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王都での騒動
第250話 公爵のお詫び
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「おっと、話が随分と脱線してしまったな。君を呼び出したのはミノタウロスの討伐をしてくれたお礼と、それと迷惑をかけたお詫びをしたいと思っていたんだ」
「お詫び、ですか?」
「うむ、君のお陰で被害は最小限に抑えられた。だから俺の叶えられる範囲ならばどんな願いでも叶えてやろうと思ってな……というわけで、何か望みはないか?」
「えっ……」
急に願い事を言えと言われてもナイは困るが、アッシュとしてもナイをこのまま手ぶらで返すわけにはいかず、腕を組みながら笑顔を浮かべる。
「遠慮する事はないぞ、こう見えても俺は公爵だからな!!闘技場の経営でそれなりに儲かっているからな、宝石でも金でも武器でも防具でも大抵の物は何でも用意できるぞ!!」
「そういわれても……あっ」
「ほう、何か思いついたか?」
アッシュの言葉を聞いてナイはある事を思いつき、その態度を見てアッシュはどんな物を望むのかと思った時、ここでナイは予想外の物を要求してきた。
「それじゃあ……この城下町で一番おいしいお菓子をお土産に持って帰りたいんですけど」
「…………お菓子?今、お菓子と言ったか?」
「はい、うちの宿屋……女の子ばっかりなのでそういうお土産を喜んでくれるので」
ナイの言葉にアッシュは唖然とした表情を浮かべ、兵士達も愕然とした表情を浮かべる。普通の人間ならば公爵家の人間にお礼でどんな望みでも叶えると言われ、それをお土産用のお菓子を頼み込むなど有り得ない。
しかし、ナイとしては別に今の所は金銭面に困ってはおらず、むしろ今日はモモの案内で彼女が行きつけのお菓子屋に案内させてもらう予定だった。だから彼女のために王都で一番のお菓子を送り届けようと考えた。
「お、お菓子か……ふむ、俺はそういうのはあんまり食わないからよく分からんが、おい!!お前達、この王都で一番美味しいお菓子とはなんだ?」
「はっ!?い、いや……私は甘い物は苦手なので」
「食べ過ぎて太ると仕事に影響があるので最近はそういう物はあまり……」
「何だと!?では今すぐに街中のお菓子屋へ行って一番美味しいお菓子を調べてこい!!」
「「「は、はいっ!!」」」
「あ、別にそんなに無理をしなくても……」
予想外のアッシュの命令に兵士達は慌てて屋敷の外へ駆け出し、まさか街中のお菓子屋を調べるとは思わずにナイは慌てて止めようとしたが、それをアッシュは制した。
「大丈夫だ、俺の配下は命じられた事は必ず果たすからな。奴等ならばこの王都で一番美味しいお菓子を探し出してくるだろう。それよりも君と話したい事がある、とりあえずは中に入ってくれるか?こんな所で立ち話はなんだからな……」
今更ながらにアッシュはナイを屋敷の中に招き入れ、とりあえずは彼が怒っているわけではないと知ったナイは安心した――
――時刻は既に昼を迎えていた事も有り、ナイはアッシュの計らいで食事を共にする事にした。貴族の食事のマナーなど知らないナイは不安を抱いたが、アッシュはそれを考慮してくれてからナイの好きなように食べる様に促す。
「あ、凄く美味しいです!!」
「ははは、そうだろうそうだろう!!我が屋敷に仕える料理人《コック》は一流揃いだからな!!」
「お褒め頂き、誠にありがとうございます」
食事の際は食堂には大勢の使用人と執事らしき男が待機しており、その中には料理を用意してくれた料理人も混じっていた。ナイに用意された食事はどれも非常に美味しく、絶品だった。
白猫亭のテンが作る料理も美味しいが、公爵家の食事となると食材はどれも一級品ばかりであり、それを調理する料理人も一流揃いである。ナイは今までに食べた事もない料理も多く、それらを楽しく味わいながらも改めてアッシュは話しかけてきた。
「さて……食事をしながらでも構わない。さっきは話し忘れたが、実は君を呼び出した理由はもう一つある」
「えっ……?」
ナイがこの場所に呼び出されたのはミノタウロスを討伐した事に関するお詫びのためだと思っていたが、アッシュによるともう一つ確認したいことがあるという。
「実は先日、バッシュ王子からバーリとやらの商人の屋敷に現れたガーゴイルを倒した少年の話を聞いていてな。その少年の名前が君と同じである事を思い出してな……間違いないか?」
「あ、はい。それは僕だと思います」
「ふむ……やはりそうか」
アッシュがナイを呼び出したもう一つの理由、それは先日にバーリの屋敷で起きた事件を解決した少年と同名であり、しかもガーゴイルを倒せる程の実力者ならばミノタウロスを倒せたとしてもおかしくはない。
屋敷へ呼び出す前からアッシュはナイが先日の事件の解決者だと予想はしていた。そして本人から直接確認を取ったアッシュは頷くと、真剣な表情を浮かべてナイに話しかける。
「お詫び、ですか?」
「うむ、君のお陰で被害は最小限に抑えられた。だから俺の叶えられる範囲ならばどんな願いでも叶えてやろうと思ってな……というわけで、何か望みはないか?」
「えっ……」
急に願い事を言えと言われてもナイは困るが、アッシュとしてもナイをこのまま手ぶらで返すわけにはいかず、腕を組みながら笑顔を浮かべる。
「遠慮する事はないぞ、こう見えても俺は公爵だからな!!闘技場の経営でそれなりに儲かっているからな、宝石でも金でも武器でも防具でも大抵の物は何でも用意できるぞ!!」
「そういわれても……あっ」
「ほう、何か思いついたか?」
アッシュの言葉を聞いてナイはある事を思いつき、その態度を見てアッシュはどんな物を望むのかと思った時、ここでナイは予想外の物を要求してきた。
「それじゃあ……この城下町で一番おいしいお菓子をお土産に持って帰りたいんですけど」
「…………お菓子?今、お菓子と言ったか?」
「はい、うちの宿屋……女の子ばっかりなのでそういうお土産を喜んでくれるので」
ナイの言葉にアッシュは唖然とした表情を浮かべ、兵士達も愕然とした表情を浮かべる。普通の人間ならば公爵家の人間にお礼でどんな望みでも叶えると言われ、それをお土産用のお菓子を頼み込むなど有り得ない。
しかし、ナイとしては別に今の所は金銭面に困ってはおらず、むしろ今日はモモの案内で彼女が行きつけのお菓子屋に案内させてもらう予定だった。だから彼女のために王都で一番のお菓子を送り届けようと考えた。
「お、お菓子か……ふむ、俺はそういうのはあんまり食わないからよく分からんが、おい!!お前達、この王都で一番美味しいお菓子とはなんだ?」
「はっ!?い、いや……私は甘い物は苦手なので」
「食べ過ぎて太ると仕事に影響があるので最近はそういう物はあまり……」
「何だと!?では今すぐに街中のお菓子屋へ行って一番美味しいお菓子を調べてこい!!」
「「「は、はいっ!!」」」
「あ、別にそんなに無理をしなくても……」
予想外のアッシュの命令に兵士達は慌てて屋敷の外へ駆け出し、まさか街中のお菓子屋を調べるとは思わずにナイは慌てて止めようとしたが、それをアッシュは制した。
「大丈夫だ、俺の配下は命じられた事は必ず果たすからな。奴等ならばこの王都で一番美味しいお菓子を探し出してくるだろう。それよりも君と話したい事がある、とりあえずは中に入ってくれるか?こんな所で立ち話はなんだからな……」
今更ながらにアッシュはナイを屋敷の中に招き入れ、とりあえずは彼が怒っているわけではないと知ったナイは安心した――
――時刻は既に昼を迎えていた事も有り、ナイはアッシュの計らいで食事を共にする事にした。貴族の食事のマナーなど知らないナイは不安を抱いたが、アッシュはそれを考慮してくれてからナイの好きなように食べる様に促す。
「あ、凄く美味しいです!!」
「ははは、そうだろうそうだろう!!我が屋敷に仕える料理人《コック》は一流揃いだからな!!」
「お褒め頂き、誠にありがとうございます」
食事の際は食堂には大勢の使用人と執事らしき男が待機しており、その中には料理を用意してくれた料理人も混じっていた。ナイに用意された食事はどれも非常に美味しく、絶品だった。
白猫亭のテンが作る料理も美味しいが、公爵家の食事となると食材はどれも一級品ばかりであり、それを調理する料理人も一流揃いである。ナイは今までに食べた事もない料理も多く、それらを楽しく味わいながらも改めてアッシュは話しかけてきた。
「さて……食事をしながらでも構わない。さっきは話し忘れたが、実は君を呼び出した理由はもう一つある」
「えっ……?」
ナイがこの場所に呼び出されたのはミノタウロスを討伐した事に関するお詫びのためだと思っていたが、アッシュによるともう一つ確認したいことがあるという。
「実は先日、バッシュ王子からバーリとやらの商人の屋敷に現れたガーゴイルを倒した少年の話を聞いていてな。その少年の名前が君と同じである事を思い出してな……間違いないか?」
「あ、はい。それは僕だと思います」
「ふむ……やはりそうか」
アッシュがナイを呼び出したもう一つの理由、それは先日にバーリの屋敷で起きた事件を解決した少年と同名であり、しかもガーゴイルを倒せる程の実力者ならばミノタウロスを倒せたとしてもおかしくはない。
屋敷へ呼び出す前からアッシュはナイが先日の事件の解決者だと予想はしていた。そして本人から直接確認を取ったアッシュは頷くと、真剣な表情を浮かべてナイに話しかける。
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