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王都の異変
第628話 黄金冒険者との協力
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「それじゃあ、僕達と一緒に行こうよ!!ここから先は危険みたいだし、一緒に行動した方が良いよ!!」
「え?いいの?」
『メダルを与えられた実力者なら私達も不満はない』
『うむっ!!我も構わんぞ!!』
リーナ達はナイと行動を共にする事は不満はないらしく、この状況下で黄金冒険者三名と合流し、共に行動できるのは心強かった。
「本当にいいのですか?私達と合流して……」
「勿論だよ!!でも、私達は今から森に入るんだけど……」
「何!?夜の間に進むのか?」
『うむ、依頼人が一刻も早く樹石を欲しがっているそうでな。このまま俺達は先へ進む、よくよく考えたらオークを喰っている暇もなかったな』
『帰りにここに戻るんだからその時に食べればいいと思う』
『なるほど、その手があったか!!』
「あ、あの……どうしてマリンさんは筆談なんですか?」
ここでナイは先ほどからマリンだけが水晶板を利用した筆談で話している事に疑問を抱くと、彼の質問にリーナとゴウカはマリンに視線を向けると、彼女は文字を書き込む。
『私は話す事ができ9ない』
「えっ……喋れないんですか?」
『そういうわけじゃないけど、他の人に声を聞かれたらまずい理由がある』
「理由?それって……」
『それも教える事はできない』
「あ、そうなんですか……分かりました」
「と、とりあえずは時間がないのであれば先に進みましょうか」
マリンの返答の文章を確認してこれ以上に彼女が話せない理由を聞くのは無理だと判断し、先へ進む事を専念する。これ以上に執拗に聞いてマリンの機嫌を損ねれば共に行動する事も難しい。
ナイ達は改めてリーナ達と共に出発の準備を整え、ここから先は乗り物を使っての移動はできなかった。ゴウカをここまで運んできた巨大牛はここへ残し、彼はオークの死骸を他の奴に取られない様にしっかりと見張るように注意する。
『ギュウカク、俺のオークをしっかりと守っているんだぞ!!いいな?』
「ブフゥッ!!」
「ギュウカク?それが名前なんですか?」
「この牛は……巨人国に生息する魔物だな。俺も子供の頃に見た事があるが、こんなに大きい奴は初めて見たぞ」
『はっはっはっ!!それはそうだろう、こいつは突然変異でここまで大きくなったからな!!』
ゴウカが従える牛型の魔獣はギュウカクという名前らしく、ゴウカの命令を受けてこの場で待機する。ゴウカが不在の間は倒したオークの死骸はギュウカクがしっかりと奪われない様に守るらしく、後で帰って来た時に忘れずに回収するつもりらしい。
『よし、では行くぞ!!しっかりと俺についてくるのだぞ!!』
「あ、待ってください!!無暗に森の中を歩き回るのは危険です、ここは森人族である私に先頭を行かせてください!!」
「エルマさんは前にもこの森に立ち寄った事があるんです。だから道案内はエルマさんに任せた方が良いと思います」
『ほう、それは心強いな!!では任せたぞ!!』
「ビャクもここで待っててね」
「ウォンッ……」
エルマが先行する事に対してゴウカはあっさりと承諾し、他の二人も反対しない。こうしてナイ達は黄金冒険者三名と共に深淵の森へと入り、奥地に生息するはずの魔樹の捜索を開始した――
――夜の森の中を突き進む際中、ナイ達はランタンを手に進む。本当なら暗い森の中で灯りを付けて進むと他の魔物に勘付かれる可能性は高いのだが、事態は一刻も争う。
冒険者達に王国側が依頼し、早急に樹石の回収を命じる時点でマホの容体は悪化しているのだと考えられた。それを考慮してナイ達は急ぎ足で森の中を突き進むが、先行していたエルマは以前に訪れた時よりも森の雰囲気が変化している事に気付く。
「この場所は……やはり、私が前に来た時よりも嫌な雰囲気を感じますね」
「何か変わっていますか?」
「前の時よりも森の中に感じられる気配が明らかに増えています。何処を歩いてもまるで生き物に囲まれているような……そんな錯覚に陥ります」
「だが、今の所は魔物は見かけないぞ?」
ゴンザレスの言う通りにナイ達が森の中に入ってからそれなりの時間は経過しているが、未だに魔物とは遭遇しておらず、一度も戦闘を行わずに順調に進んでいた。
恐らく魔物が襲ってこない理由はナイ達と同行しているゴウカが関わっており、彼の放つ猛獣のような気配を感じた魔物達は怯えて近付こうともしない。しかし、周囲から気配が消えないという事は魔物達もナイ達の動向を監視しているらしい。
『全く、腰抜けどもめ……襲ってくるのならばさっさと襲ってこい!!』
『別に襲ってこないのなら無視すればいい。私達の目的はあくまでも樹石の回収……余計な戦闘は避けるべき』
『むうっ、つまらんぞ!!こんな場所にまで来たのに戦わずに帰るのか!?』
「ゴウカさん、落ち着いて……きっと、ゴウカさんにも怯えない魔物だっているよ」
「そうですね、油断せずに先に進みましょう」
ゴウカは魔物が現れない事に不安を抱く、今のナイ達に魔物に襲われずに先に進めるというのは都合が良かった。この調子で森の奥地まで戦闘を避けて進めるかと思われた時、エルマの足が止まる。
「え?いいの?」
『メダルを与えられた実力者なら私達も不満はない』
『うむっ!!我も構わんぞ!!』
リーナ達はナイと行動を共にする事は不満はないらしく、この状況下で黄金冒険者三名と合流し、共に行動できるのは心強かった。
「本当にいいのですか?私達と合流して……」
「勿論だよ!!でも、私達は今から森に入るんだけど……」
「何!?夜の間に進むのか?」
『うむ、依頼人が一刻も早く樹石を欲しがっているそうでな。このまま俺達は先へ進む、よくよく考えたらオークを喰っている暇もなかったな』
『帰りにここに戻るんだからその時に食べればいいと思う』
『なるほど、その手があったか!!』
「あ、あの……どうしてマリンさんは筆談なんですか?」
ここでナイは先ほどからマリンだけが水晶板を利用した筆談で話している事に疑問を抱くと、彼の質問にリーナとゴウカはマリンに視線を向けると、彼女は文字を書き込む。
『私は話す事ができ9ない』
「えっ……喋れないんですか?」
『そういうわけじゃないけど、他の人に声を聞かれたらまずい理由がある』
「理由?それって……」
『それも教える事はできない』
「あ、そうなんですか……分かりました」
「と、とりあえずは時間がないのであれば先に進みましょうか」
マリンの返答の文章を確認してこれ以上に彼女が話せない理由を聞くのは無理だと判断し、先へ進む事を専念する。これ以上に執拗に聞いてマリンの機嫌を損ねれば共に行動する事も難しい。
ナイ達は改めてリーナ達と共に出発の準備を整え、ここから先は乗り物を使っての移動はできなかった。ゴウカをここまで運んできた巨大牛はここへ残し、彼はオークの死骸を他の奴に取られない様にしっかりと見張るように注意する。
『ギュウカク、俺のオークをしっかりと守っているんだぞ!!いいな?』
「ブフゥッ!!」
「ギュウカク?それが名前なんですか?」
「この牛は……巨人国に生息する魔物だな。俺も子供の頃に見た事があるが、こんなに大きい奴は初めて見たぞ」
『はっはっはっ!!それはそうだろう、こいつは突然変異でここまで大きくなったからな!!』
ゴウカが従える牛型の魔獣はギュウカクという名前らしく、ゴウカの命令を受けてこの場で待機する。ゴウカが不在の間は倒したオークの死骸はギュウカクがしっかりと奪われない様に守るらしく、後で帰って来た時に忘れずに回収するつもりらしい。
『よし、では行くぞ!!しっかりと俺についてくるのだぞ!!』
「あ、待ってください!!無暗に森の中を歩き回るのは危険です、ここは森人族である私に先頭を行かせてください!!」
「エルマさんは前にもこの森に立ち寄った事があるんです。だから道案内はエルマさんに任せた方が良いと思います」
『ほう、それは心強いな!!では任せたぞ!!』
「ビャクもここで待っててね」
「ウォンッ……」
エルマが先行する事に対してゴウカはあっさりと承諾し、他の二人も反対しない。こうしてナイ達は黄金冒険者三名と共に深淵の森へと入り、奥地に生息するはずの魔樹の捜索を開始した――
――夜の森の中を突き進む際中、ナイ達はランタンを手に進む。本当なら暗い森の中で灯りを付けて進むと他の魔物に勘付かれる可能性は高いのだが、事態は一刻も争う。
冒険者達に王国側が依頼し、早急に樹石の回収を命じる時点でマホの容体は悪化しているのだと考えられた。それを考慮してナイ達は急ぎ足で森の中を突き進むが、先行していたエルマは以前に訪れた時よりも森の雰囲気が変化している事に気付く。
「この場所は……やはり、私が前に来た時よりも嫌な雰囲気を感じますね」
「何か変わっていますか?」
「前の時よりも森の中に感じられる気配が明らかに増えています。何処を歩いてもまるで生き物に囲まれているような……そんな錯覚に陥ります」
「だが、今の所は魔物は見かけないぞ?」
ゴンザレスの言う通りにナイ達が森の中に入ってからそれなりの時間は経過しているが、未だに魔物とは遭遇しておらず、一度も戦闘を行わずに順調に進んでいた。
恐らく魔物が襲ってこない理由はナイ達と同行しているゴウカが関わっており、彼の放つ猛獣のような気配を感じた魔物達は怯えて近付こうともしない。しかし、周囲から気配が消えないという事は魔物達もナイ達の動向を監視しているらしい。
『全く、腰抜けどもめ……襲ってくるのならばさっさと襲ってこい!!』
『別に襲ってこないのなら無視すればいい。私達の目的はあくまでも樹石の回収……余計な戦闘は避けるべき』
『むうっ、つまらんぞ!!こんな場所にまで来たのに戦わずに帰るのか!?』
「ゴウカさん、落ち着いて……きっと、ゴウカさんにも怯えない魔物だっているよ」
「そうですね、油断せずに先に進みましょう」
ゴウカは魔物が現れない事に不安を抱く、今のナイ達に魔物に襲われずに先に進めるというのは都合が良かった。この調子で森の奥地まで戦闘を避けて進めるかと思われた時、エルマの足が止まる。
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