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ゴブリンキングの脅威
第414話 サンドワームの捜索
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――ハマーンに頼まれたナイはすぐに準備を整えると、ビャクと共に外に赴く。二人切りで外に出るのは久しぶりであり、王都に辿り着いた時からナイは他の誰かと行動を共にすること多くなった事に気づく。
少し前まではビャクと二人だけで旅を行っていたが、今は何処に行くにしても他の人間と行動を共にすることが多い。だが、今回のサンドワームの捜索に関しては他の誰も手伝おうとはせず、むしろ避けられてしまった。
『わ、悪いね……用事を思い出したから私は帰るよ』
『ご、ごめんなナイ君……でも、私どうしてもミミズは苦手で……』
『ナ、ナイ君のためなら……ううっ、でもミミズはちょっと……けど、ナイ君を手伝いたい……』
『いや、無理しなくていいよ……』
女性陣はどうやらサンドワームの外見を見て怖気づいたらしく、どうしても今回の捜索に手伝えそうになかった。別にナイも無理強いするつもりはなく、そもそも今回の頼み事はナイがハマーンから新しい魔石を受け取るための条件なのだから他の人間に手伝いを頼むのは図々しいと思った。
ビャクを同行させたのはサンドワームの捜索には彼の鼻が頼りであり、草原を移動しながらナイはサンドワームの臭いを探らせる。
「ビャク、どう?サンドワームが何処に居るのか分かる?」
「スンスンッ……ウォンッ!!」
「あっち?あっちにいるの?」
草原に出た途端にビャクは何か臭いを嗅ぎつけたらしく、臭いを辿りながら移動を行う。火竜という脅威が消え去った影響か、少し前までは草原には全く魔物の姿は見えなかったのに現在はちらほらとだが魔物達の姿が見えた。
「フゴッ……フゴォッ……!!」
「あ、ボアだ……襲い掛かってくる様子はないな、無視しよう」
「ウォンッ」
ナイは途中でボアを見かけたが、今回の目的はボアではないので無視を行う。だが、この時にボアはナイ達に気付くと、まるで何かに怯える様に去ってしまう。
「フゴォッ!?フゴゴッ……!!」
「あれ?逃げた……ビャク、何かした?」
「クゥ~ンッ?」
特に脅かしたわけでもないのにボアはナイ達を確認すると逃げ出してしまい、その様子を見てナイは不思議に思う。最初は白狼種であるビャクを見て驚いたのかと思ったが、それにしては様子がおかしかった。
不思議に思ったナイ達は逃げ去るボアを見送ると、この時に突如として地面に振動が走り、最初は地震かと思った。だが、すぐにビャクの足元の地面が盛り上がり、危険を察したナイはビャクに逃げるように促す。
「ビャク!!離れろっ!!」
「ウォンッ!?」
ビャクは命令通りに跳躍して距離を取ると、盛り上がった地面から巨大な土気色のミミズが出現した。その大きさは人間の大人さえも一飲みできそうな大きさであり、ボアが逃げ出したのはこの魔物のせいだと判明した。
「ギュルルルッ!!」
「グルルルッ……!!」
「まさか、こいつがサンドワーム!?」
想像以上の大きさのサンドワームを見てナイは動揺を隠せず、ビャクも警戒する様に唸り声を上げた。その一方でサンドワームの方は体をくねらせて地上に出現すると、ナイ達に顔を向けた。
サンドワームは眼球はないが優れた触覚と嗅覚で他の生物の位置を探り、ナイ達の存在に気が付く。サンドワームを発見したナイはハマーンに言われた通り、袋からサンドワームの好物を取り出す。
『サンドワームは餌を与えると大人しくなる。あいつらは普段は土砂や鉱石を喰らうが、魔物の肉も食べる。但し、食いすぎると胆石を吐き出すからそいつを回収してくれ』
ハマーンに言われた通りにナイは事前にサンドワームのために餌を用意しており、オークを焼いた骨付き肉を用意していた。ナイは荷物から骨付き肉を取り出すと、それをサンドワームに渡す。
「ほら、食べなよ……俺達は敵じゃないよ」
「ギュルルッ……?」
「クゥ~ンッ……」
ビャクの背中からナイはサンドワームに骨付き肉を差し出すと、サンドワームは不思議そうに顔を近づけ、口元から大量の涎を垂らす。近づくとかなり刺激臭を誇り、ビャクは嫌そうな表情を浮かべた。
最初は警戒するように口元を引く尽かせて近寄ろうとしなかったが、食欲に負けてサンドワームはナイの骨付き肉に嚙り付き、骨ごと丸のみにする。しばらくの間は咀嚼していたが、やがて身体が震え出すと地面に黒い石のような塊を吐き出す。
「ギュルルッ……!!」
「うわっ……」
「ク、クゥンッ……」
胆石を吐き出した後にサンドワームはお礼のつもりなのか、別れ際にナイとビャクに頬ずりを行う。強い刺激臭を間近に浴びて二人は顔をしかめるが、サンドワームは満足したのか地中に帰る。
「ふうっ……良かった。でも、水浴びしてから帰らないとね」
「ウォンッ……」
無事に胆石の回収に成功したナイ達だったが、サンドワームの刺激臭が身体に擦り着いてしまい、王都に戻る前に臭いを落とすため川が流れている場所へ向かう――
少し前まではビャクと二人だけで旅を行っていたが、今は何処に行くにしても他の人間と行動を共にすることが多い。だが、今回のサンドワームの捜索に関しては他の誰も手伝おうとはせず、むしろ避けられてしまった。
『わ、悪いね……用事を思い出したから私は帰るよ』
『ご、ごめんなナイ君……でも、私どうしてもミミズは苦手で……』
『ナ、ナイ君のためなら……ううっ、でもミミズはちょっと……けど、ナイ君を手伝いたい……』
『いや、無理しなくていいよ……』
女性陣はどうやらサンドワームの外見を見て怖気づいたらしく、どうしても今回の捜索に手伝えそうになかった。別にナイも無理強いするつもりはなく、そもそも今回の頼み事はナイがハマーンから新しい魔石を受け取るための条件なのだから他の人間に手伝いを頼むのは図々しいと思った。
ビャクを同行させたのはサンドワームの捜索には彼の鼻が頼りであり、草原を移動しながらナイはサンドワームの臭いを探らせる。
「ビャク、どう?サンドワームが何処に居るのか分かる?」
「スンスンッ……ウォンッ!!」
「あっち?あっちにいるの?」
草原に出た途端にビャクは何か臭いを嗅ぎつけたらしく、臭いを辿りながら移動を行う。火竜という脅威が消え去った影響か、少し前までは草原には全く魔物の姿は見えなかったのに現在はちらほらとだが魔物達の姿が見えた。
「フゴッ……フゴォッ……!!」
「あ、ボアだ……襲い掛かってくる様子はないな、無視しよう」
「ウォンッ」
ナイは途中でボアを見かけたが、今回の目的はボアではないので無視を行う。だが、この時にボアはナイ達に気付くと、まるで何かに怯える様に去ってしまう。
「フゴォッ!?フゴゴッ……!!」
「あれ?逃げた……ビャク、何かした?」
「クゥ~ンッ?」
特に脅かしたわけでもないのにボアはナイ達を確認すると逃げ出してしまい、その様子を見てナイは不思議に思う。最初は白狼種であるビャクを見て驚いたのかと思ったが、それにしては様子がおかしかった。
不思議に思ったナイ達は逃げ去るボアを見送ると、この時に突如として地面に振動が走り、最初は地震かと思った。だが、すぐにビャクの足元の地面が盛り上がり、危険を察したナイはビャクに逃げるように促す。
「ビャク!!離れろっ!!」
「ウォンッ!?」
ビャクは命令通りに跳躍して距離を取ると、盛り上がった地面から巨大な土気色のミミズが出現した。その大きさは人間の大人さえも一飲みできそうな大きさであり、ボアが逃げ出したのはこの魔物のせいだと判明した。
「ギュルルルッ!!」
「グルルルッ……!!」
「まさか、こいつがサンドワーム!?」
想像以上の大きさのサンドワームを見てナイは動揺を隠せず、ビャクも警戒する様に唸り声を上げた。その一方でサンドワームの方は体をくねらせて地上に出現すると、ナイ達に顔を向けた。
サンドワームは眼球はないが優れた触覚と嗅覚で他の生物の位置を探り、ナイ達の存在に気が付く。サンドワームを発見したナイはハマーンに言われた通り、袋からサンドワームの好物を取り出す。
『サンドワームは餌を与えると大人しくなる。あいつらは普段は土砂や鉱石を喰らうが、魔物の肉も食べる。但し、食いすぎると胆石を吐き出すからそいつを回収してくれ』
ハマーンに言われた通りにナイは事前にサンドワームのために餌を用意しており、オークを焼いた骨付き肉を用意していた。ナイは荷物から骨付き肉を取り出すと、それをサンドワームに渡す。
「ほら、食べなよ……俺達は敵じゃないよ」
「ギュルルッ……?」
「クゥ~ンッ……」
ビャクの背中からナイはサンドワームに骨付き肉を差し出すと、サンドワームは不思議そうに顔を近づけ、口元から大量の涎を垂らす。近づくとかなり刺激臭を誇り、ビャクは嫌そうな表情を浮かべた。
最初は警戒するように口元を引く尽かせて近寄ろうとしなかったが、食欲に負けてサンドワームはナイの骨付き肉に嚙り付き、骨ごと丸のみにする。しばらくの間は咀嚼していたが、やがて身体が震え出すと地面に黒い石のような塊を吐き出す。
「ギュルルッ……!!」
「うわっ……」
「ク、クゥンッ……」
胆石を吐き出した後にサンドワームはお礼のつもりなのか、別れ際にナイとビャクに頬ずりを行う。強い刺激臭を間近に浴びて二人は顔をしかめるが、サンドワームは満足したのか地中に帰る。
「ふうっ……良かった。でも、水浴びしてから帰らないとね」
「ウォンッ……」
無事に胆石の回収に成功したナイ達だったが、サンドワームの刺激臭が身体に擦り着いてしまい、王都に戻る前に臭いを落とすため川が流れている場所へ向かう――
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