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最終章
第1083話 その後の聖女騎士団
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――ダイダラボッチの討伐が完了してから聖女騎士団の団長を務めていたテンは引退する事を告げた。正確に言えば騎士団を辞めるわけではなく、今後は指導官として王国騎士の指導役に専念する事を宣言する。
テンは団長の座を退く理由はもう自分は若くなく、今後この国を支えるのは「若者」だと彼女は考えた上での判断だった。その彼女の提案にはランファンも同意し、彼女もテンと共に補佐役として現役を退く。
「そこっ!!ちゃんと真面目に走りなさい!!この程度でへばっているようでは王国騎士の名折れですよ!!」
「は、はい!?」
「おらおらっ!!ルナに敵う奴はいないのか!?」
「も、もう勘弁して下さい……」
聖女騎士団専用の訓練場では新しく団長に選ばれたアリシアが新人の指導を行い、副団長に昇格したルナは若手の騎士達を相手に一人で戦っていた。この二人はテンとランファンと違って現役を退かず、これまで通りに聖女騎士団の団員として働く。
アリシアはエルフなので人間よりもずっと長く生きられるため、今後も聖女騎士団を支える事を決めた。ルナも古参の人間ではあるが、実は彼女の見た目と精神年齢が若々しい理由がルナにもエルフの血も流れている事が判明する。
二人以外の古参の騎士達は殆どが現役を退き、今は自分の道を歩んでいる。但し、中にはテンやランファンのように聖女騎士団の指導役として残った者も多く、その他の者も何かあればすぐに駆けつける事を約束して去っていった。
「へえっ……思っていたよりもやる気じゃないかい」
「当然です。貴女達が辞めたせいで聖女騎士団の戦力が激減したんです。だから、新入りは早く鍛え上げて戦力を補強する必要があるんです」
「いっその事、白狼騎士団の奴等もうちに入れたらどうだい?ヒイロもミイナも筋は良いよ」
「それは無理です、ダイダラボッチの件でヒイロは炎華を受け継ぎ、ナイさんが正式に王国騎士に選ばれたという事で現在の白狼騎士団には入団希望者が殺到しています」
「そういえばそうだったね」
「まさかヒイロが炎華に選ばれるとはな……」
ダイダラボッチとの戦いの後、ヒイロは炎華の力を使いこなせるようになっていた。最初の頃は炎華に触れるだけで彼女は眩暈を引き起こしていたが、ダイダラボッチとの戦闘で彼女は炎華に認められたらしく、何と彼女は正式に炎華を受け継ぐ。
テンとしてもまさか炎華がヒイロの手に渡る事になるとは思いもしなかったが、彼女の事はヒナやモモと同様に目を掛けていた存在なので嬉しく思う。本音を言えば炎華が王妃以外の人間を主として認めた事は複雑だが、それでもヒイロならば成長すればいずれは王妃のような立派な騎士に慣れると信じた。
「だんだんと若手も育っていくね……その内、あたし達も必要なくなるかもしれないね」
「その時が来たらどうする?」
「そうだね、あたしの場合はヒナに任せている白猫亭があるけど……あんた等は放っておくと何をしでかすか分からないからね。傭兵団でも作って楽しくやっていくかい?」
「それは……面白そうだな」
「それだけは辞めてください、世間で何と言われるか……」
聖女騎士団の古参の面子が傭兵団を結成すればどのような評判が立つのか分からず、団長としてアリシアは阻止しなければならなかった――
※ちなみに氷華はガロでは扱い切れないので王国に返却されました。
テンは団長の座を退く理由はもう自分は若くなく、今後この国を支えるのは「若者」だと彼女は考えた上での判断だった。その彼女の提案にはランファンも同意し、彼女もテンと共に補佐役として現役を退く。
「そこっ!!ちゃんと真面目に走りなさい!!この程度でへばっているようでは王国騎士の名折れですよ!!」
「は、はい!?」
「おらおらっ!!ルナに敵う奴はいないのか!?」
「も、もう勘弁して下さい……」
聖女騎士団専用の訓練場では新しく団長に選ばれたアリシアが新人の指導を行い、副団長に昇格したルナは若手の騎士達を相手に一人で戦っていた。この二人はテンとランファンと違って現役を退かず、これまで通りに聖女騎士団の団員として働く。
アリシアはエルフなので人間よりもずっと長く生きられるため、今後も聖女騎士団を支える事を決めた。ルナも古参の人間ではあるが、実は彼女の見た目と精神年齢が若々しい理由がルナにもエルフの血も流れている事が判明する。
二人以外の古参の騎士達は殆どが現役を退き、今は自分の道を歩んでいる。但し、中にはテンやランファンのように聖女騎士団の指導役として残った者も多く、その他の者も何かあればすぐに駆けつける事を約束して去っていった。
「へえっ……思っていたよりもやる気じゃないかい」
「当然です。貴女達が辞めたせいで聖女騎士団の戦力が激減したんです。だから、新入りは早く鍛え上げて戦力を補強する必要があるんです」
「いっその事、白狼騎士団の奴等もうちに入れたらどうだい?ヒイロもミイナも筋は良いよ」
「それは無理です、ダイダラボッチの件でヒイロは炎華を受け継ぎ、ナイさんが正式に王国騎士に選ばれたという事で現在の白狼騎士団には入団希望者が殺到しています」
「そういえばそうだったね」
「まさかヒイロが炎華に選ばれるとはな……」
ダイダラボッチとの戦いの後、ヒイロは炎華の力を使いこなせるようになっていた。最初の頃は炎華に触れるだけで彼女は眩暈を引き起こしていたが、ダイダラボッチとの戦闘で彼女は炎華に認められたらしく、何と彼女は正式に炎華を受け継ぐ。
テンとしてもまさか炎華がヒイロの手に渡る事になるとは思いもしなかったが、彼女の事はヒナやモモと同様に目を掛けていた存在なので嬉しく思う。本音を言えば炎華が王妃以外の人間を主として認めた事は複雑だが、それでもヒイロならば成長すればいずれは王妃のような立派な騎士に慣れると信じた。
「だんだんと若手も育っていくね……その内、あたし達も必要なくなるかもしれないね」
「その時が来たらどうする?」
「そうだね、あたしの場合はヒナに任せている白猫亭があるけど……あんた等は放っておくと何をしでかすか分からないからね。傭兵団でも作って楽しくやっていくかい?」
「それは……面白そうだな」
「それだけは辞めてください、世間で何と言われるか……」
聖女騎士団の古参の面子が傭兵団を結成すればどのような評判が立つのか分からず、団長としてアリシアは阻止しなければならなかった――
※ちなみに氷華はガロでは扱い切れないので王国に返却されました。
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