652 / 1,110
王都の異変
第641話 ドリスに迫る危機
しおりを挟む
「――ここですの?例の不審者を見かけたという場所は……」
「はい、発見したのはこの家に暮らす子爵家の使用人だそうです」
富豪区の管理を任されている金狼騎士団のドリスはとある貴族から連絡を受け、配下の騎士達を連れて移動してきた。彼女は子爵家の使用人が発見したという不審者の捜索を行う。
最近、富豪区では不審者の目撃情報が多発しており、その不審者は得体の知れない仮面を身に付けて富豪区を歩き回っているという。今の所は被害は確認されていないが、正体不明の不審者を見過ごす事は出来ず、ドリスは徹底的に調査を行う。
「では、この近辺を当たってみましょう。私は不審者を目撃した方と話して来ますわ」
「分かりました。我々は周辺の調査に出向くぞ!!」
「「「はっ!!」」」
ドリスの指示を受けた王国騎士達は即座に行動に移り、その様子を見てドリスは子爵家の屋敷に尋ねて不審者を目撃したといいう使用人から話を聞こうとした。だが、ここで彼女は敷地内に足を踏み込もうとした瞬間、異変に気付く。
「これは……!?」
「団長、どうかされました?」
「……何か嫌な気配がしますわ」
「えっ……」
敷地内に踏み込んだ瞬間、ドリスは嫌な予感を抱く。そして彼女は精神を集中させるように瞼を閉じる。
――ドリスは親衛隊のリンダから格闘技の指導を受けており、彼女が教える技術の中には「心眼」も含まれていた。リンダはナイと同じく「心眼」の使い手ではあるが、ナイの場合は度重なる戦闘を経て習得したのに対し、リンダの場合は鍛錬を積み重ねて得た技術である。
リンダやナイほどではないがドリスも「心眼」を扱え、彼女の抱いた違和感の正体を見抜く。それは敷地内に生えている樹木の陰に何者かが隠れていた。
「何者ですの!?」
「えっ!?」
「まさか、敵がっ!?」
ドリスは武器を構えると、そんな彼女の言葉に反応したかのように屋敷の敷地内のあちこちから人影が現れ、その人物達の姿格好を見てドリスも側近の騎士達も驚愕の表情を浮かべた。
「まさか、その仮面は……!?」
「そんな馬鹿な!?」
『…………』
――仮面で顔面を覆い隠した集団は無言のままドリス達に襲い掛かった。
「はい、発見したのはこの家に暮らす子爵家の使用人だそうです」
富豪区の管理を任されている金狼騎士団のドリスはとある貴族から連絡を受け、配下の騎士達を連れて移動してきた。彼女は子爵家の使用人が発見したという不審者の捜索を行う。
最近、富豪区では不審者の目撃情報が多発しており、その不審者は得体の知れない仮面を身に付けて富豪区を歩き回っているという。今の所は被害は確認されていないが、正体不明の不審者を見過ごす事は出来ず、ドリスは徹底的に調査を行う。
「では、この近辺を当たってみましょう。私は不審者を目撃した方と話して来ますわ」
「分かりました。我々は周辺の調査に出向くぞ!!」
「「「はっ!!」」」
ドリスの指示を受けた王国騎士達は即座に行動に移り、その様子を見てドリスは子爵家の屋敷に尋ねて不審者を目撃したといいう使用人から話を聞こうとした。だが、ここで彼女は敷地内に足を踏み込もうとした瞬間、異変に気付く。
「これは……!?」
「団長、どうかされました?」
「……何か嫌な気配がしますわ」
「えっ……」
敷地内に踏み込んだ瞬間、ドリスは嫌な予感を抱く。そして彼女は精神を集中させるように瞼を閉じる。
――ドリスは親衛隊のリンダから格闘技の指導を受けており、彼女が教える技術の中には「心眼」も含まれていた。リンダはナイと同じく「心眼」の使い手ではあるが、ナイの場合は度重なる戦闘を経て習得したのに対し、リンダの場合は鍛錬を積み重ねて得た技術である。
リンダやナイほどではないがドリスも「心眼」を扱え、彼女の抱いた違和感の正体を見抜く。それは敷地内に生えている樹木の陰に何者かが隠れていた。
「何者ですの!?」
「えっ!?」
「まさか、敵がっ!?」
ドリスは武器を構えると、そんな彼女の言葉に反応したかのように屋敷の敷地内のあちこちから人影が現れ、その人物達の姿格好を見てドリスも側近の騎士達も驚愕の表情を浮かべた。
「まさか、その仮面は……!?」
「そんな馬鹿な!?」
『…………』
――仮面で顔面を覆い隠した集団は無言のままドリス達に襲い掛かった。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
俺もクズだが悪いのはお前らだ!
レオナール D
ファンタジー
辺境伯家の跡継ぎであるディンギル・マクスウェル。
隣国との戦争ではいくつも手柄を上げ、内政にも明るく、寄子の貴族からの人望もある。
そんな順風満帆な人生を送る彼に、一つの転機が訪れた。
「ディンギル・マクスウェル! 貴様とセレナとの婚約を破棄させてもらう!」
円満だと思っていた婚約者が、実は王太子と浮気をしていた。
おまけにその馬鹿王子はマクスウェル家のことをさんざん侮辱してきて・・・
よし、いいだろう。受けて立ってやる。
自分が誰にケンカを売ったか教えてやる!
「俺もクズだが、悪いのはお前らだ!!」
婚約破棄から始まった大騒動。それは、やがて王国の根幹を揺るがす大事件へと発展していき、隣国までも巻き込んでいく!
クズがクズを打ち倒す、婚約破棄から始まる英雄譚!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる