上 下
13 / 45
婚約破棄されました。

設定資料:乙女ゲーム「ととのを」と悪役令嬢。「公式が病気」

しおりを挟む


修正が間に合わず設定部分を別項に分けています。修正が適当で済みません。読み飛ばし可です。
-------------


 VRMMORPG「ヒーローズVSヴィランズ」 のスピンオフ、英雄達の少年時代、一夏の甘酸っぱい恋を描いた乙女ゲーである「ととのを」。

 男爵令嬢が恋する相手は、一応彼女の身の丈に合った相手で。一人だけいる王子だって身体が弱いため、いつかは臣籍降下し外に出されるとされた、気楽な三男の身である。

 そんな現実的なゲーム設定だからこそ、王太子ルートなんていうものは、当然ありません。

 思い当たるのは、エイプリルフール企画として、一日限定であった、悪役令嬢婚約破棄ものだ。

 二十一世紀前半に、乙女系ラノベやWeb小説の界隈で親しまれた設定を、わかりやすくネタとして遊ぶ為か運営側がストーリーとして利用し、ショートストーリーとして遊ばせてくれたのがその、一日限定企画で。

 突然生えてきた、王太子殿下とヒロインとの幼なじみ設定!
 唐突に現れた赤髪の美形な高位貴族令嬢が、ヒロインを虐める悪役に!
 話の終わりには、王妃の主催する茶会に突入しての婚約破棄!?
 何もかもが唐突過ぎ、破天荒過ぎて「ええ……何だこれ」 「公式が病気」 と、プレイヤーの皆が目を点にして一日限定の荒唐無稽なお祭りを楽しんだものだった。

 だって、ヒロインの聖樹の守り役である姫巫女設定なんて、本当に突然生えてきたんだよ? まあ、元のVRMMORPGには、そのあたりの裏話もきっちりグランドクエストで絡んでくるんで、元ネタの方を遊んでいる人なら、諸々と設備も整ったホームグラウンドとして機能していた聖域を、散々探索しているだろうし、世界樹周りの設定は知っているだろうけれど。

 しかし、乙女ゲーではいきなりの事だ。田舎領主の娘が牧歌的な背景で美少年らとらぶらぶする話が……突然、ヒロインに偉い巫女さん設定。

 乙女ゲープレイヤーが動揺しない筈もなく。

 慌てて、有志らの作った攻略Wikiには、VRMMORPGプレイヤーが国教の説明ページや聖樹教と国の関わり、モンスターの跋扈する魑魅魍魎ダークファンタジーなゲーム背景などもろもろを追加して説明に当たり、ライトゲーマーな乙女ゲープレイヤー達はそ
れでも分からないからって「聖樹?」 「姫巫女?」 「ていうか悪役令嬢って」 と、とかくざわついていたものだったわ。

 ……何せその日のツイッターのトレンドに乗ったものね、姫巫女と悪役令嬢。

 だって、ゲーム本編は、ごくごく普通の乙女ゲーだから、殆ど攻略対象とヒロインの一対一の会話で進むわけで、悪役なんてものはついぞ出てきた事なかったのよ……。



しおりを挟む
感想 42

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【二部開始】所詮脇役の悪役令嬢は華麗に舞台から去るとしましょう

蓮実 アラタ
恋愛
アルメニア国王子の婚約者だった私は学園の創立記念パーティで突然王子から婚約破棄を告げられる。 王子の隣には銀髪の綺麗な女の子、周りには取り巻き。かのイベント、断罪シーン。 味方はおらず圧倒的不利、絶体絶命。 しかしそんな場面でも私は余裕の笑みで返す。 「承知しました殿下。その話、謹んでお受け致しますわ!」 あくまで笑みを崩さずにそのまま華麗に断罪の舞台から去る私に、唖然とする王子たち。 ここは前世で私がハマっていた乙女ゲームの世界。その中で私は悪役令嬢。 だからなんだ!?婚約破棄?追放?喜んでお受け致しますとも!! 私は王妃なんていう狭苦しいだけの脇役、真っ平御免です! さっさとこんなやられ役の舞台退場して自分だけの快適な生活を送るんだ! って張り切って追放されたのに何故か前世の私の推しキャラがお供に着いてきて……!? ※本作は小説家になろうにも掲載しています 二部更新開始しました。不定期更新です

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

【完結】転生悪役令嬢は婚約破棄を合図にヤンデレの嵐に見舞われる

syarin
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢として転生してしまい、色々足掻くも虚しく卒業パーティーで婚約破棄を宣言されてしまったマリアクリスティナ・シルバーレーク伯爵令嬢。 原作では修道院送りだが、足掻いたせいで色々拗れてしまって……。 初投稿です。 取り敢えず書いてみたものが思ったより長く、書き上がらないので、早く投稿してみたくて、短編ギャグを勢いで書いたハズなのに、何だか長く重くなってしまいました。 話は終わりまで執筆済みで、雑事の合間に改行など整えて投稿してます。 ギャグでも無くなったし、重いもの好きには物足りないかもしれませんが、少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。 ざまぁを書きたかったんですが、何だか断罪した方より主人公の方がざまぁされてるかもしれません。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

処理中です...