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道中で散々な事があったが…。
「目的地にはついたな。」
「もう…うん、そうだな。」
「アーサー…疲れてる?」
「あらほんと、顔色悪いわよ?魔法かけとく?」
「…身体的なものじゃねぇから平気。」
折角平和に進んでいたのに、昨日のあのリーダーくん襲撃事件から一変してしまった。キャッキャウフフとほのぼのとしていたのに、今の三人はどんな奴が乱入しても手加減せずに噛み付く狂犬の様だ。
疲れからそうなっているのかと休ませようと試みたが、そういう訳でもないらしい。なんなら疲れてない。逆に俺の気持ちが疲れた。
目付きもギラギラしててハイになっている方が近いのだろうか。
色々と彼等に聞きたいこともあるけれど、今は自分達の最大目的であるコレだ。俺達の目の前には大きな岩。苔むしていて随分と年月が経っているのを感じた。その岩の足元には岩で出来た台が一つ。その上に分厚い魔導書が鎮座していた。
ニコラスがそれにそっと触れようとする。
「お、来たみたいだね。」
「…っわ!!ば、バルリング先生?!」
「おぉ、良い反応をありがとうアーサーくん。」
音もなく、気配もなく俺の真後ろから声がした。聞き覚えのある低音。
生物・薬草学の教諭ヴォルフ・バルリング先生がそこにいた。
「うんうん。残り10時間くらいかな?昼頃までに戻れば問題なさそう…だけども。彼等は何かあったのかな?すんごい殺気を僕に向けて来ているのだが。」
「昨日から色々ありまして…。」
「どこのグループに行っても苦労するね、アーサーくんは。」
「…あまり言わないでわください。…………ニコラス、苦しい。」
「何されるか判らないだろう。」
「いや、先生だから。」
先生が登場するなり、相手が先生だろうと彼等は関係ないのだろう。ずいっと俺と先生のあいだにニコラスが入り込んで、直ぐに俺の腰に腕を入れてロック。クラーラとディアナも左右の腕を掴んで同様である。そのまま現在に至る。
美男美女に物理的に絡まれて本来であれば涎物なのだろうが、毛を逆立てたワンちゃん達をなだめてる感が否めない。
「あはは!!相変わらず面白いね。この三人達も纏めて僕の所にお話を聞きに来たらいいんじゃないかい?」
「あー…まだ行けてなかったですもんね。」
「…話?」
「あぁ。研究所に来ないかって話を前に貰ってて。その説明をまだ聞きに行けてないんだ。」
「私、ついてく。そしたらアーサーとまた一緒にいれるね?」
「なら私も。」
「僕も行くからな。」
「いだだだだだ!!!分かった!!わかったって!!!内蔵が、飛び出る!!!」
「ナイト様が一気に増えたねぇ。」
バルリング先生から無事?とはいかないが到着各認証を人数分貰ったのであった。
先生が言っていた通り支給品の中にある懐中時計にて時刻を確認してみると、残り9時間半程。
来た時は時間を掛けて来たのでここまで当然遅くなってしまったが、後は帰るだけなのだから早歩きで向かっても問題ない。
「お昼休憩まで速歩で行けば問題ないな。」
「幸い荷物も減ってきてるし、他の連中も昨日からの件でほとんど襲って来ないみたいだしね。」
「でも念の為にニコラスは、け、結界魔法…私は気配遮断魔法かけとくね。」
「随分と手馴れてきたな…。」
「アーサーは到着証明書よろしくね。」
「あ、はい。」
昨日の発端であるリーダーくんを撃退後、数グループ同じ様な理由で俺達を襲ってきたのだ。だからこそ余計に三人の殺気が目覚めてしまったらしくこの様な思考回路へと変化してしまった。
凄く心強いが、あのほのぼの三人が恋しくて仕方ない。
「それじゃぁ、お昼まではまだ数時間ある。地図上のこの川を目指そう。何事も水源確保は必須だ。」
「近くに薬草もあるといいね、アーサー。」
「頑張ってる皆を癒せるような物があると、嬉しいな。」
「まぁアーサーったら!!嬉しいわ!」
良いメンバーである事に変わりはないんだがな。もう少しだけ俺の気苦労は続きそうだ。
「目的地にはついたな。」
「もう…うん、そうだな。」
「アーサー…疲れてる?」
「あらほんと、顔色悪いわよ?魔法かけとく?」
「…身体的なものじゃねぇから平気。」
折角平和に進んでいたのに、昨日のあのリーダーくん襲撃事件から一変してしまった。キャッキャウフフとほのぼのとしていたのに、今の三人はどんな奴が乱入しても手加減せずに噛み付く狂犬の様だ。
疲れからそうなっているのかと休ませようと試みたが、そういう訳でもないらしい。なんなら疲れてない。逆に俺の気持ちが疲れた。
目付きもギラギラしててハイになっている方が近いのだろうか。
色々と彼等に聞きたいこともあるけれど、今は自分達の最大目的であるコレだ。俺達の目の前には大きな岩。苔むしていて随分と年月が経っているのを感じた。その岩の足元には岩で出来た台が一つ。その上に分厚い魔導書が鎮座していた。
ニコラスがそれにそっと触れようとする。
「お、来たみたいだね。」
「…っわ!!ば、バルリング先生?!」
「おぉ、良い反応をありがとうアーサーくん。」
音もなく、気配もなく俺の真後ろから声がした。聞き覚えのある低音。
生物・薬草学の教諭ヴォルフ・バルリング先生がそこにいた。
「うんうん。残り10時間くらいかな?昼頃までに戻れば問題なさそう…だけども。彼等は何かあったのかな?すんごい殺気を僕に向けて来ているのだが。」
「昨日から色々ありまして…。」
「どこのグループに行っても苦労するね、アーサーくんは。」
「…あまり言わないでわください。…………ニコラス、苦しい。」
「何されるか判らないだろう。」
「いや、先生だから。」
先生が登場するなり、相手が先生だろうと彼等は関係ないのだろう。ずいっと俺と先生のあいだにニコラスが入り込んで、直ぐに俺の腰に腕を入れてロック。クラーラとディアナも左右の腕を掴んで同様である。そのまま現在に至る。
美男美女に物理的に絡まれて本来であれば涎物なのだろうが、毛を逆立てたワンちゃん達をなだめてる感が否めない。
「あはは!!相変わらず面白いね。この三人達も纏めて僕の所にお話を聞きに来たらいいんじゃないかい?」
「あー…まだ行けてなかったですもんね。」
「…話?」
「あぁ。研究所に来ないかって話を前に貰ってて。その説明をまだ聞きに行けてないんだ。」
「私、ついてく。そしたらアーサーとまた一緒にいれるね?」
「なら私も。」
「僕も行くからな。」
「いだだだだだ!!!分かった!!わかったって!!!内蔵が、飛び出る!!!」
「ナイト様が一気に増えたねぇ。」
バルリング先生から無事?とはいかないが到着各認証を人数分貰ったのであった。
先生が言っていた通り支給品の中にある懐中時計にて時刻を確認してみると、残り9時間半程。
来た時は時間を掛けて来たのでここまで当然遅くなってしまったが、後は帰るだけなのだから早歩きで向かっても問題ない。
「お昼休憩まで速歩で行けば問題ないな。」
「幸い荷物も減ってきてるし、他の連中も昨日からの件でほとんど襲って来ないみたいだしね。」
「でも念の為にニコラスは、け、結界魔法…私は気配遮断魔法かけとくね。」
「随分と手馴れてきたな…。」
「アーサーは到着証明書よろしくね。」
「あ、はい。」
昨日の発端であるリーダーくんを撃退後、数グループ同じ様な理由で俺達を襲ってきたのだ。だからこそ余計に三人の殺気が目覚めてしまったらしくこの様な思考回路へと変化してしまった。
凄く心強いが、あのほのぼの三人が恋しくて仕方ない。
「それじゃぁ、お昼まではまだ数時間ある。地図上のこの川を目指そう。何事も水源確保は必須だ。」
「近くに薬草もあるといいね、アーサー。」
「頑張ってる皆を癒せるような物があると、嬉しいな。」
「まぁアーサーったら!!嬉しいわ!」
良いメンバーである事に変わりはないんだがな。もう少しだけ俺の気苦労は続きそうだ。
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