降って来て!
※ファンタジーでもなんでもなく、物理的に降って来たんだ
信じられるか?いや、信じろ
腐ってる姉さんたちが言うには、そいつはみんな大好き王道転校生!
、、、ってなんだ?
兎にも角にも、そいつが現れてから俺の高校がおかしくなってる?
いやなんだよ平凡巻き込まれ役って!
あーもう!そんな睨むな!牽制するな!
俺には超絶ラブラブな彼氏がいるからそっちのいざこざに巻き込まないでくださいっ!!!
※主人公は固定カプ、、、というか、初っ端から2人でイチャイチャしてるし、ずっと変わりません
※同姓同士の婚姻が認められている世界線での話です
※王道学園とはなんぞや?という人のために一応説明を載せていますが、私には文才が圧倒的に足りないのでわからないままでしたら、他の方の作品を参照していただきたいです🙇♀️
※シリアスは皆無です
終始ドタバタイチャイチャラブコメディでおとどけします
倫理的恋愛未満
雨水林檎
BL
少し変わった留年生と病弱摂食障害(拒食)の男子高校生の創作一次日常ブロマンス(BL寄り)小説。
体調不良描写を含みます、ご注意ください。
基本各話完結なので単体でお楽しみいただけます。全年齢向け。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる