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王都での騒動
第224話 王国騎士の尊厳のため
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「本来であれば御二人の失態は見過ごせませんが……偶然とはいえ、バーリという商人の悪事を暴く事が出来ました。ついでにバーリと繋がっていた闇組織の壊滅にも成功したようですね」
「まあ、そっちはあたしがやったんだけどね」
「既に世間では今回の騒動が王国騎士の作戦でバーリとやらを捕縛し、王都内に侵入した魔物の討伐を果たしたと伝えてある。実際にそこの二人もガーゴイルの討伐に貢献はしているとなれば、今回だけは処罰を保留としよう」
「あ、ありがとうございます!!」
「もう捕まったりしな……しません」
ミイナとヒイロは自分達の処罰が保留となった事に喜ぶが、その言葉を聞いていたオウソウは信じられない表情を浮かべて抗議を行う。
「お待ちください!!この二人は我々王国騎士の尊厳を失いかねない行為をしたのですよ!!本来ならば厳罰、いや位を剥奪してもおかしくはない愚行ではないのですか!?」
「オウソウ、静かにしなさい。いったい誰が貴方の発言を許したのですか?」
「し、しかし……!!」
ドリスは睨みつけるとオウソウはたじろぐが、そんな彼の態度に対してリンはため息を吐き出し、まずは誤解を解いてやる事にした。
「勘違いするな、あくまでも保留だ。今回の失態を許したわけではない、もしも次に二人が王国騎士にあるまじき失態を犯した場合……その時は覚悟して貰おう」
「は、はい……!!」
「……気を付けます」
リンが目つきを鋭くさせてヒイロとミイナに視線を向けると、彼女達はその迫力に気圧される。先ほどまでとは雰囲気が一変し、今の彼女は圧倒的な威圧感を放つ。オウソウの方もリンの迫力に気圧されてそれ以上は何も言えなかった。
今回のヒイロとミイナの失態は簡単には許されず、彼女達が功績を上げなければいずれ処罰は下される事を暗に示し、改めてリンはナイに話しかける。
「さて、脱線してしまってすまない。今日、君を呼び出した理由は二つの理由がある」
「二つ、ですか?」
「まず一つ目の理由は君が昨日の一件を誰にも話さない事を約束して欲しい。誰であろうと、どんな理由があったとしても昨日の出来事は隠し通して欲しい。無論、一方的にこんな事を言われても納得はできないだろう。だからこそ我々が叶えられる範囲の願いを聞き入れよう」
「願い?」
「要するに口止め料を払うからあんたに今回の件は話して貰いたくはないという事さ」
「その言い方は誤解を招くと思いますが……」
リンの言葉にテンが補足すると、ナイはいきなりそんな事を言われても困る。要約すると昨日の出来事の口止め料として彼女達が叶えられる範囲の願いを聞くらしいが、その答えをナイが告げる前にリンはもう一つの理由を伝えた。
「二つ目の理由……それは君が持っていた装備品の事だ」
「えっ?」
「そう、君を保護した時に装備品の類は預かったが、その中にどうしても説明して貰いたい物があった。それが……この盾だ」
「それは……!?」
――リンが部屋の隅に待機している騎士に視線を向けると、騎士はすぐに机の上に円盤型の盾を置き、それを見たナイはゴマンから受け取った盾である事に気付く。
この盾はかつてゴマンから借り受けた代物であり、何でも彼の家系に代々伝わる国宝らしいが、それをナイが持っている事にリンは疑問を抱く。
「まあ、そっちはあたしがやったんだけどね」
「既に世間では今回の騒動が王国騎士の作戦でバーリとやらを捕縛し、王都内に侵入した魔物の討伐を果たしたと伝えてある。実際にそこの二人もガーゴイルの討伐に貢献はしているとなれば、今回だけは処罰を保留としよう」
「あ、ありがとうございます!!」
「もう捕まったりしな……しません」
ミイナとヒイロは自分達の処罰が保留となった事に喜ぶが、その言葉を聞いていたオウソウは信じられない表情を浮かべて抗議を行う。
「お待ちください!!この二人は我々王国騎士の尊厳を失いかねない行為をしたのですよ!!本来ならば厳罰、いや位を剥奪してもおかしくはない愚行ではないのですか!?」
「オウソウ、静かにしなさい。いったい誰が貴方の発言を許したのですか?」
「し、しかし……!!」
ドリスは睨みつけるとオウソウはたじろぐが、そんな彼の態度に対してリンはため息を吐き出し、まずは誤解を解いてやる事にした。
「勘違いするな、あくまでも保留だ。今回の失態を許したわけではない、もしも次に二人が王国騎士にあるまじき失態を犯した場合……その時は覚悟して貰おう」
「は、はい……!!」
「……気を付けます」
リンが目つきを鋭くさせてヒイロとミイナに視線を向けると、彼女達はその迫力に気圧される。先ほどまでとは雰囲気が一変し、今の彼女は圧倒的な威圧感を放つ。オウソウの方もリンの迫力に気圧されてそれ以上は何も言えなかった。
今回のヒイロとミイナの失態は簡単には許されず、彼女達が功績を上げなければいずれ処罰は下される事を暗に示し、改めてリンはナイに話しかける。
「さて、脱線してしまってすまない。今日、君を呼び出した理由は二つの理由がある」
「二つ、ですか?」
「まず一つ目の理由は君が昨日の一件を誰にも話さない事を約束して欲しい。誰であろうと、どんな理由があったとしても昨日の出来事は隠し通して欲しい。無論、一方的にこんな事を言われても納得はできないだろう。だからこそ我々が叶えられる範囲の願いを聞き入れよう」
「願い?」
「要するに口止め料を払うからあんたに今回の件は話して貰いたくはないという事さ」
「その言い方は誤解を招くと思いますが……」
リンの言葉にテンが補足すると、ナイはいきなりそんな事を言われても困る。要約すると昨日の出来事の口止め料として彼女達が叶えられる範囲の願いを聞くらしいが、その答えをナイが告げる前にリンはもう一つの理由を伝えた。
「二つ目の理由……それは君が持っていた装備品の事だ」
「えっ?」
「そう、君を保護した時に装備品の類は預かったが、その中にどうしても説明して貰いたい物があった。それが……この盾だ」
「それは……!?」
――リンが部屋の隅に待機している騎士に視線を向けると、騎士はすぐに机の上に円盤型の盾を置き、それを見たナイはゴマンから受け取った盾である事に気付く。
この盾はかつてゴマンから借り受けた代物であり、何でも彼の家系に代々伝わる国宝らしいが、それをナイが持っている事にリンは疑問を抱く。
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